親愛なる友人へ

この手紙をお前に渡す事にしたのは、俺なりにかなり悩んだ末だと思ってほしい

俺とお前も知り合って１０年だ。随分一緒に遊んだよな？お前の悲惨な話も、俺の悲惨な話もお互い知り尽くしている。お互いの性格の事もな。今でも俺は本当にお前と知り合えてよかったと思っている

しかし。お前も気づいていると思うけど、俺の命はもうそう長くない。それでお前に頼みがあってこの手紙を書いている。同封している資料も全部お前に託す。

頼みというのは彼女の事だ

彼女はお前も知っての通り、すごくいい女だ。俺は真剣に彼女の事を愛してきたし、今でも愛している。だから、僕の命が尽きようとしている今。やっぱり一番気になるのは彼女の事だ。彼女の事だからすぐにまた男だってできると思う。でも性格も性癖も含めて彼女にぴったりの男なんて簡単には現れないと思う

だから俺がいなくなった後。彼女の事をお前に頼みたいんだ。お前なら信頼できる。きっと彼女を幸せにしてくれると…
お前の気持ちなんて随分前から知っていたよ。お前も彼女の事、愛してるんだろう

もちろん。彼女が否定するなら、無理にとは言わない。だから俺がなくなった後。この手紙を彼女に見せて、彼女の答えを聞いてくれないか。そしてできればお前達二人で、幸せになってほしい。ずっと彼女を守ってやって欲しいんだ。俺からお前への最後のお願いだ。頼む。

○年○月○日　渕上圭太