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2016年08月11日 20時10分 ~ 2016年09月21日 21時39分 の過去ログ
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Aquarius【色々と怒られそうな流れ() 有難うございました。お部屋ありがとうございました。】   (2016/8/11 20:10:03)

おしらせAquariusさんが退室しました。  (2016/8/11 20:10:06)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが入室しました♪  (2016/8/24 15:57:19)

おしらせ奏 琴花♀高1さんが入室しました♪  (2016/8/24 15:57:48)

雪城玲也♂高2【お邪魔します。お付き合いに感謝です。】   (2016/8/24 15:58:00)

奏 琴花♀高1【お部屋お借りいたします。雪城さん、お招きをありがとうございます。久しぶりに内容を知らない幕、楽しみです。どうか良き紡ぎとなりますよう。】   (2016/8/24 15:58:48)

雪城玲也♂高2【よろしくお願いします。書き出しますので少しお待ちを。】   (2016/8/24 15:59:08)

奏 琴花♀高1【はい、どうぞごゆっくり。よろしくお願いいたします。】   (2016/8/24 15:59:37)

雪城玲也♂高2(校庭の花壇に座る青年はいつものように堂々とタバコを吹かしながら、足元にあるサッカーボールを靴の裏でごろごろ怠惰に転がしていた。先ほどまで友人たちとサッカーで遊んでいたが、今は帰る前の一服といったところ。ふぅ、と細く煙を吐き出して、根本まで吸い切ったタバコを花壇で揉み消した。) はーぁ……。 (今日も今日とて夏の日差しがすごかった。夕方の涼しい風を感じながら、頭にかけたタオルで額や頬をごしごしと汗を拭ってゆく青年。片手に持っている缶ジュースは、先ほど一緒に遊んでいた友人がよこしたもの。 「なんか科学部のやつがくれたんだけど、怪しいから俺飲まねえ!やるよ!」だとか言ってたような気がするが、喉が渇いていたので何も考えずに貰ったその飲み物を一口飲んだ。そんな怪しいものを人に押し付けるなと言いたいところだが。) ……あっま。 (味の感想。一言で言えばイチゴフレーバーの砂糖水。運動した後に飲むものではないとすぐにフタを締めて立ち上がった。口直しにちゃんとしたものを買いにいこうと。しかし”効果”はすぐに表れてしまった。)   (2016/8/24 16:32:15)

雪城玲也♂高2 ……―!!? (その場に “ぽんっ!”と、なんともユーモラスな音が響いた。同時にふよふよと漂う白い煙。夕方の風がその煙を払い、現れたのは青年の姿。ではなくて――。) ………。………?? (8つか、9つくらいの見た目の少年。真っ黒な髪は波がかかったような癖がついていて、同じく黒い瞳はぱちくりと瞬きしながら辺りを不思議そうに見渡していた。)    (2016/8/24 16:33:11)

奏 琴花♀高1(夕刻、西日が強くあげく地面と校舎のコンクリートが吸って行き場をなくしている熱がふよふよと大気に躍り出る時間帯。夏の一日である意味真昼よりも気怠い暑さが空の色よりもずっとずっと時計を主張してくる。そして、一番苦手な時間帯である。色素を忘れている少女の身には、日光の紫外線をひどく嫌うというどこぞ吸血鬼のような体質も備わっており、この時間帯もとい夏はできれば夏季休暇いっぱい実家に戻るか、医療棟別棟にある自分の寮室から出ないでほしい――というのは繊細な身体を気遣う専門医たちの小言だが、少女は最近頑としてそれを聞き入れない。だって、外は楽しいから。一番嫌いな時間も、もしかして、日影を選んで日傘をしっかりさして歩けば今まで知らない物事や人に出会えるかもしれない。新しい歌を、思いつくかもしれない。)……。(でも、一歩出てぶわりと襲い掛かる熱を帯びた外気が流れ込んでくると、校舎から出ることをやっぱり躊躇う。生徒会執務の帰り、と、今日も見つけられなかった「アルキスマホの人」をまた明日探そうと決めた帰り道のこと。)   (2016/8/24 17:00:58)

奏 琴花♀高1……(うん、がんばる。)――(一歩、二歩。幸い夕刻の風は涼しく、日傘の中の雪色髪をそっと撫でていく。とはいえ日差しまっただなかを突っ切るのはやっぱり抵抗があって、少し迂回した樹木路を行くことにした。結局いつもの帰り道になったのだけれど――、と、そのとき。)――……?(少し遠くで、ポンと、空気が抜けたような、瓶からコルクが飛び出したときのような可愛い音が聞こえた。音使いの聴覚が抱いた感想。音のほうを見てみると、風がうっすらと白い煙を運んできた。)……?(ドライアイス?ちがう。)……(校庭の花壇。どうしてだろう、あそこって、いつも、「何か」起きる場所な気が、するの。たまたま自分が遭遇した出来事が校庭だっただけなのかもしれないけれど。)――……。――(好奇心がこの少女を動かす最大の熱源である。西日の容赦なさなど日傘に任せることにして、ぱたぱたと歩を進める。近づくほどに白い煙が増えて、散っていて、その央に人影が見えた。)……?(西日が作ったその人影は、とても小さい。まるで、家で見る子供のように小さい。……子供?)   (2016/8/24 17:01:07)

奏 琴花♀高1――!!(息を呑む甲高い声が上がったのは、びっくり、しすぎた。だって驚くでしょう?)――、――!(とある一冊のアルバムで見た少年が、そのまま立体に、現実に、そこに佇んでいたら、驚くでしょう?)―――!(どうしてとかそういうことを冷静に考えるよりも早く、少女は駆けて、少年に駆け寄って、とんとんといつもより速いテンポに指先で肩を叩いて、しゃがんで顔を覗きこむ。桜色の唇は、駆け寄る間、失声した音にずっとこう呼んでいた――「玲也」と。ルビー色の双眼は、喜怒哀楽は宿さずとも、驚いて見開かれたまま、無音に「どうしたの?」という戸惑いに小さく揺れながら。記憶違いなんて疑わない。辺りにはうっすらと、何度か彼の近くで覚えたタバコの香りが残っていたから。)   (2016/8/24 17:01:24)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、雪城玲也♂高2さんが自動退室しました。  (2016/8/24 17:21:32)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが入室しました♪  (2016/8/24 17:21:39)

雪城玲也♂高2あれっ……。 ( 銀髪の青年、雪城玲也が飲んだ飲み物は そう、一時的に小さなこどもの姿になってしまう飲み物。色々と危険なためかほとんど出回っていない代物だが、科学部がなぜ持っていたのかは――その理由は深い闇で覆われている。 当てもなくその辺をうろつきながら周囲を見渡す少年は、当然だが状況を把握していなさそうに困った表情をしながら自身の後ろ髪をくしゃくしゃと掻いた。) 学校…だよな? ( 子どもになってしまうのは姿だけではない。記憶もその頃に逆戻りしてしまう。けれど青年は一口しか飲んでいなかったせいか、「ここは自分の知っている学校で、さっきまで友達とサッカーしていた。」と言うことだけは何となくだが覚えているらしく、効果は薄いと言える。ただしその友人も、当時の友人たちが重ねっているのだけど。)   (2016/8/24 17:29:35)

雪城玲也♂高2 あいつら帰っちまったのかな~…つまんねぇの。(足元のサッカーボールを拾い上げて、ため息を一つ。その時、向こうから駆け寄ってくる女の人が目に留まった。その人が自分の前で立ち止まって、顔を覗き込みながら慌てた表情で何かを――。) えっ…?なに、ねーちゃん。もっかいもっかい。(聞こえなかったよ、と言う仕草をしながら首を傾げて 少し生意気そうな瞳は相手を見上げる。その浮世離れした姿に、少し驚きながら。)    (2016/8/24 17:30:57)

奏 琴花♀高1……?……??(きょとん。まばたき三回。サッカーボールを両手に持って見上げてくる少年は、その声言葉からして、自分を覚えていない――というより、まるで、知らないかのような響き。)……(そして)……。――(喜怒哀楽を灯さないままの、人形よりある意味人形めいた表情のまま、思考は全力で――困っていた。眼前の少年をよく見るほどにアルバムで見た玲也と寸分変わりない。でもそれだけである。彼からしたら今の自分は失声していることも知らない他人で、恐らく年上に見積もっても精々10歳くらいの少年に、何を、言えば、問えば――全力で困っていた。人はそれを軽いパニックという。事態よりも、この少女は何より慣れていないのだ。)……。……(子供に、慣れていない。どう接していいか、わからない。どうしてかいつも避けて――)――(落ち着いて。全く知らない人じゃないの。)――(呼吸一つ。日傘を肩にかけ、胸元に抱いていたスケッチブックに綴った。)   (2016/8/24 17:46:33)

奏 琴花♀高1――「わたし、ことは。こえが、でないの。ごめんね。サッカーしていたの?」(少し大きめに、その年で漢字がどこまでわかるかも検討がつかなかったから、大きめの平仮名と片仮名で。膝を折ってしゃがみ、ページをいつものようにページの向こうで小さく首を傾ぎながら。)   (2016/8/24 17:46:39)

雪城玲也♂高2ねーちゃん、しゃべれねーの? ふーん……。(何故、自分に話しかけてきたんだろう。と不思議そうに相手を見つめたと思えば、少し視線を逸らした。綺麗な女の人に話しかけられて何となく照れくさいから。開かれたノートに目を通した後、少年はボールをぽんぽんと軽く蹴りながらその辺をぐるりと一周。) うん…友達と。でもみんな帰っちまったみたい。(ドリブルしながら、こく、と頷いた。自分ひとりを残して勝手に帰ってしまった友人たちに対して少しムカついているのか、その声は拗ねているように聞こえるかもしれない。) …でもさ、なんでしゃべれねーの?なんかの病気? (つま先で一気にボールをけり上げて宙に浮かせ、それをキャッチしてから白い髪の女の人の方に駆け寄り、同じ目線の相手に問う。耳が聞こえない人は喋れないことは知っているけど、「ことは」と言う人は耳が聞こえているようだし、不思議に感じて。)   (2016/8/24 18:10:19)

奏 琴花♀高1――(まばたき二回。声を失った理由。)……。……(あの日、オトハは、何を――)……――(一瞬、遠くなった視線は、少しお揃いに近かった赤紫――に、なる前の夜色の瞳を見つめて、純粋にただただ不思議を問うてくるまっすぐな眼差しに、声に、どうしてか、顔と肩から力がふっと抜けた。うん、今目の前にいるのは、玲也だけれど、その前に小さな子。自分を、知らない子。)――「うまれつき」(最初にパーパが外で失声理由を聞かれたときにと渡された定型句をつづって、もう少し書き加える。)――「ここ、あついから、ひかげにいこう?」(片手でページを見せながら、日傘を持ち直して少年をすっぽりとその影の中に招く。大きめ日傘ではあるけれど、二人まるまる西日に包むにはほんの少しだけ足りない。背中にちりちりと夏の西日が刺さるけれど、今は、どうしてか、この子のほうがずっと暑さに弱く見えたから。)   (2016/8/24 18:32:45)

奏 琴花♀高1――?(思考が少しいつも通りになってきたところで、ふと視界に見慣れないもの。見覚えのない缶ジュース。でも開けた形跡がある。小さい玲也がページを読む間に器用に片手で日傘とスケッチブックを持ち直して、その缶に手を伸ばす。少し顔を近づけると)……?(甘い匂い。これ、前に、どこかで……。)   (2016/8/24 18:32:51)

奏 琴花♀高1【二人まるまる西日『の影』に、ですね。脱字失礼。】   (2016/8/24 18:34:55)

雪城玲也♂高2そっか、病気じゃないんだ。(生まれつきなら仕方ないのかも。と、単純な子どもの考え方なのか、この少年があまり深く考えない性格なのかはさておき。ふわ、と目の前が少し陰って傘を持つ相手を見上げながら「うん。」と声を零す。額の汗を腕で拭う少年は、だいぶ暑さを感じていたようで日陰に誘われると少しほっとしたような表情を浮かべた。) ねーちゃんってさー。(花壇に座りながら自分のシャツを摘まんで、ぱたぱたと扇ぐ少年。その瞳は校庭の方から横にいることはの方へと向けられる。じーっと、白い髪を見つめながら。) …なんか、あれ…ウサギみてえだね。喋れないし、真っ白だし、目は真っ赤だし。(動物図鑑や、学校の飼育小屋なんかでよく見る真っ白なうさぎのようだと、素直に思った。別にそれらの特徴が変とかそういうことではないけど、子どもの目から見ても全てが不思議で、でもなんだ憧れてしまう。) いいなー、赤い目。かっこいい。(そう言うとちょっぴり照れくさそうに笑って。)   (2016/8/24 18:49:33)

奏 琴花♀高1(そういえば、前に文化祭でこんな匂いのものを飲んだ気がする。そういえばあの後、て――)……?(はてな、自分の記憶に自信がない。たしか、あのときは疲れて眠ったってオトハが――というところまで朧に思い出したあたりで、ふと、小さい玲也から飛んできた言葉に、きょとん。)……?(首を傾いで、ちょっと上を見上げる。ウサギを記憶から引っ張り出す。)……(まばたき二回。こくこくと頷いた。うん、本当だ、ウサギみたい。――ちょっと飼育小屋のウサギたちに親近感。立ち上がって、手が塞がりやすいから一度スケッチブックは中にお留守番。ハンカチと水筒を取り出して、小さな額に浮かんでいる汗をそっと拭って、水筒と一緒に手渡した。中身はだいぶ味の薄いと印象受けるかもしれないが、ミネラルバランスを維持することに特化した、冷たい清涼飲料水。ついでにさりげなく不思議な缶もそっと鞄の隅に入れた。)……、――(立ち上がって、日傘の中へ手招きして、ついてきてくれたのなら、そっと背に手を添える。理由は、わからない。まっすぐしっかり歩ける子なのに。でも、そうしたかった。)   (2016/8/24 19:14:41)

奏 琴花♀高1……(日影の多い樹木路。歩進める中で少女は思った。赤い瞳に憧れる小さい玲也。あんまり遠くを見ない、いっぱい笑って、機嫌が悪いことや、言葉を隠さない。自分を知らない子、だけれど、自分の知らない子、じゃあない。やっぱりどこか、全部ちゃんと玲也なの。どうしてかな、なんだかね、心臓が温かい。)……。――(だから、言わないでおいた。幾年後の貴方もいずれ、私と似た色になる未来。決して明るい出来事ではなかったであろうことだけは、分かっているから。夢見るくらいが、きっとね、一番楽しい。私が絵本を読むときと同じように。少し先に見えたベンチを視界の端に入ったころ、そんなことを思った。)   (2016/8/24 19:14:49)

雪城玲也♂高2ん…っ…… (ふわり、とハンカチの柔らかい感触が額に伝わって、ことは優しい手つきで汗を拭きとってくれた。ちょっとだけ近くなった距離に、幼い少年の頬は赤くなる。年上の女の人にこんなことしてもらうなんて、自分の姉や母以外になかったから。鼻の奥をくすぐる甘い香りが一層、少年の頬を赤くさせ、拭ってもらう間は終始 地面や横の方をきょろきょろと落着きなく見ていた。) あ、ありがと。ねーちゃん。(でも水筒を受け取れば照れくさそうな貌はどこへやら、嬉しそうに中の冷たい飲み物を飲みながら誘われた方へ。短い歩幅でてくてくと彼女の横を歩きながらも、よほど喉が渇いてたのかずっと水筒に口を付けたまま。) ふー……あっ、俺、れいやってんだよ。ねーちゃんそれちょっと貸して。(水筒を脇に抱えながら、手を伸ばしてことはのノートとペンを貸してもらう。歩きながらだから余計に汚い字で、「雪城玲也」と綴ってから、ことはに返した。ことはは自分の名前をノートに書いていたから、そのマネをしているようで。)   (2016/8/24 19:34:23)

奏 琴花♀高1――(ほら、その笑い方、そっくり)――(あ、いけない頬、熱を持ち始めている――間違ってはいないが何かが間違っている解釈をすれば、最短ルートを考えて、よく自分も休憩に使うベンチを中継地に、次の行先を考える。保健室――は、人は少ないだろうけれどここからだともう医療棟のほうが近いし、事情の説明もしやすいから、そっちを目指して行こう。たぶん、学園にいくつかある変な飲み物を飲んじゃったのだろうから、時間が立てばそのうち元に戻ると思う――という、ひどく楽観的な道筋。)……?(あ、そうか、自分は玲也だと分かっていたから聞かずにいたけれど、改めて名前を聞くと、どこか新鮮で、うん、玲也だね、と、小さな安堵。こくんと頷いた。自分よりも小さな歩幅。縮めて歩いて初めて気づいた。いつも玲也の隣を歩くとき、玲也はこうやって、歩幅を小さくしてくれていたこと。)……?――(ノートとペンを手渡すと、何を書くのだろうと思って覗き込んだら――)   (2016/8/24 19:56:32)

奏 琴花♀高1……――!(あの日、赤い星を見た日。同じようにして、名を字でこのノートに教えてくれた人。調べればみんな分かるけれど、いまだ、玲也が教えてくれたこのノートに字の名前を残してくれている、たった一人。だから、自分も漢字で書ける、たった一人。)……(そこからは、どうしてそうしようと思ったかは、分からない。)――(綴って教えてくれた名前にもう一度頷いて、その下に「奏琴花」と振り仮名つきに書いて、ページを見せて、小さい玲也が綴った自分の言葉を読んだ頃、歩を止める。)――(歩を止めて、彼の一歩前へ。ノートを持った腕を小さなその背に回して、そっと、抱き寄せた。黒い髪に、静かに俯いて、もとい、視線を落とした。)   (2016/8/24 19:56:38)

雪城玲也♂高2かなで、ことはって読むんだ?むっずかしー…なぁ……うーん…。(てくてく、てくてく。と、小さな歩幅は元気に前を目指す。見せてくれた漢字の名前をじーっと見つめながらノートにらめっこしていたら、背中を支えていた手がすっと消えたかと思えば いつの間にか自分の前に出ていたことはにまた背中を撫でられて、今度はもっと近くなって。) …っっ!? ね、ね、ねーちゃん…どっ……ええっと…! (さっきした甘い香りが、ふわりと体を包んだ。かぁ、と耳の先まで赤くなった少年。どうしていいのか分からなくて、小さな体は一瞬石のように固まってしまった。)…ぁっはは……俺ってやっぱしモテ、る…。 (照れ隠しか、そんなことをぽそりと呟いた。でも何で、急に抱きしめてきたのだろう。と頭の上ははてなマークが浮かぶばかり。勿論、嫌なんかじゃない。ただすっごく恥ずかしくて、相変わらず固まっていた少年なのだが。)   (2016/8/24 20:18:45)

雪城玲也♂高2 あっ…やっべ、もう17時じゃん! 早くかえんねーと母ちゃんにボコられるーっ… (校舎の壁に付けられた大きな時計が目に入れば、少年の表情は一気に慌てたものに変わる。頬を真っ赤にしたまま「行かなきゃ」と、告げた少年はことはの腕から逃げるように抜けて、地面を蹴りながら急いで駆け出す。だが、そう。彼の帰ろうとしている家はここらは少し遠い場所にある。校門を出ればどこか知ってる道に繋がりすぐに帰れるだろうと思っていたから、ここが遠い場所にあるのも知らず、駆け出した。そして――) じゃーな、ことはねーちゃん! (振り返って、ほっぺの赤い笑顔を向けながら、手をことはに振った。遊び盛りで疲れ知らずな少年は元気な足取りでまた駆けてゆこうとしたが―― ”ぽん!”と言う音と共に魔法は切れてしまった。その場にもくもくと漂う白い煙。そしてゆっくりと去ってゆく煙の中から現れたのは、数年後の少年の姿。)   (2016/8/24 20:18:56)

雪城玲也♂高2 ………え。(――いつの間にこんな場所に立っていたのだろう。不思議そうに辺りを見渡して、後ろを振り向いたらそこには見知った姿が立っていて。) 琴花……? あれっ…。(なんだか、懐かしい夢を見ていたような気がする。今がまだ夢の中なのか、目が覚めている状態なのか分からなくて、そこに琴花がいるのも何だか不思議で、髪を掻きながら虚空を見つめてしばらく呆然としていた。)   (2016/8/24 20:24:18)

奏 琴花♀高1 (まるで、自分が時間を巻き戻った世界にいるような感覚。)……――(大きくなった貴方が、小さいときと、大事なところは変わっていないのが、とても、嬉しいの。だから、どうかそのまま、大きくなって「また会おうね」――わたわたと慌てる少年の声はしっかり聞こえているけれど、その祈りのような心の中の言葉を紡ぎ終えるまでの短い時間、黙した緩い抱擁は続いて、そっと身体を離そうと思ったのとほぼ同時に少年は17時にまたわたわたとして、「母ちゃん」……ああ、玲也のお母さん、元気かな、とかぼんやり余所見して、ハッとした。)――!!(だめ、貴方、ここからお家への道、分からないでしょう?)――、――(慌てて追いかけて、目の前。またあの瓶からコルクが抜けたような音。白い煙の中から出てきたのは、今度は自分より背の高い。似た髪と色の、いつもの……)……――(玲也、と、無音に名前を呼んで、状況がよく分かっていなさそうにぼうっとした赤紫の視線を、きょとんと覗き込んだ。)   (2016/8/24 20:37:30)

奏 琴花♀高1……(思った。考えた。一拍、二拍。)……――(出した結論。ノートに綴って、ぼんやりしている袖をくいくいと引いて、いつものようにページを見せた。)――「おはよう。玲也、小さくなってね、お散歩して、おしゃべりしたの。今ね、元に戻ったの」(記憶の空白は、少ないほうがいいから。簡単な事実だけを並べて、状況がひとまず大事なかったことだけ、伝えた。)   (2016/8/24 20:37:37)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、雪城玲也♂高2さんが自動退室しました。  (2016/8/24 20:44:52)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが入室しました♪  (2016/8/24 20:46:26)

雪城玲也♂高2(呆然としたまま、彼女のノートを見つめる。小さくなって――それが一体どういうことなのかよく分からないまま、またしばらくぼうっとした表情が続く。かと思えば――。) ………。(何を思ったか、突然琴花の細い肩を緩く抱きしめて、眉を垂らした。それはまるで、小さい子どもが母親に甘える時のような表情で。) …よく分かんねぇけど……なんか…楽しい夢、見てたような。でも……。( 懐かしくて、あったかい夢を見てた。そんな余韻が何故か残っているのが不思議で、でも嬉しくて、少し悲しい。一瞬だけ潤んだ瞳を誤魔化すように右手でゴシゴシと拭ってから、その腕を解いた。) …何でもね。(後ろ髪をくしゃりと乱してから、やはり照れくさそうに視線を彼女から逸らしてその手はポケットにしまう。――風に乗って ころころと足元に転がってきたサッカーボールを見下ろすと、ため息を1つ。軽く足を乗っけてから、ぽんと優しく蹴った方向は琴花の方。ころころ、ころころと弱々しくボールは彼女の方へと転がってゆく。)   (2016/8/24 21:03:59)

雪城玲也♂高2 …俺、変なことになってなかった? (西日を浴びて長く伸びる二つの影。何も覚えてないけど、でも温かったのだけは覚えている。彼女にそんなことを問う青年の表情はいつものように、柔らかな口元が浮かんでいて。)   (2016/8/24 21:04:29)

雪城玲也♂高2【と、申し訳おくれましてすみません。こちらからはこれにて締めとさせていただきます。】   (2016/8/24 21:14:30)

奏 琴花♀高1【はい。長いお時間をありがとうございます。一つ落として私も〆とさせていただきますが、お時間厳しいようでしたら先の退出でも大丈夫ですので(深々。】   (2016/8/24 21:16:15)

雪城玲也♂高2【お気になさらず。見届けさせていただきます。】   (2016/8/24 21:19:15)

奏 琴花♀高1(だめ、だったかな。夢を見ていた、て、言えばよかったかな――ぼうっとしたままの顔をそっと覗き込んだそのとき。)……?(雪の日よりずっと、そっと、抱き寄せられて、まばたき二回。雪の日より温かいと思ったのは、どうしてだろう。楽しい夢を見たと降ってくる言葉たちが、言葉の意味よりも少しだけ、遠い声音なのはどうしてだろう。――あ……。)……。――(何でもないと言う声は、ほんの少しだけ濡れていた。)……。…………(解ける腕を、少しだけ濡れていた声を追うことはしなかった。ころころと、一緒にお散歩していたのかな、転がってきたボールを玲也が軽く蹴って、ぽーん、ぽん、ころころ。変なことになっていなかったかと問われれば、転がってきたボールを爪先でそっと止め、ふるふると首を横に振りながら、ページに文字を綴った。)   (2016/8/24 21:34:20)

奏 琴花♀高1――(綴って、同じくらいの弱さでぽんとボールを蹴って玲也のほうへ返す。ころころ、ころころ、その後を追ってゆっくり歩を進めて、見せた言葉は――)――「小さい玲也も、今の玲也も、優しいの。笑ったときの顔が同じなの。名前も書いてくれるのも。」(言って指さしたのは、拙いというより幼い字で書かれた、二度目の「雪城玲也」の名前。夢と現をつなぐ小さな架け橋。その少し下に、もう一行。一つの問い。答えが「一致」していてもしなくても少女はこくんと頷いて、夢のような時間の余韻と現の狭間を、ノートの向こうでルビー色の双眼をほんの少しだけ細めたのだろう。)――「玲也、私に似ている動物、なあに?」   (2016/8/24 21:34:28)

奏 琴花♀高1【大変お待たせいたしました。私からもこれにて〆。幕閉じとさせていただきます。もう、もう、言葉が洪水しそうに貴重で微笑ましい幕をありがとうございました。】   (2016/8/24 21:35:31)

雪城玲也♂高2【こちらこそ、お付き合いありがとうございました。】   (2016/8/24 21:37:39)

雪城玲也♂高2【そして素敵な締めに感謝です。本当にありがとうございました…!では、お部屋をお返しします。お邪魔しました。】   (2016/8/24 21:39:10)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが退室しました。  (2016/8/24 21:39:13)

奏 琴花♀高1【ご一緒できて本当によかったです。言葉が洪水してしまう前に、お部屋をお返しいたします。見守って下さいました窓辺様方にも感謝を。お部屋とお時間をありがとうございました。】   (2016/8/24 21:39:14)

おしらせ奏 琴花♀高1さんが退室しました。  (2016/8/24 21:39:19)

おしらせ《太陽》さんが入室しました♪  (2016/8/28 15:27:50)

《太陽》【こんにちは。来る舞台の幕間のソロルだけ置きに。】   (2016/8/28 15:28:14)

《太陽》(純白の家の、純白たる由縁の地下世界――その一室。雪色髪の少年が一人、純白の蛍光灯に眩い空間に佇んでいた。銀色の金属ラックに規則正しく並んでいるのは、大小さまざまな保存容器。うっすら漂う刺激臭は、腐敗という時計を止める人工液のそれ。収められているのは――……。)あの広い校庭を借りて、フィナーレはガーベラが並ぶ綺麗な花壇あたりを予定していたのにね。僕もどこで気が変わってしまったのかな。そうしたほうが一応にも強硬派にもう少し花を持たせてあげられるし、パーパの憂いだってすっぱり絶ってあげられる生産性の高い仕上がりだと今も思うのに。(物言わぬ「彼ら彼女ら」に語るは、声変わりを忘れたアルト。歌うように淀みなく、ゆるやかな緩急を持たせ、小声でもどこか艶っぽいそれ。)……そうだね、分からないというより、確証がない。(ゆっくりラックの間の広いようで狭い道を進み、容器の一つ一つを見つめながら。)ただ分かるのは、僕たち――少なくとも当時、『セカイの免罪符がない』ということだけ。物品や特定の言葉<おと>なら、とうに見つけていたのだろうし……ふふ、困ったな、僕たちは13人で一人なのに。   (2016/8/28 15:28:21)

《太陽》(と、およそ困っていない声音に困ったと言ったところで、ふと、少年の歩が止まった。)……ん、待って……13人が共通して持っていないもの、違う、僕たち13人だけが持っているものなら……――(ルビー色の双眼がゆっくりと見開かれ、一拍おいて、桜色の唇の両端がゆっくりと持ち上がった。)ああ、そうか、そうだね……あはは、ふふ、それならあるじゃないか。それこそ僕たちが壊れるに十分値する理由が。トクベツが。(ふふ、くすくす、くすくすくすくす――――)あの日、確かに彼もいた。僕の真後ろには彼がいた。彼の前には僕がいた。そうだね、それなら辻褄が合うね?――ああ、考えていたのが馬鹿らしくなるくらいに、あふふ、何て、何て――(――くすくすくす、ふふふ……)ああ……いけない、笑いすぎて昂ぶりそう……。よかった、本番直前で気づけて。やっぱり僕たちは皆で一緒にいるほうが全て円滑だね?(物言わぬ、もう言わぬまばらな視線らの中、少年は一人、狂いかけたように笑った。吐息のリズムが少し乱れるほどに。だって、今ここにいないもう一人があまりにも、あまりにも――……から。)   (2016/8/28 15:28:31)

《太陽》そういうことなら、仕掛けは最小限で十分だ。僕一人で十分に再現できる。(笑いが収まった頃、少年は文字通り一息ついて、あらためて金属ラックと容器とかすかにホルマリンが香る部屋を見回した。)だから、君たちは先に行っていて?ここに残っているほうが危険だし、意味がない。――送るよ。(ブレス、一つ――)――アゥクゥル・ティ・ファウ・トュゥ――(時計の秒針より少しだけ速いテンポに流れる言葉は、子守唄のように静かで慈しみあるそれ。どの国と時代の辞書と譜面に載らぬそれ。揺蕩う夜のような旋律の中、色素を忘れた白い手をそっとホルマリン容器の一つに触れる。)見守っていてね……(旋律の譜面の節目節目で言葉を紡ぎ、一つ、また一つそっと触れていく。)大丈夫……(その手に触れたところから容器が液体が、その中に収められていた白い肌の手が、脚が、胴の欠片が、音も無くまるで最初から砂で出来ていたかのように、しかし砂粒より小さな粒子となって空間に散っていく。)僕たちは13人で一人……何も変わっていない……約束は……初めての願いは……あの子が言う免罪符の在り処は……(一つ、一つ、微粒までに砕けて消えていく。)   (2016/8/28 15:28:41)

《太陽》……ちゃんと、なにも変わっていない。だから、ちゃんとあの子を連れてくるよ。最後にたどり着く場所は、皆一緒だ。(最後に触れた硝子越は、眼前を悲しい目で見つめたまま首を傾いで時間が終わった、自分と同じ顔の、雪色髪の少女の顔だった。)また、あとでね……(その少女も、悲しい眼差しのまま少年の手と歌の中で形を失っていった。)――……(旋律が止む頃、そこには金属ラックと少年自身以外は何も残っていなかった。)さて……最後の調整に戻ろうか。玲也君、会場に上手く辿りつけるといいのだけれど。(幾日か前に言葉交わした青年をぽつりと呼んで、思い出して、悪戯っぽく笑った。あの日渡した「招待状」には、日付の数字と座標記号文字しか書いていないから。ガクエンとここをちょうど三角形に結ぶ場所にある、地図と人から忘られし開発区画。完成したのは小さな劇場ただ一つという、時の止まった区画。)創られし音使いたちへセカイが与えた免罪符……君は、どこだと思う?何だと思う?(誰もいなくなった部屋で、少年は歌うようにして虚空へ問うた。)   (2016/8/28 15:29:04)

《太陽》【以上にて。お部屋ありがとうございました。】   (2016/8/28 15:29:15)

おしらせ《太陽》さんが退室しました。  (2016/8/28 15:29:18)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが入室しました♪  (2016/9/21 00:51:03)

雪城玲也♂高2【こんばんは。少しばかりお借りします。】   (2016/9/21 00:51:25)

雪城玲也♂高2(屋上にて、白いシャツの上に紺のパーカーを羽織った青年は柵の向こうで翼を広げながら腰を下ろし、柄にもなく難しい顔を浮かべていた。そしてシャツの胸ポケットに手を突っ込んで、何かを取り出す。) ……方法なんて…いくらでも、ある…。(ぽつりと呟いて、赤紫の瞳は指先に挟まれたカードを見下ろした。――あの日、少年に対して言った言葉。珍しく感情に任せて口に出してしまったから、言ったものの実のところ保障がなかった。場合によっては最悪の事態を迎えることになるかもしれない。だから ここ数日悩みっぱなしであった。そしてカードに書かれた日付が迫れば迫るほど、悩む時間も長くなっていた。) 困ったな…。 ( 今まで実戦はそれなりにしてきた。けれどそれらは学園、生徒、一般市民を守るために戦ってきたのではない。結果的にそうなってはいるが、本気で人を守るべく戦ったことはほとんどなかった。行動に出る友人の手助けをするために、または向こうからけしかけてきたから、単に気に食わないから。そんな単純な理由ばかりだった。)   (2016/9/21 01:01:04)

雪城玲也♂高2(けれどこの先待ち構えている事は、今までとは全く異なる。本当の意味で人のために戦って、終わりを見届けなければならない。そうした場面に直面できる覚悟はあるかと問われれば、自信はない。――ふぅ、と大きなため息をついて、長い後ろ髪をくしゃくしゃと乱す青年。緊張した時、納得いかない時によく見せる癖に一つだった。) …だいぶ酷使してきたな、こいつも。(カードは胸ポケットにしまい、空いた手は自身の片翼をそっと撫でた。あちこちボサついた白い翼を労わるように、何度も何度も。) でもうひと頑張りしてもらうぜ、相棒。   (2016/9/21 01:02:45)

おしらせ奏 琴花♀高1さんが入室しました♪  (2016/9/21 01:09:03)

奏 琴花♀高1【こんばんは、奇遇かな場面がかぶりまして落下です。短い時間ながらもご一緒よろしいでしょうか?】   (2016/9/21 01:09:43)

雪城玲也♂高2【こんばんは。どうぞどうぞ。2つ3つになると思いますが、ご一緒できれば幸いです。】   (2016/9/21 01:11:39)

奏 琴花♀高1【夜分遅くにありがとうございます。ええ二往復もあれば十分(だといいな)ですので。どうか良き紡ぎとなりますよう。ちなみに舞台時刻は夜でしょうか?】   (2016/9/21 01:13:03)

雪城玲也♂高2【あ、特に時間の指定はしていませんでした。お任せいたします。】   (2016/9/21 01:13:31)

奏 琴花♀高1【では日光嫌いの我儘&なんとなく現時計に合わせるいつもの習慣で皆がそろそろ眠りにつく夜という辺りで続かせていただければと思います。投下少々お待ちを。】   (2016/9/21 01:15:57)

雪城玲也♂高2【承知しました。では待機。】   (2016/9/21 01:16:17)

奏 琴花♀高1(時計が、12時の鐘を告げる――本当の時刻ではなくて、シンデレラのお話。夢のような時間が、秒針の音と同時に終わりを告げる噺。ただ、鐘の音はまだもう少しだけ先。そんな、白銀の満月が煌々と輝く夜のこと。)――(雪色髪の少女は、階段を一歩ずつゆっくり踏みしめて上っていた。足音を立てないのはいつものこと。胸にスケッチブックを大事に抱くのもいつものこと。ただ、いつもと違うのは、喜怒哀楽を宿さないルビー色の視線が行く先をまっすぐに見据えていなかったこと。)……、―――(この重い鉄扉の向こうに誰がいるのかは偶然知ったこと。夜、眠れなくて「歌」を歌っていたら、その音の波がとらえた輪郭は、よく知る翼の形だったから。)……(まだ、羽ばたく音が聞こえない。まだ、そこにいる。)……(ぎゅっと、両腕でスケッチブックをきつく抱きなおして俯くこと一拍、二拍。三拍目でドアノブに手をかけて、そっと押し開けた。)   (2016/9/21 01:26:42)

奏 琴花♀高1――(「歌」と聴覚に伝ったことになんら狂いはなく、まるで予定調和のように、その青年はいた。満月の銀光すらも照返す白翼を、大事に撫でる赤紫の目は、この目には少し遠い。だから、いつもの無音の足音で近づいて、肩でなく、白翼にそっと手をのばして撫でようか。どうしてか、ほんの少しだけ震えを帯びたその白い指先。気づいてもらうための変わらぬ挨拶にしては、あまりに弱いそれ。)   (2016/9/21 01:26:47)

雪城玲也♂高2(傷んだ翼を撫でていた頃、丁度背後から翼に何かが触れる刺激を感じたから振り向いて、そして――。) ぅわっ…っととと!! (虫でもくっついてきたのかと思いきや、真後ろにまさか人がいたとは思ってもいなくて青年は驚きのあまり座っていた場所からずり落ちた。要は屋上から落ちそうになったのだった。何とか踏ん張って、元いた位置にずりずりと戻れたが……まぁ、落ちたところで別に問題はないのだけれど。) び、びっくりさせんなよ……ってかどうしたんだこんな時間に。(苦笑いを零しながら彼女に問いかける。まさか悩みの原因である本人が偶然にもこの時間、この場所に見えるとは予測していなかったので焦りは隠せずまま、柵を超えて琴花の前に立った。) 人のこと言えたもんじゃねぇけどな。しかし俺は夜更かしが好きなもんでね。 (琴花が答える前にべらべらと言葉を並べて、展開していた白い翼を音もなく収納した。) …で、どうしたんだ?   (2016/9/21 01:44:31)

奏 琴花♀高1――!?(驚かせてしまうのはいつものことだけれど、そのまま座っている場所から落ちてしまうのは違う人。それでも咄嗟に片腕伸ばしかけたところで、目の前で人が屋上高さから落ちるという惨事はさらりと回避された。ほっと安堵の吐息。眼前なら滑って垂直落下しようが広がった翼がいくらでも助けてくれるだろうに。)……(でも、やっぱりごめんね?と、いわんばかりに軽く顔を覗きこんでまばたきを一つ、二つ。声、少し、元気ないね?)……――(いつもなら、どうしたのとスケッチブックに書き綴ったのだろう。そうする前に、自分にその問いがそっくり降ってきたものだから、また視線が落ちる。胸元に大事に抱く、スケッチブックに。声なき自分が言葉を送れる大事な大事なそれ。)   (2016/9/21 01:52:25)

奏 琴花♀高1……(黙して、スケッチブックを開いた。いつものように、昨日の続きという名の途中ページではなくて、裏表紙から捲った一ページ。そこには、すでに言葉が綴られていた。)――「あのね、学校、お休みするの。大事な舞台に上がるから。きっとすごく疲れるから、学校、お休みするの。」(大事に、大事に書かれた筆跡。ところどころペンが止まってインクが滲んだ形跡が小さな証。)――「長くなったら、きっと玲也の卒業式も見に行けない」(告げるは不在の長さ。不確定な長さ。)――「だから」(ページにはそこで言葉が途切れて、俯く沈黙が一拍、二拍、三拍……五拍目で、おそるおそるともいえるような速度をもってしてページは捲られた。)――「会えないかもしれない」(裏表紙から二ページ目の言葉。いくつもの空白を残して、青年の視線がその空白を越えてページの真ん中に綴られた言葉を読む頃には、ルビー色の視線はいつものようにまっすぐ見上げていた。いつもと違うのは、その瞳は震えていたこと。)――「玲也が私にしたように、私も、玲也に"ここにいた"を残しても、いい?」(ページを見せる両手に、ぎゅっと力が籠っていたこと。)   (2016/9/21 01:52:32)

雪城玲也♂高2(何を言い出すのか、この場合は見せてくるのか、と言う表現の方が正しいかもしれないが。迷いもなくページを見せてくるに、元々自分に用があったのだろう。そして赤紫の瞳は文字を追ってゆく。) ――…琴花。( 綴られた言葉たちを目にした刹那、少し眉間がしかめいた。「学校を休む。」そして、「もう会えないかもしれない。」 何故突然そんなことを言い出すのか、理由はすぐに分かった。 自分の思う最悪の事態とは、このことだったから。つまり――。) ……っこ、琴花、あのな。 ( 思わず音葉から貰った招待状について零しそうになった。反射的に掴んだ彼女の細い腕に力を込めて、少し距離を詰める。「あ、」と口を開いたけれど、またすぐに半開きになり 手の力も緩む。これは伝えてはならないことだと、ストップがかかったからだった。) あっ…会えなくなンのは…ちょっと寂しいな。 (誤魔化すようにそう続けて、引き攣りの隠せない笑みを浮かべる。どう応えてゆくべきか、それを必死に考えていくうちに 琴花から要望を寄せられて、青年はこくこくと落ち着きなく頷いた。)   (2016/9/21 02:14:26)

奏 琴花♀高1――!(掴まれた腕に瞳が見開かれて、紡ぎかけのまま霧散した言葉の隙間に流れた、「沈黙」という音。ほんの短いそれは全ノ音を統べし少女に何をもたらしたのか、一瞬、ほんの一瞬、少女のルビー色の双眼も鈍痛に表情がわずかに歪んだ。しかしそれを目蓋の中に閉じる。しまう。大事に、大事に。)……(オトハ……どうして、邪魔ばかりするの……)――(そんな、仄暗い声は、心臓でしか奏でられなかった。)   (2016/9/21 02:23:26)

奏 琴花♀高1(頷きにこくんと頷きを返すと、秋の涼しい夜風が一陣、大きく滑った。少女の両腕からスケッチブックをさらうように強く舞ったそれ。いや、実際、さらった。少女が両腕からこぼれ落ちる言葉のアルバム。同時に風は夜の音をさらうように舞い、その風音に紛れるようにして、少女は両手を青年の肩に当てて、つま先立ちに背伸びをする。)――――(風音よりも近くで響いたであろう、小さな、ブレスとも言い切れぬほどの小さく短い呼気の音。)――――(歌わない。残すのだから。)――――(いつか消えてしまうと分かっている、でも、きっと記憶のどこかに残るから。)――――(桜色の唇は何も言わない代わりに、月よりも深くて綺麗な銀色の髪から覗く首筋にあてがわれた。一番太い血管と神経が集まる箇所に唇を触れればもう一度だけ小さな呼気一つ。間髪いれずに少し開いた唇の中の空気をありたけ吸い込む。痛みを伴っただろうか?そう、内出血を起こすかもしれない程度の、痛みを。――"イタイ"を。)   (2016/9/21 02:23:32)

雪城玲也♂高2( 少し、落ち着こうと沈黙の合間に深い呼吸を一つ。距離がまた少し詰まれば、今度は優しく腕に触れて。) ――………。( 彼女の柔らかい唇を首筋に受け止めて、瞼を静かに閉じた。季節外れの冷たく、湿った風を静かに感じながら、そしてこの感触や温もり、甘い香りを感じて 意識の内に刻もうと集中しながら――。) ……ッ!! ( 一瞬走った鋭い痛みに歯を食いしばり 喉奥から籠った声を零す。焼けるような、切られるような、殴られるような、そんな風な痛みではない。言葉に置き換えることのできないこの”痛み”を感じて、瞬間ふらりと身体が揺らいだ。片手で首を強く抑えつつ、意識を保つように呼吸を少し荒くさせながら。) ……忘れねぇよ…、この先もずっと。もし本当に会えなくなっても…俺は忘れない。お前のこと。 (首を抑えたまま ゆっくりと肩を起こして、不安に揺らぐルビーの瞳を見つめる。安心させるかのように 口元に笑みを浮かべながら。) …だからお前も。   (2016/9/21 03:12:46)

雪城玲也♂高2( 風に煽られるノートを拾い上げ、彼女に渡すついでに ぐいと強引に引っ張って抱き上げた。そして翼の開く音と共に羽根が舞い散り、彼女が置かれた状況を理解する頃にはその体はあっという間に屋上からさらに、さらに高い場所へあっただろう。) 忘れないでいてくれ。( この翼の温もりも、自分の見る景色も。自分が思い続けるように、覚えておいてほしいと切に願いながら、月明りに照らされる琴花の顔を抱きながら見下ろした。 ――このまま夜の空を駆けるのもよかったが、何せ今夜は風が冷たい。だから向かう先は、琴花の部屋のある建物の方。) …ま、忘れるわけねぇよな。こんなイケメンをさ。 ( 向かう途中、そんな軽口を叩きながらいつものように笑った。いや、笑ってみせた。だって そうでもしないと――こんなに辛いと思ったのはとても久しぶりだったから。)   (2016/9/21 03:13:00)

雪城玲也♂高2【大変遅くなりました。申し訳ございません。これにてこちらは〆とさせていただきます。夜も遅いので無理はなさらず。】   (2016/9/21 03:13:53)

奏 琴花♀高1【いえ、こちらこそ長考させてしまって申し訳ないです……!先打ち文を少し修正して〆とさせていただきますので、どうぞ遠慮なく先の退室で構いません。】   (2016/9/21 03:18:04)

雪城玲也♂高2【お構いなく。眠気の方は問題ないのですが、少し用を済ませてまいりますので すみません、今夜はお先に失礼させていただきます。】   (2016/9/21 03:22:15)

雪城玲也♂高2【短時間でしたがお付き合いしただき感謝します…!これで無事にフィナーレに突入()できそうです。では、おやすみなさい。お疲れさまでした。】   (2016/9/21 03:23:57)

奏 琴花♀高1【はい、夜分遅くの文字通り夜襲を受け止めて下さってありがとうございました。どうかよい夢を。】   (2016/9/21 03:24:02)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが退室しました。  (2016/9/21 03:24:02)

奏 琴花♀高1――、――(想いを刻印する時間は、長かったのか、短かったのか、当人たちの心臓のみが知ること。少なくとも少女にとっては、長かった。きっと、今までの人生で一番長いフレーズの一小節。)……(ほのりと薄い皮膚の向こうでじわりと広がる血管のほつれ。まるでゆっくりと咲く花のように広がるそれは微かに残った唾液に湿っていて。)……。……――(ゆっくり、離れた。合わせた視線を外すことなく、金網のほうへあとずさる。)――(その瞳は、震えていて)――(だって、私は、メンザイフがないから)――(ポケットにしまってあった"弦"を放って金網を飛び越えて夜闇に落ち逃げようとした目論見はあっさりと、今度は本当に文字通り、さらわれた。高い高い、満月が一番近い場所へと。)   (2016/9/21 03:29:24)

奏 琴花♀高1……――(桜色の唇が無音に何かを呟いたのは、果たして目の良い青年にどう留まったのだろうか。いずれにせよ、風がさらってしまったこと。降ってくる言葉を、最後一句たるまで受け止めんと言葉のアルバムごと、首の後ろに腕を回していつもよりきつくきつく抱きしめた。強く眼下に広がる遠い宝石世界は、どうしてか、一層綺麗で、一層遠かった。部屋に送り届けられても、きっと交わす挨拶に大きな差異はなかったのであろう。ただ一つ違ったのは、その声は、笑みは、決していつもの心臓がありのままに奏でるそれではなかったこと。)―――(忘れない、だから……イタ、イ……)……――(翌日になって知れることだが、奏琴花が体調不良という理由で授業を休み、学園敷地のどこにも姿を現さなかったという宣言通りの事実。されど、からくり仕掛けの神は粛々と舞台の歯車を回す――12時の鐘が鳴るまで、あと少し。空白のトランプの時刻まで、あと少し。)   (2016/9/21 03:29:32)

奏 琴花♀高1【以上にて幕閉じ。機械仕掛けの神が座す終章幕まであと少し。雪城さん、改めて夜分遅くまでのご一緒をありがとうございました。見守って下さいました窓辺様方にも感謝を。それでは、願わくば"免罪符の在り処"を、引き続き見守っていただければ幸いです。お部屋をありがとうございました。】   (2016/9/21 03:31:46)

おしらせ奏 琴花♀高1さんが退室しました。  (2016/9/21 03:31:53)

おしらせ《太陽》さんが入室しました♪  (2016/9/21 12:56:53)

《太陽》【こんにちは。ソロルを一つ置きに。お部屋お借りいたします。】   (2016/9/21 12:57:22)

《太陽》(その日、教室に誰もいなくなった頃。夕陽は朝焼けよりも優しい赤と橙に差しこんでいた。)――ふふ、コピーを取るでも十分だけれど、やっぱりこういうインプットはアナログのほうが記憶効率がいいんだ。(窓際、沈みゆく太陽を浴びながら椅子が傾くほどにのけ反って大きく伸びをするのは、色素を忘れた雪色の髪と肌の少年。机の上には、広げられたノート二冊と筆箱。)それにしても、留守にしていた時間が長かったから写す量も多かったね。付き合ってくれてありがとう、月。(声変わりを忘れたアルトが向けられる先は、一つ前の席の椅子をこちらにむけて、チョココーティングされたアーモンドの小箱を半分ほど空にしている銀色髪の少女。言葉少ない彼女はこっくんと頷いて、アーモンドチョコを一粒取って差し出した。少年は笑んでそれを受け取って一粒、味わって。)ありがとう。……ねえ、月。(もう一度、夜月のような少女を呼んだ。)   (2016/9/21 12:57:31)

《太陽》実は明日からまた仕事なんだ。(にこりと屈託なく笑んで告げると、銀色髪の少女は「え?」と今にも声に出そうなくらいに驚いた様子にアーモンドチョコを箱から取る手が止まった。少年は続ける。艶やかで、穏やかなルビーの眼で。)「家」のほうの都合も重なって今度は長いんだ。ごめんね、ばたばたしている時期に。(ばたばた、というのが学校生活でなく「本業」のほうだということは、少女にも伝ったことだろう。)だから、僕がいない間、無線と録音は常にオンにしておくこと。一人で出歩く時は必ず愚者に言うこと。そして――(立ち上がって、ぽん、と、両手を少女の細い肩に置いた。)――この先どうしていいかわからなくなったとき、他ならぬ君が決められるように、しっかり状況を観察し、このセカイにたった一人しかいない月がどうしたいか、考えること。ガラス先生だって人間だ。いつだって全て正しいわけじゃない。(ゆっくり、まっすぐ、言葉を紡ぐ。)   (2016/9/21 12:57:38)

《太陽》それでも迷ったら……出来れば愚者の――(一拍、目をつむってまた開いて続けた。)ミナトの、傍にいてほしい。ほら、彼は人にお菓子をあげてモチベーションが上がるから、さ。僕の分のお菓子も食べてあげて?(真実かどうかはさておき、月色の少女の反応待たずして、お菓子の話を付け足した。さてお菓子で丸め込みやすくするこの手法は、あと何回使えるのかな――それは少年の心の独白。ただ、いつもと違うのは、丸め込むために言ったのではなくて……)――おっと、下校の鐘だ。(予定調和のように会話の幕を落とす鐘の音。机の上を空にして、月色の少女も食べかけのアーモンドチョコの箱を鞄の中に仕舞う。少女が振り返る頃、そこには色素を忘れた白い手が差し伸べられていたことであろう。その理由を、雪色髪の少年は少しだけ寂寥を帯びた目と笑みで答えた。)エスコートしたい気分なんだ。目を離すとすぐにコトハを探しに行っちゃうから、ルナは。(その日、教室に誰もいなくなった頃。沈みゆく太陽が、上り始める月へと時計を託した――そんな噺。)   (2016/9/21 12:57:50)

《太陽》【以上にて。野分さん、ご厚意に甘えさせていただく形に月ちゃんをそっとお借りしました(深々。それでは、お部屋お返しいたします。ありがとうございました。】   (2016/9/21 12:59:05)

おしらせ《太陽》さんが退室しました。  (2016/9/21 12:59:08)

おしらせ《太陽》さんが入室しました♪  (2016/9/21 14:32:02)

《太陽》【連幕にて失礼します。再びお部屋お借りいたします。人待ちにて。尚、恐縮ながら限定空間につき、舞台となっている場所を明確に把握しているPC様のみの登場となります。ご了承くださいませ。】   (2016/9/21 14:33:11)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが入室しました♪  (2016/9/21 14:36:15)

雪城玲也♂高2【こんにちは。よろしくお願いします。】   (2016/9/21 14:36:46)

《太陽》【はい、雪城さん、こんにちは。連幕でのご一緒をありがとうございます。そして、大変お待たせいたしました。万感あれこれですが、どうぞフィーネまでよろしくお願いいたします。どうか、良き紡ぎとなりますよう。】   (2016/9/21 14:38:24)

雪城玲也♂高2【こちらこそ。ご一緒できてなによりです。】   (2016/9/21 14:39:10)

《太陽》【それではタロットが19番目――太陽の大舞台、ぜひお楽しみくださいませ。これより開演いたします。】   (2016/9/21 14:40:18)

《太陽》《どこかで、双子は道が入れ替わった。父を知るほどに軽蔑した片割は、姉を想うほどに父を愛した。父を知るほどに愛した片割は、弟たちを想うほどに父を憎んだ。されど語り部は粛々と台本のページをめくり続ける。劇中でいくつも分岐する楽譜を。さあ、決断を、答えを、踊ろうか。命と想いとセカイを賭して―――。》   (2016/9/21 14:40:31)

《太陽》……(ぎゅうと、順番にテディたちを抱きしめて、頬にキスを落としていく。最後にキスを落とした純白羽飾りの白テディだけは、もう一度だけ、きつく抱きしめた。)――(忘れない。忘れないで。1秒でも長く、そこに、イタイの。イタカッタの。)……。(テディたちが寒さに震えぬよう、ベッドの中に並べて布団と毛布をかぶせる。机の上には、一度落としたスケッチブック。添えられている純白羽の万年筆にそっと触れて、ページをめくろうと指先伸ばして、やめた。もう、時間切れだ。心臓が、もう、正しい鼓動を刻もうとしていない。)……――(無音を短く紡いだ桜色の唇は、分厚いカーテンを閉め切り、アンティークの装いの寮部屋のドアに鍵をかけ、踵を返した。少女の名を、奏琴花。)   (2016/9/21 14:41:24)

《太陽》(時、同じくして――小劇場というには広く、大舞台というにはこじんまりとした、ほどよく合唱団の声が反響するに十分なホール。その舞台の央。天井でおびただしい量の回路に結ばれた照明器具たちは陽光色の光を落とし、舞台を明るく照らす。観客席には、まだ誰もいない。)……24時間、定時連絡が途絶えたらさすがに探しにくるよね。(残りの時間を思った雪色髪の少年は、少し困った顔に手の中の駒を見つめた。"彼"が駒の場所全てを把握することも含めたあのチカラであるのなら、これを持ってしまっているのは落ち度なのか、それとも――。いずれにせよ少年はゆっくりかぶりを振る。)……頑張ってね。僕も頑張るから。(ブレス、一つ。ツェー響くその中で、手の中にあったルークの駒はさらさらと砂よりも小さな粒へと砕かれて、空調の風に乗って天井へ舞った。それを追う視線の先を見つめて、少年は歌うように告げる。)さあ、歌おう――『ルクサリア』(奏音葉、いや、Eden『タロット』が19番目《太陽》は幕開けの秒読みを目を閉じて待った。開演時間、真昼の12時の鐘の音を――。)   (2016/9/21 14:41:33)

雪城玲也♂高2(カードに書かれた時間に間に合うよう、寮を経ったのは一時間ほど前のこと。相変わらずというか、授業を放り投げてきた。否、それどころではなかったから。――市街地の雑居ビルの上にてスマートフォンで表示している地図と座標をもう一度確認して、再度翼を広げ飛び立った。そして無心で飛び続けて、恐らく目的地だと思われる場所についたのは間もなくのこと。上空からその場所を見下ろしたが、そこにあるのは閉鎖された広い空間、そしてホールのようなものと、作りかけの建物だけ。要は開発が途中で放棄された廃れた敷地だった。本当にこの場所なのだろうか、と もう一度座標を確認してみたが間違いない。この場所だ。) ――音葉…お前の望み通り来てやったぜ。 ( ホールの二階の広場にうまいこと着地し、二階席に続く道をやや警戒しながら進む。そっと扉に手を掛けて、音を立てぬように前に押した。そして――。)    (2016/9/21 15:05:32)

《太陽》(ルクサリア――「情欲」の大罪の名を冠する、大きな大きな赤薔薇を象ったそれ。ガラスのような煌めきを放つ幾重もの花弁たち。内側がぼうっと淡く光り、舞台を見守るように下を向いて悠然と花弁を開けば、赤く光る粒子をちらちらと降らせた。)ん……?もう少しゆっくりしていてよかったのに。(舞台袖から無音という音の足音。目を向ければ、そこには、自分と同じ顔の少女がゆっくり舞台の央へと歩を進めていた。赤薔薇と十字架の銀細工に飾られた黒のゴシックドレス。コルセットとワイヤーに形整えられたその出で立ちたるや、黙してまるで人形のよう。いつもの三つ編み飾りはなくて、その名残に両横髪に結い続けていた名残がふわりと残っていて。)ふふ、よく似合ってる。正装で会うのは……初めてだね。写真でいつも見ていたけれど。(双子の少女は、何も言わない。その沈黙を言葉として受け取った少年は、一人頷き、正確に時を刻む観客席側の時計を見上げた。)……謝るつもりはないよ。君たちを見ていて気が変わったんだ。(それは、観客席――その最奥たる大扉を見つめ続ける双子への言葉。)   (2016/9/21 15:24:50)

《太陽》迷いながら踊ったって、いいじゃないか。全てが台本通りじゃ観客だってつまらない。(クス、と、笑み一つ。12時の鐘が鳴る5分前。その扉は開かれた。舞台は静まる。空調の音が、止まった。)――ようこそ、雪城玲也君。来てくれて嬉しいよ。せっかくの一度きりの舞台なんだ。そんな奥にいないで、近くまでおいでよ?中段中央の席が一番よく綺麗に見えて、聞こえるよ。空調は切っちゃっているから、暑くなってきてもちょっと我慢してね。安全のためなんだ。(二階の広間は作りかけのまま放置されたが、この分厚い防音扉と壁と天井までは――人の手が入ったのか、あるいは当初から完成していたのか、埃一つない真新しさを感じさせる閉じた空間。声変わりを忘れたアルトは実によく響いた。)――ちなみに、ここにきてつまらない悪戯は仕込んでいないから、安心して?(にこりと、無垢な笑みを向けた。隣で佇む双子の少女は、ぎゅっと心臓の近くで手を握り締めて、青年を見上げる。)―――(どうして、来ちゃったの?)   (2016/9/21 15:24:57)

雪城玲也♂高2(ライトに照らされた舞台の上には既に双子の姿があった。丁度、予定された時間の5分前のこと。待っていたと言わんばかりに二階席を見上げる少年はホールに声を響かせた。それに応えるかのように、椅子に足をかけてから一気に二階から身を投げた青年。同時に白い翼を展開させ、ふわりと一階席の階段の上に着地した。) …こういうホールってすげぇ久しぶり。昔学校で無理やり連れてこされたけど、あまりにつまンなくて寝ちまったっけか。(座席のひじ掛けに寄りかかりながら胸ポケットからタバコを一本つまみ出す。口に咥えたそれにライターで火を点けながら、思い出したように笑いを零した。ふ、と煙を吐き出すついでに目を向けたのは琴花の方。) ……誤解すんなよ。俺を呼んだのはお前の弟なんだから。   (2016/9/21 15:45:09)

《太陽》ふふ、すごいでしょう。何て言ったってこの区画の目玉はこのコンサートホールだったんだ。中規模で反響素材も当時最先端のものを導入し、機材も停電を想定した備えがあって避難所にもなるように倉庫に色々置いてあったよ。(流暢に、楽し気に語る少年。印象どおり興味のない楽曲になると寝てしまうタイプと語られればまた笑み一つ。)僕はいい演奏ほど眠くなってしまうかな。うっとりしてそのまま眠りの世界に誘われてしまうんだ。あ、煙は一応報知器を切ってあるけれど燃やさないでね?(そして、双子のほうを向く。)――そうだよ。(笑みに艶が増して)――僕が彼をここに呼んだんだ。ことごとく二人きりにしてくれてありがとう。おかげてとてもいい舞台になりそうだよ。(時計を、もう一度見る。)――さあ、始めようか。コトハ、今の君をただ殺すだけなら簡単なんだ。それじゃあつまらないでしょう?だから、こんな風に始めようと思うんだ。   (2016/9/21 16:11:28)

《太陽》―――《ジーーーーーー》―――(開演のベル。紅く妖しく咲き誇るガラスの赤薔薇がゆっくりと天井カーテンより下へと降り始める。)パーパが独り占めしている君の声を、記憶を、真実を、僕は僕たちは望む。君がより綺麗に散れるために。(それが、開演を飾る最初の台詞であった。双子の少女は、ハッと息を呑んで天井を見上げる。)歌え、ルクサリア――(ブレス、一つ――)――アゥクゥル・ティ・ファウ・トュゥ――(時計の秒針より少しだけ速いテンポに流れるアルトの歌声は、子守唄のように静かで慈しみあるそれ。どの国と時代の辞書と譜面に載らぬそれ。揺蕩う夜のような旋律。ルクサリアが赤い粒子をきらきらと降らせるほどに、その歌声は一層ホールの空気をじわじわと侵蝕し、掌握する。それがもたらしたものは――)――ルゥ・ヴェス・キゥ・ジ・テェズ――(双子の少女が、両耳を塞いで震えてうずくまる姿であった。音を振り払おうと必死にかぶりを振っても、声なき苦悶は、あっという間に彼女から立つ力を奪った。観客席には、ただただ美しい旋律にしか聞こえないであろうに。)   (2016/9/21 16:11:36)

雪城玲也♂高2(自分がここに呼ばれた理由。それは分かっているつもりだった。そして役目を果たせるかどうか、不安でならなかった。ただ自分に可能性を求めていただろう”二人”を目の前にして投げ出すわけにはいかないと言う思いが青年をここに運ばせた。そして事が穏便に済むはずもないことを分かったまま、今は静かに舞台を見守るしかない。――開幕の合図が鳴り響く。人知れぬ地で、艶やかに始まった舞台を見つめる観客はただ一人。) ……。(彼が音使いであることは勿論把握していた。だから音使いと音使いが衝突しあった場合どうなるのかと予想はつかなかったが、あの琴花の体を一瞬にして封じてしまうとは 案の定、何が起こっているのか理解できるはずもなく。) …音葉。お前は確か音使いの一人だったな。( 美しく宙を舞う煌めく花弁は能力の媒体であろうか。ただの演出ではないそれを目の当たりにして、青年は双子の片割れを見据えた。) “それ”は…一体何なんだ?   (2016/9/21 16:41:42)

《太陽》ふふふ、思ったより感じてくれるんだね?(可聴域の外に出る音量にまで霧散しても、歌声は響き続ける。音使いの耳には、少なくとも木霊のように明瞭に。双子の少女は心臓の辺りを握り締めて、苦悶に震えたまま己が片割を見上げて、同じように、ブレスを一つ――音を、声を、吐き出すようにして無音を歌った。観客席の青年は、今までの感性の通りに聞こえていたのならその音色は決して優しいものでないことだけは確かに感じたであろう。いつぞやのように、ヒトを聴覚から狂わせる、可聴域外の攻撃音。)音程がバラバラだよ?それじゃあ打ち消せない。(クスクス――少年の瞳の奥に、悦が灯る。)大人しい心臓を内側から撫であげられるのはどんな感覚、コトハ?(ブレス、もう一つ――造語の創作歌は転調することなくただゆったりと続く。反響して、ホールを包んでいく。その中、片割の少女の吐息は荒くなるばかりで。同じ異能同士が拮抗しない様子をルクサリアは黙して見守る。)   (2016/9/21 16:55:37)

《太陽》――おっと(それでも少女は天井に咲く花を見上げ、袖から滑り落としたレターナイフを握り締めて、それを真上に向けて投擲せんと腕を振るう――が、無音の振動という刃をまとったレターナイフは、握り締める手ごと少年に掴み封じられる。)ふふ、あんまり暴れると、フィーネまでもたないよ?まだ第一楽章だ。(手を掴む力が強いのか、掴む手を振り払う力が弱いのか、艶っぽい悦の瞳と声音のまま少年は歌う。言葉を。)――それとも、玲也君に見られたくないのかな?(もう片腕で振るうレターナイフも、同じようにしてあっさりと封じられる中、観客から声が飛んできた。少年は、待っていましたとばかりに笑んで無邪気に答えた。)このルクサリアはね、ふふ、ただのアンプだよ。アンプリファイヤー。(アンプ――増幅機。軽音楽に携わる友人を持つなら、その機器名は身近に響いただろうか。)詳細を並べてもいいけれど……そろそろ玲也君の身体にも回っている頃だから、ちょっと飛んでみれば分かるんじゃないかな?すっごく軽い負荷で飛べて気持ちいいと思うよ。   (2016/9/21 16:55:44)

《太陽》(玩具の自慢のような声音。アンプと表現されたそれの真下にいま双子は立っている。少年の言葉の通りに翼を広げて飛べば、飛びあがった時点で彼の言葉が嘘でないことを知るだろう。ただ、吐息整わぬ少女は観客席のほうを見て、届かぬ声で何かを必死にかぶりを振って、唇を動かした。彼に唇が読めないと分かっていても。)   (2016/9/21 16:55:51)

雪城玲也♂高2( いつものような調子が出ないのはあの赤い宝石の欠片のようなものを漂わせるものの所為なのだろうか。繰り出した攻撃のすべてが音葉の前では無力で終わってゆく。ただ琴花自身、まだ本気を出せていないのも確かだが、音葉は本気で殺しにかかってくるであろう様子。このままでは――。) ルクサリア…? ( それはアンプのようなものだと説明する少年。だとすれば音を増幅させて伝える機械に例えられるが、この場合能力の発動、そして効果を増幅させられると言うことだろうか。既に自分にも効き始めていると言われれば、反射的に胸板あたりに手を当てる。) お前つまらねぇおイタはねえって言っただろうが。(そう言い放ちつつ、彼の言う通り翼を開き軽く羽ばたいたその体はふわりと宙へ浮いた。大した優れものだが、アンプの役割を担うものならすべての能力者が影響を受けるはず。つまり琴花も。) しっかし何でそんな代物使う必要あんだか。まるでどっかの連中と――…   (2016/9/21 17:28:00)

雪城玲也♂高2(そのまま二階席の柵の上に座って、翼を広げたまま舞台を見下ろした。今まで能力の発動を阻止するものや、テレポート装置に似たある種の道具のようなものを見てきたが 赤い光を放つあの物体もまたそれに近い気がした。)   (2016/9/21 17:28:08)

《太陽》ふふ、つまらないじゃなくてシンプルって言ってほしいな?こうして堂々とお披露目して紹介までしているのに。(クスクス――舞い落ちる純白羽が頬をかすめる。)ルクサリアは増幅ナノマシンの集合体。言ったでしょう?コトハは刺激してあげないと本気を出してくれない。そして本気を出してくれないと声も聞けないし、真意も確認できない。(言うと、吐息荒いままの双子を覗き込む。)コトハ、この歌を覚えていてくれてありがとう。ふふ、これは13人いたときに最後に歌ったお気に入りの歌。この歌だけでこんなに感じるものがあるならルクサリアなしでも簡単だったかな?(歌の小節が進むごとに、少年の言葉も増え、声音も双子の姉を覗き込む瞳も艶を増す。まるで情事にて組伏した愛しい乙女を見つめるように。)――ウォル・ラク・ヴェ・テル・スィ・アー――(造語の創作歌が歌いきられる頃。最後のフレーズの中で声を忘れている少女は声なき"悲鳴"を上げて、心臓が歌う何に耐えきれなかったのか、両手の自由を奪われたまま背をのけぞらせて、二拍もしないうちに強張った身体は糸が切れた人形のように崩れ落ちた。そっと大事に受け止めれば、沈黙がふわりと咲いた。)   (2016/9/21 17:52:33)

《太陽》よかった、歌う途中に邪魔をされなくて。静聴をありがとう。可愛かったでしょう?(意識を失ってもなお、穏やかな呼吸から遠い片割の頬を撫でながら。熱を帯びて紅潮した、その頬。)……ふふ、必要なんだ。最終的に僕よりコトハのほうが必要なんじゃないかなって。起きたときの反応次第、だけれど。(二階席の白翼見上げて、通りのいい声を投げる。)そうそう、ホールに穴を空けたりルクサリアを壊してここから出よう――なんて安いことはしないでね?空調を切ってダクトも封鎖したのは外の人たちを守るためなんだから。終わったらちゃんと処分するから安心して?(クスクス――「まるでどっかの連中」に繋げられるかは、彼次第。ただ、19番目の太陽はさして気にしていないようだ。だって、僕たちは――。)   (2016/9/21 17:52:42)

雪城玲也♂高2(少年の言う通り、琴花に本気を出させるのは何らかの形で刺激してやるほかはない。ただ本気を出すことでもたらされる影響がどれだけ彼女を及ぼすのかを知っている青年は複雑だった。けれど、現時点では琴花を覚醒させない限り片割れには太刀打ちできないのも確かだ。例え本当に”壊れて”しまったとしても。) 琴花…。 ( 音葉の歌声、この場合は攻撃と表すのが正しいだろう。受けた彼女は苦しそうにもがき、やがて意識が失ったのかふつりとその場に崩れた。美しくも異常な光景に、冷や汗を一つ流して彼女と、そして片割れを交互に見つめる。) 俺は別に外の連中がどうなろうと知ったことじゃねぇけどな。ま…それより逃げ出すような腰抜けに見られる方がよっぽど嫌なんでね。( 恐らく片割れは青年が逃げ出すようなやつではないことは分かってはいるだろうが、念のためそう付け加えて腕を組んだ。そしてそのまま また一階席の方へと舞い降りて近くの座席の背もたれに両手を置いて舞台を見つめる。) 音葉、忙しくなる前に答えろ。   (2016/9/21 18:14:34)

雪城玲也♂高2(“忙しくなる”。つまり琴花が目覚める前にと言うこと。青年はいつも通りの口調で言葉を並べる。) 琴花もお前も…逝っちまった兄弟たちも。決して憎み合ってたわけじゃない。そうだろう。何で琴花はあいつらを殺して、そして……何でお前とまで殺し合いをしなくちゃならない。   (2016/9/21 18:14:48)

《太陽》ナノマシンは風に乗ってどこまでも飛んでいく。世界中に、ね。今日の風向きだと君たちのいる学園のほうにだって運ばれるし、吸いこんで増幅したチカラに混乱した光景なんて、阿鼻叫喚なんじゃないかな?(外への無関心の言葉を並べる青年に、少年は何が面白かったのかくすくすと笑いながら返事をした。)この舞台に来る以上腰抜けだなんて失礼は思わないよ。情に突き動かされて苦しむコトハを取り返そうとしないところ、僕は好きとすら思う。(そして、きっと恐らくこの舞台の核たる事は観客からの問いとして顕現した。愛していながら殺すことの、意味。少年の目尻が少しだけ寂寥に下がった。)――それを、これから問いただすのさ。人工的つまり願ったそのままに創られ、替えの利くトクベツな僕ら。憎んで殺すというより……琴花は、現存する倫理を外れて生ま育った13人が世にもたらす波紋の大きさと、その央に立つパーパを、ここじゃないところに連れて行きたいだと思う。あの地下にも色々な権力者や学者が来るからね。色々な言葉、聞こえていたんじゃないかな。一度パーパに掴みかかった来客を殺しているからね、この子。   (2016/9/21 18:35:29)

雪城玲也♂高2なるほど……そうだとしたらしばらく学校が休みになってくれりゃ有難いんだけどな。(少年の返事に対しそう呑気に返して、しばし自分の手を見つめた。このナノマシンと言うもの、一度体に取り入れればしばらく影響は残るのだろうか。妙な副作用さえなければ利用しやすいと思ったが……とは言え今は必要のない問いだろう。) …ああ、確かお前も。(そう言いかけて背もたれを跨いで座席に座り、タバコをもう一つ咥える。) 何で琴花がそんなことをしたのか、詳しくは知らないと言ってたな。( カチ、カチ。ライターを2,3度押して火を点けた。前に会って話した時、そんな風なことを呟いたことをなんとなく思い出しながら。) …今更驚くことでもねえけど、確かにそんなことがあってもおかしくはねえだろな。俺も一度殺されかけたし…お前も見てたと思うけどよ。   (2016/9/21 18:58:41)

雪城玲也♂高2( それは自分が白の家の少女を施設まで送るのに勝手に庭に忍び込んだときの話。侵入者だと認識した相手を無慈悲に殺めようと、つまり自分に襲い掛かってきた琴花を少年は見ていたことだろう。施設長を、家を守ろうとすべく暴走する姿は、言うまでもない。) とりあえず…答えを聞けるまともな状況なら、いいんだけどな。(一度深く吸って、もわりと煙を漂わせた青年の赤紫の瞳の先には、その場に倒れている琴花。)   (2016/9/21 18:58:48)

《太陽》そう、僕の記憶とて完全ではないんだ。つぎはぎだらけだから。(そこで、楽章の狭間たる談笑は、前触れなく終わりを告げる。)――……さあ、第二楽章だ。(ぐたりと力を失っていた少女が、ゆっくりと起きあがる。そのルビー色の双眼は、どこも見つめていない。その眼のままに、ゆらりと立ち上がり、煌々と咲く紅い薔薇を見上げ、次に舞台をゆっくりと歩きながらをゆらり辺りを見回す。まるで夢から醒めきらない子供のよう。しかしその静寂は、どうしてか、空気を小刻みに震わせた。そして――少女の唇が動く。)――「……ゃ……」(虚ろなルビーの視界の中には、純白翼の青年の姿があった。)――「れ……、ぁ……」(掠れたというのはあまりに小さな、無垢なソプラノが、静寂にぽつりと降った。ゆらり、ゆらり、舞台から落ちそうな歩など気に留めることもなく、夢散歩のような足取りに、一歩、二歩――。)――玲也君、右下。(アルトが鋭く響く。掠れた、しかし確かに可聴域の声を発しながら、青年に近づく危うく緩慢な眼差しと歩からは考えられない速度で、刃の煌めきを帯びた右腕が下から振りあげられた。)   (2016/9/21 19:03:15)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、《太陽》さんが自動退室しました。  (2016/9/21 19:23:25)

おしらせ《太陽》さんが入室しました♪  (2016/9/21 19:23:47)

雪城玲也♂高2……! 琴花、お前…声が。(ようやく起き上がった琴花から聞こえたのは、紛れもなく人の声だった。思わずその場から立ち上がり、近づいてくる琴花をじっと見つめる青年。シートを握りしめる片手に力が込み、少し震えた。そして考える間もなく、音葉から声がかかった刹那素早い動きで自分に襲い掛かってきた。) ……ッッ!! ( ヒュン、と大気を裂く音が鼓膜を叩き、照明で反射した刃物が自らの体を掠めた。そう、ぎりぎりのところでかわした。翼を展開させ、一気に天井付近まで上昇させながら下にいる琴花を見下ろして。) とんだ演出だな。( 口に咥えたタバコをぎりりと噛みしめながら冷や汗を一つ。) 琴花。俺もお前の理想とする場所に連れていこうってのか。 ( ばさ、と羽を揺らして 舞い降りたのは舞台の前。ただ無差別に殺戮を繰り出しているわけではないことは明らかだった。確かに彼女は自分の名を呼んだから、赤い瞳に映る男が「雪城玲也」であると認識しているはずだった。) お前は何で…兄弟たちを。   (2016/9/21 19:25:48)

《太陽》「こ……ろ、す?」(かくん、と、少女の首が傾ぐ。)現存知識があって会話が成立している……(一拍。少年は考え、至る。)愛情表現が苛烈な個体はパーパを護ろうと暴発した一人だけ……当時のままのチカラで弦も扱えるなら――(思考放棄。ブレス、一つ――アルトが明瞭に響き渡った。言葉という音を対象の意識奥深くにまで届けるその声は、夢心地の少女とて例外なく振り向かせた。)おはよう、コトハ。(少年は、笑んで両腕を広げた。)おいで。話をしよう、もう一度。(怯えるように震える空気は、いまだ張りつめたまま。少年のアルトは場違いなほどに穏やかに響く。その声に手を引かれるようにして、ゆらり、ゆらり、虚ろな片割は刃落として「おいで」に応えて舞台への階段を上り始める。)   (2016/9/21 19:47:29)

《太陽》――この部屋の外には、本物の太陽がある(少年は、笑んだまま静かに、なにかをなぞる様に紡ぐ。そして少女が呼応する。)――「この、へ、ぁ……そ、と……え、ほん……かぃ……ひと……たく、さん、ぃ、る」……手を伸ばすことすら、会うことすら叶わないそれ。――「だか、ら、ここ、ぁ、は、こ……にわ」……だから……――「ここを、ひとり、まも、ろ……する、パーパ、そと、だして、あげない、と……だめ」(少しずつ、掠れという名のほつれがほどけていく中、雪色髪の少年は心臓に手を当てて、ゆっくり続けた。)――ここにパーパも一緒にいるでは、だめなの?(舞台への階段をのぼりきった少女は、答えた。)――「だめ」(明瞭さを加速的に帯びながら。空気の震えは、増すばかり。)――「そとは、ひろい。14にんで、ぜんぶからまもれるほど、わたしたちは、つよくも、ただしくもない」(少年が、一歩、後ろへ下がった。後ずさるように、距離を保つように。) ――「だから、あがなうの」――(そして振り返る。綺麗な綺麗な翼へ。)   (2016/9/21 19:47:37)

《太陽》「みんな、いっしょに、いくの」――(ブレス、"二つ")――「こんどこそ」――二階席の下へ!!(一つは、目を見開いた少女の言葉。もう一つ張りあげられた声は、このホールで一番音響が悪い箇所を白翼の青年へ示す声。間に合うだろうか――)―――――(美しくも歪曲した不協和音が響き渡る。音と音がぶつかり、圧に爆ぜ、空調がないはずの空間に豪風を巻き起こした。そう、先程まで当たり前のように優勢を歌っていた少年が、壁に叩きつけられるほどの、音の暴力。)   (2016/9/21 19:47:45)

雪城玲也♂高2…っ、お前……。 (舞台へ続く階段を上る度、その声はクリアになっていった。そして上り切って、二人が対峙するのを下から見上げながら 瞳を震わせる。「声」を聴いたのは、初めてではない。だが今は、封印から解かれたように自由に喉を震わせることができる。しかしそんなことを実感できる間もなく、琴花から向けられた視線 そして音葉から投げられた言葉。) くそッ…! ( すぐに翼を伸ばし、二階の下の方へと一直線に向かう。刹那、響く爆発音と猛烈な風圧が青年を飛ばし、そちらの方へと叩きつけた。しかしこれが幸いして直撃は免れることができたのだが、音葉の指示がなければ今頃五体満足とはいかなかっただろう。) ――…ッ、琴花!音葉!! (すぐに起き上がり、座席に凭れ掛かって青年は舞台に向かって二人の名を叫んだ。)   (2016/9/21 20:04:03)

《太陽》これは、なかなか……ルクサリアを浴びていなかったら10回分死んでいたかな……(ひび割れ崩れた上手の壁面から身を起こした少年は、片手を上げて生存を声のほうへと伝えた。向こうも声を張る程度には無事だったようだ。よろりと立ち上がって、埃を払った雪色髪の少年が見据えるのは、時が巻戻った、否、歪に時を抑圧されていたままに時を刻み、枷を外された――そう、本来の姿をもってセカイに佇む、一人の、音の主。)思ったより回復が早いね?びっくりしたよ。(再びルクサリアの下へと歩を進めた少年が笑っているのは、声と口元だけ。)……それなら、もう一度問うよ。(ブレス、一つ)――セカイが与えし免罪符は、見つかったかい?(その問いの答えによっては、道が別れる、いや、外れないかどうかだけが決まる。そして、少女の答えは、二階席の影にルビー色の視線を向けたまま、紡がれた。)   (2016/9/21 20:30:51)

《太陽》――「ない。わたしが、パーパのめんざいふだから」……つまり、君はあの時、僕たちとパーパを含めた14人と、億単位の人間の未来を天秤にかけたんだね。(傾いたのは、億単位の人間たちだった。それが、顛末。箱庭の楽園が内側から壊れた顛末。ほんの少しの外部刺激で、あっけなく壊れた顛末。そう、まるで今佇む少女のように。)そして、今、もう一度天秤にかけるんだね。創られし音使いと、創った「父」と、セカイを――(ちらりと、無事な青年のほうを見遣る。)……玲也君。(そのアルトは、いつもより低かった。)……その二列前の席の裏に、地下ダクトを作ってある。ルクサリアの粒子は体外に漏れることはない。今の摂取濃度なら生活にも影響はない。   (2016/9/21 20:30:59)

雪城玲也♂高2( 音と音の衝突を受けた本人たちも何とか無事なようだった。少年の言う通り、先ほどから受け続けているルクサリアと言うものの影響のお陰で素早く行動に移せたのだろう。とは言え全く予測のできない攻撃の連続に気を緩む隙は与えられない。) …いい、その必要はない。( 二人の会話を耳にしながら、青年は座席の階段を下りながら舞台の方へと歩み寄る。音葉は今のうちに避難した方がいいと提案してきたが、それは断った。「忘れない。」その約束を果たすために。) それに呼びつけたのはお前だろうが。(苦笑を交えながら彼にそう返して、舞台近くの座席の前で止まる。今の琴花は、琴花であってそうでない。少なくとも自分の知っている相手では。そして元の彼女に戻れる保証も、ない――。)   (2016/9/21 20:59:41)

《太陽》(分かってはいた。ここでダクトをくぐるような性分でもないこと。それでも少年は苦笑した。)予想外が、二つあるんだ。一つは、コトハが真っ先に僕を殺そうとしないこと。かといって僕に大人しく殺されるつもりもなければルクサリアの高揚効果で歌狂いをしないこと。(そう、《月》と戦ったときは発生していたのに。)……もう一つは――(虚ろな、しかし視線は揺らがないルビー色の視線を追った先を見る。何故か、君をずっと見ている。(ほら、歩を進める先は……)――「れい、や」(歪なほどに無垢なソプラノが、小さくしかしノイズのないこの空間では明瞭に響く。右手に白銀のレターナイフを握ったまま、心臓に手を当てて、首を傾ぐ。)――「おとつかい、わたし、こわい?」   (2016/9/21 21:15:27)

雪城玲也♂高2…お前ら二人だけだったら、状況はかなり変わってたかもしれない。でも……。 ( つまり自分がこの場にいることで、少年の予想していた事態からだいぶ逸れてしまっているのだろう。視線を向ける琴花の赤い瞳をじっと見ながら、青年は翼を展開させた。) 「目的」は一つ、果たせたな。( 琴花の声を取り戻すと言う目的。しかし果たされた今、状況はお世辞にも良いとは言えない。――青年は一歩、また一歩と進み、ステージへの階段を上った。そして琴花との距離を少しずつ狭めてゆき。) 怖くない。( 口角を吊り上げて、はっきりとそう答えた。気を抜けば一瞬で殺されてしまうかもしれない、それほどまでに近い距離で。)    (2016/9/21 21:39:58)

2016年08月11日 20時10分 ~ 2016年09月21日 21時39分 の過去ログ
【イベント部屋】school..2
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