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ルーム紹介
このお部屋は
http://chat.luvul.net/ChatRoom?room_id=155700
の多目的部屋です。

基本的には本部屋を利用していただく形になりますが

本部屋が状況的に飛び込みが難しい場合や、本部屋を長く占領してしまう恐れのある物語を紡ぐ時など
タグ、参加人数を絞ってルームリストにも表示しない設定にしてあるので必要に応じて利用してください。

ルールは本部屋に従ってください。

利用者は掲示板確認の上ご利用ください!
【ルール、世界観など掲示板】
http://rosahl-home.bbs.fc2.com/

【本部屋】
http://chat.luvul.net/ChatRoom?room_id=155700
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おしらせエルソフィ♀司書官さん(203.165.***.116)が退室しました。  (2020/12/15 17:52:34)

エルソフィ♀司書官【以上にて。お部屋ありがとうございました。】   (2020/12/15 17:52:30)

エルソフィ♀司書官私たちのこと、信じてくれて……ありがとう。(――愛しき水都。そこに生きる全てのひとを護ること。)   (2020/12/15 17:52:23)

エルソフィ♀司書官――(そうだよね、皆。最後まで闘うのなら、最後まで生きないと。)――天軍よ。穢れを祓いしその気高い御心のまま、罪深き我らに咲き誇り給え。(握りしめた剣の柄から、真白の光がちいさく咲いて、赤黒い池へと散った。刹那の沈黙の後、空気の薄い小部屋に魔力の豪風が舞う。その色は……偽善を許さぬ赤黒のまま。)罪深き我らは願い請う。全ての命にどうか救済の――(あの日あの刻、近く遠い違う場所のこと。)――光在れ!!(水都へ捧げられた狂愛詩によって生み落とされた真っ黒な呪歌がどうか行先を迷わぬようと願って、贄を買って出た勇敢な騎士らがいた。最初は一人の少女騎士。最後は、欠けた十六人の仲間を率いて十七人。秘匿の小部屋に閉ざされていた血と願いと誓い全てを背負って、地下に広がる仄暗い水を伝って氷の花樹へとなだれ込む。たとえその姿が禍々しいインク色の文字の群であろうと、なんであろうと、彼らが願うはただ一つ。)   (2020/12/15 17:52:11)

エルソフィ♀司書官――(同刻。通路三つ隔てた先の大広間で、黒本を開く女が虹色蝶に懇願した。『目を――』)サフィール、やって。この目を全部あっちに移して。(顔を持ち上げた少女騎士の顔に――カチャリ――細い鎖が結ばれたような音が降った。それは視界全てを塞ぐ、銀細工の面。舞踏会で見るような煌びやかな彫刻が施されたそれ。)……そっか、あなた、そういう姿だったんだね。蝶々なんて全然似合わないじゃない。作者の頃のほうがお似合いだよ?(白銀の鎧を纏い、影に紛れながら正義を執行しつづけた名伏せの少女騎士。黒本に名を捧げると決めた少女騎士。視界を捧げた後も力強く柄を握り続け、剣に跪く厳かな仕草にそぐわぬ愛らしい声音で言った。)……それじゃあ、行こう。自分の身体くらい自分で護らないと。   (2020/12/15 17:51:37)

エルソフィ♀司書官カラベラス、ねえ聞こえているんでしょう性悪女!(通路三つ向こうで大きく禍々しい魔力が氷とぶつかる轟音の中、斬り裂くようにして叫んだ。左手を心臓に当てて、枯命色の天井のずっと向こうへ叫んだ。)然るべき方々に伝えて。ロサール騎士団第十七旅団はこれより黒本顕現阻止の最終任務を執行する。極秘に展開されていた本作戦は――(心臓を潰すような強さで、籠手に包まれた手を握りこんだ。)――本作戦は、四年と半年に及ぶ長期任務の最終局面であり、黒本<グリモア>浄化を完全とするものである!騎士の名誉にかけて成功をここに誓う、そう伝えて!(ひとりぼっちの少女騎士が声を張ったその頃、通路三つ向こうの大広間では、地下の守護と鼓舞を司書が叫んでいた。)――……そうよ、確かに私たちは失敗した。でも……(部屋の央に突き立てた白銀の細剣に、天井と壁と床から蠢く枯命色が纏わりついた。)……でも、間違ってなんかいない!(両手で柄を握って、赤黒いイノチが作った池の真ん中に、膝を立てた。)   (2020/12/15 17:51:12)

エルソフィ♀司書官取り返した私が、最後にニセモノをなんだかんだ許して、私は私の罪を認めて、それで……(床に積み重なった鎧たちの一番上、一番汚れた鎧。一番、大事にしてくれた人。)……それで、一つになって、永遠に贖罪の守護を踊る魔法剣士――そんな都合の良い脚本、ダメだったみたい。(鎧の数は十六。部屋の央には、もしかして十七体目と数えられたかもしれない金属の断片が、花弁のように散乱していた。独り喋りつづける少女は鋭利な一枚を拾い上げて、籠手を脱いで露わになった指先に滑らせて、俯いた。)……でもね、ひとりでこの水都を旅して、気づいたんだ。(血一滴を、蒼い視線が追いかけた。)……逃げたままじゃ、ずっとひとりぼっちのままだ、って。アレのほうがよほど勇敢だ、って。こんな脚本じゃだめだ、って……(ぽたり。)……ねえ、みんな。また水都がこの地下から揺れようとしてるんだよ。アレがどれだけワルモノでも、存在自体が間違っていても、命懸けで水都と友達を護ろうとしているんだよ。……ねえ……(ねえ。)……ねえ!!(ねえ。ねえ。)ここで生殺しにされ続けている場合じゃないんだよ私たち!!(ひとりじゃなにもまもれなかったんだよ。)   (2020/12/15 17:50:47)

エルソフィ♀司書官(あの日あの刻、近く遠い違う場所のこと。あの日あの刻、血と氷と光が交錯した壮大な攻防の片隅――通路三つ隔てた向こうにある、厳重に閉鎖された小部屋のこと。)……帰ってきちゃった……。(石壁にしか見えない扉へ迷いなく踏み入ったのは、騎士団の白銀鎧に身を包む、金髪蒼眼の少女。出迎える空間は、噎せかえるくらい濃く充満した鉄臭い場所。赤黒いナニカがべっとりと塗りつけられて時間が止まった床と壁と低い天井。)頑張ってみたんだけど……、みんな、ごめんね……。(しかし、少女はまるでそんなものが見えていないかのような自然をもって、天井を見上げる。)本当は、司書がニセモノのワルモノで――(太い茨に絡めとられた格好の、空っぽの鎧。優しいお姉さんだった。)――身体を取り返しに行くべく頑張った敵役の騎士がホンモノで……(壁に何本もの槍を突きたてられた、鎧を着たゴーレム。大樹のように頼もしかった。)   (2020/12/15 17:49:45)

エルソフィ♀司書官【こんばんは。お部屋お借りいたします。前幕の補完と末頁への橋を置きに。】   (2020/12/15 17:49:24)

おしらせエルソフィ♀司書官さん(203.165.***.116)が入室しました♪  (2020/12/15 17:48:14)

おしらせエルソフィ♀司書官さん(203.165.***.116)が退室しました。  (2020/6/28 04:27:20)

エルソフィ♀司書官【次は、本部屋にて。どうか良き紡ぎが続きますよう。お部屋をありがとうございました。】   (2020/6/28 04:27:17)

おしらせアリステア♂冒険者さん(124.219.***.121)が退室しました。  (2020/6/28 04:26:50)

エルソフィ♀司書官【黒本篇はまだ少女騎士の行く末がふわふわと分岐をお散歩していますが、ここまできて後味の悪い着地にはなりませんので、気長にお待ちくださいませ。こちらこそ、どうぞよろしくおねがいいたします。どうか良い夢を。】   (2020/6/28 04:26:36)

アリステア♂冒険者【本当にありがとうございました。では時間も時間ですので、お部屋はこれで失礼しますね。ゆっくり休んでくださいまし。おやすみなさい】   (2020/6/28 04:26:20)

エルソフィ♀司書官【四歳児に一本とられてくすくすしました。そうですね、本当に。お部屋始まって以来ご一緒させていただき、ご一緒くださったお互いの大紡ぎ、無事に節目を迎えられて何よりです。本当に、ありがとうございます。】   (2020/6/28 04:24:19)

アリステア♂冒険者【本当に、本当に長時間のお付き合いありがとうございました。今日だけでなく、四年越しのお付き合いに感謝です。そしてこれからも共に紡いでいただけると幸いです。】   (2020/6/28 04:23:19)

アリステア♂冒険者【お待たせしました。こちらもこれにて〆とさせていただきます。】   (2020/6/28 04:20:44)

アリステア♂冒険者(――数日後。)本当、お世話になりました。まぁ、これからも、お世話にはなるんですけど。(ブーツ亭の扉の前で頭を下げる赤髪の青年。ほどほどに伸びて毛先がハネていた髪型は、心機一転したのを現すかのように今はすっかりと短くなっていて。そんな彼の前には、この街に来て一番に面倒を見てくれていた店の店主ドブールが立っている。)「まぁウチの冒険者ってことに変わりはないんだ。これからも、しっかりな。店を手伝ってほしい時は呼ぶから」――はい!(冒険者アリステアは、ブーツ亭の居候を辞めた。これからは正規の冒険者としてこの店に世話になる。居候を辞めたのは、彼なりのけじめのつけ方だった。暫くは宿を借りつつ冒険者稼業をこなし、小さくても借家を借りてこの街で暮らしていくつもりだ。これはまだ、ほんの一頁目に過ぎない。物語は、まだまだ続いていく――)   (2020/6/28 04:20:27)

アリステア♂冒険者そりゃ、あれだけ食らえば、消化が大変でしょ。(苦笑を返しながら、あの時の光景を思い出す。あれだけの凄まじい力を前に、闘気も失った自分はどう手伝うことができるのだろうか。)ええ、まんざらでもない気分、です。いいと思いますよ。今日は、頑張りましたから。お互い、普通の人として過ごせるご褒美……って思えば。(そうか、普通の人になれたんだ。自分で言って今更実感が沸く。何をしよう?何がしたいのだろう?)俺なんかでよければ、相談でもなんでも。四歳児に応えられる相談だったらいいんですけどね。(再び苦笑い。こういった表情も意識せずに出てしまうのだから、暫くは感情を制御する訓練が必要になってくるかもしれない。)うん……。これから先も、そう言ってもらえるように頑張るよ。……流石に、疲れましたね。少し、眠たいです。(それだけ言えば、きっとすぐに寝息をたて始めたのだろう。そしてきっと、色々な夢を見たのだ――)   (2020/6/28 04:20:22)

エルソフィ♀司書官【大変お待たせいたしました。私からはこれにて〆。幕閉じございましたら、ご一緒したく。】   (2020/6/28 04:05:42)

エルソフィ♀司書官閉ざした衝動も、全て解放してしまいましたし……(潤んだものが零れないように、目元へ指先を伸ばして半分だけすくった。ほら、男の子はあまり泣きたくないでしょう?女の子の前では特に。)……次に『猫』と顔を合わせたときに自分をどう抑えたものか、今から頭が痛いです。(本当に、仕方なさそうに笑んだ。)……でも、なんだかまんざらでもなさそうですね。……お互い。人間というのも。(大口叩いて単身で守ることは、難しくなるけれど、その代わり――)こちらこそ、今後は一層ご相談に伺うかと思いますので、どうぞよろしくおねがい致します。(――知恵を願うのだと思う。たとえば、誰かを頼ったり、)……いつも、ありがとう。(ほんの少し、工夫をしたり。それは全ての生けとしに与えられた……そう、祝福だ。レンズが歪めない紫眼は、その日、そんな柔らかさを湛えていた。)   (2020/6/28 04:05:21)

エルソフィ♀司書官(『ありがとう』――何故、眼前が懐かしむ鳥を自分が創って渡すことになったことは……虹色蝶と軽く目配せ。秘密。秘匿の会釈を、一つ。見送りくらいしっかり立ち上がろうと思ったのだが、くらりと歪んだ視界に遮られて、パタン。)……どうか、十二柱神の加護があらんことを。いってらっしゃいませ。(きっとエルフの耳になら、届いただろうから。)……あっというま、でしたね。まだお昼、のようですよ。(客間から窓を見上げて、ベッドの上で留守番したままの眼鏡のほうを見る。もう何日も経過したように感じるのは、慣れない視界のせいだろうか。)――(留まれた日常。代価は、もう二度と使えない闘気。)――……私も、実は加減を間違えたがばかりに大失敗をしてしまって。(仕方なさそうに目元を綻ばせて、やり場に困る青瞳の潤みをまっすぐに見た。)食べ過ぎて、しまいました。カラベラスさんが調整してくださると思いますけれど、当分は無理矢理取り込んだ悪魔の血肉を消化するほうに魔力と生気を注ぎますから……当分は、本当に、ただの司書官です。(自衛するほどの魔術も繰り出せない、と。)   (2020/6/28 04:05:13)

アリステア♂冒険者……ということに、なったので、その……これからも、よろしくお願いします。(あまりにもあっさりと自由になってしまったから、なんとなく、照れ臭い。)――俺も、修行しなおしです。……闘気は、使い切っちゃったので。あれだけ放出したら、きっともう二度と使えません。身体も今まで通りだから、剣一本でもっと強くならなくちゃ。ずっと流れてたけれど、この街に留まって……ほんの少しだけ休んだら、また冒険者として、頑張ろうかな、て。……今日まで、ありがとう。明日からも、よろしく。あれ……なんで……(どうしてだろう。視界が滲む。ああ、そうか、これが本当の感情なんだ。こんなことで涙が出てくるなんて。)人の感情って、こんな……これはこれで、結構厄介です。(目に涙を溜めながら、困ったように笑ってみせた。)   (2020/6/28 03:25:37)

アリステア♂冒険者「これ、は――」(手渡された氷の鳥の模型を見て、彼は目を丸くした。)「ああ……懐かしいな、これ。ありがとう。大切にする。」(彼が再生しているであろう記憶は、しっかりと自分の記憶にもあるものだった。創り出した自分にもあの記憶が残っているということは、きっとそれだけ大切な記憶だったのだろう。)ちゃんと、取ってありますよ。もう一羽の鳥も。今は、安全なところに預けてます。取りに行きましょうか?(記憶を共有した自分と彼だけがわかる会話。しかし彼は、首を横に振った。)「あれは、お前が持っていてくれ。俺はこの氷の鳥をお守りにするから」(彼はそう言って大事そうに手の平の上に乗せると、ふわりと笑んで立ち上がった。)「また縁があれば、きっと。それじゃあ、俺は行くよ。もう一度、最初から修行しなおしだ。」(見送りは不要と付け加えると、扉の外で待っていった師マーリンと共に歩いていく。部屋に残されたのは、ふたり。)   (2020/6/28 03:25:31)

おしらせエルソフィ♀司書官さん(203.165.***.116)が入室しました♪  (2020/6/28 03:09:45)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、エルソフィ♀司書官さんが自動退室しました。  (2020/6/28 03:09:39)

おしらせアリステア♂冒険者さん(124.219.***.121)が入室しました♪  (2020/6/28 03:07:13)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、アリステア♂冒険者さんが自動退室しました。  (2020/6/28 03:07:01)

エルソフィ♀司書官――アリステアさん。旅立たれるのであれば、餞別をお渡ししますので、少々お待ちください。(言って、開かれた白紙の頁の上に指を走らせると、青白い光がそのまま薄い氷となって具現した。両手にそれを包んで、三つ数えた後に開くと、その両手には氷の鳥の模型がちょこんと乗っていた。模型というにはやけに平べったくて角ばったものなのだが。)遠い東の国に伝わる、お守りなのだそうです。本当は一枚の紙を何度も折って形にするらしいのですが……羊皮紙では上手くいかず、輪郭だけを模したものになりますが……溶けませんので、よろしければどうぞ。(顔を上げてください、と、鳥の模型を手渡した。)私個人は、お名前を少しずらしてアリステアさんの双子のご兄弟として滞在してくださっても良いと思うくらいですから、いつでも、遊びにきてください。図書館にも。   (2020/6/28 03:01:50)

エルソフィ♀司書官(近くの壁に背を預けながらやりとりに耳を傾ける間、三人の表情を見たり、膝に乗せる黒本をそっと撫でたりとしていた。内容は至って切実な問題のはずなのだが、そんな会話ができる今のほうが、ずっと、記録に残しておきたい風景だから。)……ん?(魔術師アリステアが旅立ちを口にしたとき、虹色蝶がふわふわと舞った。不思議そうに虹色蝶へ小声を返しつつも、首を傾いだまま、黒本の頁をぺらりぺらりと捲ったところで、自分への謝罪の言葉。)……いいえ。あの魔力と呪詛の中で正気を保っていてくださった時点で、水都を守ってくださっていたのですよ。犠牲を止める一助になれたのなら、幸いです。私が自分から進んで首を突っ込んだのです。(左手を心臓に当てて、軽い会釈。レンズが歪めない紫の眼差しは、疲労の眠気もあるのだろうが、場を凍結させるような硬質や拒絶を帯びてはいなかった。)   (2020/6/28 03:01:37)

アリステア♂冒険者(今日という日をこんな形で迎えることになるとは考えてもいなかった。物語にはいつか終わりがくる。しかし、自分が紡いでいけば、終わりの形はこんなにも変わるものなのだ。)「私がこの都に留まると色々と面倒が起こるだろう。だから私は、再び放浪の旅に出ようと思う。二度とこんなことが起きてしまわぬよう、私も……俺も、強くなる為に。だから、俺の記憶も、俺の名も捨てて、生きてほしい」(本当に、今までと何も変わらないまま――)記憶も、名前も、捨てませんよ。捨てられるほど、軽くなかったですから。この四年間は。だから、お互い、生きていきましょう。(その言葉に、彼は口元だけ笑んで、ゆっくりと頷いた。)「その……エルソフィさんも、巻き込んでしまって、本当にすまなかった」(彼が深々と頭を下げると、その様子を見たマーリンは納得したように静かに頷いて、部屋を出て行った。)   (2020/6/28 02:27:22)

アリステア♂冒険者(やっと絞り出したその言葉に追撃するかのように杖が飛ぶ。)「まったくじゃ!――で、どうするつもりなんじゃ。ここにいる彼は、もう立派なひとりの人間じゃ。お主が生んだんじゃ、責任はとるんじゃろうな?」(師の言葉に、思わず息を呑んだ。そう、このままではこの世にアリステアは存在することになる。彼は、自分をどうしたいのだろう?やはり、責任を以って自分をこの世から消し去るのだろうか。)「……お前の感情が不完全だったのは、お前を作った時既に悪魔の力が影響した為だ。だから、悪魔が消えた今はもう、俺とは別の、一人の人間だ。感情だって、ちゃんと持てるはずだ。だから――お前の人生を、歩んでほしい」(ようやくこちらを見たホンモノのアリステアは、とても申し訳なさそうな表情をしていた。)――いいんですか。俺は、俺として、生きて……。   (2020/6/28 02:27:15)

アリステア♂冒険者(温もりを感じる慣れ親しんだ香りは、一気に緊張の糸を解いた。座ったまま天井を見上げると自然とため息が漏れる。)「礼をするのはこっちじゃからの。それに、一応アレでも友人じゃし、その娘をわしの馬鹿弟子の為に借りたのじゃから迎えくらいはの。」(この人は、きっと最初から気付いていたはずだ。にも関わらず自分にもまるで我が子のように接してくれた。きっと、優しい人なのだ。彼の記憶の中の彼女だって、いつも優しかった。)「さて、と――」(ドスッ、という音は、彼女が杖で横たわるもう一人の自分を叩いた音。)「もう起きとるんじゃろ。さっさと起きんか」(「痛っ」という小さな悲鳴を上げて、もう一人の自分がゆっくりと身体を起こした。師の魔法の力で、肉体に外傷は見られない。)「……。」(もう一人の自分は今まで見たこともないようなばつの悪そうな表情のまま、三人から目を背けた。)「……迷惑を、かけました」   (2020/6/28 02:27:01)

エルソフィ♀司書官(ああ、よかった、本当に、まだ喋ってくれている。もうダメなのかもしれないということは、創られモノ同士どうしの自分が一番よく知っているから。だから、奥から響いて来た足音は救いの音のように聞こえた。虹色蝶がふわふわと舞って、暗赤色の双眼に鱗粉を落とすと、青が宿って溶け混ざった――紫色の瞳に戻った。)……お見苦しい格好で、恐縮です……。(わざわざ制服まで復元してくれる細かい気遣いは、育ての親に少し似ている。……褒めてくれるところ、とか。)――(転移魔法独特の浮遊感を一拍挟む間、眠った心地。すぐに鼻腔をくすぐったのは馴染みの香り。料理の匂いが染みついた木板の匂い。)……ブーツ亭……(身を起こして、不思議そうに見回した。)……ありがとうございます、マーリンさん。(まだ、ぼうっとした眼のまま。)   (2020/6/28 01:55:48)

アリステア♂冒険者「やれやれ、満身創痍じゃな。」(現れたよく知るエルフは、目の前の光景を一瞥してから右手に握った杖を振りかざした。温かい風が周囲を包み込み、傷ついた肉体を癒していく。ヒトの身体ではないであろう自分の肉体も修復され、更には傷ついたり破れたりしていた装備品の類もすべて元通りにして見せた。)師匠……来て、くれたんですか。(そもそも、自分が彼女を師と呼んでいいのかすらも、今はわからない。四年より前の記憶は、自分の記憶ではなく、隣で横たわる彼のものだろうから。)「そこで呑気に寝てる馬鹿弟子のほうは後で説教するとして……お主ら二人、よく頑張ったのう。……ほれ、帰るぞ」(目を細めてこんなに嬉しそう表情をする師を見たのは初めてだった。彼女が杖で地面を叩くと、その場にいた全員の身体を光が包んで、光が収束して目を開けば、そこはよく知る『穴の開いたブーツ亭』の客間であった。)   (2020/6/28 01:43:23)

アリステア♂冒険者(――明日から、何を――)……そう、ですね……まずは、彼と、話し合わないと……(横で眠る、もう一人の自分へ視線だけ移して。悪魔に浸食されていた肉体は、先ほどの光に包まれて浄化されたのだろうか。元通りの身体へと返り、静かに呼吸していた。)はやく起きてもらわないと、身体、直せないんですけどね……。(彼女の手を握ったまま、困ったように微笑んでみせた。そこへ、自分たちがやってきた通路の奥から、コツコツとよく知る足音が響いた。)   (2020/6/28 01:43:17)

エルソフィ♀司書官(そう、全員、満身創痍。)でも……アナタタチほどのチカラが、束になッテも叶わナカッタ、のに……三人で、倒してシマシマシタ、ね……(両手で握られた手が、温かい。……温かい?嗚呼……そうか。温度を思い出す、て、こういうこと……。)……痛い、けれど、満足です。(ひび割れた隙間から溶けた氷のように零す眼前を見て口元が小さく小さく笑みの形になった。黒本からひととき手を離して、もう少しだけと肩を引きずって身を寄せて、右手で額を撫でた。)ほら……男ノコ、でしょう?そんなに、泣かないで、クダサイ。(つられて、左目から同じものが伝い落ちるから。)…………ありがとう、守って、くれて。(禁忌を秘匿するたくさんの戒めから、ひととき抜け出た黒本は、少し困ったように続けた。)…………アリステアさんが、二人。……どうやッテ、呼びましょう、カ……。(同じ顔二つ、ゆっくり視線で交互に見て。疲弊で眠ってしまっているかもしれないが、体温はゆっくりと戻っていることは血色で分かる。)……明日から、何ヲ、しましょうか……。(絵本を読み聞かせるような声音に、続けた。)   (2020/6/28 01:15:50)

アリステア♂冒険者生き……てる……三人とも……(倒れた彼女の元にすぐ駆け寄りたいのに、足に力が入らない。それでも、二人が息をしているのを見ると、頬に雫が一滴流れた。膝立ちのまま、ずるずると彼女の元へ歩み寄る。「……意外と……かっこつけたがり、ですね。」)……そっちこそ、無茶しすぎですから……。(身体が揺れるたびに、ぽろぽろと砂のような肉体の粒がヒビから零れ落ちる。肉体を保てているのは彼女の力が大きかった。あれがなければ、攻撃した際、想像以上に肉体に負荷がかかっていた為に自分自身が木端微塵になっていたかもしれない。)……なんとか、生きて、話せる程度の力は残ったみたい……。(ボロボロなのは、この場にいる誰もがそうだった。やっと彼女の元へたどり着くと、こちらへ伸びていた左手を両手で掬って、優しく握りしめた。)……。(言葉が出ない。ただ、労いの言葉に、何度も、何度も頷いて。やっと絞り出した声は、ひどく掠れていた。)――あり、がとう。   (2020/6/28 00:58:42)

エルソフィ♀司書官……意外と……かっこつけたがり、ですね。(掠れた声が、雪のような声で言った。左腕と鎖骨の下まで溶けた純白の司書官制服。露わになっているのは、雪よりなお白い素肌。さらさらと音立てて主へ還ったインク色の文字群が、すぐに群がって隠しただけで。)……よく、頑張りました。(今にも夢へと落ちてしまいそうな暗赤色の眼差しで、左手をお人形さんへと伸ばした。傍らには、傷ひとつ追わないままゆっくりと呼吸する青年が変わらずに横たわっている。)   (2020/6/28 00:39:40)

エルソフィ♀司書官――っはぁ、はぁ……(霞みかけた視界。大丈夫。痛覚は心を壊せても身体は壊せない。心さえ耐えればそれで良い。それで、全員守れる。その為の力は、今日まで繋いだ全ての縁の恩恵。)――(『よく……耐えてくれた』)――(ほら、こうして痛みを労わってくれる人がいる。)――(『これで物語は一区切りする』)――(帰ったら無茶を叱ってくれる人がいる。)……それデ、イイ……(自分の氷が放つ光よりずっと強く眩い光は、きっとどの日の太陽よりも明るい。外法で繋いだ悪魔は意思の光を纏った剣の軌跡の真ん中に居た。よく物語には悪魔の断末魔というものが描写されるが、少なくとも眼前はその類ではなかったらしい。)―――、(場に訪れた静寂に、どっと力が抜ける。呼応して、一帯を支配した氷も小さな粒へと弾けてきらきらと煌めきを帯びながら辺りに降り積もった。あやうく本当に氷の花樹となるところだった女の身体は、とさりと氷の草原に倒れた。頁を閉じた黒本と一緒に。)   (2020/6/28 00:39:29)

アリステア♂冒険者(――カラン。光が収束し、凍り付いた古い床の上に、剣が落ちる。がくんと膝をついて両の手の平を見つめた。全身がピクピクと震えているが、どこも欠けてはいない。あれほどの無茶をしても肉体はどうにか保持されたらしい。恐る恐る顔を上げてみると、最初からそんなものはなかったかのように、悪魔は消え去っていた。)はぁ……はぁ……っ(仮初の肉体だというのに心臓が言うことを聞かず、絶えず激しく鼓動している。)終わった……(言葉にしても、実感が沸かない。本当に終わったのだろうか。長く、険しく、苦しかった旅路。これで、一休みできるのだろうか。頭の整理が追いつかず、それ以上言葉が出ない。何もない空間。震えながら、彼女を見上げた――)   (2020/6/28 00:12:08)

アリステア♂冒険者(肉体に走るひび割れは広がっていく。彼女の氷術の修復がなければとっくに朽ち果てていたであろうくらいには限界を超えて、輝きが、光が溢れていく。眼前に広がる目を背けたくなるような光景に、音に、声に、青年はただじっと耐え、剣を両手で持ち振り上げた。)よく……耐えてくれた。これで物語は一区切りする。そして明日への一頁は俺自身の手で開いてみせる。仮初の魂だってなんだっていい、もっと、もっと輝け……!(放出された光は剣に集まり、眩いほどの輝きを見せる。)光に抱かれ永久に眠れ……!!(一気に放った光の剣撃は、悪魔に直撃し、爆発した。)   (2020/6/28 00:12:03)

エルソフィ♀司書官生キテ……帰ル……!!(貪欲な願いただ一つ。悪魔の足を氷が噛み、その身がよろめくまで、グリモアは甘美な呪歌を高らかに歌い続ける。全ては生けとしが引き起こす奇跡の為に。)   (2020/6/27 23:51:01)

エルソフィ♀司書官――ツカマエタ。(囁き笑む声は、天使を冠する名から遠い、悪魔のそれ。青年が与えた傷口全てに群がった文字らは、古代文字にてこう書く『暴食』『簒奪』『寵愛』と。だから――)―――っぁあああっ!(文字通り、血肉を奪って喰う。宿す贄の怨嗟を手招いて、その穢れた血を無理矢理体内に取り込む。自らを生んでくれた最初の怨嗟たちを文字に象ってけしかけて、また貪る。そうして得た力を、黒本で濾過して氷の魔力に変換する――命を燃料としか扱わない外法。)痛い、いだっ、っっあぐ!!(一気に壁一面を氷漬けにし、三人一度に強大な力から守る強固な花を咲かせ続ける。初な乙女の絹が裂かれたような甲高い悲鳴は、真っ白な吐息は、潤む暗赤色の双眼は、高潔な守護をうたいつづけた騎士の面影などどこにも宿さない。まるで……そう、まるで。)っぐ、う、大丈夫……!大丈夫、ダカラッ(堪えきれない悲鳴が青年の渾身を妨げないよう、一欠片の理性が言葉を紡ぐ。)前だけ、見……あぅっ!(喉まで詰めている襟が溶けて、肩まで露わになっても、呪いインク色だけ。少女騎士の心を蝕んで壊せるほどの痛みを、どうして顕現させたのかと言われれば、簡単である。)   (2020/6/27 23:50:44)

エルソフィ♀司書官――さて……(容赦なく降ってくる悪魔の拳を氷の盾を都度犠牲する中で、吐息を一つ。下半身は氷の幹。右腕は、這い上がった氷に固定されて、左腕も先端が凍り始めている。そして、ひらひらと視界の央を舞う、虹色蝶。見て、ふと目元を綻ばせた。)……サフィー、ル……(ガィン!ガキィン!!)……構いません。ええ、見られても構わない。ですから……ワタシの『目』をひととき戻してください。(ガシャン!)ソフィの身体を、あまり傷つけるわけにはいかないのです。(仕方なさそうに目元を綻ばせて首を傾いでみせると、虹色蝶はひらひらと舞って、女の唇に一度とまり、次いで、見上げる彼女の目に虹色の鱗粉を落した。)……――見えた……。(グリモアが生まれたとき、その瞳の色は吸った血と同じ色になった。その心は、衝動を許した。危うくて甘い、禁忌の味の記憶。求めて伸ばした左手。覆う手袋はじわじわとインクが滲んで、溶け落ちた。露わになったのは人間の素肌ではなく――インク文字の群。青年が与えた一番の痛みの箇所へ、インク文字らは人間の悲鳴のような音を立てて、群がった。)   (2020/6/27 23:46:46)

エルソフィ♀司書官(そう、分の悪い戦いなのだ。騎士団を総動員しても、静かに地下を見つめながら地上を守るために目を配る旧世のエルフが立ち上がっても、勝利の女神の視線を引くには足りない。人族を超えてしまった叡智、禁忌を重ねてもなお生きて護るという意思、それを叶える純粋な力。どれひとつ欠いてもいけないのだ。)――っぅ、ぐっ……(創りモノはどれだけ精巧に作られても、どこかが必ず脆い。それは、死体同然の身体を無理矢理動かし続けている女とてそうなのだ。領域掌握に大量の魔力を注ぎ、割れた氷の花弁を間髪入れずに青年へ補充し、足元の青年降る穢れた悪魔の返り血を凍らせて弾く。常人ならとうに心臓が過負荷で破裂する。心臓の奥でドクンドクンと鼓動が競りあがり、乱れる吐息をくぐもった声で噛み締める。)――(『少しの間』)――……アナタらしくて綺麗な線ですよ。(視界の端に収めた、まるで壊れた人形のような割れ目。砕け落ちないよう、氷の花弁が溶けて細やかなつなぎ目と化す。)……大丈夫。(それは、氷の冷たさがひととき遠ざかった、言葉の加護。)   (2020/6/27 23:45:23)

アリステア♂冒険者(戦いは続く。巨大な爪から繰り出される薙ぎ払いは、加護が無ければ受け流すことも出来なかっただろう。人の力を超えた力と悪魔の戦い。しかしどれだけ攻撃を当てても、決定打に欠ける。肥えた悪魔の討伐は一筋縄ではいかぬのだ。)なかなかしぶとい……。(こちらも無傷ではない。加護があるとは言え、多少の衝撃が積み重なり肉体を傷つけていく。)少しの間俺に時間をください。……次で、決めます。(それだけ言えば、目を瞑って剣を構え、闘気を放出させた。限界を超えて、この空間全てを包み込むほどの大量の闘気。もちろん負荷はある。ピキピキと、青年の身体にヒビが走る。)……っ、やっぱり、人間の身体じゃこうはなりませんもんね……大丈夫。必ず生きて、三人で、帰りましょう。(改めて自分の肉体が創られたものであることを実感すると口元に笑みを浮かべて、更に闘気を放出させた。たとえ肉体がどれだけ傷つこうとも、創られたのならば直せるはずなのだ。そう、彼さえいれば。)   (2020/6/27 22:19:44)

アリステア♂冒険者(転移術の失敗による負荷は当然自分にも来るはずだった。にも関わらずここまで最小限の負荷で済んだのは、きっともう一人の自分の力によるもの。そしてそのもう一人も、彼女の氷術によって守護された。大量の贄を食らった悪魔は具現化したばかりでまだすべての力を出し切れないはず。なら、一気に叩くしかない。)――……。(スゥ、と息を吐いて、剣の先を悪魔へと向けた。悪魔と言えど具現化した以上、かならず弱点はあるはず。氷も守護もある。恐れる必要はない。彼が叡知を振り絞って創り出したチャンスなのだ。今度は、自分が勇気を振り絞る番だ。――目まぐるしく変化する赤と青の空間の中で、青年の肉体が輝きだす。その輝きは、たとえ悪魔の前でも鈍ることはなく――)『なんと忌々しい……我が贄としてくれる……!』(剣を構える青年の上に、赤黒い魔法陣が出現し、雷撃を落とす。しかし氷と盾と闘気の輝きによって軽減された魔術は青年の肉体を貫くことはない。寧ろその雷撃を、闘気の輝きは包み込み、剣へ集中させた。)痛みを知れ……!(雷撃を纏った剣を薙ぎ払い、跳ね返した雷撃が胴体へと直撃する。悪魔の魔術なら、悪魔に効くはずだ。)   (2020/6/27 22:19:35)

エルソフィ♀司書官贄を喰い続けるのは……愉しいですものね?(壁に這わせたはずの氷を、己の魔力を上回って空間を掌握してきた旧き者を見上げる顔は、低い温度を湛えた笑みだった。自身の腰まで這い上がって尚増す氷の群。降ってきた禍々しい拳は、足元の氷草原からぶわりと舞った氷の花弁の集合体によって受け止められる。――ガィィン!!)……肥えた図体は古来から狩りやすいと先人らは語ります。(風も通らぬここに、ぶわりと音を立てて空気が踊った。大量の魔力放出。血色の空間から奪い返さんと勢いよく黒本の頁は踊り、青白い氷を押し広げんとする。)廃村の時に贈った加護と同じです。私の氷は貴方の盾であり、剣を一層研ぎ澄ます薄い刃であり、宙を蹴る足場です。(あとは、その意思の色に染めた力を剣に込めて、)――行ってください!この領域は……水都の地下は必ず守ります!(視線は巨大な悪魔を見据えたまま、守護の声を張った。)   (2020/6/27 21:42:07)

エルソフィ♀司書官 (目を瞠った。――盲点だった。魔術の行使において最も許されない基礎の基礎が、失敗である。詠唱であれ、供物であれ、古代文字の解釈であれ、全ての工程を先人たちの遺言通りに執行して初めて理に干渉できるのだ。果たして術式を生んだマーリン・ベロニウスもこんな使い方を視野に入れただろうか?)……っふふ……(育ての親に似た笑いが零れてしまった。勢い任せに追い出せとは言ったし、犠牲を出さない現実的な手立てはそれしかない。が、この方法は本当に思いつかなかった。)黒本<ワタシ>を開いた人は、そうでなくては……ええ、気に入りました。(何を?――今そこに倒れたボロボロの青年を。絶望的な共存をあっさり反故にしてみせたのだから。託す、という言葉にて。)……はい、確かに承りました。(這った氷は冷たい。しかし同時に、万物の進行をひどく遅らせる。この場合は、異物を宿した血液の循環速度。飢えや疲労による損傷の進行速度。倒れた青年をみるみるうちに覆う氷は、心臓を止めないぎりぎりのところまで体温を下げ、包む揺り篭となる。幸い、自分の足元に程近いところに倒れてくれたのだから、魔力を送り込むこともできる。――守り抜く。)   (2020/6/27 21:41:56)

おしらせエルソフィ♀司書官さん(203.165.***.116)が入室しました♪  (2020/6/27 21:09:01)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、エルソフィ♀司書官さんが自動退室しました。  (2020/6/27 21:08:31)

おしらせアリステア♂冒険者さん(124.219.***.121)が入室しました♪  (2020/6/27 21:06:57)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、アリステア♂冒険者さんが自動退室しました。  (2020/6/27 21:06:30)

アリステア♂冒険者(――それは、異形の怪物と呼ぶに相応しい姿かたちをしていた。大きな角に、大きな爪。深紅の飛膜を持つ翼、黒い全身に浮かんでいるのは、人間の顔だ。――気付けば、足元の氷はそのままに、壁と天井は真っ赤な渦に飲み込まれ、無限に深紅の闇が続くかのような空間の中に三人はいた。)「この身体では、役には立てん……お前たちに、賭けたんだ……ぬかるなよ」(中央で倒れたもう一人の自分が、ゆっくりと目を閉じた。強制的に悪魔を肉体から追い出した負荷によるものだろう。具現化した悪魔は人間の背丈の4,5倍はあるだろうか。まともに攻撃を食らえば、一撃で死を覚悟しなければならない。そう思わせる爪をもつ腕を振り上げ、倒れているもう一人の自分を見下ろした。)『愚かな。大人しく贄を捧げ続ければよかったものを』(何十人もの声が合わさって反響したような不気味な声を発し、その腕を振り下ろした――)   (2020/6/27 20:55:12)

アリステア♂冒険者「うっ、ぐ、アリ、ステア……お前の器、借りるぞ……!」(もがきながら必死に左腕を此方へ伸ばすもう一人の自分。自らの肉体を器とした術式……ベロニウスの器はまだ残っている。彼の肉体が器になっている以上、器から別の器へ封印物を移すとしたら、かなり高度な封印転移術を施さなければならないが――)……なるほど、失敗しろってことか。……全力で助けてもらう代わりに、全力で守ってみせますよ……!!(右手を前へ。同時に彼の左腕から、禍々しい瘴気のようなものが溢れ出て、自らの肉体に入り込もうとする。――が、こんな乱暴な封印転移、成功するはずがないのだ。だが、それでいい。転移が失敗し、行き場を失った禍々しい瘴気――悪魔は、空中を漂い、少しずつ形成されていく。二つの器が揃ったからこそ出来た転移失敗による具現化。彼の中から、悪魔を追い出す唯一の方法。)   (2020/6/27 20:55:06)

アリステア♂冒険者俺も、エルソフィさんも、おまえを倒しに来たんじゃない。……おまえをその悪魔から、取り戻しに来たんだ。(追い出せという彼女の言葉に続いて剣を構えて言い放つ。しかし、中央からピクリとも動かない彼は天井を仰いだままだ。)「無駄だ、この身は既に浸食されている。この肉体が、封印している枷なのだ。私の肉体から解き放てたとして、この都に、災厄が降り注ぐだけだ。解き放てば、お前たち二人の力如きではもう……」(言って、周囲の環境の変化に彼はようやく目をやった。)「その力……人智を超えた力だとでも言うのか。だが……」(……迷っている。ずっと追い続けて来た、悪魔だと思い込んでいた男が、目の前で迷っているのだ。)……生きたいんだろ。だったら、手を伸ばせ。お前が創った俺と、その仲間を、信じろ(その刹那、もう一人の自分が苦しそうに呻きだす。頭を押さえ、何かに抵抗するようにもがきだす。)   (2020/6/27 20:55:00)

エルソフィ♀司書官……ですから、お顔をよく見せてください。お寒く感じるならば、ご容赦を。そしてご安心ください。(頁が踊る音が加速する。黒本の契約者名が他者に移行している今、時間稼ぎの詠唱は無用。辞書から目当の文言を探すのと同じような単純さで、足跡の氷はみるみるうちに床に壁にと這い拡がる。)寒さは、生けとしの熱の証です。旧き者など宿す暇はありませんので、邪魔なら早々に叡智と勇気を振り絞って追い出してください。(無茶を高飛車に言い放つ声は、氷のそれ。そして、背越しに言った。)……危なくなくても、助けます。(そっと言った。青白く光る氷がビキリと音を立てて広がって、淡い光にて周囲に輪郭を与えていく。そしてその氷は、彼女のブーツの爪先にも容赦なく拡がった。)これよりこの身は氷葬の花樹。しばらく動かない代わりに全力で助けますから――――(カシャン。覚悟を問われた青年の周りに、氷色の花弁が咲き舞って寄り添った。)――――ご武運を。   (2020/6/27 19:58:04)

エルソフィ♀司書官 (その広間は、恐らく一時避難所あるいは集合場所として建造されたのだろう。ここだけ少し天井が高く、壁が厚く、水路を埋め込んでいない。朽ちた魔導灯の破片を虹色蝶の鱗粉が照らしては消える。見据えるは奥。嗚呼、本当に、匂いがする。悲しいくらいに。)……。(まるで、『銀猫』の一月舞台のよう。片割は狡猾な悪魔を、片割は純粋な勇者を――演じているから。)――少なくとも、顔を合わせるのは初めまして、ですね。(一歩、前へ出た。まっすぐ差し伸ばした右腕には、ぼうっと青白い頁を躍らせる開かれし黒本。)こんにちは、アリステアさん。私はエルソフィ・エデット。ロサール大図書館にて古書修復および保全を管轄する司書官です。(二歩、前へ。足跡の形に石床は苔ごと凍てつき、頁と同じく青白い光を淡く放つ。その軌跡が語るに、彼女が目指しているのは、部屋の央ただひとつ。)……ご存知かもしれませんけれど。でも、挨拶は大事ですから。(異形に侵されている身体を見ても、まるで違う声音を聞いても、約束と決め事を宿した紫眼は揺るがない。)   (2020/6/27 19:57:37)

アリステア♂冒険者(その男は、暗い、暗い地下の奥深くに佇んでいた。眼前へと現れたふたつの人影へゆらりと視線を移す)「ようやく、私を倒す決心がついたか、アリステア」(静かな声。同じ声。声だけではない。その顔も、背丈も同じである。違うのは、黒ずんで血管が浮き出た無気味な右腕と、背中から生えた蝙蝠のような翅。)「無意識に存在意義を求めていたお前は、私を失うことを恐れた。私を失ったお前は、空っぽになってしまうから」(静かに、ゆっくりと男は語る。その男と同じ形の影が一歩前へ出て、同じ声を発した。)……もう、いい。知ってるんだ。お前が、つくったんだろ、俺を。……そんな演技いいから、もう終わらせよう(その言葉に男は天上を仰ぎ、長い溜息をついた。)「ならば、使命を果たせ。もう、抑えきるのも難しい。あの時、我が身に宿した悪を……私の肉体ごと葬って見せろ。その力に身を委ねてしまえば、もう私は、私ではなくなる。これで、最後だ。準備はいいか――」   (2020/6/27 19:15:36)

アリステア♂冒険者……。(どう作戦を立てたところで結局は出たとこ勝負になるのだ。ならば、ひとまずは彼女の言う通り、自分は最善だけを考えて剣を振ればいい。不安がないと言えばウソになる。本当に彼女をここまで巻き込んでよかったのか、今でもわからない。それでも――)頼りにしてますよ。もし戦いになったら、敵の攻撃からは俺が守りますから。その代わり、俺が危なくなったら、助けてください。(それは今までの守るとは違う意味の、共に戦う『仲間』に向けた言葉。それだけ言って、彼女の隣を歩み、最奥へと――)   (2020/6/27 19:15:30)

エルソフィ♀司書官ですから、どうか、アナタはアナタで在り続けるための最善だけを考えて、剣を振ってください。生けとしの喜怒哀楽から生まれる穢れは欠落を抱えるアナタに。贄の恨みから生まれる穢れは、白紙を与えられたワタシに。(祈るように。誓うように。暗示するように。まるで詠唱のように連ねて、もう一度深い呼吸。そして、蝶が照らす青瞳を見上げた。)――行きましょう。これ以上待たせては彼も可哀想です。(言って、横をすり抜けた。分厚い黒本を右腕に。秘匿全てを覆う純白を翻して、前へ。かすかに反響する、そして圧を増す、まだ見ぬ悪魔を宿した「アリステア」のもとへ。コツコツコツ―――迷いのない、古床を行く歩。)   (2020/6/27 18:35:04)

エルソフィ♀司書官分かれば良いのです。(分かっていたけれど。)……随分と頑丈になりましたね。(ぽそ。少し前は、創られモノの生まれた意味の危うさを守る守らないで不毛な言い合いまでしたというのに。)……ん、深層部の封鎖は完了したようですね。(軽い眩暈にこめかみを指で押さえて、かぶりをふる。行こうと促されて、そのまま数え二つ、俯いたまま。)……この奥で胎動する旧き者……ソフィが不在の今のワタシなら恐らく喰えます。(視界<しんじつ>を歪ませるレンズを置いてきた境界のない紫眼は、虹色蝶が舞っても照らしきれず、真っ暗に塗りつぶされたまま。髪ももともとインクで塗りつぶしたように黒いのだから、不気味に映るだろうか。あるいは――――。)   (2020/6/27 18:34:55)

アリステア♂冒険者(今まで目を逸らしてきたというわけではない。その可能性だって考えた。それでも、自分が、この肉体が、創られたモノだと納得できる材料が少なかっただけで。創られた命なのだとしたら、創られた意味が必ずあるはず。この肉体も、記憶も、魂でさえも創られたものだとしても、自分の存在意義がきっとあるはずなのだ。――「バカですか。」)え?ちょっ、いたっ、痛いっ!(突然頬に痛覚。弱音……に聞こえたよな、うん。ただ、納得して進みたかった。)わか、わかってますって!いったぁ~……。案外暴力的なんだよなぁ……。(ぼそ。)大丈夫です。俺が創られたほうだったとしても、やることは変わりないし、何かどす黒い力が働いているのは、十分伝わってきてる。単純ですよ、その黒いの取り除いて綺麗にして、そしたら、これからのことは向こうと話して決めればいいんですから。さ、目標はすぐそこです。行きましょ。(この細い通路を真っすぐ進めば、広い空間にでる。――そこに居る。中央に立って、こちらを待っている。朽ちかけた肉体を引きずりながら、自分たちが現れる通路を静かに見据えている――。)   (2020/6/27 18:07:46)

エルソフィ♀司書官会うまで確証はありません。会えば確証を得るでしょう。でも……(伸ばした手の先は、声が一番聞こえる場所の近く。頬。やわく指先でつまむように触れて――)バカですか。(――つねった。そして引っ張った。)いまさら私の前で、創りモノの定義がなんだというのですか。(いつか、創られるだけ創られて屋敷に一人残された錬金術の忘れ形見に会いましたね。)仮に理の中で受肉した最初の存在こそ真に尊いとして、その紛い物を真に卑しく消すに値するとして、残念ながら時系列の事実が語る事実は、エルソフィ・エデットが言葉を交わしてきたのは、眼前に立つ紛い物のほうです。創られモノのワタシに言わせれば、どちらもアリステアです。(その声音は、初めて出会ったときと何ら変わらない。氷のように硬質で、静謐で、高潔な。)目的をお忘れなく。私たちが目指すのは、13人目の贄を与えずにその悪魔を暴くことです。そして我儘と欲張りを許してもらえたので、私は……(呼吸ひとつ。)……――『二人とも連れ帰る』、その為の最善を尽くすつもりです。貴方がたの存在そのものに善悪はないのですから。(やっと、つねる指を離した。)   (2020/6/27 17:49:42)

エルソフィ♀司書官(地下へ、地下へ。自分が生まれたところよりもずっと暗く水も冷たい場所。欠けて朽ちた石が、時折どこかでカララと音と立てて崩れる。それでも柱が朽ちないのだから、やはり古代建築はまだ文献が足りない――などと呑気な感想を抱く猶予を、この静寂は与えてくれない。鼓動が重くなるのは、自分が水都の害とならぬようと編まれる結界の圧が心地悪いのか、あるいは――――『創られたのは俺のほう』)……そう定義すれば納得の行く項目は多いです。背中の文言も通常、生身にあれだけ同時起動する魔術文言を刻みこんだら、人体維持の理が崩れて内臓機能から瓦解します。(図書館では敢えて言わなかったこと。)……マーリンさんがそう仮定なさっていることも、事実です。(嘘を嫌う女は、真っ暗の中でもまっすぐに見上げた。そして、まっすぐに手を伸ばした。指先を、小さな光鱗粉を落とす虹色蝶の淡い光で照らしながら。)   (2020/6/27 17:49:32)

アリステア♂冒険者(近くにいる。そう感じ取れるほどに、もう一人の自分の気配は強い。闘士の力でどこをどう進めば行き止まりに当たらずに進めるかもわかる。でもどうして……。これまで何度も邂逅してきたはずなのに、感じ取れるのは負の感情だけじゃない。色々な感情が混ざっている。まるで、自分よりも多くの感情を持った、ヒトであるかのように。自分よりも、よっぽどヒトらしいフクザツな感情。やっぱりアレは……。)……。(立ち止まって、隣を振り向いた。きっと彼女は知っているはず。)ここまで来て、やっぱりな……って。知っているんでしょう?創られたのは俺のほうで、今から向かう先にいるのが……『ホンモノ』なんですよね。(暗くて表情は見えないかもしれない。否定することを諦めたような、納得したような、そんな顔。)   (2020/6/27 17:11:47)

アリステア♂冒険者師匠から……?そうですか……。(やはり、師は何かしらを知っている。聞いても教えてくれなかったというのに、彼女には打ち明けたということはきっと――)はい。行きましょうか。(現在ロサールで運用されている地下水道への入口は至るところにある。しかし今回の目的地はその更に深く――恐らく、旧地下水道。今はもうほとんど整備もされておらず朽ちていく一方で、その手の場所を好む魔物が棲みつくこともあるので立ち入りは固く禁じられている。彼女の言う通り、ある意味で都合のいい場所でもある。)そりゃいいや。ここは大人しく国家権力に甘えておきます。(明るみに出ないで済むならそれに越したことはない。無関係の人たちを危険に晒す必要なんて一切ないのだから。)……大丈夫。って、思えるくらいには、言葉を交わしてきましたから。(真っ直ぐ前を見据えたまま、青色の瞳に意志を宿らせて答えた。そうしてやってきたのは、旧地下水道の入口。現行の地下水道はともかく、旧地下水道には魔導灯が通っていない。それでもまるでハッキリと見えているかのように進んでいく。色のない力が、周囲の地形を身体に教えてくれるのだ。さぁ――闇に踏み込もうか。)   (2020/6/27 17:11:42)

エルソフィ♀司書官……グリモアが生まれたのも地下道だったのですが……やはりもう少し地下水路の整備に予算を割いていただきたいものですね。敢えて害を地下に収束させて討つことで民を惑わせない目的、という主張もあるのですが。(どこまで似ているのだか、と、もはや溜息も馬鹿らしくブーツの歩を合わせる。)ワタシが地下に入るときは図書館から一等級の監視と領域封鎖の結界が施されます。多少派手に立ち回っても地上の石畳の揺れは小さいはず。私も重ね掛けで領域封鎖を行います。(淡々と、いつものように。いつぞや廃村まるごと凍らせて禁術を暴いたときと同じ要領での支援を告げた。)それ以外は……ワタシとアナタの感性を信じましょう。(そして、潔く無策を打ち明けた。秘密と相思相愛だが、今日この共闘に限っては無しだ。)切実な問題は、同行するはいいものの、陽の入らない場所はソフィも顕現します。彼女は封鎖定義の対象から外れるので、余計な乱入がないことを祈りましょう。(だから、懸念の溜息も隠さなかった。しかしそれは、深呼吸にも少し似ているのかもしれない。いつもより、細く長い吐息だから。)   (2020/6/27 16:41:43)

エルソフィ♀司書官昨夜、マーリンさんから目星場所の地図もお預かりしています。遣いの蝶を出していましたが……概ね全て一致するのでしょう。(こんな心地でしたか。最後に17人で晩餐を開いた日。ダンスの輪に入れない気恥ずかしさを年相応の少女らしいと皆が笑ってくれた日。こんなに、静かな心地でしたか。たとえ、何一つ報われないまま陽の当たらない地下道に閉ざされた末路だったとしても。……でも、だから、「先生」にもらった教えを心臓にしまって、『穴の開いたブーツ亭』のドアの前で深々と頭を垂れた。)――――いってきます。(さあ、願いを紡ごうか。)   (2020/6/27 16:41:34)

アリステア♂冒険者(暗い。狭い。汚い。ジメジメと居心地が悪い。だけれども、自分はそんな場所が似合うバケモノだ。アレはもうすぐここにやってくる。どうやら赤の力は抑えることが出来たらしい。アレは魔術が使えない。だがそれを補うような同行者を連れて、ここにやってくる。私がこの身に宿したヤツを抑えることが出来なかった時、オマエは守るコトができるか。身の危険を察しているのか、先ほどからヤツが身体の内側で暴れている。今まで緩やかに浸食されてきた肉体が急激にその力を受け塗り替えられていく。――だからどうか、迷うことなく……)「私を……俺、を……」   (2020/6/27 16:13:54)

アリステア♂冒険者(彼女は自分よりも先に目覚めていたようだ。目が覚める前、なんとなく彼女の独り言が聞こえたような気がしたのだが、何を言っていたのだろう。彼女と普段と変わらない雰囲気のまま言葉を交わしていると、余計な緊張感がサッと消えていく気がした。)ああ、朝食は、携行食糧があるので大丈夫です。いつも朝は軽いので。――ん、おはようございます、エルソフィさん。(いつも通りの挨拶と会釈。そんないつも通りを無意識のうちに目に焼き付けようとしてしまうのは何故なのだろう。)……なんだか、とても深いところから呼ばれたような気がします。きっと、直感に従って行けば出会える。(いつも出入りしているブーツ亭の扉を丁寧に閉じて、石畳の上で革のブーツを鳴らす。)――地下。今使われている地下水道よりも、もう少し深いところに……うん、居る。(声は聞こえてこない。でもたしかに、その存在を感じ取ることは出来た。)   (2020/6/27 16:13:49)

エルソフィ♀司書官……起こしてしまいましたか?(ベッドを振り返って、思ってもいないことをわざと言う。こんなに静かな声で起きるのなら、そんなに急かされたような起き方なんてしないのだから。彼の目覚めが良すぎる理由は、察しているつもりだ。禁書に込められた怨嗟の中に産み落とされたこの身は、うつくしいせせらぎに混ざる仄暗い音にとても敏感だから。)……そうですね。(出立を促す言葉へ特段緊張を孕むことなく、いつもの硬質に言った。毛布を丁寧に畳んでベッドの端に預け、その上に、いつも身に着けているはずの黒縁眼鏡も畳んで置いて立ち上がった。荷物らしい荷物は特にない。遠出するときに携行するポーチすらもない。身一つで十分。……小細工が一切通用しないことは承知の上だからだ。)でも、朝食くらいは満足に召し上がってくださいね。それくらいの猶予は神々も許してくださると思います。(トントンと階段を下りながら、そんな呑気なこと。自分は?――昨日十分に食い溜めた。)ああ、おはようございます、アリステアさん。(左手を心臓に当てる、いつもの会釈が珍しく最後にとってつけられた。)   (2020/6/27 15:37:34)

エルソフィ♀司書官(その眠りは、長かったのだろうか。その眠りは、深かったのだろうか。――いや、きっと何でもよかったのだろう。冷たい床から身を起こしたとき、しっかりと黒本<じぶん>を抱いていたのだから。いつものように。右腕に。顔を上げて、小さな窓の向こうから鳥の鳴き声が聞こえたのだから。まだ朝市も開かれない静かで穏やかな朝。何度も見てきた朝。ふわふわと視界の中を横切る虹色蝶。白手袋にほとんどを覆われた指先に迎えて、朝陽の逆光の中で小さく呼びかけた。)――――『目』を。(翅を開いては閉じる虹色蝶。そのずっと向こうを見つめる紫の眼差しは、朝陽しかしらない。)……。…………大丈夫ですよ。(ただ、口元がほんの少し、綻んだだけで。)この人は、必ず守ってくれますから。(大事に大事に、まるで眠る猫に囁き落とすように言って、ゆっくりと目を閉じた。……もう一度、ゆっくりと開いた。)――……お留守の間、頼りたい場面は、何度もありました。でも、今度もきっと、貴方の教えを守って越えてみせます。(大事に大事に、全ての教えに誓う半人前のように言って、ゆっくりと閉じた。)   (2020/6/27 15:37:14)

アリステア♂冒険者……っ!(その声に、目を覚ます。『穴の開いたブーツ亭』の客室の窓から陽が差し込んでいる、なんてことない景色が広がっている。)呼ばれてる……行かなくちゃ。(でも、何処に?ふと、すぐ近くに人を気配を感じて視線を移す。ああ、そうだった。今日は――)どうしてかわからないけど……急いだほうがいいような気がします。呼ばれている……すごく、苦しそうな声で。(すぐ隣に立てかけられた剣と小机の上の革のポーチを身に着ける。)行きましょう。(――快晴。死ぬには善い日だ。だが、今日ではない。)   (2020/6/27 15:14:18)

アリステア♂冒険者「……私の力不足だったわけだ。結局、アレは不完全で、せいぜい私を追うことしかできなかった。アレを創り出した時、きっと私も怯えていたのだろう。その怯えのせいで、アレは真実を求めることに臆病になった。……だが、この街で少し変わったか。今なら……或るいは……」(水都ロサール。なんと美しい街か。人目見た時から、ここを終焉の地とすることを決めていた。自身の中に飼う悪魔をなんとか抑える為に、やむを得ず十二の贄を、餌を、ゆっくりと与えてはきたが、それももう限界が近い。目が霞み、肉体の制御が効かない。気づいた時には、右腕はヒトのものではなくなっていた。こんなバケモノは、この美しい街に似つかわしくない。故に王国時代に使われていたであろう旧地下水道に身を隠しているが、この肉体を制御できなくなった時、自身の手でこの美しい街を壊してしまうのだろうか。もう時間がない。早く……)「私は――ここだ」   (2020/6/27 15:14:10)

アリステア♂冒険者(――しかし、彼の仮説が当たっているのは半分だけだ。あの遺跡に悪魔はたしかに存在した。遺跡の罠から仲間たちを守る為に、優秀な魔術師でもあったアリステアという男は、悪魔の囁きに耳を傾けると同時に、禁術を使いもう一人の――今、水都ロサールで冒険者としてアリステアと名乗っている者を創り出した。遺跡の惨劇を乗り越えた先、悪魔と契約を結んでしまった魔術師アリステアを消す為の存在として。)   (2020/6/27 15:14:00)

アリステア♂冒険者(今日という日をこんな形で迎えることになるとは考えてもいなかった。四年前。古い遺跡の調査隊に参加したアリステアという青年は、調査隊が発動させてしまった罠によって大量に召喚された魔物たちから仲間を守る為に奮戦した。死の足音がすぐそこまで迫ってくる恐怖の中、悪魔のような囁きに、身を委ねた。今思えばあの囁きは、悪魔のものではなく、自分のシニタクナイという負の感情が生み出したナニカだったのかもしれない。ずっと、悪魔を追っているハンターのつもりでいた。しかしその悪魔の手で犠牲になったのは、アリステアという存在に危害を加えようとする者たちばかり。ここ、水都ロサールに至って、彼が見出した答えは、アレは悪魔なんかではなく、もう一人の自分であるということ――。)   (2020/6/27 15:13:51)

アリステア♂冒険者【それではさっそく導入致します。最終幕の為かなりの長考となるとは思いますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。それでは――】   (2020/6/27 15:13:28)


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