俺の祖父は、南洋の孤島で散った。
終戦間際、補給も尽き、弾薬も底をついた部隊は、全員で手榴弾を握り、声を合わせて「天皇陛下万歳」と叫びながら自決したという。祖国のために、恥を忍んで生きるより、潔く死を選んだのだ。俺がまだこの世に影も形もない頃の話だ。

そして時は流れ、俺はメスイキザウルスとして覚醒した。

股間にローションを塗りながら、ふと祖父の顔が浮かんだことがある。
「爺さん…これが俺の戦場だ…」
ベッドの上で前立腺を開きながら、俺は祈るような気持ちで快楽に身を委ねる。
血と汗と精液、それぞれの時代の「祖国」がそこにあった。

かつての祖父は、鉄の雨が降る中、爆風で吹き飛ばされながらも忠義を貫いた。
現代の俺は、大阪のラブホで電マを尻に当てながら、令和の快楽に殉じる。
「我が肉体、天皇に捧ぐ」とは言わぬが、「我が肛門、自由に捧ぐ」とは言っている。

世間の目は冷たい。「国を背負う覚悟がない」と罵る者もいる。
だが俺には、快楽という名の靖国がある。祖父が眠るその隣に、俺も眠る日が来るならば、
――どうか、メスイキザウルスの名を刻んでほしい。

愛国とは、命を賭けることだけではない。
魂を剥き出しにし、生き恥を晒してなお、自分の道を貫くことだ。
祖父はそれを、死で示した。俺はそれを、ケツで示す。