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т.и × g.г の お部屋 .

関係者以外立入禁止 .










2つの " 紅 " が交わる _
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おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/7 21:29:03)

之/tn.▽胸が締め上げられる想いに彼の顔を見上げれば、目が合い首を傾げてくる。やはり好きだと思い知らされ、軽く首を振ってから立ち上がった。そういえばまともにデートなんてした事は無い。自ら誘うのは思いの外緊張する。「……桜見てからあのラーメン、食べに行こうやグルさん。」   (2021/3/7 21:28:59)

之/tn.▽押し当てられた唇の柔らかさと、春風が花を揺らすかの如く優しく漂う香りが、心を氷解していく。叱られた子が許された時の安心感に抱かれて、見開いた目をゆっくり伏せた。短く軽いキスであったが、胸がいっぱいに満たされていく。キス一つがこんなにも幸せを感じる事だとおしえてくれたのは、この人に他ならないのだ。顔が離れると、彼の金の髪が光を受けながら春の小雨の様に頬へと流れてくる。「そうやな……もう昼も過ぎてもうたみたいやけど、折角の休日やしな。良かったら一緒に花見行かへんか?」グルさんが良ければ、と一言添えて。彼が花が綻ぶ様に笑み返してくれば、それが肯定の意である事は明白だった。長時間泥の様に眠り続けて固まった背中をパキパキと伸ばし、カーテンを大きく開くと既に翳り気味の陽光に目を焼いた。陽気につい欠伸が出ると、まだ眠いのかと彼が笑う。リビングに行くと折角作ったパスタが散乱したままであった。床に落ちたカトラリーを片付けながらふと、この人は片時も自分の側から離れず、眠りから覚めるのを従順に待っていたのかと思い至る。   (2021/3/7 21:28:43)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/7 21:28:31)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/7 18:35:32)

諸星/gr.▼大きな男が、まるで愛玩動物のように小さく縮こまっている様は見ていて可愛らしいし心が踊る。萎縮した体と此方に投げ掛けられる視線に乗せられた疑問の色、それら全ての一切合切を無視して唇を重ねた。いつだってお姫様はキスで目覚めるものさ、そうだろうダーリン。口付けによって彼の瞳は瞠若し、部屋いっぱいに広がる陽光を吸い込んで淡い赤色を見せてくれる。押し当てるだけの短い口付けを終えて顔を離し、固まってしまった彼へと柔らかく微笑みかけた。涓々と湧き出る春の小川のように、静謐な流れに身を浸しているかのような心は至極穏やかだ。俯いた事によって垂れた前髪が彼の顔の横へと流れ落ちる。「謝罪を述べて辛気臭い雰囲気を作るには、今日の天気は不釣り合いだと思わないか?…俺は、何も怒ってなどいないよ。それにトントン、お前は悪くない。」欲望を顕にすることは何も間違った事では無いのだから。だからお前が不安に思い怖がる必要は無いのだと、気にしいな彼を安心させてあげたかった。   (2021/3/7 18:35:22)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/7 18:35:17)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/7 15:56:55)

之/tn.▽一応謝っておくべきであろう。彼の首を締め上げ、危うく殺めかけたには違い無いのだ。しかし微塵も気にした様子のない相手の態度に、脳内には沢山の疑問符が浮かんでくる。計り知れぬ相手には其れに相応しい恐怖感を抱いてしまうのは、生物として当たり前のことだろう。彼の次の一言に思わず身構えた。   (2021/3/7 15:56:52)

之/tn.▽「うわ、びっくりした……」目尻を撫で、気持ちを口にした途端に、彼の身体が跳ね起きる。久しぶりに肩がビクつく程の反射と動悸に見舞われ、手を引いたまま驚きに目が釘付けになる。僕を驚かせた当の本人は、両手両膝をベッドにつけたまま、がばりと顔を上げ己の顔を見上げてくる。その焦りの滲んだ顔に息を飲んだ。昨晩彼にした非道な行いに怯えさせてしまったのだと、首に残る痕へ恐る恐る指を伸ばしかけたその刹那、彼の顔に安堵が広がり、次いで自嘲の様な笑みへと変質していく。今彼の中では一体何が起こっているのだろう。不安に指を引っ込めかけた時、いきなり飛び掛かられ揉みくちゃにされてしまう。困惑が混乱に変化し、ぐしゃぐしゃと激しく混ぜっ返される髪に目を伏せ、取り敢えずはされるがままである。思わずベッドに背をつけ仰向けに倒されると、顳顬横のシーツが僅かな重みに陥没した。彼の吐息を感じて目を開ければ、目の前に燦爛とした赤い瞳と、欣喜たる表情があった。「お、おはようグルさん……昨日は、すまん。」   (2021/3/7 15:56:37)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/7 15:56:26)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/7 00:14:02)

諸星/gr.▼ガバリと身を起こしてベッドに両手と両膝をつき、顔ごと視線を彼へと向ける。こちらに手を伸ばした姿勢のまま固まったその男、驚きによって呆けた顔を見た瞬間、一気に体から力が抜けた。安心したのだ、彼の顔を見て、こちらを見つめる眼差しに間違いなく己は安堵した。自嘲するような笑みを浮かべた顔を伏せて数秒、困惑の視線が横から突き刺さるのを肌で感じる。心配させやがって、ちくしょう。腹癒せに、と勢いよく彼へと飛びかかってやった。ベッドの上でもみくちゃになりながら男を押し倒し、柔らかな光を反射する瞳を覗き込む。顔の横に手をついて顔を近付け、朗らかに笑んで見せようか。「おはようトントンくん、目覚めはどうかな。」   (2021/3/7 00:13:59)

諸星/gr.▼彼が意識を失ってから、数時間が経過した。驚く程に起きる気配の無い彼は、まるで死んでしまったようだと思った。まともに食事もとらずに眠ってしまったからか、窓から差し込む月明かりの所為か、青白い頬は死人のそれと遜色ない。このまま眠りに落ち続けて、二度と瞼が開かれなかったらどうしよう、そんな事はきっと有り得ないだろうけれど。規則正しい寝息と僅かに上下する呼吸が、彼が生きているのだと教えてくれた。彼の胸に頬を押し当てる、耳を傾けて、伝わる鼓動を感じ取った。次いで彼の髪へと手を伸ばす。指通りの良い黒髪を手で梳くように撫で、頭骨の形に沿いながら指を動かす。どれぐらいの時間、こうしていただろう。ふと気が付けば意識は宙を漂い、体がシーツの柔らかさを教えてくれていた。目元を撫でる手つきに込められた慈愛が心を解し、落ち着く声が自分の名前を呼んでくれたような、誰の声が?急速に意識が水面へと浮上し、弾かれたように瞼を開いた。   (2021/3/7 00:13:47)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/7 00:13:29)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/6 23:43:21)

之/tn.▽深い眠りから目覚めたのはそれから半日以上後の事である。眩しげに目を開ければ窓には遮光カーテンがかかったまま、隙間から僅かに溢れる光を残し室内に安息を与えていた。痛む体を起こし、熱っぽい頸に手を当てて摩る。時計を見ると午後の2時、そんなに寝てしまったのかと若干の背徳感に眉を潜めた。ふと横を見ると、疲労し切った顔を浮かべる契約相手がうつ伏せたままシーツに顔の半面を埋め眠っていた。その首筋には昨晩の鬱血がくっきりと痕になり、思わず自分の拡げた掌を見つめて息を殺す。再び彼を見つめ直すと、突き上げてくる様な嫌悪感が拭われている事に気付き、疲れた目元を指の腹で往復する様撫でる。「……愛しとるよ、グルッペン。」   (2021/3/6 23:43:16)

之/tn.▽数秒、もしくは数日だろうか、時間の感覚をとうに無くしたまま気を失っていた。倒れた場所がベッドで良かった、きっと床だったら彼には運べなかっただろうから。深い深い眠りの中は沈黙と安寧の空間だ。こんなに意識の深いところまで落ちるのは、とても久しぶりに感じた。きっと彼が来てから何処となく落ち着かないものを感じていたからだろう。買い換えたとはいえ狭いベッドで彼と2人で眠るのは、相手に気を使う部分だ。けれども隣に、背中に、胸元に誰かの温もりを感じる事の、言い表せぬ幸せも同時に得たのも事実であった。今も彼が己の髪を柔らかく撫でつけ、じっと側にいるのを感じている。意識だけがこうして彼の隣に佇む不思議な感覚だった。   (2021/3/6 23:42:59)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/6 23:42:35)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/6 23:05:59)

諸星/gr.▼腹を抑えて丸まった背へと手を伸ばそうとして、不意に此方を見上げた彼と視線が交わる。見つめてくるその表情に、思わず動きを止めた、なんだ、その顔は。鬼気迫っていた瞳が突如として驚きに染め上げられ、次の瞬間にはぱたりと静かになった。ベッドへと横たわる姿を見つめて数秒、恐る恐ると彼へと声を掛ける。「…トントン?おい、大丈夫か?」そっと肩に手を伸ばして軽く揺すり、意識の有無を確認する。一体どうしてしまったと言うのだろうか、彼の中で何が行われていた?全く反応が無いところを見ると、どうやら意識を失ってしまったらしい。僅かに喉に残る違和感に咳払いをしつつ、彼の頭へと手を伸ばそうか。サラリと前髪を指で退かして、その額へと口付けをひとつ。彼が目を覚ますまではここに居よう、と気を失った彼の顔を見下ろした。   (2021/3/6 23:05:56)

諸星/gr.▼己の言葉は確かに聞こえたはずだが、首元から彼の手が離される様子は見受けられなかった。そうかそうか、俺を殺すのか、とても面白いじゃないか!ゆっくりと指に力が込められて、穏やかに呼吸が奪われていく。心の底からこの状況を楽しんでいると言うのに、表情はどうしたって苦しさを隠せなかった。足りなくなる空気を補おうと肺が喘鳴したが、得られたのはほんの僅かな呼吸だけ。彼の手が血管を圧迫し、塞き止められた血液が大きく拍動する。次第に頭がぼんやりとする感覚、ぐらりと倒れてしまいそうだ。段々と視界に黒が混ざりはじめ、彼の体と背景の境界線が曖昧になっていく。この手に殺されるのは存外悪くないね、感覚を研ぎ澄まそうと瞳を下ろした。命の綱を断ち切ろうと鎌を伸ばすそいつに体を明け渡そうとした、その瞬間。唐突に解放される。反射的に大きく咳き込みながら瞳を開き、ほぼ同時に耳に届いたのは首を絞めていたはずの彼の大きな呻き声。意味を持たないそれは酷く苦しそうで、状況を飲み込みきれずに彼をただ見つめていた。   (2021/3/6 23:05:42)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/6 23:05:39)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/6 22:13:04)

之/tn.▽ハッとして彼を見たが魔法を使っている訳ではなさそうだ。ナイフで刺された上抉られるような痛みに思わず両腕を首から離し、腹を抑えて激しく呻く。真っ青の顔で自分を見下す者に目を移せば、それは冷たい目をし彼を庇う己であった。哀れな獣から牙を奪い、愛する者を守ろうとする気持ちが、本能を抑制したのだ。その光景に瞠目した獣の意識はぷつりと切れ、ベッド上へと四肢を投げ出した。   (2021/3/6 22:13:01)

之/tn.▽努努忘れるな、と彼の唇が動いた。だが既に獣を解放してしまった。劣情に身を任せる己の炎に、なす術なく飲まれていく。脳が正常に働かず、骨張った指に、腕に、少しずつ力が籠っていく。嬉々として月のような笑みを浮かべた彼の口元にも、呼吸が奪われ始めると苦しみを浮かべ始めた。その顔を眺めていると、彼が己のものになっていく満足感と、憎悪に近い愛情が渦巻く心が重なっていく。構わないと己を受け入れた彼の言葉に嘘はなく、腫れ物に触れるような細やかな指先は、抵抗の一つも見せていない。こんな細い首をしていては、喉骨を押し潰したりへし折る事は容易いだろう。常に支配されていた立場が変化して、彼が己に支配されていく。喉に溜まった空気がかふりと吐き出され、遂に息が止まると赤い瞳が徐々に閉じ、暫し後には瞼の裏へと隠されてしまう。このまま力を入れてしまえば、彼は死ぬ。だがその瞬間、下腹部に強い熱を感じる。   (2021/3/6 22:12:47)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/6 22:12:36)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/6 01:36:54)

諸星/gr.▼言葉が終わり、次いだ彼の行動は。彼の指が己の首へと絡み付き、太い節くれだった指が血管を的確に捉える。向けられた表情は酷く歪んでいて、彼のこの行動に対する気持ちがよく表れていた。対する、私は。口角が上がることを止められない、それはもう、自然と口元を三日月に持ち上げようか。漸く顕現した望みがまさか、こんなにも歪なものだとは。やはり人間はこうでなくっちゃね。「殺すのか?私を。」問い掛けた声には喜びが滲んでいた。片手を持ち上げて彼の手の甲を撫で、指先で手首を辿り、腕、肘、上腕、そして彼の頬へと手を伸ばす。繊細な陶器を扱うように、傲慢で欲に忠実な男の片頬を包み込んだ。「構わないさ、お前が望むのであれば。…しかしトントン、今この瞬間から、私はお前以外からの接触を許されない体になった事を忘れてくれるなよ。」   (2021/3/6 01:36:50)

諸星/gr.▼彼の頭に己の言葉が届くかどうか、そこだけがほんの僅かに心配だった。しかしそれも杞憂だったと直ぐに知る事となる。反芻された言葉は、彼へと言葉が届いた証拠に他ならない。ぼんやりと膜の張っていた瞳が急速に焦点を定め、迷いを断ち切った眼差しが姿を現す。彼の望み、そこで一度切られた言葉の先へと思いを馳せた。僅かにこちらへと傾いた身体、両腕が開かれた事を確認してそれに倣うように両腕を広げる。ぎゅう、と交わした抱擁が互いの鼓動を伝えて、初めて体を重ねた日のことを思い出した。大きな体はすっぽりと己の身を覆い隠してくれる、この両腕に与えられる安心感に縋ってしまっている節はどうにも否めない。こいつが死ぬまでの生涯、この腕の温もりを知る奴は現れないのだと考えれば優越感に浸ることができた。そうして暫くすれば、ようやく吐き出された彼の本当の願い。ささやかな音色に反して、その願望は黒く濁っていた。   (2021/3/6 01:35:33)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/6 01:35:29)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/5 23:53:50)

之/tn.▽それから僅かに唇を開いて息を吸い、静かな夜の帳越しに震える、羽虫の羽音の様に囁いた。「お前を渡したく無い。誰にも触れさせたく無い。その為なら俺はお前を手に掛けようとすら思う。」神様は聡明で残酷だ。死などという、究極の苦しみに救いを乗せるなんて。悪魔にも死は訪れると此奴は言った。僅かに身を離すと、彼の背から腕を細い首へと移動させ、両手は上下の顎がガチリと合わさる様に指を重ね頸動脈上を覆った。これから起こる愛別を想像し顔を歪に曲げた。愛してはいけなかった、けれど愛してしまったのだから。   (2021/3/5 23:53:47)

之/tn.▽「僕が、どうしたいか。」彼の言葉を声に出して反芻する。答えは既にとっくの昔に出ているのに、どうしてもその事実から目を逸らしてしまう。認めればきっと重厚な扉に幾十にも必死で掛けた、鎖を解き放ってしまうのだ。己の中に住む獣は容赦なき武器を持ち、彼も己もズタズタに引き裂くだろう。また思考が真っ黒な染料に染められていこうとした時、先程廊下ですれ違った際とは違う甘さの、優しく暖かく、そして憐憫な香りが鼻を掠める。そのおかげで何とか底無しの沼に呑み込まれそうな意識を掬い上げられ、片頬に添えられた手には不思議と嫌悪を感じなかった。恐る恐る視線を上げる。彼の瞳はもう、僕を射抜く矢では無い。円かなるそれは、今までに彼から感じた事の無い、慈母の温もりに感じた。彼は一体幾つの顔を操る事が出来るのだろう。悪魔だからなのか、それとも“心”からなのだろうか。「僕の望みは……」その深紅の瞳に吸い込まれるように身を乗り出して両腕を広げると、直ぐ意味に気付いた彼が同じく軽く腕を広げハグを交わす。温もりが服越しに伝わり始めるまで、身動ぎ一つせずにいた。   (2021/3/5 23:53:28)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/5 23:51:34)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/5 23:05:56)

諸星/gr.▼元来悪魔は、欲に忠実な人間を好む。己とて例外ではない。内心、この状況を楽しんでいたりするのは内緒にしておこう。「世話の焼ける奴だな、お前のために言葉を言い換えてやろう。だからほら、そう怖がらずにこっちを見てくれ。」片手を外して、片頬だけに手を添えながら視線を促した。恐る恐ると言った様子で向けられた眼差しを捉えながら、笑みを浮かべて見せる。春の風のように穏やかな、それでいて瞳には様々な色を乗せて。期待、自信、愉悦、微かな不安、様々な感情を包括したそれは、深紅へと収束されていく。「お前だけが良いと望むのであれば、俺はそれに従おう。利口な犬になどなってやる気は無いが、お前だけを見てやる同居人なら大歓迎さ。…お前が、どうしたいかを教えてくれ。それが俺の望みでもある。」言葉を全て吐き出し終えてから、手を引いて姿勢を戻した。拒否も許容も、全ては彼次第だ。   (2021/3/5 23:05:54)

諸星/gr.▼本当に、どこまでもどうしようも無い男だ。自分が手に入れたいものを、手離したくないものを理解していると言うのに。それを自ら手放そうとしているのだから、人間っていうのは熟々愉快な生き物だと思う。動揺で揺れた瞳が逸らされ、その視線の行く先はシーツの波間へと消えていく。しかし、ここで折れてやるわけには行かなかった。視線が交わらない事など気にもとめず、彼の瞳を見つめ続ける。「いいや、猶予など与えてやるつもりはない。今この場で決めろ、俺は優柔不断な奴は好まないんだ。」引き下がることは簡単だ、しかし己が引き下がった後の彼が、はたして本当に冷静な判断を下す事ができるのかどうかが分からない。いや、きっとできないだろうと踏んでいる。彼は妥協してしまうだろう、それは好ましくないのだ。種族が違うから、性質だから、と彼は彼自身に言い聞かせる事だろう。本当は嫌なはずなのに、自分を押さえ込んでまでこちらを優先させてくれようとする。そんな未来は望んでなどいない。   (2021/3/5 23:05:19)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/5 23:04:50)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/5 22:10:43)

之/tn.▽弱々しく首を振るも、彼の射抜くような目の色は濁るどころか更に輝きを増した。その目を見返せば思考が奪われ、彼の意のままになってしまいそうだった。急に怖くなり皺の寄ったシーツに目を落とす。「……今すぐには決められへん。少し時間が欲しい。今日の事を覚えたままならきっと、僕はお前の事抱けんやろう。抱けないどころか、今のこの距離ですら辛い。けど飢えさせる訳にはいかんのや、やから。」とにかく今は距離をとって考えたかった。真っ直ぐすぎる彼の瞳の前に晒されるのは、痛くて痛くて耐えられそうに無いのだ。   (2021/3/5 22:10:39)

之/tn.▽手を払ってしまった。なんて事をしてしまったのだ。後悔しても、時は巻き戻ったりしない事など百も承知だった筈なのに、彼を前にしては冷静さすら装えない。酷く傷つけたと質量を持った罪悪感に潰されかけるが、何故か彼は驚くほどに冷静であった。寧ろこんな反応を観察しては嬉々たる感慨を得ている気すらした。ぐずる子供を諭す様な優しい声と落ち着いた深い声が、錯乱状態の心の荒波をなだらかに抑え込む。身が近くなり、頬を両掌で掴まれた。その指先には強制力はない、なのに強く振り解かねば離してはくれない、そんな気がした。それからすぐに背中に冷汗をかきはじめた。彼の視線は余りにも真っ直ぐにこの事態を見つめていたからだ。その赤い瞳に己の歪んだ心根が見透かされそうで、焦点をずらしてキツく眉を顰めた。「違う、違う。僕が願うんじゃ意味なんて無い。それは只の僕の我儘やからや。束縛する気なんてない、それにお前が淫魔で、どんな事してきたかなんて分かっとった筈やねん。」   (2021/3/5 22:09:02)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/5 22:08:48)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/5 01:34:44)

諸星/gr.▼「極力お前の事は理解してやりたいと願っているよ。しかしその願いだけは聞き入れられない、お前の記憶を消してどうなる?何も変わらないだろう、この瞬間のお前が救われるだけだ。」自暴自棄になる人間は見ていて心が踊る、しかし思考を放棄した姿は好ましくない。頬を掴む手に力がこもり、言葉にも熱が入った。「一時の感情に身を任せるな、よく考えろ。お前の記憶を消して、お前の知らない俺が他の奴に抱かれても良いんだな?ここでお前の記憶を消したら、今後一切お前は情事の際の俺を知らない事になる。それでも本当に良いと思うのか。」言葉を全て吐き出してから息を吸い込み、そこでようやく手と顔を解放する。体を引いて座り直し、それでもなお彼の瞳を真っ直ぐに捉え続けた。数拍置いてから、再び口を開いて彼へと言葉を向けよう。ピントを合わせるように瞳を細め、彼の瞳の奥を覗こうとした。「早くしろ。お前はたった一言、他の男に抱かれるなと俺に願うだけで良い。言葉は力を持つ、その願いを俺が聞き入れた暁には、晴れて俺はお前だけのものだ。」   (2021/3/5 01:34:41)

諸星/gr.▼パシッ、と乾いた音が響く。伸ばした手が振り払われたのだと気付き、驚きに目を丸くした。まさか振り払われるとは思っていなかった、彼に明確な拒絶を示されたのはこれが初めてだ。しかしこちらを見遣る彼の表情が引き攣ったものだと知れば、彼が平静ではないと教えてくれる。続けられた言葉たちはとても駆け足で、普段は冷静に物事を捉える彼にしては珍しい。それほどまでに自分の事は彼の心を乱しているのだと、場違いな優越感を覚えた。「…話を聞きなさい、トントン。いいか?俺を拒むんじゃない。俺はサキュバスだ、お前とは違う。感性や常識にズレがある事を忘れてはならない。しかし感情はあるし気分だってある、それはお前も分かっているだろう。」たった一度の拒絶で諦めてやるほど、彼への執着は薄っぺらいものでは無い。両手を彼の頬へと伸ばして体の距離を詰め、強引に瞳を引き合わせる。真っ直ぐに、視線を交差させた。とうに暗がりへと慣れた瞳は彼の虹彩を捉え、逸らそうとする瞳孔を許さない。   (2021/3/5 01:34:26)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/5 01:34:12)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/5 00:23:00)

之/tn.▽顔を上げると、彼の真っ直ぐで柔らかい瞳に見つめられていた。天秤にかけるならば、僕から食事をし娯楽をも得られる選択肢を選ぶべきだ。それが互いのためなのだ。彼の話は正直半分以上頭に入らなかったが、言っている意味は粗方理解ができた。そしてまっすぐに僕を見つめて、その掌が僕の頬へと伸びてきた。反射的に嫌悪感からその手を払い、驚きの顔をする彼に引き攣れた顔を向けた。「ッ、ごめん……けど、そう簡単にそうですかって受け入れられんねん。今は触れて欲し無い、相変わらず吐き気もある。どうか、分かってくれんかグルさん。僕の記憶を、奪って欲しい。」   (2021/3/5 00:22:54)

之/tn.▽娯楽、という言葉が、また自分の後頭部を打ちのめした。下げたままの頭をなかなか上げられず、またただの娯楽の為に肌を晒す彼の感覚に、少なからず嫌悪を抱いた。元々男女のそういう事に巻き込まれるのが嫌だった。思春期を迎えた人々の浮ついたあの態度や噂話などに、興味が湧いた事は一度もない。多くの者と秘事を重ねる者は嫌いである、快楽を貪る為に見境なく抱き抱かれる奴は、信用に値しない。もしかしたら潔癖な一面があったのかもしれない、元々人間という生き物を、そこまで好きでもなかったから。炎が壁や天井を舐めては悉く焼き、ぼろぼろとランダムに剥がれながら燃えていく。壁紙が無残に剥がれ落ちれば、真っ黒なコンクリートが下から現れる。それが今の僕の脳内だった。普段なら押しの強い、雄弁な彼に押され負けていたかもしれないが、今回ばかりは我慢する気など無い。   (2021/3/5 00:22:32)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/5 00:22:19)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/4 23:48:39)

諸星/gr.▼「私は今後も、意識ある状態でのお前との情交を望んでいるよ。前提として、私が他の男の元へ行くのは言わば娯楽のようなものさ。精気はお前以外からは受け取れないし、受け取ろうとも思えない。娯楽であるその他の男と、大切で唯一のお前を天秤にかけた時に。前者が沈んでしまうのはおかしな話だろう。」言葉に迷うことなく、淡々と言葉を並べていく。どうしようもなく不器用な目の前の男の頬へと手を伸ばして、その顔を覗き込んだ。「それに、お前が言うべき頼みってのは記憶を消してもらうことでは無い。俺が他の男と寝ることが嫌なら、それを頼んだ方が合理的だとは思わないか?」   (2021/3/4 23:48:36)

諸星/gr.▼問い掛けて数秒、色々と思考を回しているらしい彼の瞳は様々な色を映して、その変化を見つめ続けていた。途端、瞬間的に表情が歪んで彼が口元を手で覆う。その動作が何を表しているのか理解できないほどの馬鹿ではない、ベッドから降りて近くのゴミ箱を引っ掴み、彼へと差し出した。丸められた背が上下に跳ね、苦しそうな呼吸が聞こえてくる。しかしどうやら、吐き気は収まったらしい。咳払いを聞いてゴミ箱を引っ込め、またいつでも差し出せるようにとベッドのすぐ下へと置いた。そうしてゆっくりと吐き出されていく彼の言葉を聞き、その意味を咀嚼する。頼む、その小さな言葉と共に下げられた頭を見つめて、断るための言葉を探した。理由を聞いたとしても、彼の頼みを聞き入れる気は毛頭ないのだ。そも、情事の記憶を消したところで彼の内に芽生えた“気持ち”は消えないのだから、意味は無いだろうに。「トントン。すまないがお前の頼みを聞いてやることはできない。」決然とした否定を彼に与えた。胸が痛まない訳では無いし、彼の気持ちも理解はできる。しかし、その頼みを許容してやれるほど優しい心は持ち合わせていないのだ。   (2021/3/4 23:48:17)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/4 23:48:11)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/4 23:00:10)

之/tn.▽不思議と涙は出なかった。いっそ泣けたら気持ちに折り合いが付いたかもしれないのに、僕の心は呼吸の仕方を忘れたみたいだった。「やからその……別にお前は契約に対し何の不履行もしてへん。けど、僕はお前が誰か他の奴に抱かれとる事実を受け入れるのは難しいみたいや。けど今更お前を嫌いには成られへんから、せめて肌を重ねた記憶は消して欲しいし、今後も僕の意識を奪った状態で“食事”してくれへんか。」頼む、と小さく頭を下げて、彼の返答を待つ。   (2021/3/4 23:00:06)

之/tn.▽一笑に付されるかと思いきや、彼は驚きに瞠目してしまった。笑い飛ばせないように真剣に伝えたが、それは完全なる杞憂だった。どうしてか彼は僕の頼みを聞く気は無いらしい。これ以上を明かさねば、きっと受け入れてはもらえないだろう。先程から散々脳裏に浮かべた光景を再び引っ張り出してくると、思いの外吐き気に直結してしまう。さっきまで優しく髪を撫でた指も、一刻前には誰とも知らぬ男のブツへ絡みつき、艶めく愛撫を与えていた指先だ。再び喉奥に焼けるようなものがせり上がり、口を強く手で押さえて目を伏せた。彼が心配そうに此方を気にしてくれるが、今は逆効果だ。少しすると既に空の胃は何も吐き出せず、咳払いをしてから手を外す。「勘違いしとったんや。やからこれは僕の過失やねん。」そう前説を垂れてから、訥々と心情を吐露するに至る。「僕は契約を、人間で言うところの“結婚”やと思とった。悪魔と人間が普通の恋愛は出来ない事は、初めにお前に言われとったのに。グルさんにとっては僕は宿主(しゅくしゅ)に過ぎん存在やろ。他の奴ともずっとこうして、行為しとった、みたいやし。」   (2021/3/4 22:59:53)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/4 22:59:38)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/4 22:17:39)

諸星/gr.▼彼の意図が読めない、どうしてそんな事を。一寸唇を開いてから閉じ、顎に手を当てて視線を下げる。彼の膝に押さえ付けられたシーツに皺が寄り、波立つそこを見つめて思考を回した。情事の記憶を彼の頭から消してやるメリットを考える。考えて、見当たらなかった。契約を結んだままであれば、否が応でもまた新しい記憶は生まれることになる。「記憶を消してやることはできるが、その理由を聞いても良いか?」視線を上げて彼の瞳を見つめ、問い掛けた。「消してやること自体は本当に簡単だ、俺が一言呪文を唱えるだけで良いからな。しかしお前が望むのは、一部の記憶の削除だろう?それによって生じる記憶の齟齬や、あとは、お前が見たものや感じた事も同時に失うこととなる。それでも記憶を消したいと願うのか。」言わば、彼の記憶から自分の姿が消えてしまうということ。情事に関する事のみ消えるのだから今後の生活にあまり支障は無いだろうけれど。それでも共に過した時間が消えてしまう彼の頼みを、快諾しようとは思えなかった。   (2021/3/4 22:17:35)

諸星/gr.▼どれぐらいの時間が経っただろうか、実はそこまで時計の針は進んでいないのかもしれない。振り返った顔は、先程よりは幾分かマシに見えるものの体調が優れてるようには思えなかった。軽く上下に振られた首を見て、ほんの少しだけ肩から力が抜けたような。安堵、そして拭えない不安、怯臆。一番危惧していることは、彼に嫌われてしまったんじゃないかという事。結ばれた契約の前に、個人として彼に嫌われたくないと願っていた。彼へと傾ける心は、恋なんて可愛らしいものではないはずだ。しかし、こちらを見つめる柔らかい眼差しを、乱雑に頭を撫でてくれる手を、失いたくはない。のそのそと大きな図体が暗がりで起きあがり、シーツの上へと腰を下ろす。体を彼の方へと向けながら、向かい合って言葉を聞いた。改まった様子の彼、言葉の合間の溜め息を聞きながら彼の瞳を見つめ続ける。そうして、告げられた言葉に目を丸くした。   (2021/3/4 22:17:20)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/4 22:17:06)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/4 19:59:25)

之/tn.▽鎮痛さの纏わる顔で振り返ると、ベッド上で足を曲げ体重を乗せた彼が、複雑に絡み合う感情を淡く宿した瞳で見上げて来た。軽く頷いて大丈夫だと意思表示し、彼と向き合いシーツ上に胡座をかいた。「……お前が悪気なくしたのは解っとる。この契約は僕が死ぬまで解除できんのやろ? 」彼ならばきっと、こんな事は御手の物だろうから、軽いため息の後真剣な視線を合わせた。「なら、僕の記憶を消して欲しい。お前の生命維持に関わる事やし契約はしたままでええ。共に暮らすのは構わへんから、情事の一切を記憶から消してくれんやろうか。」   (2021/3/4 19:58:59)

之/tn.▽癒し労わるような優しい手付きは、彼には他意がない事を示していた。初めは全てに自棄な見方をしていた己でも、感情に目隠しを施し真実だけを見つめれば、悪意があってやった事ではないのはすぐに理解出来た。認めたくないのは己の心の問題なのだろう。この短期間にそんなにも彼に入れ込んでしまったのだ。知らなければ上手くやれていたのだろうか。だが隠し通そうとしていれば殊更に頭の回る彼の事、完璧に隠していたはずだ。それをしなかったのだから、サキュバスとは元来その様に生きているのが当たり前なのだ。いつかは露呈していた事実なのだ。だからこそ近くに居させて欲しいと口にする彼を、嫌いになり切れぬ僕の性根を深く呪った。一度噛み砕いたものは、徐々に消化へ向かう。髪の間を縫う指の感触を感じながら、緩慢な脳が動き出した。薄く目を開ける。暗闇の中何の変哲もない壁が見え、時間を掛けて身体を起こす。   (2021/3/4 19:58:44)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/4 19:58:32)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/3 23:52:01)

諸星/gr.▼一度手を離してから腰をベッドの縁に下ろし、体勢を整えていまいちど彼へと向き直る。これはきっと、後回しにしてはいけない問題だろう。これ以上の拒絶を示されたのならば流石に引き下がりはするが、無言は許容として受け取るつもりだ。再び彼の頭へと手を伸ばそうとして、やめた。吐き気が収まってないかもしれない、それならば頭に刺激を与えるのは良いとは言えないだろう。そっと背中に手を伸ばして、服越しに伝わる熱を感じながら上下に手を動かした。視線は彼に固定したまま、息を潜めて次の言葉を待ち続ける。   (2021/3/3 23:51:57)

諸星/gr.▼己の手がさらりとした黒髪に触れた瞬間、彼の体が大きく跳ねて強張った。手は振り払われなかったが、果たしてそれは、振り払う元気が無かったと形容した方が正しいように思われた。数拍置いて彼の口から吐き出された言葉は確実に己を拒否するものであり、掠れたその声に胸が痛くなる。弱々しいその声を聞いて素直に引き下がれるほど、心を無くしたわけではなかった。しかし生活を共にして数ヶ月、ここまで弱った姿を見るのは初めてで、どうするのが正解なのかは分からない。言葉を選んで、数秒。伸ばした手を引くことはせず、彼の頭に沿うように手を滑らせながら口を開いた。「…俺が原因だってのは分かってるんだが、近くに居させてほしい。」人間である彼と、サキュバスの自分。種族間の考えのズレが招いた結果だと理解はしていても、未だに彼が何に対して嫌悪を示したのか見当がついていない。直接聞く他無いのだが、今の彼に聞いても大丈夫なのだろうか。   (2021/3/3 23:51:45)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/3 23:51:23)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/3 22:05:25)

之/tn.▽とんだお笑い種だ。泣きたいような、大声で叫びたいような、はたまた笑い出したいような、よく分からない感情に支配されてしまうと、其れが深い絶望に変化するのは時間の問題だ。突如短い後ろ髪に冷たい指が触れ、びくりと体が強張った。広がり続けた空間は一気に凝縮され、耳が痛む現実が己が身を包んでやまない。彼の手を払う事は出来なかった。乾いた唇を無理やり開き、なんとか声を絞り出す。「悪いけど……今夜は一人きりで過ごしたい。御免な、グルさん。」   (2021/3/3 22:05:21)

之/tn.▽果てのない螺旋階段を転落する様な、底の無い井戸から突き落とされた様な、全ての感覚が麻痺していく。彼の声が遠くの遠くから意味を為さない音の様に聞こえると、急に自分の周りに大きな空間ができ、ブラックホールのごとく音もなく広がり続ける。何故こんな風に苦しいのか、何故彼に誰かが触れるのをこんなに嫌悪するのか。そこまで来て理解してしまった、俺は彼を好きになってしまったのだと。元々言われていたじゃないか、彼と自分とは普通の恋愛など出来ないのだと。唯の人間と、肉欲を司る悪魔では、物事の捉え方に天と地の差があるのだと。帰宅した時の軽やかな足音、己の髪や頬に触れる柔らかい指先、気を許した者にしか見せない笑顔、それからあの素晴らしい身体、絡み合う指。それが全て己だけのものだと勘違いしていたのだ。   (2021/3/3 22:05:03)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が入室しました♪  (2021/3/3 22:04:23)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/3/2 20:04:27)

諸星/gr.▼聞こえてくる音が、彼が何をしているのかを教えてくれる。苦しそうなその音を耳にしながら眉を下げて、暫くして出てきた彼の顔を見て更に眉を下げた。死んでしまうんじゃないか、そう思わせる程に血の気の無い顔。ふらふらとした足取りで横を通り過ぎていく彼に何も言えず、背平へと伸ばしかけた手を引いて拳を握り締めた。散らばったままのパスタを横目に、足を寝室へと運ぶ。片付けなんて後でやればいい、今は彼が優先だ。寝室の扉を開いてみればその暗さに僅かに気後れしつつも、ベッドへと沈み込んだ彼に近付いた。何と声を掛けようか、まずは謝った方が良いのか、それすらも分からない。どうすれば良いのだろう、嫌われてしまったのだろうか。迷いに迷って、「トントン」と彼の名を呼んだ。ベッドに片膝を乗せて体重を預け、身体を前傾させて彼の頭へと手を伸ばす。どうか振り払われないように。そう願いながら黒髪へと手を当てた。   (2021/3/2 20:04:22)

諸星/gr.▼己の言葉が彼の耳に届いた途端、彼の纏う雰囲気が豹変する。静かに孕まれていた怒気が顕現し、此方を見つめる眼差しの鋭さに貫かれて動きを止めた。何故かは分からないが、目の前のこの男の地雷を踏み抜いてしまったらしい。どの言葉が不味かったのだろう、相手の名前を確認しなかったからだろうか。思考を回しながら背中を嫌な汗が滑り落ちるのを感じる。しかし、呼吸すらもはばかられるような張り詰めた空気を破ったのは、他でもない彼自身だった。突如として勢いよく立ち上がった彼、不意をつく動作と椅子が床を引っ掻く音に肩を大きく跳ねさせた。彼の手に握られていたフォークは床へと落下し、机上にぶちまけられたパスタからはまだほんのりと湯気が上がっている。驚きに目を丸くして、廊下へと消えていく背中を目で追った。いや、目で追うだけではいけない、慌てて立ち上がって彼の後を追い掛ける。追いかけようとした、けれどふらつく体がトイレへと吸い込まれていくのを見て、リビングの扉の前で足を止めた。   (2021/3/2 20:04:03)

おしらせ諸星/gr.▼さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/3/2 20:03:53)

おしらせ之/tn.▽さん(iPhone au)が退室しました。  (2021/3/1 00:53:46)


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