幼い頃から俺は体がでかく強かった。学校ではすぐに問題を起こしてしまい、次第に居場所は無くなった。家は裕福だったが、俺の居場所は柄の悪い奴らの集まる地元の施設になっていった。

タイマンの喧嘩に負けたことなど記憶にない。暴れすぎて年上複数人に囲まれてリンチされたこともあるが、入院するほどの怪我を負いながらも相手をほとんど打ちまかしその後地元で俺に口出す奴はいなくなった。
卑怯な喧嘩だったとはいえ敗れたことをきっかけに俺は柔道を習い始めた。

ヤクザですら俺に気を遣っていた。暴対法でボロボロになった組織は俺のような強い才能を求めた。だが俺は組織に加わることはしなかった。
『鶏口牛後』その言葉を胸に、俺は常にトップを張り闘い続けた。

学校にも行かず勉強など全くしてなかったが柔道でインターハイ優勝など輝かしい結果を残した俺は特待生として高校に進学できた。しかしそんなある日親父が死んだ。ワンマン経営者だった親父の死の影響は大きく、我が家の家計は落ち込んだ。学校を辞めて俺は15にして働くこととなった。

10代の頃は経験を重んじた。建築現場では親方から多くのことを学び、俺の肉体的強さに惚れ込んだ親方からの紹介で地下格闘技大会に参加することとなった。ジムではキックボクシングと総合を覚えた。俺の体が大きすぎるため、スパーリングの相手すらまともにいなかった。(続く)