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2016年09月21日 21時57分 ~ 2016年10月09日 21時15分 の過去ログ
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《太陽》だから避難を促したのに、君は、まったく。(雪色髪の少年は、足音立てずに少し下がり、静かに見守る巨大な赤薔薇を見上げる。そう、この舞台は、一見して完璧に完結できるようにあらかじめ作られていること――それが、最大の欠陥なのである。だから、賭けた。自我が過去を現在と、今も天秤にかけているであろう未来の間で揺らぐ片割の本当の願いをかなえるために、どうしても欠けるものを、賭けた。だから、隙だらけの片割の背後を破砕音を纏った拳で心臓を砕くことは、今はしない。)……――「わたしは、こわい」(少女は、無垢な声で、言葉を返した。いつ刃を帯びてもおかしくないレターナイフを右手に握ったまま、その右手を伸ばす。俯いている刃を突きたてるためでなく、青年の首筋に残っている薄らと赤い跡を触れるために。)「くろーでぃあすを、ゆるせないことも、おとつかいを、こわがるおとなも……チカラを、かくすセカイも……こわい」   (2016/9/21 21:57:25)

雪城玲也♂高2【と、大変申し訳ないのですが、私用にて1,2時間ほど外さなくてはならなくて。中断するような形になってしまい大変申し訳ございません。】   (2016/9/21 22:06:09)

《太陽》【いえいえ、二幕かがりであろうとことは承知でしたので。長いお時間をありがとうございます。どうぞ背後大事に。行く末を分岐した最後の選択にてそっと栞を。再開日程はまた舞台袖でも。本当ありがとうございます。】   (2016/9/21 22:08:08)

雪城玲也♂高2【後ほど必ず戻りますので、今しばらくお待ちを。では一度失礼します。】   (2016/9/21 22:08:32)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが退室しました。  (2016/9/21 22:08:36)

《太陽》【あ、待っていていいのですね。早とちりを……。では、ログに穴が空くのもあれですので、静かに待たせていただこうと思います。】   (2016/9/21 22:10:28)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが入室しました♪  (2016/9/21 23:56:16)

雪城玲也♂高2【長らく空けて大変申し訳ありません…!(土下座) すぐに続きの方に取り掛かります。】   (2016/9/21 23:57:17)

《太陽》【いえいえ、有意義に過ごしておりました。おかえりなさい。ゆっくりで、ゆっくりで。一度きりの幕なのだから。】   (2016/9/21 23:59:11)

雪城玲也♂高2【感謝いたします。ではのんびりと、行けるところまで今夜はご一緒できればと思います。】   (2016/9/22 00:00:30)

《太陽》【はい、目蓋ご無理なく。私も同じ志に。】   (2016/9/22 00:01:11)

雪城玲也♂高2分かってるくせによ。お前にはがっかりだぜ、音葉。(避難を勧めたところでこの青年が素直にそれに従うはずもないことくらい、音葉は知っているだろう。それが音葉なりの自分に対する優しさであることも、青年は分かっていた。そして、赤紫の瞳は封印の解かれた片割れの方を見据えて。) ――…知ってるよ琴花。怖いのはお前だ。( ナイフを持つ手がこちらに伸びて、やがて首に触れる。それを拒まずやりたいようにさせながら見下ろして、静かに頷く。) そして、この痛みも。( ふいに、ナイフを持つ彼女の細い手首を強く掴んだ。相手が痛いと感じるほどに握りしめてから、ぐんとこちらの方に引いた。恐らく常に発動しているであろう能力により切れ味が鋭くなったナイフを自身の胸板に当ててゆっくりと動かせば、白いシャツはたちまち赤く滲んでゆく。) お前の”痛み”なんだろう、琴花。( それは前夜、彼女から受けた痛みを彷彿とさせるようなもの。歌の籠ったナイフなら尚更だろう。音葉が言うように彼女が自分の方に今意識を集中させているならば、自分が彼女を刺激し、行動するしかない。 すべては舞台を終わらせるために。 )   (2016/9/22 00:21:08)

《太陽》――!(きっと双子が目を見開いたのは、同時だったのだろう。青年の、予想を逸した行動に。双子が動いたのは、ほぼ同時だった。少年が一度俯いて拳を握りしめたのと、少女が息を呑む声を上げたのは。)――……え?(カランカタン――金属が鳴る音。落ちて、鳴る音。しかし少年が思わず虚を突かれた声を零したのはそこではない。)――「……た、い」(響いた、甲高く、震えた声。)――「いた、い……」(自らを傷つけた青年の腕の力をも振り払って落としてステージ上をくるくると滑った鋭利なレターナイフ。)――「い、たい……いたい……」(そのナイフが拡げる赤い花を、まるでせき止めるように少女の両手は胸板の服をぎゅうと握り締める。)――「痛い、の」(赤紫の瞳を見上げるルビー色の双眼は、揺れていて、震えていて――)――「居たい、の……玲、也」(――大粒の涙を零していた。)   (2016/9/22 00:57:13)

《太陽》……ルクサリア(響き渡る、ソプラノの泣き声。必死に痛みを、心を、声にする片割の後ろ姿を見て、少年は今一度此度の幕の「相棒」を呼んで、足元に転がっていたレターナイフをブレス一つの後にひゅんと真上に投擲した。カシャァンと甲高い音を立てて落ちて来たのは、紅の花弁一枚。)……お前の生まれた意味を果たそう――(ブレス、一つ)――(響くツェーの音。手の中に収まっていた花弁はさらさらと砂粒よりも小さく砕かれ、その小さな破片たちにふぅと強く息を吹きかけた。舞った先は、心が痛みだらけの、二人の頭上。)――(ブレス、一つ)届け。(小さな囁き、小さな誓い。心臓に手を当てて、ゆっくり、旋律を歌った。)――アゥクゥル・ティ・ファウ・トュゥ――(心臓を無理矢理こじあけるために歌われた歌は)――ルゥ・ヴェス・キゥ・ジ・テェズ――(子守唄よりも慈しみに満ちた響きをもって響いた。身体の自由を奪ったときと同じ歌だというのに、空気は怯えに震えない。)   (2016/9/22 00:57:21)

《太陽》(歌は、加速させ、溢れさせる)――「痛い、痛い……」(心を、記憶を)――「ごめん、なさい……ごめんなさい……」(願いを。それを心に鳴らす最初の鐘が、情欲の恍惚と同じ神経に宿るもう一つの感覚――)「痛かった、居たかった、痛い、居たい――……うわあぁああ!」(――痛覚である。)   (2016/9/22 00:57:31)

雪城玲也♂高2――こと、…。 ( シャツを握りしめる少女の両腕を掴みながら涙を溢れさせるルビーの瞳を見つめ、そのあまりにも憐れな表情に眉を垂らした。痛みと苦しみの嵐に飲まれる彼女を眼前に、赤紫の瞳が震える。 今日初めて怖い、と感じた。琴花に対してではない。”事実に。”) ……ッ! ( ガラスが弾けるような甲高い破裂音と少年の歌声がホールに木霊し、刹那 赤い光が頭上を舞った。それは先程のルクサリアの破片が粒子となった集合体。踊るように大気を漂い、やがて吸収されてゆくように溶けたかと思えば、慟哭が耳を裂いた。反射的に自分の頭を片手で抱えながら回避するように、舞台の奥の方へ身を投げ出し、悲鳴を響かせる琴花と背後にいる音葉を交互に見遣って。) ……音葉… お前、何を…。   (2016/9/22 01:32:09)

《太陽》ふふ、落ち着いて?(雪色髪の少年は、その場を動かず、くす、と悪戯っぽく笑んで片割れを軽く指さした。悲鳴のように泣く少女が語るはそう、愛していた兄弟たちを手にかけたことの痛み。その痛みが痛みとして世に放たれる機会を奪われた痛み。裏返して――)――すごく泣きたそうにしていたんだもの。我慢していたものを、吐き出す手伝いをしただけだよ。言ったでしょう?本気になってくれないと取り戻せないと。本気というものが殺意一択じゃないとしたらという仮定だって、もちろん1%未満の可能性として信じて僕はルクサリアを設計したんだよ。(ね、と、天井で静かに咲き誇る赤薔薇を見上げて、ちらりと視線を戻した。)……コトハ、免罪符の在り処、分かったなら玲也君に聞かせてあげるといいよ。   (2016/9/22 02:05:51)

《太陽》(己の泣き喚く声の中で、自分とほぼ同じ声の言葉は、心臓の深いところまで沈んで、鼓膜を震わせた。)――「免罪、符……」(そのコトバは、慟哭の痛みを少しだけ遠のかせて、心臓が、言葉を紡いだ。)――「……願い」(慟哭に掠れた喉は、それでも紡ぐ。シャツの胸元を握って離さないまま、潤んで涙が止まない中、それでも。)――「ここに……セカイに、みんなと……生きて、居たい」 (それはきっと、今まで聞かせたどんな歌よりも、温度を帯びて眼前に伝っただろうか。)――「痛いも、怖いも、ぜんぶ……みんな、みんな、いっしょに。……誰かに、赦してもらうこと、じゃ、なくて……」(伝って残った血の手のまま、震える指先を頬に伸ばして、"本当の答え"を、紡いだ。)――「私が、生を願うこと。贖うためにも、守るためにも」   (2016/9/22 02:06:01)

雪城玲也♂高2【少しだけ失礼させていただき…幕も中盤に差し掛かったところですが、少し意識の方がぼんやりとしてきたので今夜は一度、ここで幕を下ろしても構いませんでしょうか。】   (2016/9/22 02:11:37)

《太陽》【はい、それではここでそっと栞といたしましょう。連夜遅い時間までご一緒くださってありがとうございます。】   (2016/9/22 02:12:33)

雪城玲也♂高2【先ほどは長くお待たせしてしまい大変、大変申し訳ございませんでした…!続きが気になって仕方ないところですが、続編の日時はまたPL部屋の方にて相談できればと思います。】   (2016/9/22 02:14:03)

《太陽》【はい。楽しみにお待ちしております。今宵はどうかゆっくりおやすみくださいませ。フィーネまで、あともう少しです。】   (2016/9/22 02:14:48)

雪城玲也♂高2【ありがとうございます。では今晩はこれにて失礼させていただきます。お疲れ様でした。】   (2016/9/22 02:15:22)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが退室しました。  (2016/9/22 02:15:25)

《太陽》【(あとリアル大事大事ですので、まことお気になさらず、なさらず。)それでは、今宵はこれにて、そっと、おやすみなさい。良い夢を。】   (2016/9/22 02:16:23)

おしらせ《太陽》さんが退室しました。  (2016/9/22 02:16:28)

おしらせ《太陽》さんが入室しました♪  (2016/9/26 16:14:17)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが入室しました♪  (2016/9/26 16:14:35)

《太陽》【よろしくお願いいたします。さて、そっと栞を抜いて挨拶はシンプルに参りましょう――さあ、歌おうか。】   (2016/9/26 16:15:28)

雪城玲也♂高2【こちらこそよろしくお願いします。では、こちらから。】   (2016/9/26 16:18:27)

雪城玲也♂高2――…よく聞きな、琴花。( 記憶が蘇った今の琴花は赤ん坊同然であった。感情に任せて涙を流し、善悪も分からないまま本能に従って行動するその言動は赤ん坊と何ら変わりない。血の滲むシャツを強く掴む彼女を見下ろしながら、青年は目を細めて言う。) みんな一緒に…そんなのは無理なお話だ。お前が理想とするここよりも良い”世界”なんてのも…俺はあるとは思えない。( それは、今の琴花を拒絶するような言葉に聞こえたかもしれない。 真っ白で一切の穢れもない地下の世界は、彼女にとっての理想郷であったのだろう。それを不変であってほしいと願うが故に暴走して殺めてしまったと彼女は言う。しかしそれはただの”殺人行為”であることに変わりはない。どんなに固く結ばれた兄弟たちの絆があったとしても、いずれはそれぞれの道を歩み、そして死んでゆく。それがヒトの人生と言うのなら、彼女はそれを拒んでいると言うことになる。)   (2016/9/26 16:18:44)

雪城玲也♂高2 その代わり死んじまったやつらは…お前の中で”痛み”として生きてる。目を閉じて……よく…感じてみろ琴花。ずっとそこにいたはずだ。お前が忘れかけていただけで。 ( 両手は彼女の肩を強く掴み、そして展開させた翼を静かに光らせる。肩を掴む間、片手に忍ばせていた羽根の先を、ほんの少しだけ彼女の皮膚に刺しながら。 異能者同士であれば恐らく効果のある方法。実際試したことはまだ無いけれど、自身の羽根、つまり体の一部を彼女に取り込ませて能力を発動し、一瞬だけだけれど自身の能力を彼女に与える。ルクサリアに何かしら神経を高揚させたり能力の効果を増幅させる力があるのならば、飛行能力そのものを司る羽根一つ一つの力も増すはず。つまり限界まで高ぶった神経はある種の麻薬作用のようなものを彼女にもたらすかもしれない。しかしこれは大きな賭けだった。ほんの一瞬の効果とは言えどう作用するかによって、琴花の暴走をさらに促してしまうかもしれないから。)   (2016/9/26 16:19:01)

雪城玲也♂高2  ――…そう、お前は 兄弟たちの分まで生きなくちゃいけない。その先にお前の願う世界が必ずあるから。( それが彼女に対する「免罪符」であると。青年は翼の光を沈め、そっと肩から手を放した。)   (2016/9/26 16:21:58)

《太陽》(紡がれる静かな言葉。雪色髪の少年は沈みゆく陽光のような微笑を浮かべてゆっくりと広がる翼と、その中ですがり泣く片割の背を見つめた。)――――(ポケットからそっと懐中時計を取り出して、視線を落とせば、一度その微笑を目蓋の裏に閉じ込めて、時計の音ごとポケットにしまい込んだ。ルクサリアの咲く真下から動かぬまま、トン、ト、トン、と、床を不規則なリズムで叩く音は二人の耳には届いていない。音を消す音を無音に歌うことも、この少年に可能なことだから。)……。(そのルビー色の眼差しがどんなものであったかは、ルクサリアですら知る由はない。さあ、スポットライトを、ほんの束の間、舞台の端に少し寄せようか。青年は、片割は気づいているだろうか。記憶全てが巻戻らず雪城玲也を"忘れず"鮮明に認識を取り戻しているということはつまり、今まで片割を人形然とさせていた"篭"が同じ速度で息を吹き返すことも――――"12時の鐘"まで、静かに見守ろうではないか。)   (2016/9/26 17:27:29)

おしらせ《太陽》さんが退室しました。  (2016/9/26 17:27:38)

おしらせ奏 琴花♀高1さんが入室しました♪  (2016/9/26 17:28:33)

奏 琴花♀高1(視界を閉じた翼内世界にて――。いつだって、その声は、言葉は、怒っているときも笑っているときも泣いているときも、優しかった。苦しんでいるときでさえ、優しい声だった。)――……兄弟が、もしかして生き延びて、大きくなって、歩いているのだと、思った。(自分にほんの少し似ている、月と雪に近い淡い色の髪。その後ろ姿。振り向いて降ってきた瞳は、自分と自分が一番守ろうとした人の瞳をほんの少し混ぜたような、綺麗な赤紫だった。夕陽の差しこむ廊下の記憶。一番最初の記憶。)言葉を交わすことを、望んでくれた(一冊の。)――……聞こえないはずの音、届かないはずの歌を、「優しい」と言って、言葉の名前と、赤い星の名前を教えてくれた。(社の境内で見上げた火星。スケッチブックに最初に残された自分以外の名前。)――初めて、空の音を聞かせてくれた。初めて、絵本にしかなかった星空と灯の世界を見せてくれた。(鳥にしか許されないはずのその俯瞰風景。絵本の中で一番憧れていたそれ。胸にそっと贈られた最初の純白羽根は、愛用の万年筆になった。)   (2016/9/26 17:28:44)

奏 琴花♀高1(加護たる羽根がもたらすのは、そう、いまこの空間を漂う赤い光よりもずっと穏やかで優しいそれ。だから、もしかして、羽根を与えた刹那に"繋がった"中で、伝うのだろうか。)――……泣いて、くれた。生きているけれど、殺して死んでしまった子たちのために。(高揚が肺をいくら圧迫しようが、声を詰まらせようが、情事に恍惚する乙女のように瞳を潤ませて涙を伝わせながら見上げる中で歌うこの声<ウタ>は――きっと、火星を見上げて歌った日と同じ響き。)――泣いて、怒ってくれた。跡が残って、痛いくらいに。(まっすぐに、セカイの倫理から外れた自分を自分たちを、見てくれた。)全部、全部……外のセカイを生きる人が。だから――っ!ぅぅっ!(高揚と、痛覚は背合わせの同じ神経。言葉が、一度途切れて苦悶が零れ、それでも、それでも。)――もう一度、お散歩……行きたい……(そっと離れる手を追うようにして、色素を忘れた色の手が伸びた。すがるためでなく、得るための小さな手。)   (2016/9/26 17:28:51)

雪城玲也♂高2( 異能を通じて同調し合えたその瞬間だけ、琴花が今まで見てきた世界が自分にも見えているような気がした。声を出すことができない彼女との会話は、自分が提案した筆談と言う形で交わされていた。少し不自由に思えるも、それが当たり前であると思っていたせいか いつからか違和感を感じなくなっていった。けれど 言葉を発せないが故に伝えたかった想いが沢山あったのだろうと、流れてくる感情からその全てを汲み取って。) 俺は…お前が…俺のせいで壊れてしまうんじゃないかと、思ったことがある。 ( 不器用で歪んだ性格の自分をいつも慕ってくれた琴花。それが嬉しくて、大切にしたいと思うのに、相手を壊してしまいそうになる。いや、壊したくなる。かつての琴花とまるで同じ。――だから時折、琴花と出逢ったこと自体が間違いであったのではないかと時が進むにつれて思うようになっていった。白の家と、外の世界と。その狭間に立たされて、苦しませて、狂わせてゆくのは自分であると。)  …でもお前は、きっと俺のことを責めない。そういうやつだから…。   (2016/9/26 18:09:41)

雪城玲也♂高2( 荒ぶる呼吸、そして高まる鼓動。それが”前兆”であろうと言うことはすぐに分かった。そして誰にも止められないことも。 うずくまりそうになる身体を支えようとその小さな手を強く掴み、口元を緩めて。) もう我慢しなくていい。苦しまなくていい……終わったら……散歩、行こうか…。 ( 赤紫の瞳から零れた一滴の涙は、その絡まった両手の上に静かに落ちた。)   (2016/9/26 18:09:49)

奏 琴花♀高1……壊れてもいい。(温かくて優しい雫を包むように握り返して、いつもとどこか似た仕草に、顔を覗きこんだ。)生きていたら、治せるから。補えるから。どれだけ、時間がかかっても。(言葉が自由なソプラノに包まれてやっと、年相応の少女の語らいに、聞こえるのだろうか。)あの、ね……お散歩して、みんなで、咲きかけの桜の樹の下でお菓子を食べたい。夏に、水遊びして、秋に、いっぱいおいしいものをたべて、冬に、雪だるまを作るの。(吐息につかえても、その言葉は淀まない。全て"忘れない"と誓ってここに来たのだから。)それで、ね――……っ……(ずっと、ずっと、守ってくれていて今も惨劇の繰り返しから守ろうと金切声を上げる、メトロノームの音。その意味は心臓から温度を、痛みを奪い始める。その中で、もう一度、視界を降る赤い光たちを見た。まるで、蝶の鱗粉のようなそれ。連想してよぎるは、あのスケッチブックからたった一つだけ、書いて欠いた言葉。死ぬつもりだった自分が、持っていてはいけないと、どうしていいかわからずに乱暴に託した、とある、蝶たちの――)   (2016/9/26 19:03:30)

奏 琴花♀高1……玲、也……(空いた、血がほのりとこびりついた手。そっと首筋へ伸ばして、自分がつけた"跡"へ指先を触れた。)痛くして、ごめんね。(だんだんと、声が、ディミネンドしていく中で――)痛いくらいに、ね、伝えたいことが、きっと、たくさん、あって……一、番が、ね……(――そっと、そっと、痛みを痛みと思える今しか伝わらないことに、チカラを込めた。)――(ブレス、一つ)――玲也、私、ね……玲也が、いちばん、いちばん、だい――(そこからは、唇が一つ二つ動いただけ。)……(いつも、咄嗟に何かを言いかけて、それが伝わらないと思い出したとき、心がいつも一拍止まった。)……――(痛かった。)――(だから、痛みの先を補おう)―――(血に汚れた手で頬を包み、寄せて、少しだけ背伸びするように身を寄せて、そっと唇を重ねた。ふわりと舞った香りは、季節外れの沈丁花。)……――(伝えて、そっと離れる。顔が見える程度に離れた頃、そのルビー色の双眼は命色の輝きを奥に湛えて――――初めて、笑んだ。子供のように、照れた初々しい乙女のように、花のように、笑んだ。最後一粒だけ、頬に小さな涙を伝わせながら。)   (2016/9/26 19:03:37)

雪城玲也♂高2――…お前のしたいこと、全部しよう。行きたいところも いっぱい行こう。俺が…。( ルクサリアの赤い光が優しく身体を包み、蝕んでゆく。甘美で残酷な真紅がもたらすのは、痛み、興奮、そして悲しいまでの愛おしさ。 ) ……どこへでも連れてってやる。 ( 先に奪ったのは自分だったかもしれない。近づいてきたその唇に、少し身を屈めて優しく触れて熱を確かめる。”一番大事”だと、弱く不安定な己でも求めてくれると言うのなら、脆弱な翼を彼女に託そうか。 )  ……っ…、忘れない。 ( 音も無く離れてゆく二つの熱。柔らかく微笑む彼女を見下ろしながら、長い指は頬を伝う雫を優しく拭いとった。この声も、熱も、香りも。全てを脳裏に刻みながら―― )   (2016/9/26 20:02:50)

雪城玲也♂高2 ……ッ! ( 余韻を引き裂くように、ずきん、と強い痛みが走った。反射的に赤く染まった胸のシャツを握り絞めて、冷や汗を一つ垂らす。自ら傷つけたとは言えそう深くはない傷のはずだが、何故だろう。異常なまでに痛い。) …ル…っ…ルクサリア、なのか……? ( ふと、頭上にある赤い光を見上げる。先程音葉が言っていた。アンプのような力を持っている、と。だとすれば痛みの感覚さえも倍増させてしまうと言うこと。先ほどまで張っていた神経が微妙にそれらを麻痺させていたのかもしれないがここに来て効き目がダイレクトに来たと言うことは、もう “残された時間”は。)   (2016/9/26 20:02:58)

奏 琴花♀高1(笑んだ少女は頷きを一つ。ゆっくり、大きく。)――(さあ、"12時の鐘"は無音に鳴り響いた。少女の声と涙が止んだ頃、同じ顔の少年はゆっくりと振り返る。そして、懐っこい笑みで告げる――)――「さあ、第三楽章……終わりと始まりを歌おう」   (2016/9/26 20:34:55)

おしらせ奏 琴花♀高1さんが退室しました。  (2016/9/26 20:35:01)

おしらせ《太陽》さんが入室しました♪  (2016/9/26 20:35:27)

《太陽》さあ、第三楽章……終わりと始まりを歌おう(片腕を広げ、舞台の台詞のように、少年は歌い紡ぐ。)白い世界の外を望み、その中の生で贖い、創られし音使いたちの免罪符<いたみとねがい>は紡がれる。クローディアスが長い時間をかけて繊細かつ精細に重ねた声の記憶の封殺は、篭であると同時に加護でもある。それが永遠の枷になるか、それとも、長い時間をかけて解いていくものとするかは、生き続ける唯一の音使いの選択だ。(舞台の台詞のように紡ぐ。とある側面の、見えづらかったであろう事実を。小さな種明かしを。)……その選択を、聞き遂げ、共に果たすためにつぎはぎだらけの僕が、僕たちがいる。(少し、寂寥を湛えたルビー色の双眼。それでも笑む。譜面は進む。)   (2016/9/26 20:35:41)

《太陽》さあ、これだけ声を紡げばもう忘れないでしょう?忘れてしまったとしても、思い出させてくれる人がいる。内側から思い出させてくれる薔薇がある。血液の中で等数を維持するために分裂し、共存する。血液を全て入れ替えるでもしないかぎり、永遠に。(世界を狂わせる甘美で残酷な兵器の意味全ては、唯それだけのための。)高揚のスイッチは言うまでもなく痛覚神経を揺さぶる種々ある興奮。使わずに静かに過ごすか、上手く付き合いながら声を少しずつ取り戻すか――いくらでも、方法はある。(誰かの言葉の真似。その誰かへ、悪戯っぽく片目を瞑ってみせた。そして、ルビー色の視線は同じ瞳の片割へと向く。まっすぐに。)……痛かった。僕が死ぬ痛みよりも、僕を殺す君が泣いていたことが、ずっと、痛かったんだ。(ゆっくり、立ち上がった片割へ歩を進める。そして、魔法が解けてしまった後だというのに至極嬉しそうに、同じ色の髪をそっと撫でた。)これでやっと、みんなお揃いだ。声にした願いが揃ったよ、コトハ。素敵な誕生日をありがとう。   (2016/9/26 20:36:23)

《太陽》……さて、はしゃぐのは無事に片づけが済んでから、なんだけれどね。(視線を移す。ルクサリアが何を増幅させるか、最初に伏せたきりだが、いい加減彼も気づいたことだろう。)玲也君の"金色"は好きなんだけれど、ね。これでも結構遊びたくてうずうずしているけれど……時間があまりないんだ。早くルクサリアを還さないと。(喉を押さえながら、少年は見上げる。最初に咲いたときからいつのまにか花弁を失って二回りも小さくなっているルクサリア。今も、はらりはらりと、落ちていく。落ちていく先は、いつの間にかステージに空いている、大きな穴。そう、舞台装置としてありふれた空洞――奈落である。)二人とも見送れる動けるなら見送ってあげて?散布されていない間は、ただのガラスみたいなものだから。つらいなら、そこで座っていて。実はそこ、気流の都合で空中の粒子はあまりとんでこないから。(すごいね、と、風を味方に駆ける青年に声かけた。それは同時に、安否確認。)   (2016/9/26 20:37:07)

雪城玲也♂高2( 傷が、浅い傷なのに、切ったところが焼けるようにじくじくと痛む。琴花の記憶を抉りだした”痛み”も、ルクサリアによるこの作用なのだとようやく理解したところで、深呼吸を一つ。第三の幕が上がった直後のこと。) お前は…俺を甘く見すぎてるぜ。俺の方がお前より何回も痛い目見てきてンだ。 ( 休んでいろと促す音葉に対して苦笑いを零しつつ、手に付いた血をぺろりと舐めて儚く散ってゆく赤いバラを見上げる。確かに、先ほどよりもかなり直径が縮まっているそれ。そしてその先にはぽっかりと空いた穴。ゆらゆらと花弁たちは穴の中に落ちて、闇の中に消えてゆく。これがルクサリアが稼働している時間を表すと言うのであれば、残された時間はあと僅かなのだろうか。 ) うん…?どういうことだ音葉。( 琴花と音葉。双子を交互に見遣って疑問を投げかける。) 琴花が殺したのは……。 ( 血だらけの手を拭って、ポケットから取り出したのはタバコ。痛みを麻痺させるのに一番良い方法。それを口に咥えながら口角を吊り上げて、片割れに視線を送る。) つぎはぎ……まさかな。( カチリ。と、ライターは音を鳴らす。)   (2016/9/26 21:13:44)

《太陽》だってコトハから聞いている話を鵜呑みにしている限りだと、君はことあるごとに怪我だの精神汚染だのと……ふふ、それだけお喋りできるなら大丈夫そうだね。(歩み寄ってくる二人を見て、くすくすと笑う。そして奈落の闇へ音もなく散っていくルクサリアの花弁を見送るべく傍まで来た青年を見上げて、言った。)……ありがとう。君でよかった。(そして、降ってきた問いには双子そろって不思議そうにまばたきした。片割からも不思議そうな視線を浴びる少年は、小さく肩をすくめた。)その「まさか」で、あってるよ。(どこか楽しそうにくすくすと喉を鳴らして、見上げて答えた。)――僕たちは13人。クローディアスの暗示のおかげで途中まで11人だと思っていたけれど、コトハが殺したのは12人だよ。あの部屋にいた残りの兄弟たちの身体はつなぎ合わせても一か所ずつ足りないから。(だから、つぎはぎ。文字通り生ける屍である少年はそう言って片割を撫でて、少女のほうはこくんと頷いた。)まあ、全く同じに生まれた僕たちじゃないといくら再生細胞が優秀でも出来なかった芸当だけれど――って……あ。   (2016/9/26 21:44:48)

《太陽》(タバコに火がついて、紫煙がくゆりと上る。すると……作動停止させてあると言ったはずのスプリンクラーが思い出したかのようにホール内に生温かい雨を降らせた。)……ふふ、あははっ、本当に君はもうサプライズの塊なんだから。ごめんね、嘘ついたんだ、本当は感度最大。最初のタバコでちょっと冷や冷やしたけれど――ふふ、くふふ。(演出でもなんでもない、ただただ鎮火を目的とした室内雨。二階席に降り注いでなお水量余るそれは小さな滝をいくつも作り、一階席へ流れ、もともとの構造である傾斜を浅い川となって滑り行く。まるで、全てを洗い流すように。)この水は、真水じゃなくてこの夏いっぱいで溜めこんだ雨水の貯水タンクから引いているんだ。(誰に聞かれたわけでもなく、少年の声は雨音を縫うようにして二人の鼓膜を叩く。)そして、流れた水は全てこのステージ下にある奈落に落ちるようになっている。ただ捨てるんじゃないよ?匂いで、分かると思う。   (2016/9/26 21:44:55)

《太陽》(言われるよりも早く気づいていたかもしれない。そう、この人工空間に一切ないはずの香りが水によって呼び起こされている。雨の外を歩いたことがあるなら誰しも知る匂い――土だ。)   (2016/9/26 21:45:09)

雪城玲也♂高2……。あんまり余計なお喋りはするもんじゃないぜ、琴花。( 独り言のように呟いて、自らの後ろ髪を掻き乱した。) ――…あのバラバラ死体はそういうことだったってワケか。( どうやら自分の推測は合っていたらしい。保管庫で見たホルマリン漬けの遺体が何故パーツごとでしかなかったのか。潰れて使い物にならなかったからではない。バラけた遺体の一部を都合良く組み合わせて一つの個体、つまり音葉を作り上げたためなのだと。) …パーツをかき集めて一人を作る、か…。 ( 煙を探知して稼働するスプリンクラーがホール内に雨をもたらした。びしゃびしゃと館内を水浸しにして、妙な匂いを漂わせた。埃っぽいような、土っぽいような匂い。覗いた奈落の先に根元まで吸ったタバコをぽいと捨てて、音葉の方を振り向いた。)   (2016/9/26 22:15:29)

雪城玲也♂高2 …自分が生まれた理由。( そして少しだけ上を向いて、ゆらゆらと落ちてくる花弁の一つを手のひらで受け止めた。) お前は何で、作られる必要があったんだ? ( つまりクロードがどうして彼、音葉をわざわざ作る必要があったのだと言う質問。単に琴花の悲しみを軽減させる為、だと言うのなら呆れてしまうけど。彼に向けた視線は、少しだけ憐れむような、そんな風に捉えれるかもしれない。)   (2016/9/26 22:16:11)

《太陽》ふふ、怒らないであげて?大半は要約すると「玲也が死んじゃうどうしよう」だから。(しっかり聞こえていた独り言におろおろして、片割からの大袈裟で大雑把な要約に若干抗議めいた視線を送っても、少年はくすくすと。)――……僕の、我儘さ。(降ってきた問いには、笑みの声を止めて静かに打ち明けた。俯くであろう片割の手をしっかりと握りながら。)僕はクローディアスをかばってアクリルガラスを背に死んだ。僕の身体は左肩から上は損傷がなくてね、肺と心臓と脳が機能するほんの短い時間、クローディアスに願ったんだ。(ふっと、零れた笑みは濡れた前髪が少し隠して。)……あの子を助けて、て。そこからクローディアスがどう思って僕を"蘇生"させるという手段をとったかは、彼にしか分からないことだけれど。ただ確かなのは、僕が目を開けたとき、彼は僕を抱きしめて……泣いていた気がするんだ。(少し遠い、アルト。片割の少女がぎゅっと手を握り返した。)白の家の地下は現代倫理を外れた狂気の沙汰を止まらないことは紛れもない事実だけれど、真実は、もっと至ってシンプルなものだと思っている。きっと、笑ってしまうくらい。   (2016/9/26 22:36:57)

雪城玲也♂高2…なるほど。(返ってきた事実には素直に納得した。音葉は決して自分の意志で”生”を望んだ訳ではないことはクロードを庇って死に絶えたことから明らかであり、辛うじて生きていた音葉に他のパーツを足していったと言うことにも。それ故きっと彼が辛かったことも理解はできた。きっと”つぎはぎだらけの記憶”を持つ者にしか分からない、苦しみ。 ) …お前らの父親だって言っちまえばただの人間だ。感情に突き動かされるのは当然の話で、答えはあっさりしてるってことくらい、分かるよ。( 白の家が地下に隠す狂った理想郷の裏にあるのは、そう。複雑な事情では決してない。親を思う子と、子を思う親の純愛が支配しているのだと青年は思った。琴花は愛するが故に殺し、音葉は身を挺して父親を守り、父親はきっと子を思う気持ちが強く出ただけの、そんなシンプルさしかないのだと。)    (2016/9/26 23:10:00)

《太陽》……ありがとう。(雪色髪の少年がどんな想いでその一言を紡いだのかは、きっと語らずとも伝うのであろう。ほら、片割の少女も片手で青年の手をぎゅうと握って顔を見つめるのだから。――そう、人間って、どう生まれようが人間なのだ。精密にできていて、ゆえにその心臓はメトロノームのようにシンプルな音色を奏で続ける。)そろそろ、ルクサリアも融けた頃かな。(言って、しゃがんで暗い暗い静かな闇を覗き込む。)   (2016/9/26 23:28:27)

《太陽》奈落の底と地下一面、全部土なんだ。ルクサリアは血液と共存するようにだけ作ってある、生物に限りなく近い有機物。外に散布されれば世界を未曽有の混乱に叩き落とす力があるけれど、今の人類にはまだ過ぎた叡智だから、こうやって土に還すんだ。雨や土中の微生物たちが一番効率よく土壌汚染を引き起こさずに分解できるように。(とつとつと語って、雨を吸う土の香りがホールを満たす頃、ルクサリアの最後の花弁が落ちる。)……大変だったんだから、良い土を作って一人でこっそり運ぶの。園芸に強い友達が家にいつも来てくれていなかったら、間に合わなかった。歌って壊すしかなかったのだから。(そんな大量の破砕を音使いが歌ったらどうなるか、場にいる全員が知っている。現に身体を文字通り壊しかけた少女はぎゅっと拳を握り締めた。その拳を、ぽんぽんと双子はそっと叩く。大丈夫、と。)……おやすみ、ルクサリア。(心独りで舞台を完結させるための相方を、少年は少しの寂寥の視線を落としながら、そう静かに言って見送った。)   (2016/9/26 23:28:36)

《太陽》……さ、名残惜しいけれど時間だよ。正面エントランスから堂々と出たほうが道に迷わなくて済むから。(言って、手を握り続けていた片割の手を離し、そっとその細い両肩を青年のほうへと押しやった。そして、青年の赤紫の瞳を見つめて、にこりと笑んだ。)これからも仲良くしてあげてね。また筆談生活だし、恥ずかしがりだから笑わせるのも一苦労だろうけれど、13人で一番愛情深いから。(――ズ、ズ……わずかに、会場が揺れた。本当にわずか。)   (2016/9/26 23:28:50)

雪城玲也♂高2( 礼を告げる少年を横目に見つめて、しばし深いため息を一つついて瞼を閉じた。) …時々、分からなくなる。能力者が何のために生まれて、死んでいくのか。( 深い穴の底には質の良い土があると説明する少年の傍らで、最後の一枚の花弁が静かに落ちてゆくのを見守った。) 普通の人間にオマケがついた、だけなのかもしれないけど。…不安定で脆弱な分、完全な人間ですらない気がしてくる。 ( この場の三人はどこか見た目の色が似ているが、その性質はそれぞれ全く異なる。培養液の中で作られた異能者。バラバラの体のパーツを集めて作られた異能者。そして自分が分からない異能者。ヒトの形をしているにも関わらず、完璧なヒトではない、何かが欠けた存在。) …っ、俺のことはいいから先に家か病院行きな。( 仲良くしてあげて、と言う言葉と同時にこちらに押された琴花が目に入ると、少し恥ずかしそうに視線を逸らして足早に舞台から降りようとした。が、少し異変に気が付く。) ……揺れた…。( 耳の器官が良い者なら、その僅かな揺れをも見逃さなかっただろう。ただ単なる地震なのかどうかは分からないけれど、青年は舞台を降りたところでふと天井を見上げた。)   (2016/9/27 00:00:18)

おしらせ滞在時間が480分を超えたため、雪城玲也♂高2さんが自動退室しました。  (2016/9/27 00:14:57)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが入室しました♪  (2016/9/27 00:15:30)

《太陽》……その答えをずっと、白の家を含めた全ての歴史は探し続けている。命題を子に託しながら、何を生みどう補えばこの世界は、全てのヒトが、雨土のように美しい循環秩序を生きられるのか。クローディアスの理想も、創られし音使いも、その試行錯誤の一つに過ぎない。一度死んだ身からすれば、何のために生まれて死ぬのか、て、もちろん人によるだろうけれど……(ふっと、笑んだ。片割と同じように、咲いた花のように。)……生まれてから死ぬまでの間、その不完全性を"伝える"ために、"忘れない"ために、じゃないかな。きっと異能という個性の有無にかかわらず、ね。(漠然とした、しかし、一つ芯の通ったその声言葉は、どこまでも澄んでいた。)   (2016/9/27 00:28:59)

《太陽》ふふ、君たちが帰るのは学園一択だよ。(建物のわずかな揺れの音を聞きとった雪色髪の少女は、咄嗟に何か言いかけて、しかしその唇と少年の指先に押し留められた。)――綺麗に片づけるだけ。大丈夫。なんのために僕がルクサリアを目一杯吸っていたと思っているの?それに、破砕の歌は僕のほうが上手だよ。(艶やかな笑みと穏やかな言葉に、一体どれほどのチカラが宿っていたのか、片割の少女は戸惑いに瞳を震わせながらも、こくんと頷いた。それを見て満足そうににこりと笑んだ雪色髪の少年は、一歩、二歩、下がって、片腕を広げ恭しく礼をした。)――痛みを覚えるから、人は想う。殺めたいほどに痛く、痛いほどに伝えたい想いを、誰しもがその心臓に宿す。想いが淀み歪んだ絶望を照らす太陽は、セカイの免罪符は、常に皆様の心臓に――この言葉と真紅の情愛をお土産にこの舞台は幕閉じとなります。……お忙しい中のご来場に心からの感謝を。お見送りの歌には、どうか振り返らず前へお進みになり、良い帰路を。秋の美しい星々が出迎えることでしょう。(まるで、舞台の台詞のようにそう告げた。ずっと同じ静かで小さな振動を繰り返す、脆弱な舞台の央で。)   (2016/9/27 00:29:30)

《太陽》――(雪色髪の少女は、ぎゅっと唇をかみしめて、スカートの長い裾を軽く持ち上げてカーツィの礼を返した。)……――(顔を上げるや、青年の手を取って足早にステージを下り、濡れた中央通路と階段を上る。スプリンクラーの雨が弱まり始めた中に、そっと紛れるのは、砂粒よりも細かい天井の欠片。少女は振り返らない。たとえ、背に美しい歌が聞こえようとも、決して。)   (2016/9/27 00:29:47)

雪城玲也♂高2…何か意味があるんじゃないかって、思う。それがお前の言う不完全さを伝えるためだとしたら、俺たちは少しだけマシになれるかもしれない。( 能力者は完成された生き物なのか、または失敗作なのか。そんなことを考えたところで結局何の意味も成さない。この世が作られた理由と同じように、”始め”はきっと小さなものに過ぎなかったはずだから。) ――眠くならないお芝居だったってことは言っておく。( 舞台最後の挨拶を高々と会場に響かせる音葉の声を背にそう呟き、ポケットに入れていた最後の一本のタバコをつまみ出そうとしたところでその手を琴花に取られる。先導されてゆく形で中央の道を進んでゆく途中、「振り返るな」の言葉に違和感を感じた青年は咄嗟に後ろを確認しようと視線だけが動いた。) 音葉……?   (2016/9/27 01:09:34)

《太陽》(恭しい礼の中で頭を垂れたまま、鼓膜を打った、「眠くならなかった」の言葉。)――くす(そんな笑みが、思わずこぼれた。)……マシを、証明していこう(ゆっくり身を起こし、ブレス、一つ)――――(歌うは声変わりを忘れたアルト。少年とも少女ともつかぬその声はやがて増幅して空間を侵食する。一つの身体に12の魂という名の歌声を収め、輪唱と和音を響かせる、合唱<Chor>。艶やかな笑みは観客を魅了し、まるで12人が一斉に歌うかのように響く歌は、あらゆる物の形を忘れさせるほどに甘美な誘い。)――(だから、振り返ってはいけない。)―――、―――(ほら、彼の立つ場所を中心に甘美な誘いに呑まれたステージが、椅子が、床が、天井を這う配線が、はらはらと散る花のように形を崩していく。その歌の性質を、破砕を目的とした旋律が踏む独特の音階を知っている双子の音使いは、決して青年の手を離さない。離したら、彼は振り返ってしまう気がしたから。振り返ったら、万一にも足を止めてしまうかもしれないから。)―――(ほら、真上から重量ある照明が糸を失って落下したり。)   (2016/9/27 01:42:29)

《太陽》――(それでも、舞台は一滴も血を許さない。何ら落下物も、崩落する天井のコンクリートすらも、歌に魅了され、ひれ伏すように砂粒よりも小さくなってそこに降り積もる。人工雨に濡れて、それは一つの土塊へと成り、舞台は砕かれ崩れゆく。まるで、砂城ように。)――――(そんな中、ちらりとでもやはり彼は振り返ってしまうのだろうから、少年はずっと、歌いながら背を見つめていた。赤紫の視線がほんの少し、己と交じわったとき、にこりと笑んで、歌と歌の間に無音に唇を動かした。)――(片割が伝えた言葉と同じコトバを。ごめんね、耳を塞いでいても聞こえてしまう不便な耳なんだ。ずっと、何て伝えたいか痛いほど知っていたんだ。)   (2016/9/27 01:42:59)

《太陽》 (息を切らせて、加速する静かすぎる崩落から逃れるべく手を引く音使いの少女。本当に振り返らず、最後まで言葉を互いに違えることなく歩を止めずにエントランスホールをつっきれたのなら、満天の星々が一瞬だけ出迎えて、最後に退場を思い切り後押しせんばかりに、あるいは一つの終章から新章への門出へと背押さんばかりに、静かな音波崩落がもたらした爆風と土埃が二人を軽々と宙に放り投げたのだろう。)   (2016/9/27 01:43:05)

雪城玲也♂高2( 琴花は前へ前へと迷いなく進む。だから導かれるようにその体は彼女の後を追って、後ろを完全に振り向く隙さえも与えない。) ――…この声。( そして会場に響く美しい歌声が、音葉だけの声でないと分かったのは間もなくのこと。能力のせいか?いや、違う…。 ガラガラと崩れてゆく天井の機材、配線が、その強烈な振動によって塵のように粉々になってゆく中、遥か向こう。ほんの少しだけ視線が捕らえた、音葉の立つ舞台の上に見えたのは――。) ……とんだお見送りだぜ。( ホールの扉を抜ける瞬間見えた、音葉を中心としたその”12人”を最後に、青年は前をしっかりと向いた。今度はこちらから琴花の手を強く掴んで走り、彼女を先導してゆく。) 捕まってろ!! ( 会場全体を包む悲しくも美しい破壊の歌は音(能力)の塊となりもうすぐそばまで来ている。エントランスを目の前にしたところで青年は隣にいる琴花を強く抱きしめて翼を展開させ、扉を突き破るように一気に羽ばたいた。)    (2016/9/27 02:16:06)

雪城玲也♂高2  ――― (  猛烈な爆風が背中を押して、琴花を抱きしめたままその身は秋の空の元、会場の外へと弾き飛ばされた。冷たいコンクリートの上に叩きつけられる体は彼女を爆風から庇うようにしながら、翼は二人分の体を覆う。)    (2016/9/27 02:16:46)

《太陽》(雪色髪の少女は、自分で気づいていない。無音に、その旋律をところどころ口ずさんでいたことを。痛いくらいに、この歌を今共に歌ってしまったら片割の……"全員"の願いを踏みにじってしまう気がしたから。無垢な12人の"合唱"にぎゅっと手に力を込めたそのとき、身体がふわりと浮いた。目まぐるしく展開する状況を知らせてくれる導は音だけ。玲也の声、暴力的なほどの音圧、ごうっと空に放り出された浮遊感と風の声と、コンクリートに叩きつけられた衝撃の音。)――、――(音が止んだ頃、少女はようやく振り返った。翼に守られなかったらもう10メートルは軽々吹き飛ばされていたであろう。そんな12人分の残響を遠くに聞いて、その方角を見つめながら、心臓の近くをぎゅうと握り締めて、残響が小さくなる中、短く無音に紡いだ。)――――(今度、は……いつか……――。)――――(青年の無事を確かめられたのなら、そっと頬を撫でて意識を確認して、無事だったならば、たぶん持っているであろうスマートフォンを借りて、こう打ったのだろう。)   (2016/9/27 02:35:48)

《太陽》――『オトハは 大丈夫 ちゃんとお迎えがくる だから 私たちは戻ろう 傷も手当て ここで休んでいくでも いいから』   (2016/9/27 02:35:56)

《太陽》(ぎゅう、と、肩に頬を埋めて傷ついた翼ごときつく抱きしめながら。たくさんの、たくさんの痛みをという名の記憶を心臓に刻みながら。声になりきらない囁きで何度も、何度も、眼前の名前とアリガトウを繰り返しながら。)   (2016/9/27 02:36:08)

《太陽》【大変お待たせしております。此方からは残り1投下にて終幕の予定です。夜も更けておりますので、目蓋のほうどうか無理なきよう。】   (2016/9/27 02:37:35)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、雪城玲也♂高2さんが自動退室しました。  (2016/9/27 03:24:35)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが入室しました♪  (2016/9/27 03:24:42)

雪城玲也♂高2――……俺は…平気。 ( 凄まじい爆風はまだ続いたまま、その場に轟音を響かせた。半壊状態となったホールを地面から見上げて、今日一番深いため息を一つ吐き出す。安否を確かめるように頬に触れる琴花に対して返事をし、自らの髪をぐしゃぐしゃと掻き乱した。 )  …お前も平気みてぇだな。あぁ、使うか? ( 琴花も大事は無いようだが、恐らく喉のダメージは相当のもの。けれど無理してでもぱくぱくと口を動かすものだから何かを伝えたいのであろうとすぐに察した青年は胸ポケットからスマートフォンを取り出し彼女に手渡して。) ……えぇ? 俺があいつの心配なんかするかっての。( ディスプレイに綴られた言葉を見て、青年は思わず吹き出すような笑いを一つ。冗談めかしくそんなことを言って、抱き着いてきた彼女の肩に腕を回した。)   (2016/9/27 03:25:04)

雪城玲也♂高2 …最後に、ちょっとだけ見えた。12人…ちゃんと 一緒にいたのを。 ( 雪よりも白い髪をなぞる様に、大きな手で何度も撫でながら耳元でぽつりと呟いて伝えた。幻のようにも思えた、その光景を。確かにそこにいた、かつて生きていた彼女の兄弟たちのことを――。 彼らを殺めたことは事実であり、変わることはない。けれど誰一人として琴花を恨み、責める者はいないと確信できたのは死に際の音葉が「彼女を助けてほしい」と願っていたから。そんな悲しいまでに優しすぎる世界を生きた純白な彼らは全員、音葉のように救いを与えてほしいとだけ、切に願いながら一部となって生きているような気がした。誰も彼女に対して贖罪は求めていないと。) ……頑張ったな、琴花。( 凭れ掛かる様に抱き寄せながら徐々に体を前に倒して、やがて膝の上に横になる。迎えが来るまでの間、疲れ果てた鳥は翼を休めるように少女に身を預けて。) ――歌ってほしい…お前の歌を、聞かせて。 ( 声なき乙女に、それを求めた。)   (2016/9/27 03:25:24)

雪城玲也♂高2【大変お待たせしました。これにてこちらは〆とさせていただきます。眠気の方は問題ありませんので、どうかご心配なく。】   (2016/9/27 03:26:01)

《太陽》(抱擁の中で、少女は一拍息を忘れた。)――(12人、居たと)――(決して、自分の贖罪の像が作る声の像、ではなくて、白い世界の外の人が見た、私と私たち。)――(がん、ばった)……――(泣き足りなかったわけでもないのに、涙が一粒二粒……音もなく伝った。その涙の温度は、きっと、唇を重ねたときと同じ温度。)……(だから、声なき乙女は、初めて鳥のほうから歌をねだられたことを驚くよりも先に、薔薇がもたらす恩恵の笑みに頷いた。)――(ブレス、一つ)――(無音の旋律には詩があった。13人があの広いプレイルームで輪になって、大好きな人を囲んで歌った、一番好きな造語歌を。)――、――――(半壊から更に崩れて、文字通り跡形も無くした舞台へ、そこにいるであろう今は離れていたほうがいい、いや、今だけは自由でいてほしい片割たちへ、そして、膝を枕代わりに歌を聞いてくれる一番大事な人へ。心臓が奏でるこの歌、届け、届け、愛しい全てに届け。)――……(そんな乙女は、ふと視線を落として、幸せそうに歌いながら、仰向けの唇を撫でた。額はご褒美、頬は親愛、手は守護、唇は……痛みの先を一緒に行くことを願う意味なんだよ、と。)   (2016/9/27 03:56:03)

《太陽》―――。―――――(そんな歌神オルフェウスをもきっと超える、愛の歌響く夜空の下。)   (2016/9/27 03:56:14)

《太陽》あはは……これは、二度やれと言われたら二度と御免、かな……(瓦礫とすらよべない、様々な色の湿った盛り土の丘のような"跡地"。その央たるゆるやかな頂にて、泥と塵だらけの雪色髪の少年は一人仰向けになって、掠れた一人言葉を紡ぐ。ルビー色の双眼は、艶やかな光を無くして、ただただ見上げる。)……ねえ、(そんな掠れた一人言葉には、宛先があった。手探りで虚空を彷徨って伸ばす色素を忘れた手をしっかりと握り返す、純白の手が。)頑張ったよ……僕、頑張ったよ(掠れても、掠れても、その声は涙を覚えている。)褒めて、褒めて……褒めてくれないと、生まれてきた意味を全うして真っ白になったまま、託す前に置いて行ってしまう気がするんだ。(言って、頬を包んだ純白の手に手を重ねて、少年はこの日初めて、生まれ直して初めて、心から笑んだ――)き、だよ……大好きだよ。さあ、次は君の番だ。君にだって、この歌が聞こえるでしょう?(――愛情を喜ぶ、幸せな子供のように。太陽のように。)   (2016/9/27 03:56:24)

《太陽》【『白の家~セカイの免罪符~』――――fin.】   (2016/9/27 03:58:39)

《太陽》【あ……言葉が飛んでしまって……。大変長らくお待たせいたしました。これにて奏琴花の個別シナリオ『白の家~セカイの免罪符~』を終幕とさせていただきます。長らくの大幕、終章までご一緒くださって本当にありがとうございました。】   (2016/9/27 04:07:50)

雪城玲也♂高2【大変お疲れ様でした。開幕から終幕までご一緒できたこと、大変喜ばしく思います。PC,PL様に感謝の気持ちを込めて。】   (2016/9/27 04:11:49)

《太陽》【こちらこそ、尽くす言葉が足りないくらい、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。もし目蓋が大丈夫でしたら、一寸、PL様にお渡ししたい舞台土産があるのでお隣に一室設けてもよろしいでしょうか?】   (2016/9/27 04:13:26)

雪城玲也♂高2【おや、そのようなものが。かしこまりました。では確認でき次第そちらにお邪魔させていただきます。】   (2016/9/27 04:15:20)

《太陽》【はい、どうしても一つ、お持ち帰りいただきたいものが。お時間をありがとうございます。ご用意してありますので、よろしければお先に。】   (2016/9/27 04:16:05)

雪城玲也♂高2【わざわざすみません…ありがとうございます。確認とれましたのでこちらは失礼させていただきます。では、お邪魔しました。】   (2016/9/27 04:19:21)

おしらせ雪城玲也♂高2さんが退室しました。  (2016/9/27 04:19:24)

《太陽》【間を空けながらも約二年もの月日をかけてこの物語を共演くださった雪城さんを始め、白の家や双子と言葉交わしてくださった全てのPC様、舞台袖で温かい声援や様々な考察を贈ってくださったガクエン皆様全員がこの物語のキャストであると想い続け、今日に至りました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。尚、幾多の分岐を経て一つのエンディングに到達したこの物語ですが、最後に一つ、このエンディングからのみ派生するエピローグや他キャスト様をお迎えした補完幕を静かに添えて、裏表紙とさせていただく予定です。】   (2016/9/27 04:21:37)

《太陽》【長い長いご挨拶を失礼しました。それではお部屋をお返しいたします。これからの紡ぎと、そして、皆様の免罪符<いたみとねがい>にどうか幸があらんことを――――。】   (2016/9/27 04:21:49)

おしらせ《太陽》さんが退室しました。  (2016/9/27 04:21:51)

おしらせ【語り部】さんが入室しました♪  (2016/9/27 20:19:58)

【語り部】【連日失礼いたします。そっと、エピローグを置きに。】   (2016/9/27 20:20:24)

【語り部】(秋風が、まだ何色に色づくか迷っている木々の葉を揺らす。静かで、静かで、包み込むような、そんな音。鳥の声は、近いようでほんの少し遠い。桜の木々と芝の丘の風景に埋もれるようにして、陽を仰ぐ白灰色の四角い石がある。名前と、日付が刻印された、控え目なその石の表面はいつも磨かれていて陽光を少しだけ照り返す。その上に、白薔薇とラベンダーの花束をかぶせ置き、目を瞑る男がいた。)―――(声には語らず、ただ微笑を降らせて、花束を持って踵を返す。その歩の先は、ギィ、キィ、と、ゆったりと鳴る古いロックチェアに揺られてこの風景を遠目に眺める小柄な老婆の隣。)――「16年、早いものだねぇ。若いときは一年が長くて長くて仕方なかった気がするのに」(老いて細まった目で陽光を見つめる老婆の声は、午後の風の歌のようにゆっくりと優しい。男はくすりと笑み一つ落として同じくゆっくり言った。)――「私は逆にあっという間ですよ。前を歩いていたつもりが、とうとう一歩前を行かれてしまいました」――「おっほっほ。健全に育っているという証だよ。子も、親も、ね」   (2016/9/27 20:20:39)

【語り部】(男は微笑を零しながら老婆の膝掛の位置を直して、ロックチェアをもう少しだけ揺らして、家の中へと歩を進める。外界たる庭とつながっていたいこの小さな家には、境がない。ところどころ古くなって床板が少し軋む音は、不思議と不安を呼ばないそれ。そんな木造家屋のダイニングテーブルの中央にある花瓶に挿されている古い白薔薇とラベンダーを交換するがてら、男と老婆の会話は続く。)――「グランマ、私は愛しすぎたのでしょうか」――「おっほっほ。倫理を超えた叡智を手元に持ち、子を託されていれば、あたくしだって同じことをしたよ。どうして13人にまで増えたのか、いまだにわからずじまいだからこそ、一人とて失わないための最善を尽くし、こうしてキサラギのために毎年来てくれる。あなたは、大事なところはなぁーんにも、変わっていない。正しさを決めるのは、己と、後の世だよ」――「……敵いませんね」(老婆はロックチェアに揺られながら、穏やかな笑い声を繰り返した。)――「生きたいと必死に願い、生きてと願われたら、そりゃあナノレベルに小さい細胞だって自分を増やしてでも、産声を歌いたがるものよ」   (2016/9/27 20:20:47)

【語り部】 「それは生体ナノ工学権威のお言葉ですか?」――「ただのモグリばあちゃんだよ。おっほっほ。孫が持ってきた設計図のほうがよーっぽど綺麗だった」(老婆の言葉に、男の手が止まり、瞳を見開いて振り返る様を、同じく振り返った老婆はやはり穏やかな笑みのまま、頷いた。)――「自力で、あたくしに辿りつき、論文原本を請いに来たよ。貴方が来たときとまぁーったく同じ眼差しだったから、すぐにわかった」(老婆は語りがてら、ゆっくりとロックチェアから離れ、杖をつきながらゆっくり、テーブルの上に在る写真立に手を伸ばした。)――「尋ねなかったから、何も話さなかったよ。どこか、最初から分かっていたような目も、していたからねぇ。あれは頭のいい子だよ」――「……ええ、そして優しい子たちです」(男はそう付け足しながら、新しい白薔薇とラベンダーを花瓶に挿して、コトリと写真の傍らに置く。そして二人はしばらく写真の中の人を眺めた。白薔薇とラベンダーの花束を大事に抱きながら幸せそうに笑む、とある花嫁の写真。その前には、リングベッドに寝かされたままのプラチナリングがお揃いに横たわっていた。)   (2016/9/27 20:20:58)

【語り部】――「さあ、お茶にしましょう、クローディアス。あたくしが生きているうちに、孫たちを全員、連れてきておくれ」(風、一陣。花瓶の花たちが小さく揺れた。男は――まるで新郎のような出で立ちの男は、ふっと柔らかく笑んで、写真の中の花嫁の頬を撫でた。)――「お約束します。グランマ」   (2016/9/27 20:21:21)

【語り部】《さあ、少し遠い未来へとページを捲ろう。この小さな家からそう遠くないところに、自然公園がある。元は朽ちかけの商業開発区画だったのだが、誰が植えたのか赤薔薇を中心に様々な草花がコンクリートの割れ目から芽吹き、広がり、それが虫と鳥と人を寄せ、愛情を呼び、保全整備へと人が動いた。その過程を一冊の絵本という形に残した人物がいる。名を――――――》   (2016/9/27 20:21:33)

【語り部】【Epilogue~倫理の境を繋ぐ花~】   (2016/9/27 20:21:52)

おしらせ【語り部】さんが退室しました。  (2016/9/27 20:21:57)

おしらせ《愚者》さんが入室しました♪  (2016/9/28 13:22:59)

おしらせ《太陽》さんが入室しました♪  (2016/9/28 13:23:58)

《愚者》【こんにちは、お部屋を少々お借り致します。 雪城さん、太陽さんの内容を継いでとなりますので、後入り様は難しいやもですが、どうかご容赦ください。】   (2016/9/28 13:24:53)

《愚者》【そして急にお願いして申し訳ありません&ありがとうございます。先走って移動してしまいましたが、あらかじめ決めておくことなどは大丈夫でしたでしょうか?】   (2016/9/28 13:25:38)

《太陽》【やっと、お招きできました――そんな感嘆をお部屋と愚者さんへのご挨拶代わりに。限定空間の中の束の間の補完幕ゆえ、後入様をお迎えできない不自由をお許しください。――さて、愚者さん、此度は急なお誘いでしたのにありがとうございます。短い幕になるかと思いますが、どうか良き紡ぎとなりますよう。】   (2016/9/28 13:27:58)

《愚者》【こちらこそ素敵な舞台の後幕にお招きいただき、ありがとうございます。 ひとまずこちらから開始させて頂こうかと思いますので、よろしくお願い致します。少々お待ち下さいませ。】   (2016/9/28 13:29:08)

《太陽》【強いて補足すれば時刻なのですが、とっぷり夜というより陽が沈んだ直後と解釈いただければ、と、ルクサリアはUNO幕でほのりとほのめかした以上の情報はEden内でも秘匿されている、です。筆頭たる愚者さんがどれくらい推察できているかは、お任せします。】   (2016/9/28 13:29:28)

《愚者》【了解しました、ありがとうございます…!】   (2016/9/28 13:30:36)

《愚者》(夕日が地へと落ちて程ない頃、星の光が降り注ぐ、廃墟の下。寂々と吹き抜ける秋風は、その『廃墟』を音も無く吹き抜けて、その都度細かな塵をさらっていく。――その、央。仰向けとなった雪色の少年の側へ、青年は前触れなく姿を現した。やや色の濃い茶髪、風に揺れる黒の神父服、そして右手に携えた漆黒の杖。その姿は、おそらく少年もよく見知ったものだっただろう。)しょ、っと。やっほー、迎えに来たよー。(廃墟…否、それはもはや灰燼と言った方が近いだろうか。荒涼としたその景色に全くそぐわない空気を纏って、青年――愚者は開口一番に声をかけた。本来の用途を考えれば、元々の施設にはスピーカーや電子機器も存在していた筈である。つまり、それらに必須となる単体としての『銀』はある程度存在していた訳であり、青年の能力――一定量の銀へのテレポートを可能とする能力――の起点となる。…廃墟の塵を踏みしめて、一歩、一歩と青年は少年へと歩み寄る。その口からは顛末への糾問も、ルクサリア無断持ち出しと使用への詰問も、未だ紡がれない。ただ、友達を迎えに来たような言葉を刻んだのみ。)   (2016/9/28 13:41:41)

《太陽》……生き残っちゃった……(12人による合唱<Choir>が残響に散り始める頃。音叉爆弾でもこうも精密に砕けないであろう無音の破砕歌の残骸の上で、雪色髪の少年はぽつりと星々があるであろう空の方角を見ながらつぶやいた。長いようで、あっという間の、それでも時計の短針は予定通りの時間を目一杯使って、語った、打ち明けた、叶えられた。夢のような……。)……――(吐息、一つ。物質が顕現するとき、それがどんな刹那であろうと空気は振動する。そのわずかな音を聞きとって、そんな音をここで立てるのは一人しかありえないのだから、何ら問うことなく、ゆっくり、灰塵を踏みしめる足音のほうへ顔を向けた。)――ふふ、迎えにこなくていい、っていう意味で、ルークを砕いたのに……意地悪だね?(掠れた、でも、たしかに命ある声で、弱々しくもやはりどこか艶のある笑みを浮かべて、ロザリオに最も似つかわしくない名のタロットを冠する青年に言葉を返した。)   (2016/9/28 13:54:55)

《愚者》そりゃ生憎。おにーさんはおせっかい焼きだもんでね。(仰向けのまま、顔だけを向けて言葉を紡ぐ少年。常より弱弱しい笑顔の前に、青年はことさらに笑顔で答えた。小さな悪事を働く悪友同士が交わすような、あの笑顔で。柔らかな灰が散る音を、一歩、また一歩と立てながら、神父服は少年の横に腰を下ろした。見た目上の外傷はそこまで多くは無い。だが、内部まではどうか分からない。一刻も早く治療を受けさせるのが、必要な手立てであることは青年も承知だった。…が。今は。今だけは、二人きりで彼の音を聞いておく必要があった。聞きたかった。)よっこらしょ。いや何、《月》が泣きそうな顔で『太陽が遠くに行っちゃいそうな気がする』って言うからさ。女の子を泣かしちゃ、おれやガラス先生のようなナイス紳士にはなれないよー?…うー、にしても日が落ちると寒いな。コーヒー飲む?(紳士とは一体何だったのか。そんな疑問すら風に融かして、青年は神父服からコーヒー缶を取り出した。核心の話題――その心情へ切り込むのは躊躇われたためか、それともまずは腹を満たすのが先決とでも思ったのか。お先にかしゅ、と開けた缶からは、コーヒーとミルクの香りが零れた。)   (2016/9/28 14:10:57)

《太陽》そう、か……日頃《月》を甘やしていたのが、裏目に出ちゃった、かな……(そう語る声は、何かを悔いるわけでもなければ、落ち度を嘆く響きでもない。どのみち泣かせてしまうことくらい、分かっていたから。泣いてくれる優しい子だと、優しさを自分に向けてくれていることを、知っていたから。だから、なんとなく、こうなる気がしていた。だから、その声はやはりどこか楽し気に響いただろう。いつものように、言葉の小競り合いで遊ぶように。)……ふふ、君とガラス先生の真似だけは、したく、ないなって、思っているのに。(じゃあどんな紳士、なんて答えも風に任せて、言われてみればある程度の水滴は破砕で蒸気にしたものの、服は水にずっしりと重くなって風に冷やされているのだから、こうして動けないわけで。いつもならコーヒーをありがたくもらっていたのだろうが、ゆっくりかぶりを振った。)飲み口……よく見えないんだ(破砕歌の、代価。かつて片割が同じ代価を払ったのと同じように。この視界に移るのは朧が進む輪郭たち。色彩は、まだ見える程度の。)口移しでなら、ありがたくもらうよ?   (2016/9/28 14:29:51)

《愚者》まーまー、月も中身はまだまだ子供だけど、慕ってくれる存在がいるっていいものだよ?…ああ、俺にもいないかなー、慕ってくれる存在。というか女の子。願わくばおっぱい大きい子。(思いゆえに手から零れた、《月》経由で伝わった思い。もっとも、月からの願いももちろんそうだが、青年がここまで赴いた理由は他に二つ…限られた者しか知らない『ルクサリア』の所在が不明となったこと、そして、彼自身の個人的な興味。それぞれが裏に秘めた思いを、上層は冗談が飛び交って流れてゆく。)口移しは御免蒙る女の子ならともかく。…寒かったら場所変えようか?(冗談に冗談で応えながら、青年はふ、と少年の袖が風に揺れていない…すなわち水に濡れて重くなっていることに気づいた。…そう、だ。先ほど崩落するホールから脱出する寸前、中ではごうごうとした水の音が聞こえていた。おそらくは、その時のものなのだろう。濡れた体は、体力を著しく消耗させる。神父服を脱いでその上へ被せながら、青年はそれとなく問いかけた。温かみを持った缶コーヒーもその頬に寄せてやれば、少しは温まるだろうか。――本題は、依然その胸の中。)   (2016/9/28 14:44:40)

《愚者》【と、すみません。10分ほど席を外します。】   (2016/9/28 14:45:03)

《愚者》【失礼しました、戻りました。】   (2016/9/28 14:58:48)

《太陽》【いえいえ、おかえりなさいまし】   (2016/9/28 15:08:00)

《太陽》君にだって、懐いているで、しょう?……《月》、がもう少し大きくなったら、なるかも、ね(好みの体型に。なんて、冗談を交わせる程度に気力も体力も残っているのは、きっと、つぎはぎだからこそなのだろう。そんなことを頭の片隅で思った。温かいと思ったのは、つぎはぎたちの絆か、それとも、体温の名残のある神父服がかぶさったこととコーヒー缶が頬に当たったからか。いずれにしても、あたたかい。視線合わぬままのルビー色の双眼は、ふっと目尻が下がった。)……いい匂い……(すぐ傍で鼻腔をくすぐる甘くどこかほろ苦い香りは、心臓から何を掬いあげたのか、少年に、ほつりと言わせた。)……ねえ、ミナト……あのね……大事な、報告が、あるんだ……(少しの、間。唇は言葉紡がんと開かれているのに、言葉が出てこない、そんな間。それでも、少年は弱々しく笑みながら、告解した。)   (2016/9/28 15:08:06)

《太陽》――……失恋、しちゃった。(静かでまっすぐな、その声音。)不便だね……聞こえ過ぎるのも……一生懸命、そこだけ聞かないように、していたのに……息遣いで分かっちゃうんだ(掠れ、笑んだ声。今にも泣いてしまいそうな、儚い笑み。)だから……起きあがれるようになったら、プリン、いっぱい食べたい、な?   (2016/9/28 15:08:15)

《太陽》(少年は、願う。連れて行ってもらうほうが簡単だろうけれど、ここじゃないと、だめな気がするから。問いへかぶりをふることなく、ただただ、言葉を交わし続けるという、今この瞬間の願い。)   (2016/9/28 15:15:16)

《愚者》…いやまあ確かに懐いてはいるけれども。後ろをちょこちょこついてくるけれども。仮に月がボンキュッボーンになってもやっぱりそこにはちょっと抵抗がね…?報告?(ごにょごにょ。案外大丈夫な…少なくとも、弱弱しい見た目を除けば普段通りな様子で冗談を交わす相手に、どこか後半口ごもるように応えた青年。常を思えばどこか歯切れの悪いその反応は、妙と言えば妙かもしれない。だが、その日常の残滓も、続く少年の言葉に飲み込まれた。)…………そうか…。(失恋。それは、おそらく額面通りのニュアンスとは大きく違うものだっただろう。姉妹、恋人、あるいは、それ以上。結果としては誰一人失われない、望みうる最上だった一方で、手をすり抜けていった無二の大切な存在。普段ならば軽口を叩いていたであろう青年も、今はただその心を労わるように、慈しむように、言葉少なに心を重ねた。…自分とて、その思いは分かる。痛い程その思いを知っている。愛する人も、場所も、全てがこの手をすり抜けて消えてしまった時の思いは。そして、その結果の心の行く先が、どこへと漂ってゆくのかは。…唯一、違うことは――)   (2016/9/28 15:42:16)

《愚者》…そうさ、辛い時はヤケ食いでもして、辛い思いを埋めるのがいい。そうやって、男っていうのは大きくなっていくもんさ。…ただまあ、あれだ。失恋っていっても、その相手は…君にとっての大切な存在は、確かにそこにいる。大切な場所だって、そこにある。無くなってしまったら、もう傍にいることも、そこに佇むこともできないんだ。それを、大切にしていくことも、在り方の一つさ。(青年の声に混じった、希にしか聞こえないであろう真摯の色。まるで噛んで含めるような、平易な単語とシンプルな思いを以て、青年は脆く崩れてしまいそうな少年へと語りかけた。無意識に、その手は銀のロザリオを握り、しばし目は空を仰ぐ。)…そうそう、こないだ商店街でおいしい洋菓子屋さん見つけてね。新鮮な卵に極上の生クリームを使ったプリンがまた絶品なんだ。今度それ持ってってあげるから存分にヤケ食いするといいさ。(――正と奇、陽と陰。表裏が入り混じったような青年は、にっと頬を上げて再び少年を見やった。これはこれで、確かに正の部分。嘘は何一つ含まれない、先輩らしい心遣い。財布の厚みと引き換えの。)   (2016/9/28 15:42:24)

《愚者》…で。これからどうする?(コーヒーを傾けてから、青年は笑いを収めて問いかけた。『これから』…それは、当面の治療等ではなく、その後の事。ともかくも宿願を果たし、ルクサリアは本懐を遂げた。その一方でその存在を知った上層部は疑念を持ち、かつ事の顛末をしれば彼やその姉…場合によっては白の家そのものへ警戒を抱く恐れもある。そして何より、彼本人のこれからの目的、あるべき場所、拠るべき思い。誰もいないこの場にて、それを聞いておきたかった。)   (2016/9/28 15:42:33)

《太陽》……ありがとう(その短い言葉に、たくさんを込めた。)君の、そういうところ、すごく好きだよ(ふとしたときに、決して嘘をつかない奥底の声を時々聞かせてくれるところ。だから、これからという問い――全く想定しなかったといわれれば嘘である問いへの答えを、迷うことなく告げた。)……タロットの筆頭は、君だ。(ゆらり、と、神父服の下から冷えた手を青年のほうへと彷徨わせる。)そして、君は、Eden……家の外に出て初めてできた友達だ。(まだ、微かに見える銀色へ。決してただの飾りではないとだけは、時々握るその癖を見て知っている。大切であろうその銀色の信仰へ、想いの拠り所へ、そっと指先触れた。)だから、その免罪符<ロザリオ>の行く末を見に行きたい……僕はパーパを継ぐけれど、それでも……できるだけ、近くで。ルクサリアのことは、心配しないで。少数メンバーでの開発で、全部綺麗にして、出てきたから……パーパだって知らない。僕一人で考えて、僕一人が、最後に手を加えて完成させて、自分一人のために使った……それだけだよ。   (2016/9/28 16:29:19)

《太陽》(そう、そのたったそれだけが引き起こしかねない未来は、眼前も危惧していることであろう。でも、あの家は強いから大丈夫。そう信じて最小限の被害でこの舞台が落ちるように独りでずっと、ずっと、用意していた。ゆえに、この生存が想定外でも、少年の声は掠れても淀まない。)――変わらないよ、楽園を追われようと、僕は、僕だ。愛する人たちの、幸を願って、慕う友の傍にいる。(言って、誓うようにロザリオの先端をそっと握って、手を離した。)――っけほ、っ、はぁ、はぁ……。   (2016/9/28 16:29:49)

《愚者》…行く末?(思わず握っていた、銀のロザリオ。それが持つ本来の意味以前の、暖かな記憶の象徴。そして、たった一つの願いの拠り所。それに指先を伸ばした少年の様は、心すらも手を伸ばしていたように感じられた。行く末を、見たい。そんな言葉に、青年はふ、と苦笑いを零した。)止めときなさいな、見た所で大して面白いもんでもなし。キミがキミんとこのパーパを継ぐってんなら、それに専念した方がいいさ。…でも、ま、…ありがとう。気持ちだけでも受け取っとくよ。(友達と言ってくれて。想いに、手を伸ばしてくれて。思いを、遣る――そのチカラも考えれば良かれ悪しかれあるけれども、それができるのは彼の美点だろう。…しかし、自分の行く末は、けして安穏ではない。血と謀略と覚悟なくして、その末を遂げることはできない。その最中に彼を――彼らを、彼女を、かの場所を巻き込むことは、自分としても本意ではなかった。様々あれ、保たれた彼の場所を、今は大切に守っていて欲しい。その思いゆえか、青年は言外に、『自分の方は大丈夫』と語った。)   (2016/9/28 16:57:28)

《愚者》…ま、それならいいさ。ルクサリアの件は最悪セルペンスの例のオカマに奪取されたとでも言おうかと思ってたけども、そういうことならね。…ただ、この間のセルペンス襲撃以降、強硬派の発言力が強まってる。迂闊に動くと睨まれるからね、お互い気をつけとこう。(そして流石というべきか、ルクサリアの件は十分に対策を取っていたらしい。万一に備えて準備はしていたが、これならば問題は無いだろう。だが、組織内での立場は現状お互い不安定である。この点、宿願の日までEdenに悟られなかった、彼の手法を見習おうか。)――そう、キミは、キミだ。その想いさえ大切にできれば、それでいい。…っとと、大丈夫かい?気温も下がって来た、ボチボチ『帰る』かね。(銀の十字架へ、彼が言う自身の『免罪符』の象徴へ、少年は誓いを立てるように握った。その純粋な願いと愛は、青年の眼にも眩しい。――では、自分の行く先は、こうも清らかだろうか。こうも清純でいられるだろうか。向かいかけた思いは、少年の咳の音で掻き消えた。そういえば、体を酷使して以降も露地にいたままである。少年を伺うように、その手を握って問いかけた。)   (2016/9/28 16:57:36)

《愚者》【流れとしてはこのまま退散まで可能ですが、お時間・内容の方は如何でしょうか。】   (2016/9/28 16:59:01)

《太陽》【はい、次投下でパーパ合流が近い、と、エンディングに繋がる形にまとめさせていただければと思っています。時計のほうは大丈夫です。】   (2016/9/28 17:02:13)

《愚者》【かしこまりました。それでは終幕までもうしばし。】   (2016/9/28 17:07:59)

《太陽》そ、う……?君の寝間着よりは、もう少し面白いものが見られると思っているのに(なんて、心音を告げあった直後に冗談めいたことを挟みこんで。ただ、眼差しだけは冗談めいていなくて。)継ぐといっても、あと10年20年先のこと、だよ。暇で死んでしまう……し、けほっ、それに……そう、楽園の不穏が、心配だから、なるべく、早く戻るよ。……"裏方"が味方で、困ることはないでしょう?(と、タロットたちの中でも隠密と情報に突出して長ける《太陽》は、くす、と、小さく笑んだ。『困ったら頼ってね』と。)――っけほ、ああ、そうだね……そろそろ、迎えもくるだろう、し……ルナも、君の帰りを心配しているだろう、から……(遠くから響きはじめた、無音の歌。ああ、よかった、無事だった……。誕生日を喜ぶ前の後片付けは思ったよりずっと膨大で人生最大に面倒くさい予感がじわじわとしてきたけれど、今は、この色彩すらも失われつつあるセカイの中で、最大限に、歌おう。)   (2016/9/28 17:32:25)

《太陽》ミナト、ケーキ……追加でお願いするよ。イチゴのショートケーキが、いいな。(生きて、帰る)――また、後でね。(痛みの、その先へ――たとえそこが、どれだけ血塗られていても。想う人と場所を見失わなければ、歩ける。すぐ近くまで来ている自分の父が、そうして歩みを止めないのと、きっと同じように。そう教えてくれるのは、眼前の友の言葉と、いまこの鼓膜に届いている、無音の造語歌だから。胸にそう刻んで、風から守りつづけてくれていた神父服を握って渡した。もう大丈夫、と。)   (2016/9/28 17:32:30)

《愚者》……仕方がないなぁ、まったく…。じゃ、片隅に覚えとくよ。甘味好きな裏方のことを、ね。だから、今はしっかり養生するんだ。それまではプリンもケーキもお預けー。(冗談のような言葉も、その裏の真意も、青年は全てを図って苦笑した。『それ』が果たして遠くない未来か、それとも時至らず機会は訪れないのか…それは、まだ分からない。それでも、その時に向けた紐帯は、互いの心で確かに結ばれた。)…うん?…ああ。(気温を一層下げた風。その中で、少年は被せていた神父服を握って、こちらに手渡した。怪訝に思うも一瞬、闇の中へと眼を巡らせて、それは納得の言葉に変わった。――それなら、大丈夫。微笑みを湛えた青年は神父服を再び身に纏い来るその方向へ挨拶を交わした。やーやー、ご無沙汰してました。ご機嫌よろしゅう…。そんな常通りの、道化のような言葉と身振りで。漸く上り始めた月の光は、銀のロザリオに白く映えた。)   (2016/9/28 17:51:29)

《愚者》【と、申し訳ありません、私の方は時間がそろそろ…。私の方は次で〆とさせて下さいませ。積み残しの内容がありましたら、中断と言う形でも構いません。】   (2016/9/28 17:57:36)

《太陽》【お待たせしております。私のほうからは次でエンディング引用の〆とさせていただきます。お時間厳しいようでしたら先の退室でも構いませぬゆえ(深々。】   (2016/9/28 17:59:52)

《愚者》【かしこまりました。ゆっくりお待ちしておりますので、どうか焦らずマイペースにて。】   (2016/9/28 18:01:19)

《太陽》ふふ……(財布が薄くなったらまた仕事に励んでくれるだろう、一緒に。なんて、お節介焼への密かなお節介は、内緒。)……ああ、本当に……見えなくなるんだ、ね……(星々が。代わりに見える、本当の文字通りの夜闇が。片割より多くの再生細胞を宿す身だから彼女のときよりは随分早い日数で帰ってこられるとは、思うけれど……)……そうだね、今は、ちょっと休みたい、かな……(灰塵を上ってくる足音、それを出迎えるように少し遠ざかる足音。少し遠くで交わされる挨拶。それを細部まで聞き取るよりは、今は、片割が遠くで幸せそうに歌う歌に、耳を傾けていたい。ああ、本当に、本当に……長かった。)……あはは……これは、二度やれと言われたら二度と御免、かな……(そんな、掠れた一人言葉を紡いだ。)   (2016/9/28 18:10:51)

《太陽》【以上にてエンディングに繋がり――私からは〆とさせていただきます。幕閉じございましたら、ご一緒したく。】   (2016/9/28 18:11:29)

《愚者》【ありがとうございます。綺麗な最後でありますし、何より私の集中力がそろそろ切れそうなので( 、私も先程のロルで〆とさせてくださいませ。背景や互いの信条が明らかになり、心も通じた素敵なロル、ありがとうございました。】   (2016/9/28 18:13:56)

《太陽》【はい。ではそのように。心音を交わすこの舞台の本懐そのままに素敵な語り合いでした。お迎えにきてくださって、本当にありがとうございます。お疲れ様でした。】   (2016/9/28 18:16:12)

《愚者》【こちらこそ、素敵なイベント幕の端に連ねさせて頂き、ありがとうございました。ひとまず、私はこれにて失礼させて頂こうと思います。 それでは、お先に失礼致します。】   (2016/9/28 18:17:19)

おしらせ《愚者》さんが退室しました。  (2016/9/28 18:17:35)

《太陽》【こちらこそ、小さくもずっと舞台を動かしてくださっていた方を最後にお招きできて光栄です。見守って下さいました窓辺様方にも感謝を。それでは、この補完幕をもって『白の家~世界の免罪符~』を裏表紙とさせていただきます。改めての感謝を。お部屋をありがとうございました。】   (2016/9/28 18:20:12)

おしらせ《太陽》さんが退室しました。  (2016/9/28 18:20:16)

おしらせ浦木ひかる♂高2さんが入室しました♪  (2016/10/9 21:14:21)

おしらせRe:Xemfさんが入室しました♪  (2016/10/9 21:15:10)

浦木ひかる♂高2【こんばんは、お部屋をお借りいたします。本日は待ち合わせでの使用となること、どうかご容赦願います。】   (2016/10/9 21:15:21)

2016年09月21日 21時57分 ~ 2016年10月09日 21時15分 の過去ログ
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