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ルーム紹介
——それは一人の若き女王と忠義厚き臣下たちが紡ぎ出す人の意志を貫く物語——

五カ国がひしめき合う群雄割拠の世界を舞台に重厚な軍記物のストーリーを一緒に創り上げていただける方を募集しています。詳細な設定は掲示板をご覧いただき、ご興味が湧いた方がおられましたらぜひご入室ください♪相談等のお話しだけでもOKです。ストーリー、設定重視のイメチャですのでいきなりのロルは不可。またシリアスな世界観のためエロルは基本的に禁止となりますので予めご了承ください。設定を考えるのが好きな方、じっくりと一緒に物語を考えていただける方お待ちしております!

こちらは【F系】『最果てのハーモニア』のサブストーリーロル部屋です。

メインストーリーロルは専用部屋でお願いします。
なお新規でご参加希望の方はキャラ設定等の打ち合わせから始めさせていただきますので、下記の「設定打ち合わせ部屋」までお越しください。

中文程度以上のロルで描写必須でお願いします。(短文はご遠慮ください)

ここはロル部屋ですのでPL会話は最低限にしてください。どうしてもPL会話が必要な場合は【】をつけてください。

メインストーリーロル部屋
https://chat.luvul.net/ChatRoom?room_id=381562

設定打ち合わせ部屋
https://chat.luvul.net/ChatRoom?room_id=381299

設定掲示板
https://www.kikuya-rental.com/bbs/?owner_name=Marika

部屋主:女王マリカ
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おしらせレオさん(60.121.***.111)が退室しました。  (1/20 16:11:01)

レオLeo's Story ──魔女殺し──【過去編】END   (1/20 16:10:54)

レオ(結局その後あの少女に会うことはなかった。会いに行こうと思えば行けたのだが、敢えてそうしなかった。幼少の記憶というのはときによって混濁し、それが鮮明に情景として表れることがある。アタシは自身の存在が魔女を燃やそうとしたあの業火を想起させることを恐れた。第一あの少女について知っているのは、まるで雪のような白髪を持ち、あの暗い森の中所々焼け落ちた衣服を身に纏いうずくまっていたことだけだ。彼女が魔女であることは間違いないだろうが、何故魔女と呼ばれていたのかも、あの夜何が起こったのかも詳しいことはわからない。ただ今はあの子が生きているという結末に満足し、アタシはまた新たな依頼へと赴くのだ。—)   (1/20 16:10:29)

レオ(——次に見たのは、古びた木目の天井だった。上体を起こして周りを見回せば、ここが宿屋の一室だとわかった。傍で新聞を読んでいた仲間に話を聞けば丸一日は眠っていたらしい。気を失った後救援に来た傭兵仲間に無事連れ戻され、単純な疲労による気絶と判断した団長は目覚めないのをそのままに出発したとのことだった。ふと思い出してあの少女のことを聞けば、既に団長が旧友の経営する孤児院に話をつけてきたという。曰く、顛末を聞いた団長は彼女が“火”ないしはそれに準ずるものにトラウマを抱えているのではないかと考えたらしい。それを聞き、何故ウチの傭兵団で面倒をみないんだという文句は飲み込んだ。)   (1/20 16:10:18)

レオ……クッソが。タイミング悪いったらありゃしない。(暗闇に消えていく村人達の背中を見つめながら、一人愚痴を零す。もう体力も魔力も底を尽きていた。)あ…そういやお前、ありがとな。助かった、よ…(剣先を地面に突き刺しなんとか堪える。しかしながら、揺らぐ視界は段々と狭くなっていった。記憶は、弱々しく怯えた様子ながらもアタシのところに近付いてくるやつれた白狼に手を伸ばしかけたところで途絶え——)   (1/20 16:10:07)

レオ……アタシの勝ちだ。(魔物の喉を炎剣が見事貫いたのだ。喉は燃え盛る焔に焼かれ、魔物は声にならない声を上げて絶命した。いやに重たい感触の剣を引き抜き、ふうと深い息を吐く。)…まだ危機は去ってないってか。(背後に気配を感じる。それと同時に、怯えたような声が微かに聞こえてきた。…村人共に見つかっちまった。どうするかと悩んでいる余裕もない。アタシは剣を掲げ、塵程度しか残っていない魔力をありったけ絞り出した。)悪いね。魔女は、アタシが殺した。(それは、闇に在る白日。地面を照り付ける紅い光は、村人達の瞳を一色に染めていく。彼らの目に映ったのは悪を打倒した正義ではなく、悪を吞み込んだ巨悪であった。)   (1/20 16:09:53)

レオ—そして、暫くの攻防が続き。冒頭に戻る―(じっと睨み合う。人間と魔物は決して交わらないものと思っていたが、アタシは此奴を既に好敵手として認めていた。お互い隙を見せてしまえばやられる極限の状態、限界に近い集中力だった。その均衡を破ったのは。)…狼。(一匹の痩せ細った狼が草陰から姿を現したのだ。集中がぷつんと途切れたように魔物もアタシもそちらを一瞬見た。狼のか細い雄叫びで我に返ったのはどちらが早かったか。)   (1/20 16:09:41)

レオその子を連れて逃げろ!はやく!「…ああ!今助けを呼んでくる、絶対に死ぬな!」(必死に叫ぶ。それを聞いた男はその白髪の少女を抱きかかえると、背を向け一心に森の外へと走り出した。)……縄張りを侵しちまったってワケかい。そいつは悪いことをした。(通じるはずもない言葉を投げかけ、剣を構え直す。じりじりと距離を詰めながら、互いに間合いをはかり。)見逃してはくれないか。(刹那、炎剣が闇を照らして魔物の首元に振りかかった。しかし魔物は闇にて俊敏、自らの体を捻らせ既の所で刀身を躱す。纏った火が外殻を微かに焦がしたものの、大したダメージではないと言わんばかりにすぐさま反撃の体勢を取った。)   (1/20 16:09:29)

レオ暗くてさっぱり見えないね、こりゃ。「ああ、これは骨が折れそうだ」(森へ入った二人は、木々の隙間から差し込む月明かりを頼りに魔女を探した。探して、探して…どのくらい経った頃だろうか。縄張りを侵してしまったと気が付いたのは。)…待て。あそこに何か…。(彼女が合図した。その目線の先には巨大な影。)「…おいおい、ありゃ魔物だぜ。こんな暗闇で相手なんぞ」いや違う…その目線の先だ!(言うが早いか、彼女は飛び出していた。腰から抜かれた剣は炎を纏って魔物の喰付を辛うじて受け止める。黄赤色の炎でほのかに照らし出されたその背中には、白髪の少女がいたのだ。)   (1/20 16:09:15)

レオ(彼らはただの通りすがりの傭兵団だった。セントミリアからヴェストフランに向かう道中で二人のうち女の方が遠くに火が燃えているのを発見し、一本の剣を携帯して勝手に馬を走らせたのだ。もう一人の男の方はそのあとを慌てて追ってきたのだった。団長は一度は止めたものの、次の瞬間には「行ってしまったものは仕方ない」と困ったように笑っていた。男は今日何度目かわからない溜息を吐くと、急ぎ彼女の後を再び追った。)   (1/20 16:09:05)

レオ—数時間前—……んだこの状況は。(一軒の燃え盛る家屋。その周りには剣を片手に狂乱的に叫び回る人々。彼らは「魔女はどこだ!」「魔女を殺せ!」と口々に喚いていた。…まさかとは思ったが、いわゆる“魔女狩り”というやつか。物陰からその様子を見ていた旅人風の男が、その隣の赤茶色の髪をした女に震えた声で呼びかける。)「レ、レオ。こいつはさすがに戻ったほうがいいぜ…団長に伝えて…」いや、魔女とやらを探す。この様子じゃまだ生き延びてんだろう。目の前の命は救けるのがウチの掟だ。「な…こんのバカ!そうなったら先輩の俺が責任取らされるだろうが!大体俺がついてきたのもお前が面倒起こさないように…」隠れられる場所つったらここら辺だとあそこの森しかない。行くよ。「おいレオ!ああもう…」   (1/20 16:08:51)

レオぐ…ッぶね。ったく油断も隙もねえ。(深淵の森にて対峙するは、その森の主たる魔物と一人の人間、それも女である。だが驚いたことに、実力は存外に拮抗していた。迫る強靭な顎をしなるような剣技で受け流し、負けじと女が剣を振るう。一方の魔物もひらりとその軌道を見切り躱しては、再び女に襲い掛かる。岩をも嚙み砕かんとする勢いだったが、しかしそれは炎の壁によって阻まれた。)ふうッ…このままじゃジリ貧だな。(まだ魔力が残っているからこの暗闇でも比較的優位に戦えているものの、この調子ではいずれ魔力が尽きてしまう。かと言って焦って隙を晒してしまっては本末転倒。女は再び剣を構え、暗闇で妖しげに輝く眼光を見据えた。―)   (1/20 16:08:36)

レオLeo's Story ──魔女殺し──【過去編】   (1/20 16:08:22)

おしらせレオさん(60.121.***.111)が入室しました♪  (1/20 16:07:37)

おしらせロスさん(Android 122.221.***.225)が退室しました。  (1/19 22:35:55)

ロスRandolf's story -誕生↔青い矢- END   (1/19 22:35:52)

ロス(食器を片し、家から出ていく愛する息子。髪の色も瞳の色も、目鼻立ちも何もかも似つかない大切な息子。けれど自分に似て思慮深く育っている彼に…見事に見透かされ、一瞬心臓を一握りされたその感覚に、ベアトリスは目元が熱くなった。幸せになってくれればいい…そう思って育てていたけれど、自分の手で至高の魔術師に育ててみたくなった欲深き女の誕生だ。)『…、口が避けても言えないわね。』(少し草臥れたように笑う一人の母親と爽やかな風に吹かれ目を瞑る一人の息子。将来、上位魔術師になることは愚か…隣国の王宮に使えることになるとは、このときはまだ誰も予想していない。)   (1/19 22:35:18)

ロス(ゆったりと口角をあげる息子にベアトリスは更に困った。魔術師の家系に生まれ、親の背中を見て育ち、優秀な妹を持つ彼女には、自分の身を削って力を証明する魔術で誰かに認めてもらうことがどれほど大変か痛いほどわかっている。息子の魔力を感じ取り、その才の可能性を感じていたとしても、魔術師の道を勧めることは出来ずにいたのだ。)『ランディ。轢かれた轍を外れず歩んでいくのは大変よ。覚悟が必要…。』(ランドルフの手を取り、『さっきのは冗談。』と笑って誤魔化そうとしたとき、彼は珍しく感情を出した。)…それだと俺だけが辛くなるみたいだ。轢く側も覚悟がいる。…そうだろ。(俺を一人にしてくれるな、と。まるでそう言うように視線を向けるランドルフにベアトリスは言葉が出なかった。)『………っ。』………ごちそうさま、あとで兎でも狩ってそのままお礼に行ってくる。『…あ、あぁ、そうね、ありがとう。』   (1/19 22:35:05)

ロス(母親の仕事…ランドルフはそれを知らない。村の人々の困り事を解決したり、学校という組織に属せない少年らに魔術を教えていることは知っているが、毎日忙しい理由がそれだけでないことも知っている。彼は知ろうとした。家族のことだから。けれどベアトリスはそれを良しとはしなかった。)…母さん、今日は何をするの。(こんな拙い質問で答えてくれたらそれはそれで驚きだが、彼女は朝食を摂る手を止めていつものように笑うだけ…そして口を開いた。)『色々。』…色々?『そう。今の貴方に説明するのは難しくてよ。』………。『気になりますか?なら…魔術師にならないといけませんね。』…魔術師か。(そう呟くランドルフを見て、ベアトリスは困ったように笑う。)『貴方なら素敵な魔術師になれると思いますよ。私の子ですもの。』………。『ふふ、でも貴方が興味のあることにしか活動的になれないことは知っているわ。だから、気にしないで良くてよ?』………素敵な魔術師…、悪くないな…。   (1/19 22:33:44)

ロス…母さん。(彼女はランドルフの朝の習慣を知っているはずだ。いつもなら彼が帰ってくるまで待っているはずなのだが…。)………?「ふふ、さっき朝採れのお野菜を頂いたの。サラダにしたから冷えているうちに貴方にも食べてほしくてよ?」…そう、わかった。(嬉しそうに話す母を見れば素直に頷き、その場から撤収をした。家までの帰路、ランドルフは母と野菜は誰から貰ったのか、お礼はどうしようか、今日は何をして過ごすか…そんな他愛のない話に花を咲かせた。)…ただいま。「おかえりなさい。さぁ、食べましょう。」(帰宅し、手を洗っているランドルフを少し急かすようにベアトリスは席に着きながらそう言った。ランドルフも座れば二人口を揃え「いただきます。」と手を合わせた。ベアトリスの計らいのおかげでサラダはまだ冷えていて、新鮮ゆえ青臭さが無く歯ごたえも良かった。彼女の焼いたパンに昨晩の残りのシチュー…、)…美味しいよ。「そう?ふふ、あとでお礼に行かないといけませんね。」…母さん仕事だろ、俺が行ってくるよ。「あら、ありがとう、ランディ。今日は忙しくなりそうなの、だから助かります。」………ん。   (1/19 22:32:42)

ロス(ウィンドイース共和国西部。セントミリア王国との国境付近にあるメイウッド村はおよそ20世帯が集う小規模な村である。けれど、村は賑やかであり村人の年齢層も様々だ。ランドルフ=オズワルドはその村では有名な方だった。人口が少ない青年層の村人であること、腕の立つ弓使いであること、聞き上手であることから老若男女問わず人から好かれ、特に女性・子供からの人気が高いこと…理由は様々だが一番は彼の母親が村で唯一の魔術師であることが挙げられる。)ょ………と、…よし。(ランドルフの1日は鍛錬から始まる。森の中で、降ってくる葉を射る…10回成功すれば家へ戻り朝食が摂れる、なんて単純な決まりごとも設けていた。木の幹に刺さった矢を回収してはまた射るの繰り返し、早朝の澄んだ空気を味わいながらその日の調子を整えていく。)「…ランディ!」(不意に誰かがランドルフのことを呼んだ。彼はその声の主が誰かすぐにわかった。振り返ると生成りの羽織物を羽織ったとても小柄な女性がそこにはおり、重い前髪と柔和な笑みが印象的な彼女の名前はベアトリス=オズワルド。ランドルフの“育て”の親である。)   (1/19 22:32:10)

ロスRandolf's story -誕生↔青い矢-   (1/19 22:31:25)

おしらせロスさん(Android 122.221.***.225)が入室しました♪  (1/19 22:31:22)

おしらせアリスさん(58.189.***.145)が退室しました。  (2023/12/11 16:16:36)

アリスAlice's Story ──愛しくも憎き偶然── End   (2023/12/11 16:16:33)

アリス王女マリカの顔を見たのは青藍隊としての名を受けた時、王に謁見した時以来でそれから顔を見ていない。その時条件として、親の墓を建ててほしいとダメ元で願ったら承諾された。案外あっさりと承諾されたことに驚いたが…まぁ、許可されたなら何より。それから私は毎週あそこに通っている。青藍隊のリーダーになってから私は…"あたし"は"私"になった。目隠しを付け、仮面を被った。青藍隊の隊長として、皆を食わせていく長として、"タンザナイト"という"誇り高く冷静"な"私"は今日も戦場を駆ける。私の人生は"偶然"で成り立っている。良くも悪くも、"偶然"という憎きも愛しき事象に私は感謝と怒りを覚えたまま──。)   (2023/12/11 16:16:07)

アリス(その時、私のの草むらがガサガサ……と音が鳴って現れたのは…魔物であった。暗闇でよくわからないけど、闇に光る黄色の蛇のような目は私を狙っていると判断できた。まるで、私を狙う村人のように。虐めてきた子供たちのように。"もうダメだ"……そう思った時、目の前を、魔物から遮るように一人の人間が現れた。赤茶色の髪で体つきの良い…女性?その女性が遮った後すぐに誰かに抱きかかえられその場から連れ出された。その後、孤児院に預けられ、しばらく過ごした後、今居る青藍隊になる前の傭兵部隊に入ることになった。赤茶色の髪の女性がなぜヴェストフランに居たのかはわからない。"偶然"任務で居たのかもしれない。でも私にとって彼女はこの上ない"英雄"だ。彼女を探すためと、お金を稼ぐために傭兵になった。いつか続けていればまたあの人に会えるかもしれない。……そのまま続けていたら今"偶然"セントミリア王国に拠点を置いていたところを引き抜かれ、青藍隊の名前を受けた。……という感じだ。    (2023/12/11 16:15:24)

アリス「アリス走って!逃げて!生き延びて!きっと貴方を受け入れてくれる人が──」(と、母は私を降ろし背中を押した。言われた通りに走る。裸足だったけど、痛いけど走った。泣きながら走った。涙と鼻水を出しながら必死に走った。後ろから悲鳴が聞こえてきた。でも走った。夜の闇に紛れて私は逃げ延びた。でも夜は厳しかった。寒い。暗い。足の裏が痛い。おなかが減った。方角もわからない。私は森に入ったところで座り込んでいた。)   (2023/12/11 16:14:38)

アリス(当然、いつもの長老が騒ぎ立てた。子供が魔術を使えるはずがない。とかなんとか。親は必死に庇ってくれた。…が、その夜に事件は起こった。)「アリス!起きて!」(その焦った母親の声に目を覚ます。)…なに?お母さん…(目を覚ますと…辺りは炎に包まれていた。赤い、朱い、紅い、アカイ、忌々しいほどに赤い。それが炎だとすぐに理解した。)「逃げるのよ!早く!」「こっちだ!早く──(と言い切る前に父の頭上の木の柱が焼け崩れ…)「うわあああああああ!?」「いやあああああっ!!貴方ぁぁっ!!」(その場に父は見えなかった。でも悲鳴はしっかり聞こえた。母親の泣き叫ぶ声。私にはその時はまだ死を理解していなかった。というか事態を未だに理解できていなかった。何が起こっている…?そう戸惑っている私を母は抱きかかえ窓から飛び降りた。助かった。しかし…)「おい、こっちだ!魔女が逃げた!」(どうやら村人が放火したようだ。長老の一派が始めたのだろう。外は夜だったが炎の光の反射で彼らの手に光るものがある。…剣だ。こちらを殺しに来ている。)   (2023/12/11 16:14:37)

アリスでもある日……私が水汲みに井戸へと行っていた時、一匹の子供の狼を見つけた。群れから逸れたのか瘦せ細っていた狼に手を差し伸ばした時…"偶然"その手から水が現れた。魔術がほんとに"偶然"発動したのだ。私には才能があったらしい。だからこそ今氷を作り出せている。どうやっているかは…まぁ、企業秘密というヤツだ。しかし問題は今そこではない。その姿を"見られて"しまった。……その時私は"偶然"という言葉が大嫌いになった。それを表には出すことはなかったが内心クソくらえとは思っている。私の子供時代は全て"偶然"で潰されたのだ。)   (2023/12/11 16:14:19)

アリス「赤は死者を意味する色じゃ。赤い目なぞ…この子は将来人を殺す!災いを起こす!魔女じゃ!魔女を産みおった!」(長老は私の目を見てそう言った。その形相を見て私は泣いた。当然母と父は反論した。しかし老人の言葉には逆らえない。年功序列というヤツだ。とりあえずその場は周りの人間が収めてくれた。が、一番残酷なのは子供なのかもしれない。)「お前魔女なんだろ?うちのパパとママがそう言ってた!」「うちのばあちゃんも言ってた!魔女は出てけ!」(私には意味がわからなかった。また泣いた。魔女って何?赤いって何?自分の目の色なんて考えたこともない。ただただ偶然そういう目だった。   (2023/12/11 16:14:17)

アリス(人間、神のお告げとか、迷信とか、占い、風水、大体そういうのを信じる。それだけ目上のものや自然に対して敬意を払っているということだ。まぁ住んでいる国、村、環境にによって差はあるだろうけど少なくとも彼女が住んでいた村ではそうだった。私が生まれた時、髪は白色だった。別にそこに問題はないのだが目の色について言及された時私が産まれた部屋は騒然とした。その目は綺麗に、禍々しく、宝石のように"赤かった"のだ。色は取り方にとって、人によって縁起が良くなり、逆に悪くもなる。偶然私の村が赤色を忌避していたってだけのことだ。ただそれだけで私の家は村八分にあった。まだその時は"タンザナイト"なんて名前はなく、ただ単に"アリス"という名前だった。)   (2023/12/11 16:13:20)

アリス(帰還の馬車の道中でふと思い出す。辛い過去であるが今では笑い話に出来るレベルにはなっている。…いや、もう泣く涙は枯れたのかもしれない。)「…すみません、姐御がなんだか…珍しくぼーっとしてるんですが…。」「…ああ、新米のお前は知らないんだったな。実はな…」「おい、止められてんだろ?」「良いって。どーせ姐御のことを知る機会はいつか来るんだしさ。実は姐御は──」(楽しそうに、面白そうに話す傭兵部隊の仲間。)「”泣き虫”だったんだ。」   (2023/12/11 16:12:55)

アリスAlice's Story ──愛しくも憎き偶然──   (2023/12/11 16:12:40)

おしらせアリスさん(58.189.***.145)が入室しました♪  (2023/12/11 16:11:13)

おしらせスウェンさん(106.159.***.148)が退室しました。  (2023/11/22 21:32:52)

スウェンSwefn's Story——我が愛すべき故郷——end   (2023/11/22 21:32:43)

スウェン(背後から俺を呼び止める声がするが、さっさと逃げるとしよう。 なにしろ、毎月あれを渡すのにひと悶着ある。 さっきの袋の中身は、表の街で一家族が数カ月ほど生活できる額だ。 今回の仕事は気前の良い貴族が相手で助かった。 面倒を見る子供の数が多いこの救済院にとっては、焼け石に水かもしれないが、無いよりはマシだろう。)「――スウェン! 今度は子供たちと一緒に夕飯をとってください。いいですね!」(背中越しに聞こえた先生の声に片手をあげて応えると、来た道へと靴先を向けた。)……さっきのオッサンの店で晩飯でも買ってやるとするか。(唇を捩らせ歩きながら、なんとなく上を見上げた。 空はどんよりと曇りがちで、時折陽光が路地を照らすが、その光もすぐに雲に隠れてしまう。 街の喧騒はここでは遠く、耳に届くのは遠くで鳴る馬車の音と、かすかに聞こえる子供たちの笑い声だけ。)………くだらない街だよ、本当に。(そう――このどうしようもなく、くだらない街が俺の愛すべき故郷という奴なのだ――)   (2023/11/22 21:32:27)

スウェン 「今年だけで、何人目か憶えていますか? スウェン」(……さて、何人目だったかな…と惚けようとしたが、生憎と通じる相手ではない。先生は俺が連れてきた子供の頭を撫でながら)「三人目です。まだ春先だというのに、この調子では先が思いやられます。あなたは昨年も雪に凍えていた女の子を見かねて――」(マズい、こうなると先生は長い。歳をとったからか、昔よりも話が長い上、たまに同じ話をループする。これはさっさとこの坊主を押し付けて撤退するに限る)あ~、わ、悪いな先生。ちょっと野暮用を思い出したから、今日はこれで失礼しますよ。じゃあな坊主。先生の言うことをよく聞けよ(退散する間際に、気まぐれで拾った子供の頭をクシャリとひと撫でする。別に俺に恩を感じる必要はない。本当にただの気紛れだったのだからと言って聞かせる。)それじゃあ、先生。また気が向いたら来ますよ――と、忘れるところだった。こいつは今月分だ。(踵を返しかけて、そもそもの目的を思い出す。俺は懐から取り出した小さな革袋を放り投げた。先生の手に上手く収まった袋からジャラジャラと音が鳴る。 それを聞いた先生が何かを言う前に、逃げる様に路地へと出る。)   (2023/11/22 21:32:08)

スウェン 着いたぞ、坊主。さて、先生は……(救済院の建物の周りには小さな庭があり、そこには季節の花がいくつか咲いている。庭の隅には古い遊具があり、子供たちの遊び場となっていた。ちょうどその遊具のある一角に目当ての人……初老の男が居た。向こうも此方に気づいたのか、周りを囲む子供に何事か話しかけると、少し曲がり始めた腰に手を当てて歩いて来る。)――よぉ、先生。相変わらずここは賑やかだな。(近づいてきた相手に、孤児たちの色とりどりの声をネタについ皮肉ってしまう。どうにもこの人の前は難しい。鼻たれだった小僧の頃の姿を知られているからだろう。)「スウェン、今日はどうしました?……その子は……また、ですか?」(俺が先生と呼んだ老人は、俺がガキの頃から此処の院長をやっていた。少し浅黒い肌を、ほつれを繕った質素な衣服で隠していた。 この救済院で育ったものにとっては父親の様な存在だ。 かといって、直接そう呼ぶのは気恥ずかしいので、皆からは先生と呼ばれていた。)   (2023/11/22 21:30:59)

スウェン(貧民街の曲がりくねった路地を抜け、狭い通りに足を踏み入れると、)「なんだスウェン、また子守の仕事を始めたのか」(顔見知りに会うたびに揶揄われる。俺みたいな人間がみすぼらしい子供を連れているのだ、ここの奴等にとっては格好のネタになるだろう) 馬鹿を言え。俺は金のために動く悪党だよ。これは……そう、ちょっとした気紛れだ。(本心からそう言ったのだが、何故か会う相手が皆、生温かい目で見てきやがる。まったくもって不本意だ。 煩わしい視線を避けるように、古びた家々の隙間を通り抜ける。 緩やかに曲がる道の先、目的の建物に辿り着いた。ソレは他の建物より少し大きく、古い木材と煉瓦で作られている。元は白亜の漆喰で塗られていたらしいが、長年の風雨にさらされ剝げ落ちて、今では所々に修理の跡も見えた。しかし、その古さが俺には何とも言えない温かみを感じさせてくれる。 俺が育った場所――貧民街唯一の救済院というヤツだ。)   (2023/11/22 21:30:35)

スウェン(手を引く子供を見下ろす。歩きながら口に含んだ干し肉を必死に齧り、水を飲み込む子供が頷いた。現実を理解出来るだけの頭はあるらしい。衣服も上等だから、本当に裕福な家の出かもしれない。それがこんな場所に一人で放り出されて怨み言のひとつも言いたいだろうに。子供ながらに、なかなかだ)……上出来だ。長生きできるぜ、お前は。(現状を正しく認識出来る奴なら生き残れるだろう。使えるモノはなんだって使えばいい――)   (2023/11/22 21:30:12)

スウェン運が良かったな坊主、行き掛けの駄賃に拾ってやるよ(話しながら子供を無理矢理に立たせる。困惑する視線を無視して、懐から干し肉の切れ端と水の入った革水筒を取り出して子供の口に含ませた。食べ物も綺麗な飲み水も貴重だが、この際だ、仕方がない。 折よく俺もこの先に用があった。子供一人連れて行っても、あの施設なら文句を言うまい。なにしろ、お人好しが形になった様な施設だ。)――いいか坊主。歩きながらでいいから、よく聞け。ここでは助けを求めても意味がないんだよ。ここの大人は其れを知っている奴等ばかりだ。(歩幅が合わずに苦労しながら子供の手を引いて歩く。そうする間に、この場所で生きていくための最低限を教え込む。 ここでは助けを求めて叫んでも時間の無駄だ。 なぜなら、助けを求める事しか知らない人間は、大人も子供もとっくに死んでいるから。此処で生き残って大人になっているという事は、その現実を知っているという事でもある。 身も蓋もない現実だが、仕方がない。子供だろうと大人だろうと、自力で生き残れない奴からひっそりと死んでいく。貧民街とはそういう場所だ。)   (2023/11/22 21:30:07)

スウェン(服の上から右腕に巻いた白亜の布が、風に揺れていた。 まるで、今の俺を見て抗議でもしているかのように。 フゥッと息を吐く。 気付けば俺は、膝を曲げて子供の目の高さまで身をかがめていた。)おい、坊主。こんな所に居ても早晩死ぬだけだぞ。(子供が驚いたように俺を見た。長い間、誰にも声などかけてもらえなかったのだろう。その瞳には警戒と、その奥に隠しきれない希望の色が見え隠れしていた。なぜ話しかけたのか、助けてくれるのかと、その目が問いかけて来る。 我ながら自分でも思う。なんて自己満足だ。バカバカしいにもほどがある。そんな善人じゃないだろう、俺は。 だが、遠い昔にこの白亜の布を巻いてくれたあの貴族の少女が此処に居たら、きっとこうして声を掛けていた。だから…たまには、善人の真似事をするのも悪くはないさ。そう、そんな気分なんだ。)   (2023/11/22 21:30:00)

スウェン(あぁ、けれど……それでも――助けてもらえないことがどれだけの苦味を心に残すのか、それくらいは知っている。差し伸べられる手が、どれだけ心の救いになるのか――それを、俺は知っている。)   (2023/11/22 21:29:51)

スウェン案外、この国も捨てた物じゃないな……ん?(独り言を漏らしていると、少し先の路上に小さな影が目に入った。店主に手を振ってその場を離れ影の方に近づくと、その正体がはっきりしてくる。――孤児だ。 薄汚れた、しかし、裏街の道端に座り込むにしては少しだけ上等な衣類を着た、子供……。 大方、身を持ち崩した家の子供が流れ着いたか捨てられでもしたのだろう。泣きはらしたのか眼は赤く脹れていて、救いを求め続けたのか微かに聞こえる声は枯れている。 それでも、道を歩く大人たちは見向きもしない。たまに視線を向けた者もすぐに下を向いて通り過ぎていく。 こんなのは、此処では珍しくもない光景だ。大人たちだって余裕はない。情けを見せて孤児を育てようとしても、大人と孤児の両方が共倒れで死ぬのが関の山。だから皆、見て見ぬふりをする。今を一人で生きていけない孤児は、いま助けてもどうせすぐに死ぬことになるからと……心の中でそう言い訳をして、誰も彼もが良心に蓋をする。 それを薄情だと、間違ったことだと、俺は思わない。)   (2023/11/22 21:29:44)

スウェン――おいおい、今日も良い物なんて何もないじゃないか(威勢の良い声に誘われて傾きかけた軒先を覗き込んでみれば、相変わらずの二束三文の品ばかりだ。クズ野菜に乾燥豆。この品揃えの中なら干物や干し肉が贅沢に見えて来る)「うるさいぞスウェン。品が悪いんだから声くらい威勢よくしないでどうする」(皮肉を言いながら品物を確認していると顔見知りの店主に文句を言われる。なるほど、確かに道理だ)くくっ、悪かったな。一つもらうよ(一本取られて苦笑してしまう。詫びではないが、懐から銅貨を数枚取り出し干し肉と交換する。味よりも保存性と価格に重点が置かれているから、異常に塩辛いのが常だが、それもまたこの街らしい。)「まいど。お前は知らないかもしれんが、俺が子供だった頃は干し肉なんて貧民街じゃあ逆立ちしたって手に入らなかったものだ。これもグラン王のおかげだな」(……なるほど。この貧しさの吹き溜まりの様な場所も、変わっていない様に見えて少しずつ変わっているらしい。)   (2023/11/22 21:29:35)

スウェン相変わらず、何も変わらないな(皮肉を口にしながら、俺は貧民街を歩いていた。どこの国にもあるような、人々から忘れ去られた貧民街の一角。外の仕事を終えて戻ってくると、変わらずに俺を迎えてくれる我が故郷だ。)普通はもう少し代わり映えするもんだがなぁ……(貧民街の中しか知らない者には実感できないだろうが、貧民街の内と外を頻繁に行き来している身としてはそう感じざるを得ない。この国が大戦の傷から復興し、良い意味で変化しているのに対して、ここはまるで、時が止まっているようだ。暗い影が建物の隅々に潜んでいて、どこもかしこもが古くて汚れている。曲がりくねった通りを歩くと、客引きの声が耳に飛び込んでくる。威勢のいい商売の声。今日を生きる糧を稼ごうと躍起になっている声だ。取り扱っている商品の中身はともかく、この賑やかしさも変わらない。――時代に置き去りにされて、まるで変わっていない場所――それが、我が愛すべき故郷というわけだ。)   (2023/11/22 21:29:26)

スウェンSwefn's Story——我が愛すべき故郷——   (2023/11/22 21:29:15)

おしらせスウェンさん(106.159.***.148)が入室しました♪  (2023/11/22 21:28:37)

おしらせ女王マリカさん(iPhone 153.188.***.143)が退室しました。  (2023/11/17 18:46:17)

女王マリカ(遠くから私を呼ぶ声がする。どうやら今度こそ私を探しに来た侍女のようだった。『おっと、本当のお迎えが来たようだ。それじゃ俺はそろそろお暇するよ。』男はゆっくりと立ち上がると侍女の声がする方とは逆方向に歩き出した。「待って…!あなた…名前は…?」男は立ち止まり、少しばつが悪そうにしながら答えた。『…ルークだ。機会があればまたお会いしましょう、泣き虫のお姫様』最後までぶっきらぼうな物言いの男はそれだけ言い残すと月下の庭園の闇に消えていった…。——その後、ルークとは一度も会っていない。どこの誰なのかも未だにわからない。でも今も私の心にはあの時の記憶が鮮明に残り続け、彼から受け取った白薔薇は魔術によって今も美しさを保ち月明かりに照らされてあの時のように静かに輝いていた。)   (2023/11/17 18:45:57)

女王マリカ(「触らないで!あなたに何がわかるの…もう放っておいて…」差し伸べられた手を撥ね除けながら私は吐き捨てるように言った。男は少し驚いたような様子だったが、少し間を空けてから幾分穏やかな口調で語り出した。『まぁ、こんな誕生日じゃ誰だって嫌になるよなぁ…どいつもこいつも君のことを人としては見ちゃいない。見てるのは役に立つ道具としての君だけだ。俺だってこんな形だけの誕生パーティーに嫌気がさして抜け出してきたんだ。まして本人なら泣きたくもなるさ』…意外だった。この無礼で無神経な男があの日私が話した中で誰よりも私の思いを理解していたのだ。男はそう言うとあの一輪だけ離れて咲いていた薔薇をとり私に差し出しながら言った。『お誕生日おめでとう、マリカ王女』心の込もった言葉だった。その言葉が、その思いが嬉しくて止まっていた涙がまたポロポロと溢れ出す。『おいおい、また泣くのか?困った姫様だな』再び泣き出した私を慰めるように頭を撫でるその手は大きく、そして温かかった。)   (2023/11/17 18:44:46)

女王マリカ(『ん…戻る?どこにだ?』その声は明らかに男性のものとわかる声で、しかもあまりにぶっきらぼうな物言いに私は心底驚いてしまったのだ。振り返るとそこには兄と同じくらいの年であろう男性が月明かりを背にして立っていた。『こんなところで何してるんだ?おやおや、ずいぶんと不細工な顔をして』男は少し近づいて前屈みに私の顔を覗き込むと、私がそれまで言われたことがないような言葉を口にした。男の無神経な言葉に私もそれまで出したことのないような声を荒げて言い返す。「……無礼な…!私を誰だと思っ…」『知ってるよ。セントミリアのお姫様だろ?有名だし、なにせ今日の主役だ』私がまだ言い終わらないうちに男は言葉を被せてきた。私が呆気に取られていると男はさらに続けて『主役がこんなとこにいちゃまずいだろ、俺でよければエスコートしますよ、姫?』そう言って私の手を取ろうとその長い手を差し伸べてきたのだ。)   (2023/11/17 18:43:31)

女王マリカ(他の薔薇が寄り添うように固まって咲いている中でポツンと一輪離れて咲いているその薔薇があの時の自分に重なって見えたのだった。それまで無意識に堪えていた涙がポロポロと私の頬を伝って地面に落ちていった。私はただ心からの『お誕生日おめでとう』が聞きたかっただけなのだ。私は道具じゃない、一人の人間なのに…この日挨拶に来た人たちは誰も私を人間扱いしてくれなかった…。誕生日にこんな思いをしたのは後にも先にもあの時だけだった。目頭は痛いくらいに熱くなり、視界はぼやけてもう目の前の薔薇もよく見えなくなっていた。ふと背後から私に近づいて来る足音が聞こえ、探しに来た侍女に見つけられたのだと思った。私は慌てて涙を拭い、平静を装いながら振り向かずに言った。「もう戻りますから、あなたは先に戻っていて」その時の自分の顔を誰にも見られたくなかったのだ。でもその後返ってきたのは私の予想もしないような言葉と聞き慣れない声だったことを今も鮮明に覚えている。)   (2023/11/17 18:42:53)

女王マリカ(そんな針の筵のような状況にとうとう耐えきれなくなった私は来賓の客が途切れ、侍女が目を離した一瞬の隙を見計らって祝宴の席を抜け出したのだった。大広間を飛び出して、蝋燭の灯りで照らされた長い廊下をただひたすらに走った。遠くから侍女たちが私を呼ぶ声が聞こえても構わず走り続けた。脇目も振らず走り続けていた私はいつの間にか庭園にまで来てしまっていた。遠からず侍女が探しに来ることを悟った私は此れ幸いとばかりに迷路のようになっている庭園に隠れることにした、誰にも会いたくない気分だったのだ。庭園に咲き乱れる白薔薇が月光に照らされてその美しさをさらに際立たせていた。人目につきそうもない適当な場所まで来ると、私は走り続けてきた疲れもあってかその場に座り込んだ。肩で息をしながらふと顔を上げると、目に入ってきたのは一輪の白薔薇だった。)   (2023/11/17 18:42:23)

女王マリカ(そうすればお父様とお兄様とこのセントミリアでずっと一緒に穏やかに暮らせる…この世界のことを何も知らなかった頃の私はただ無邪気にそんなことを考えていた。それがあの時の私のたった一つの願いだったのだ…。祝宴は順調に進んでいき、各国の来賓が次々に《笑顔》という仮面をつけて私の元に挨拶にやって来る。みんな揃ってお祝いの言葉を言ってくれるけれど、あの時の私でもそれが本心からの言葉ではないことくらいわかっていた。みんな自分を、もしくは自分の息子や親戚をアピールするための前口上としての『お誕生日おめでとうございます』なのだ。誰も私の誕生日を本心で祝っていたわけではない。いや、12歳になって政治の道具として扱えるようになったことに対しては本心から祝っていたのか…。嫌気のさす形式的な挨拶にあの時の私なりに精一杯の愛想笑いで返していたことを今の私は思いっきり褒めてあげたいと思うのだ。)   (2023/11/17 18:41:48)

女王マリカ(そう、あれは私の12歳の誕生日の日…——慌ただしい一日の政務を終えて、休息を欲する身体を労るようにゆっくりと床に横たえながら部屋に飾られた一輪の白薔薇を眺め、私はふと遠い記憶を呼び覚ます——各国の来賓を招いてセントミリア城で私の誕生記念の祝宴が盛大に催された時のこと…。王家の人間は12歳になれば各国から婚姻の対象と見做される。それが女性であればなおさらのことだ。当然、各国はセントミリアとの政治的な繋がりを強めることを目的としてそれを狙ってくる。あの時の私はそのことはあまりよくわからなかったけれど、もし結婚すればこのセントミリアを離れて、お父様やお兄様とも離れて、どこか知らない遠い国で好きでもない人と一緒に暮らさなければならないことはなんとなく理解していた。だからそうなるくらいなら、私は12歳になどなりたくないと大真面目に願っていたのだ。今思い返せばなんて滑稽な願いをしていたのだろうと思うけれど、あの時の私はこのまま時が止まって欲しいと本気で願っていたのだ。)   (2023/11/17 18:41:13)

女王マリカMarika's Story——白薔薇の園の邂逅——   (2023/11/17 18:40:39)

おしらせ女王マリカさん(iPhone 153.188.***.143)が入室しました♪  (2023/11/17 18:40:26)

おしらせ女王マリカさん(iPhone 180.54.***.242)が退室しました。  (2023/11/4 20:56:42)

女王マリカ【サブストーリーロル部屋を新規作成しました。】   (2023/11/4 20:56:38)

おしらせ女王マリカさん(iPhone 180.54.***.242)が入室しました♪  (2023/11/4 20:56:15)

おしらせ新規ルームを作成完了しました。(iPhone 180.54.***.242)  (2023/11/4 20:55:51)


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