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「不思議な舘」の過去ログ

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2023年09月16日 05時19分 ~ 2023年12月03日 07時23分 の過去ログ
過去ログでは上から下の方向に発言を表示しています

おしらせ新規ルームを作成完了しました。(iPhone SoftBank)  (2023/9/16 05:19:01)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/9/16 09:52:16)

冬空【お題】「途中」「コート」「嬉しい」   (2023/9/16 09:53:32)

冬空【1話】   (2023/9/16 09:54:49)

冬空彼と出会ったのは旅の途中で立ち寄った大勢の人で賑わう市場だった。   (2023/9/16 09:55:23)

冬空スラッと背が高く誰もが見とれてしまうほどの美しい顔立ち。だが彼は無愛想で口が悪い。   (2023/9/16 09:55:56)

冬空その性格のせいか人はなかなか寄りつかない。まるで「笑う」という感情を持ち合わせていないかのようにその表情が緩むことはなかった。   (2023/9/16 09:56:17)

冬空黒いロングコートを翻し素早く無駄のない動き。それは「人」のようで「人」ではない。   (2023/9/16 09:56:39)

冬空そんな彼に不思議と惹きつけられる。彼の笑顔が見てみたい。   (2023/9/16 09:57:02)

冬空彼が一緒に笑ってくれたら嬉しい。   (2023/9/16 09:57:17)

冬空 🍀   (2023/9/16 09:58:45)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/9/16 09:58:49)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/9/16 19:54:38)

夏海【お題】「途中」「コート」「嬉しい」から、コートをチョイス   (2023/9/16 19:55:25)

夏海【2話】   (2023/9/16 19:56:24)

夏海この春、私も晴れて就職も決まって、いよいよ新社会人としてデビューする事となった。   (2023/9/16 19:57:52)

夏海大学の近くに借りていたアパートから、駅で四つほど離れたこの街のオシャレなマンションへ越して来て、近所へちょっとした菓子折りを手に挨拶回りしているのは大人になった気分を味わいたいのもあったからだと思う。   (2023/9/16 20:03:09)

夏海新生活に不安以上に期待でワクワクしてしまう自分が面白く、これまでは無用な他者との関わりを避ける傾向にあった私が、ご近所さんとの関わりに浮かれてさえいた。   (2023/9/16 20:07:30)

夏海実際、今一番気になるのが隣に住むダンディーさんなのだ。私が勝手にダンディーさんと呼んでいるのだが理由はある。それは、見た目がスマートな紳士なのでそれを悪用したのか、どうやら何股も女性と付き合っているプレイボーイらしいのだ。   (2023/9/16 20:10:56)

夏海最近、隣にひっきりなしにインターホンを鳴らす白いコートの女がやって来ている。余程執念深いのか、ずっとインターホンに静かな声で内容は物騒な脅迫まがいの未練がましい想いを一時間以上、切々と訴えていた。   (2023/9/16 20:18:53)

夏海四月とは言え、夜遅い時間ともなるとまだ寒く、ダンディーさんに粘るその女性は、コートと同じくらいの白い息を吐いていた。   (2023/9/16 20:21:17)

夏海やがて根負けしたのか、ダンディーさんが開錠して白いコートの女を部屋に招き入れたのが見えた。あの女の人良かったね、取り敢えず話し合いしてお互い納得して解決したら良いな、と私も満足して布団に身体を滑らせた。   (2023/9/16 20:23:54)

夏海次の日の朝、出社時刻となり私は慌ただしく身支度を終えて、ガスや電気の確認を済ませてから最後にドアの鍵をかけた時に、ダンディーさんの家のドアが静かに開くと   (2023/9/16 20:25:56)

夏海真っ赤なコートの女が現れて、鈍く光る何かを手にニッコリと微笑んで「昨日からずっと見てたんでしょう?」とゆっくり近づいて来た。   (2023/9/16 20:29:18)

夏海^ - ^   (2023/9/16 20:29:24)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/9/16 20:29:27)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/9/17 19:24:52)

冬空【お題】『コンビニ』『タンス』『パーティー』から『コンビニ』をチョイス   (2023/9/17 19:26:38)

冬空【3話】   (2023/9/17 19:26:54)

冬空大学生になり近くのコンビニでバイトをはじめた。   (2023/9/17 19:27:18)

冬空ある日の深夜帯での出来事である。いつものように2人で仕事をこなしていると人気もなくなり落ち着いてきたので交代で休憩をとることにした。   (2023/9/17 19:27:40)

冬空休憩といっても事務所で防犯カメラを確認しながらお茶する程度のことである。お客がくればレジ対応しなくてはならないからだ。   (2023/9/17 19:27:59)

冬空私が先に休憩することになり事務所へと入った。10分程経った頃だろうか、防犯カメラにお客の姿が映っていることに気づいた。お客さんがくれば入口のチャイムがなるはずなのに聞こえなかったのだ。   (2023/9/17 19:28:20)

冬空「あれ?電源切れてるのかな?」チャイムをチェックするも電源は入っており音量も下がっていない。どうやら異常はないようだ。   (2023/9/17 19:29:05)

冬空それに店内にいるはずのバイトがお客さんが入ってきたことに気づいてないはずはない。なにか様子がおかしいと感じた私は店内に戻りレジに立った。あたりを見回すもバイトが1人いるだけでお客さんの姿は見えない。   (2023/9/17 19:29:24)

冬空私は彼に近づき話しかけた。「さっきお客さんがきたよね?」「えっ?僕は店内にいたけど誰もきてないですよ?それに入口のチャイムも鳴ってないし…」彼は不思議そうな顔をしてそう答えた。   (2023/9/17 19:29:55)

冬空「そんなはずはない。カメラに映っていたのを見たんだから…」   (2023/9/17 19:30:13)

冬空再度事務所で確認するがなにも映っていなかった。   (2023/9/17 19:30:47)

冬空🍀   (2023/9/17 19:30:54)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/9/17 19:30:58)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/9/17 21:16:50)

夏海【お題】「途中」「コート」「嬉しい」から、パーティーをチョイス   (2023/9/17 21:17:49)

夏海【4話】   (2023/9/17 21:18:13)

夏海「おい、鈴木!お前のネタ元の役に立つアイテム、手に入れたぜ!」そう言ってこれ見よがしに得意げにヒラヒラと紙片を指に挟んで揺らすこの男は俺の相棒のカメラマンで、俺が永年追ってきた新興宗教が近々総本山で何かやりそうだとの情報から、信者の中でもある程度の階級だけが参加するパーティーチケットを入手してくれたようだ。   (2023/9/17 21:25:05)

夏海付き合いなのか本気なのかはわからないが信者登録の芸能人や政治家も居て、相棒は恐らく、スキャンダルな写真のネガと引き換えにこのチケットを手に入れたようだ。   (2023/9/17 21:27:12)

夏海組織としては全国区で大きな宗教法人だったが、教祖や施設の贅沢で豪華な羽振の良さから判る通り、信者を洗脳しては金を巻き上げ、家族を不幸にさせ、グレーゾーンの所業も数をこなすうちに麻痺をし、いつしか合法ラインを超えた犯罪行為を広げるコイツらに、俺のジャーナリストとしての矜持がペンを走らせ、次々と世に暴露するとその波紋は世の中に大きく広がり、やがて大きな波へと変わったのだ。   (2023/9/17 21:34:20)

夏海国会でも問題となり政治家が議題にして法を改正する運びになり、それと並行して警察も脇を固めて近々派手な見出しが新聞を飾るのも遠くない今、教団が危機を感じて何かやりそうだとのリークを手にした俺が、喉から手が出るほど欲しかったのがこのチケットだったのだ。   (2023/9/17 21:38:14)

夏海顔バレしないように入念に変装を済ますと、早速全国から幹部のみ集まるという教団総本山のパーティーへと潜入した。これだけ大きな組織だからこそ、潜入しても気が付かれることはない。   (2023/9/17 21:41:35)

夏海パーティーが始まると和かに教祖が手短にスピーチを済ませ、呆気なくただの食事会へと変わった。肉でも魚でも酒でも、明らかに高級食材とわかる豪勢なディナーだ。何かしら教祖や大幹部らからの、教団を守る為の号令や口裏合わせ、これからの事で話があると踏んでいた俺も拍子抜けして、諦めて目の前のご馳走達をやけ食いしてさっさと帰ろうと決めたのだが。そこでまた、教祖が登場してスピーチを始めた。   (2023/9/17 21:47:23)

夏海「親愛なる信徒の皆さん、食事を楽しんでますか?もう直ぐです。選ばれし我が教団の幹部のみが与えられた栄光!腐った政府の陰謀で我が教団は間も無く解体されるでしょうが、私達の魂は自由です!さぁ、私と共に桃源郷へと魂を昇華しましょう!」   (2023/9/17 21:51:11)

夏海嫌な予感と共に舌の痺れに違和感を覚え、無用のこの場所から出ようとした俺の足はもつれて床に転げた。ボンヤリとした視界で何も見えないが、遠のく意識の中、万歳!と教祖を崇めながらバタバタと倒れゆく音が至る所で聞こえて来た。   (2023/9/17 21:56:28)

夏海薄れる意識の中、チケットにはキリストの名画、最後の晩餐のイラストが描かれていたのを思い出した。   (2023/9/17 21:58:26)

夏海^ - ^   (2023/9/17 21:58:36)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/9/17 21:58:38)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/9/22 19:11:59)

冬空【お題】タイトル「歪んだ机」   (2023/9/22 19:12:36)

冬空書き出し「どこか奇妙な形をした机がある場所で、私は目を覚ました。それはまるで頭の中が混乱しているかのような感覚だった。手を伸ばすと、机の表面がねじれているのが分かる。周りには頭の変形した人たちがひしめき合っていた。彼らは意味不明な声を発している。どうやら私もこの場所に取り込まれてしまったようだ。」   (2023/9/22 19:12:57)

冬空なにか手がかりになるものはないかと辺りを見回した。ここはとある会社の中の一室のようである。人だけではなく目の前の机や壁掛け時計も歪んでいる。まるで空間自体が捻れているかのようである。こんな不気味なところから一刻も早く立ち去りたい。   (2023/9/22 19:13:20)

冬空そう思い立ち上がるとドアに向かい歩き出した。ところが歪んだ景色を見ているせいか、次第に気分が悪くなってきた。壁に手をつきながら唯一、歪みがない床を見るように歩いていく。   (2023/9/22 19:13:38)

冬空やがて目の前にドアが見えた。顔をあげるとドアノブに手をかけドアを開けた。眩しい光に思わず目を瞑っていた。すると今度は目覚まし時計のアラーム音が鳴り響き……   (2023/9/22 19:14:40)

冬空無意識に手探りでアラームを止めるとゆっくり目を開ける。「あぁ…もう朝なのか…」身体を起こすと辺りを見回す。周りが歪んでいないことを確認する。ホッとしたと同時に当たり前だと思えば、おかしくなって声をあげ笑っていた。   (2023/9/22 19:16:06)

冬空↓【5話】   (2023/9/22 19:16:59)

冬空🍀   (2023/9/22 19:17:09)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/9/22 19:17:15)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/9/23 08:16:53)

冬空【お題】「気付いてしまった」で始まり、「ああ、もうやってらんない」で終わる物語   (2023/9/23 08:17:28)

冬空【6話】   (2023/9/23 08:17:41)

冬空気づいてしまった。   (2023/9/23 08:17:55)

冬空やっぱり人の話をちゃんと聞いていない…ということに。   (2023/9/23 08:18:16)

冬空何度も言ってるのに聞いてるようでなにも聞いていない。右から左へと抜けているのだろうか?   (2023/9/23 08:19:02)

冬空「人の話はちゃんと最後まで聞いて!」「聞いてるよ」   (2023/9/23 08:19:39)

冬空何度このやりとりを見たことだろう。聞いてるならわかってるはずのことなのに。見ればわかることもあるのに。それすら見ようとしないからなのか。   (2023/9/23 08:20:11)

冬空なんとも不思議な話である。呆れながら思わず呟きたくなる。   (2023/9/23 08:21:02)

冬空「ああ、もうやってらんない」   (2023/9/23 08:21:20)

冬空🍀   (2023/9/23 08:21:27)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/9/23 08:21:37)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/9/24 10:03:47)

夏海タイトル「凍えた髪の毛」   (2023/9/24 10:04:05)

夏海書き出し「深夜の公園に足を踏み入れた。「ザク…ザク…」足元から異音が聞こえる。振り返ると髪の毛が凍りついたような女性が立っていた」   (2023/9/24 10:04:09)

夏海こんな茹だるような熱帯夜の中、余りにも異様な状況に私の前身は総毛立った   (2023/9/24 10:05:12)

夏海この異形に捕まったら終わる!と一瞬で危機を察知し、私の本能が逃げろと騒めく   (2023/9/24 10:07:31)

夏海連日の猛暑、週末にホラーを鑑賞して涼を求めたが足りず、〆にアイスでもと思いコンビニへの最短距離のこの公園に来たのが運の尽きだった   (2023/9/24 10:09:36)

夏海化け物から必死に走って逃げるも、公園を抜けて出るまでの距離を知ってるだけに半ば絶望を感じ、それでも息が上がり心臓が悲鳴を上げる中挫けず人の居るコンビニを目指す   (2023/9/24 10:13:39)

夏海閑静な森の中のような住宅地で唯一異質で煌々とした光を発するコンビニが見えて来た!もう少しだ!   (2023/9/24 10:15:40)

夏海一瞬、髪を掴まれかけられたがすんでのところで私の手がコンビニの風除室を開ける方が早かった   (2023/9/24 10:17:25)

夏海後ろを振り返るとあの女は消えていた。どっと安堵に全身の力が抜けながら店員に助けを求めようと店内に入ろうとすると、目が合った店員がブルブルと震えて奇声を上げている   (2023/9/24 10:20:54)

夏海それと同時に、自分の意識が何か得体の知れないものに侵食されて自我を失っていく中   (2023/9/24 10:22:20)

夏海コンビニのガラスにぼんやりと反射した私の姿が、全身から髪の先まで、あの女のように凍っているのが見えた   (2023/9/24 10:24:22)

夏海^ - ^   (2023/9/24 10:24:26)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/9/24 10:24:28)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/9/24 10:28:55)

夏海【8話】   (2023/9/24 10:29:17)

夏海「小さな嘘をついた」で始まり、「だからうまく逃げてね」で終わる物語を書いて欲しいです。   (2023/9/24 10:29:21)

夏海小さな嘘をついた。それは決して人を騙して不幸にしようと思った訳ではなく、心底みんなの平和を思っての事だった   (2023/9/24 10:31:14)

夏海地方にある、凡そ文明の力だのハイテクだのITなんかとは無縁の田舎町でちょっとした事件が起きたのは二ヶ月前だった   (2023/9/24 10:34:49)

夏海大切なライフラインの一つ、沢の水や井戸の水に何故か突如として有害なものが混じり、中毒を起こす者が後を絶たないのだ   (2023/9/24 10:36:48)

夏海特に多くの者が利用する泉は私の遊び場でもあったのだが、ここに最近見慣れぬおじさんが姿を見せるようになった。   (2023/9/24 10:38:46)

夏海好奇心旺盛な子供を前に、このおじさんは目尻を下げて、何やら大事な職務らしき事を中断しても遊んでくれた   (2023/9/24 10:40:17)

夏海漫画でしか見ないようなガラスの実験道具ばかり詰まったカバンや怪しげな薬で、泉の水を調べるのがこのおじさんの仕事のようだった   (2023/9/24 10:42:06)

夏海「おじさんはね?ここ最近の異常気象で突然発生した未知の菌やウィルスを調べるよう、国の偉い人にお願いされたんだよ」   (2023/9/24 10:44:25)

夏海でも、まだ入学前の年端も行かぬ子供に理解出来たのは「ばい菌」「命令されてやって来た」だけだった為、飲水の死活問題でピリピリしていた大人達にとってそれは、間違った方向で重要な情報となってしまった   (2023/9/24 10:48:16)

夏海「毒を撒いてる男がいるらしい!」「泉で怪しげな薬を鞄から出して、混ぜていたそうだ!」「余所者の男が彷徨いて、この町に毒をばら撒いている!」「見つけて捕まえろ!」「いや、大きな組織の人間らしいから拷問にかけろ!」「面倒な事になりそうなら直ぐに殺してしまえ!」   (2023/9/24 10:51:56)

夏海こうして私の話から、大勢の殺気だった大人達がおじさんを狩る為に夜襲の準備を始めた。   (2023/9/24 10:53:40)

夏海私はおじさんは悪く無いのは知ってるの。だから、うまく逃げてね   (2023/9/24 10:54:20)

夏海^ - ^   (2023/9/24 10:54:24)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/9/24 10:54:27)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/9/24 14:22:53)

冬空【お題】『片付け』『リップ』『ねえ先輩』この中から『ねえ先輩』をチョイス   (2023/9/24 14:24:30)

冬空【9話】   (2023/9/24 14:24:46)

冬空夜勤をしているときのことである。「ねぇ先輩…夜の病院ってちょっと怖いですよね」ナースコールもなく珍しく静かな夜である。   (2023/9/24 14:25:19)

冬空巡回から戻った彼女の言葉にパソコン画面を見ながら返事をする。「まぁ暗いから怖いだろうけど、そのうち慣れるわよ」   (2023/9/24 14:25:33)

冬空そんな話をしながら落ち着いてきたので交代で休憩をとることにした。「なにかあったら呼んでね?」そう声をかけ奥の休憩室へ入るとコーヒーを飲みながら雑誌を見ていた。   (2023/9/24 14:25:47)

冬空何度か鳴るナースコールの音に気づき、出て行くと彼女は今にも泣きそうな顔をしていた。「先輩!さっきからナースコールが鳴ってて…」彼女が指さす方を見れば誰もいない部屋からのコールであった。   (2023/9/24 14:26:17)

冬空「ここって今は誰もいないはずよね…とりあえず行ってみないと…」彼女と一緒にその部屋に向かいながら話をする。「あのナースコールは…何回鳴ったかわかる?」「えっと…3回かなぁ…」部屋の前までくると再びコール音が響く。   (2023/9/24 14:26:36)

冬空「これで4回目ね…」ゆっくり部屋の中に入るも誰もいない。ベッドのそばにはナースコールが置いてあるが繋がっていないことを確認する。「さあ…戻りましょ…これから忙しくなるから覚悟してね」「えっ?なんで?」不思議そうな顔をする彼女にここでの言い伝えを話すことにした。   (2023/9/24 14:27:10)

冬空深夜に響く誰のいない部屋からのナースコールは4回続くと不思議なことに急患が運び込まれてくるという…。そして今回も例外ではなく、電話が鳴り急患の報せが入ると忙しない夜となった。   (2023/9/24 14:27:30)

冬空🍀   (2023/9/24 14:27:42)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/9/24 14:27:46)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/9/24 17:17:47)

夏海『漂う』『もどかしい』『突き放す』全部でもどれかでも。から、突き放すをチョイス   (2023/9/24 17:18:17)

夏海【10話】   (2023/9/24 17:18:46)

夏海私は海が嫌いだ。大切なものを奪われたから。   (2023/9/24 17:19:11)

夏海5年前、世界中にショックを与えた未曾有の大津波災害により、私は住むところも家族も生活の糧も全てを失ってしまった。   (2023/9/24 17:22:49)

夏海たまたまソフトボール部の合宿で遠征していた私は家があった筈の瓦礫の山を前に、たった一人の妹と共に両親の行方を探し続けたものだ。   (2023/9/24 17:25:40)

夏海結局、両親の身体は冥海へ連れ去られたまま二度と会えなかった。   (2023/9/24 17:28:13)

夏海天涯孤独となった私に、同じ災害で傷ついた周りの大人達はとても優しく、とりわけ檀家の和尚様はいつも私を気にかけてくれる。   (2023/9/24 17:29:59)

夏海「失った家族の事は辛いだろうけれど、お嬢ちゃんがいつまでも悲しんで引きずると、心配して成仏も出来なくなるから、心が落ち着いたらいつかちゃんとお別れするんだよ。」   (2023/9/24 17:31:54)

夏海妹と2人で毎晩、諦めきれずに家族の手がかりを探していたが5年も経って遂に、たった一人の妹が底引網で引き上げられた。   (2023/9/24 17:36:13)

夏海自分ではずっと生きているつもりだったのだろう。変わり果てた我が身を私と共に確認すると、私にしがみつきながら縋るような悲しい視線を向ける。   (2023/9/24 17:39:08)

夏海私は止めどなく溢れるものに咽びながら、和尚様の言葉を自分に何度も言い聞かせ、妹の成仏を願いその手を突き放したのだった。   (2023/9/24 17:40:45)

夏海^ - ^   (2023/9/24 17:40:48)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/9/24 17:40:50)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/9/26 06:46:37)

冬空【お題】『危険』『子供』『ありがとう』から『子供』をチョイス   (2023/9/26 06:47:37)

冬空【11話】   (2023/9/26 06:47:57)

冬空夕暮れも迫る時間帯。公園で遊んでいた子供達はそれぞれ家に帰っていく。先程まで賑やかだったこの場所も人気がなくなり静まり返っている。ベンチに座りぼーっとしてるとどこからか歌が聞こえてきた。   (2023/9/26 06:48:16)

冬空♪かーごめ~かごめ かーごのなーかのとーりは~♪   (2023/9/26 06:48:32)

冬空誰もいないのにこの歌声はどこから?不思議に思いながら辺りを見回す。やっぱり誰もいない。気のせいなのか?   (2023/9/26 06:48:45)

冬空再び正面を向けば、いつの間にか数人の子供達が輪になって歌いながらグルグル回っている、真ん中には1人、目隠しをして座っているのも見える。   (2023/9/26 06:49:07)

冬空「うしろのしょうめん だーれ♪」歌が終われば周りは動きを止め、真ん中の鬼役が後ろにいる人を当てるという『かごめかごめ』の遊びうたである。   (2023/9/26 06:49:30)

冬空懐かしく思いながら見入っていると様子がおかしい。周りの子供達が静かにその場から離れていく。不思議に思いながら見ているとやがて真ん中の子供が名前を呼びながら振り返った。   (2023/9/26 06:50:09)

冬空目を合わせてはいけない、なぜかそんな気がした。まるで金縛りにあったかのように身体が動かない。俯いていると頭上で私の名前を呼ぶ声が聞こえる。   (2023/9/26 06:50:26)

冬空「次はあなたの番だよ!」   (2023/9/26 06:50:44)

冬空🍀   (2023/9/26 06:50:59)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/9/26 06:51:03)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/9/29 11:16:50)

冬空【お題】『頬』『髪』『擦り寄る』この中から『頬』『擦り寄る』をチョイス   (2023/9/29 11:18:07)

冬空【12話】   (2023/9/29 11:18:25)

冬空とある家では大きな秋田犬を飼っている。知らない人が近寄れば大きな声で吠える賢い番犬である。   (2023/9/29 11:18:46)

冬空その家を訪れると私に対しては家族同然と思われてるのか吠えることもなく足元へと擦り寄ってくる。   (2023/9/29 11:19:02)

冬空「お座り!」「お手!」のなどの指示もちゃんとこなすのだ。それがいつもの光景だった。   (2023/9/29 11:19:42)

冬空それがある日のこと、いつものようにその家を訪れると近づいてきて鼻をクンクンさせるとじっと見つめ唸りだした。表情は険しく怒っている?不機嫌な様子である。   (2023/9/29 11:20:07)

冬空不思議に思いながらも見ているとそばを離れずやたらと手や足元ばかりの匂いを嗅いでいることに気づく。そういえば今日はここに来る前に近所の人が犬の散歩していて立ち話をしたんだった。その際に足元にじゃれついてきた犬の頬や頭に触れていたことを思い出した。その後手洗いもしてるはずなのだが…。   (2023/9/29 11:20:25)

冬空どんなに綺麗に洗っても犬の鋭い嗅覚は他の犬と戯れたことがわかるのだろう。他の犬に触れたことでこの秋田犬は嫉妬してるのだ。   (2023/9/29 11:20:52)

冬空「オレのことはもう構ってくれないのか?」まるでそんなことを言いだけに私を見上げる表情は寂しそうである。その表情が可愛くて思わず笑ってしまう。   (2023/9/29 11:21:15)

冬空私は彼のそばに座りゆっくり語りかけるように話す。「そんな顔しなくても大丈夫…大好きだよ」優しく頭を撫でると安心したようで膝の上に頭を乗せては甘えてくる。   (2023/9/29 11:21:39)

冬空頭や背中を撫でればやがて上を向きお腹を見せる。頬や顎に触れれば舌を出し手をペロペロ舐めはじめる。どうやら機嫌もなおったようである。   (2023/9/29 11:22:02)

冬空🍀   (2023/9/29 11:22:09)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/9/29 11:22:13)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/9/29 19:41:47)

夏海【13話】 続・12話   (2023/9/29 19:42:26)

夏海ふーっ・・・と心に沈んだ澱を追い払いたくて、静かに深く息を吐いた。   (2023/9/29 19:42:42)

夏海事の発端はつまらない事だった。私が通っていたサークルの主催者の男の振る舞いに不信感を抱き、あれ程熱心だった趣味も気持ちが冷めてしまい退会を申し出たのだが、どうにもすんなり道具辞めさせてもらえず、モヤモヤ道具した状態が続いているのだ。   (2023/9/29 19:42:55)

夏海そんな落ち込んだ気分の時はいつもこの秋田犬が私を慰めてくれる。このイケメン君もまた、とても人懐っこく甘える眼差しと戯れられて隠せない喜びが溢れて、ブリブリ振り回す尻尾に彼の気持ちが思いっきり現れていた。   (2023/9/29 19:43:06)

夏海少ししてやっと退会する事が出来たある日、私はスッキリした気分で秋田犬の元へ癒されに心弾む気持ちで訪ねたのだが、彼は有り得ない厳しい目で私を睨み、これまで聞いたことも無いくらい低い唸り声で威嚇してきたのだ。   (2023/9/29 19:44:13)

夏海何故?今日は他のわんちゃんに触れてもいなければ会ってさえ居ないのに!私の言忘れてる⁈いや、まさか、絶対にそんな事はあり得ない!でも何故?わんちゃん、一体どうしたの⁈   (2023/9/29 19:44:24)

夏海うっかり近寄ったらこの子に噛みつかれてしまいそうな、これまで思ってもみなかった恐怖に駆られ、一層混乱して後退りした私はそのまま踵を返して逃げようとした、その時。   (2023/9/29 19:44:34)

夏海振り返った私の頭上に、あの主催者の男の顔が恨めしげに浮いていたのが見えたかと思うと、そのまま恐ろしい形相へと変わり、今度は私の身体に飛び込む勢いで迫って来た。   (2023/9/29 19:44:45)

夏海「きゃぁああーっ!」恐怖に自分でも驚くような悲鳴が飛び出したのと同時に、ドンッ!と優しく私を押す温かな衝撃が走ったかと思えば、秋田犬が勇猛果敢に男の幻影に飛びかかり、やがて霧が晴れるようにその姿を消し去ってしまった。   (2023/9/29 19:44:57)

夏海後からわかった事だが、あれはどうやら未練がましくしつこい主催者の男が、本人も無意識で飛ばしていた生き霊だったらしい。あの直後、何の原因も無いのにまるで獣に噛まれたような怪我を負って休んでいると人伝に聞いた。   (2023/9/29 19:45:09)

夏海きっとあの時、この子はいち早くそれに気がつき、私の背後の異形の災いに牙を向けて私を全力で守ってくれたのだと愛しい思いで背を撫でると、彼は今日もまた、甘える人懐っこい優しい目を預けながら、くるりと丸い尻尾を全力で振り続けているのだった。   (2023/9/29 19:45:20)

夏海『インスピレーションと感動の恩恵を与えてくれた冬空さんへ、心より最大のリスペクトを込めて』   (2023/9/29 19:48:12)

夏海^ - ^   (2023/9/29 19:48:19)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/9/29 19:48:21)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/9/30 08:03:55)

冬空【お題】「守りたいものはありますか」で始まり、「君がいないと息もできない」で終わる物語&「彼のごめんは軽すぎる」で始まり「それすらも夢だった」で終わる物語…ミックスバージョン   (2023/9/30 08:07:17)

冬空【14話】   (2023/9/30 08:07:42)

冬空守りたいものはありますか…?   (2023/9/30 08:08:01)

冬空『こっちにおいで~!…コロ~』   (2023/9/30 08:08:29)

冬空名前を呼ばれれば少女のもとへ駆け寄るボク。頭を撫でられ抱きしめられれば更に嬉しくなって顔を舐めては尻尾を振り…。ボクはコロ。飼い主である沙夜のもとへとやってきたのは産まれて間もない頃のことだった。   (2023/9/30 08:08:42)

冬空それから数年、ボクは沙夜と共に姉弟のように育てられ過ごしてきた。彼女が涙を流せば舌で舐めて慰めてやり、泣き止むまでじっとそばで寄り添っていたこともあった。   (2023/9/30 08:09:06)

冬空一緒に遊び、一緒に寝て…仲良しでいつも一緒だったんだ。   (2023/9/30 08:09:20)

冬空そんなある日、いつものように散歩に出かけたボクたち。いつもの散歩コースを歩いていると後ろから車が…。いち早く異変に気づいたボクは彼女を庇うように飛び出し車に轢かれてしまったんだ。   (2023/9/30 08:09:43)

冬空幸いなことに彼女はケガもなく無事だった。泣きながらボクの身体を揺する彼女の横でボクは目を覚ますことはなく意識は遠のいていった…。   (2023/9/30 08:10:00)

冬空ーーーーーー   (2023/9/30 08:10:17)

冬空「ねぇ…起きてよ…」声をかけられ身体を何度も揺さぶられボクはゆっくりと目を開ける。夢の中より少し成長した女性が目の前でボクを見つめている。彼女は紛れもなく沙夜だ。   (2023/9/30 08:10:50)

冬空あぁ…またあの不思議な夢を見たんだ…。なぜそんな不思議な夢を繰り返し見るのかはわからない。当たり前のことだがボクには尻尾はない。この手で抱きしめることもできるんだ。   (2023/9/30 08:11:06)

冬空彼女とはじめて出会ったとき、なぜか懐かしい感じがしたのを覚えている。ずっと昔から一緒にいたような感覚。それは彼女も同じように感じていたらしく自然と一緒に過ごす時間が多くなっていった。   (2023/9/30 08:11:21)

冬空「ねぇ…いつまで寝てるつもり?」なかなか起きようとしないボクに痺れを切らした彼女は少し不機嫌そうである。   (2023/9/30 08:12:20)

冬空「ごめんごめん…起きるよ」そう返事はするものの気怠い身体をすぐには起こさずダラダラとしていた。   (2023/9/30 08:12:39)

冬空「ごめんっていつもそればかり…」軽すぎるボクの返事に少し呆れながら離れようとする彼女。ボクはその手を掴むとベッドへと引き寄せた。   (2023/9/30 08:12:56)

冬空この手を離したくない。君がいないと息もできないくらい不安に襲われるんだ。夢ではなく側に彼女がいる…そう実感させるように黙ったまま抱きしめていた。   (2023/9/30 08:14:42)

冬空🍀   (2023/9/30 08:15:55)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/9/30 08:16:00)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/10/10 19:05:45)

夏海タイトル「森の手」書き出し「深い森の中で目を覚ます。ゴシゴシという音が聞こえてくる。ふと見上げると、木の枝が手のように伸びている」   (2023/10/10 19:05:51)

夏海深い森の中で目を覚ます。ゴシゴシという音が聞こえてくる。ふと見上げると、木の枝が手のように伸びている。   (2023/10/10 19:06:21)

夏海そうだ、私は仕事や人間関係に疲れ切って心の中で何かがプツンと切れてしまい、気がつけば気の身気のままこの樹海を彷徨っていたのだった。   (2023/10/10 19:10:04)

夏海思考がすっかり停止したまま、無意識にあてもなく歩き続けてついに疲れ落ち、そのまま微睡んでいたのだろう。   (2023/10/10 19:11:45)

夏海朝の冷気によって頭も目覚めたようで、すっかり落ち着きを取り戻した私は冷めた思考で現実的な解決を考えていた。   (2023/10/10 19:13:19)

夏海仕事なんて嫌なら辞めれば良い。面倒臭い人間関係はそのまま清算してしまえ。よくよく考えてみると私が自死するだなんて割に合わなすぎる!これまで不遇だった分、もっと楽しい人生を味わっても良いじゃないか。   (2023/10/10 19:16:21)

夏海そう自分に憤慨しつつ、この不気味な森を一刻でも早く抜けようと足早に進もうとした瞬間。身体が急に硬直した。   (2023/10/10 19:18:56)

夏海手のように伸びて見えた木の枝が、四方八方から私の身体に絡みついて来たのだ!「何よこれ!」そう言って振り払おうと枝肉手をかけた瞬間、私の全身が凍りついた。   (2023/10/10 19:20:47)

夏海手のように見えた枝だと思ったものは、枝ではなくまさに人の手だったのだ。それも半ば朽ち果てかけた不浄の忌まわしい手で、   (2023/10/10 19:22:17)

夏海私を取り囲むように伸びて降りてくる沢山の手の上には、幾つもの無念を孕んだ恨めしそうな、この木で縊死した者達の屍が私を誘うように風も無い中、嬉しそうに揺らめいていた。   (2023/10/10 19:25:11)

夏海^ - ^   (2023/10/10 19:25:38)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/10/10 19:25:41)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/10/10 20:10:23)

冬空【お題】人から聞いた話。妙に家賃が安い家に引っ越した日、アパートの階段から海の匂いがしたそうな。   (2023/10/10 20:10:52)

冬空荷物を運び終えると近所への挨拶まわりをしようと部屋を出た。すると階段から海の匂いがした。ここは海も近くないのに。   (2023/10/10 20:11:36)

冬空不思議に思いながら階段に近づくと更に匂いは強くなった。階段に何かが落ちていることに気づき降りていくとそこにあったのは貝殻だった。なんでこんなところに?恐る恐る貝殻に手を伸ばすと波の音が聞こえてくる。   (2023/10/10 20:11:56)

冬空貝殻を持ったまま、音のする方へゆっくり近づく。階段下にある部屋から聞こえていた。その部屋は私の部屋のちょうど真下に当たる。インターホンを押し、家人が出てくるのを待つ。   (2023/10/10 20:12:28)

冬空「はーい」返事と共にドアが開きお婆さんが出てくる。「あの…上の階に引っ越してきた者ですが…」挨拶を交わしながらかすかに海の匂いを感じる。   (2023/10/10 20:13:09)

冬空「あのこれが…」咄嗟に手を差し出すもさっき拾ったはずの貝殻は手の中から消えていた。「あれ?なんで…」代わりに手は海水につけたかのように濡れていた。   (2023/10/10 20:13:40)

冬空なにが起こったのかわからず戸惑っているとお婆さんは話はじめた。「もしかして…アレに触った?このあたりは昔は海だったんだ。不思議なことにこのアパートに引っ越してくると“アレ”が現れるんだ。それに触れると“海の女神”の御加護が受けられるという言い伝えがあるんだよ…」   (2023/10/10 20:16:44)

冬空信じるか信じないかはあなた次第…それを告げると静かにドアを閉められてしまった。   (2023/10/10 20:17:34)

冬空🍀   (2023/10/10 20:17:50)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/10/10 20:17:52)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/10/11 19:23:01)

冬空【17話】   (2023/10/11 19:23:34)

冬空【お題】   (2023/10/11 19:23:42)

冬空『盗んであげる』『スカート』『哀しみ』この中から『スカート』をチョイス   (2023/10/11 19:24:31)

冬空駅に着き電車を降りれば高校へと向かう人々の波にあわせ歩いていく。いつもと変わらない朝の光景である。   (2023/10/11 19:25:06)

冬空その日は気温も下がり肌寒くなってきていた。信号待ちをしていると周りのヒソヒソ声と視線を感じていた。見られているような気がする…気になりつつも私は目の前の歩行者信号が変わるのをただじっと待っていた。   (2023/10/11 19:25:33)

冬空「あの…」ふいに後ろから肩を叩かれ声をかけられたのだ。振り返れば私よりも少し背の高い男性。同じ学校の制服姿である。落ち着かない様子で視線をちらちら動かしながら少し言いづらそうにしていた。   (2023/10/11 19:26:05)

冬空「なにか…?」声をかけてきたものの、なかなか言葉にしない彼を不審に思いながらも問いかける。私達は端にずれて話をしているとやがて信号は青に変わり他の人達は歩きだしていた。   (2023/10/11 19:26:28)

冬空「えっと…それ…」彼は私のスカートを指差しては視線を逸らせていた。「えっ?」意味がわからず首を傾げてはキョロキョロすればスカートの左の裾が斜め掛けの通学用のショルダーバッグによって歩く度に引き上げられていたのだ。それにより左脚の太腿は露わになっていて…。   (2023/10/11 19:28:33)

冬空「ウソでしょ…!?」そのことに気づかされると慌ててスカートを直しながら彼にお礼を告げた。「教えてくれて…ありがとう…」恥ずかしさのあまり、ちゃんと顔も見れずに一言告げれば早足で歩き出した。   (2023/10/11 19:29:26)

冬空「待って!危ない!」その言葉に今度は右腕を掴まれ歩みを止める。目の前を車が走っていく。既に信号は赤に変わっていたのだ。   (2023/10/11 19:29:43)

冬空「あ…ありがとう」私達は渡り損ねて再び青に変わるのを待つ形となった。気まずい空気のまま、顔をあげれば彼と視線が合う。   (2023/10/11 19:30:23)

冬空「二度もありがと…全然気づかなかった…」「いや、もっと早く言えればよかったんだけど周りにいっぱい人もいたし歩きながら声かけれなくて…」他愛ない話をしているうちに信号が変わり私達は歩き出した。   (2023/10/11 19:30:46)

冬空どのあたりからあんな恰好になっていたのか自分では全然気づかなかった。周りのヒソヒソ声や視線はこのことだったのかと思うと恥ずかしくてたまらなかった。速くなる鼓動と共に顔色も変わった出来事であった。   (2023/10/11 19:31:12)

冬空🍀   (2023/10/11 19:31:17)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/10/11 19:31:21)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/10/11 22:11:11)

夏海怖いさんには「今の状況を冷静に考えてみよう」で始まり、「世界は動き出した」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字)以上でお願いします。   (2023/10/11 22:11:20)

夏海【18話】   (2023/10/11 22:11:43)

夏海今の状況を冷静に考えてみよう、と私は一度深呼吸してみる   (2023/10/11 22:12:22)

夏海どうやら私という人間は、周りのごく普通の人達からしてみたら落ち着きがなく、いつも慌しくバタバタとそそっかしく騒がしいキャラらしいのだが   (2023/10/11 22:15:25)

夏海今冷静にこうして考えてみるとなるほど、確かにそうだったなと客観的に肯定せざるを得ない私がいる   (2023/10/11 22:16:29)

夏海そういえば、今のこの雑念も無く悟りを開いた高僧のように、落ち着き払っている事なんてこれまで一度でもあっただろうか?   (2023/10/11 22:18:22)

夏海それも、僅か数秒前までの私と言えば、うっかり寝過ごしてしまい化粧も疎かに髪も振り乱すように、ただ電車を乗り過ごすまいと片手に飲み終えたゼリー飲料を握りしめたまま、ホームへの下り階段も二段飛ばしで駆け降りたところだったのだが   (2023/10/11 22:23:26)

夏海ヒールの踵がタイルの目地に食われ、一気にバランスを崩した私はそのまま快速電車のコクピットに吸い込まれるように、線路上に投げ出される形で飛んでいた   (2023/10/11 22:26:29)

夏海人生の最後にゆっくりと時間が止まり、これまでの事が走馬灯のように流れるとはよく言ったものだ。今まさに、私は止まった時の中で冷静に考えているのだから   (2023/10/11 22:28:29)

夏海この後、自分の人生がどう動くのかなんて口に出すまでもない。今の止まった時間なんて私の断末魔のような一瞬の世界でしかないのだから   (2023/10/11 22:31:37)

夏海ホームから大勢の悲鳴と快速電車の叫びのような警笛が共鳴する中、やはり何事も無くいつもの通り、世界は動き出した   (2023/10/11 22:33:48)

夏海^ - ^   (2023/10/11 22:33:52)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/10/11 22:33:54)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/10/14 09:09:01)

冬空【19話】※17話続編   (2023/10/14 09:10:06)

冬空【お題】『写真』『幽霊』『戸惑い』この中から『写真』をチョイス   (2023/10/14 09:10:52)

冬空やがて正門が見えてきた。登校してきた多くの学生達と共に正門をくぐる。   (2023/10/14 09:11:14)

冬空ところが一緒に歩いてきたはずの彼の姿が見えない。既に学生達に紛れ昇降口へ向かっていったのか?名前くらい聞いておけば良かったなぁ…なんて思いながら靴を履き替えれば教室へと入る。   (2023/10/14 09:11:36)

冬空クラスメートと挨拶を交わせばいつもと変わらない日常。だが少しだけ違うのは先程握られた腕の感覚。彼との記憶は心に刻み込まれていた。   (2023/10/14 09:12:07)

冬空私には不思議な能力がある。他の人には『視えないもの』を感じることができるのだ。次に彼に会えたら写真を撮ってみよう。そうすればはっきりするはず…。   (2023/10/14 09:12:31)

冬空でも答えを知りたくない、そんな気持ちも膨らんでいた。また彼といろんな話をしてみたい。他の人にはわからない、以前からあやかしを相手にしてきた私だけが感じる感覚なのだから。   (2023/10/14 09:12:51)

冬空ある日の放課後、なにかに引き寄せられるように誰もいない空き教室へと足が向かっていた。「あっ…」誰もいない教室なのに感じる気配。   (2023/10/14 09:13:23)

冬空「ここに…いたんだね…」思わず口にする。「また会えたね…」どこからともなく静かに現れる彼。   (2023/10/14 09:13:46)

冬空優しい笑顔を見せる彼に不思議と怖さは感じない。写真を撮って確かめる必要はない。ここに彼がいることが事実なのだから…   (2023/10/14 09:14:03)

冬空🍀   (2023/10/14 09:14:07)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/10/14 09:14:11)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/10/22 20:32:51)

冬空【20話】   (2023/10/22 20:33:09)

冬空【お題】人から聞いた話。夏祭りで賑やかな夜、停まっている車の中で古風な服の子供と出会ったそうな。   (2023/10/22 20:33:38)

冬空その子供と目があうとなぜか懐かしさを感じた。はじめて会ったはずなのにずっと昔から知っていたような、そんな不思議な感覚。   (2023/10/22 20:34:00)

冬空『さーちゃん、海に気をつけてね』   (2023/10/22 20:34:21)

冬空突然頭の中に響く声。その子供の声に聞き覚えがある。昔一緒に遊んだお友達の声によく似ていた。車の中から私を見つめる子供はその時の彼女の姿にそっくりだった。   (2023/10/22 20:34:46)

冬空私の名前はさくら。彼女はいつも『さーちゃん』と呼んでいた。さっきのは彼女の声だ、そう感じていた。   (2023/10/22 20:35:05)

冬空その時、私は手を引っ張られる感覚に下を向いた。「ねぇ、早く行こうよ!」小さな灯籠を手にした子供が私の手を引っ張っていたのだ。「あっ!待って…」再び車の中に視線を戻すも子供の姿は消えていた。   (2023/10/22 20:35:26)

冬空さっきのはなんだったのか?不思議に思いながら目の前の子供の手をぎゅっと握り海へと向かった。この地域では夏祭りが終わると願いを込めた灯籠を流すのが風習となっていた。   (2023/10/22 20:36:02)

冬空海には灯籠を流しに来た人達でごった返している。子供の手をぎゅっと握りはぐれないように気をつけて波打ち際まで進んでいた。   (2023/10/22 20:36:23)

冬空子供が灯籠を流そうとしゃがみ込むとなにかに引っ張られるように前のめりに転ぶのが見えた。慌てて抱き寄せるとしがみついたまま泣き出した。「あのね…手を…引っ張られたの…」子供は怯えたように泣きながらそう言った。   (2023/10/22 20:36:50)

冬空さっきの彼女はこのことを警告しに現れたのだろうか…。   (2023/10/22 20:37:12)

冬空夜空に輝く星を見上げ心の中でお礼と祈りを捧げていた。   (2023/10/22 20:37:39)

冬空🍀   (2023/10/22 20:37:45)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/10/22 20:37:48)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/10/25 13:29:36)

夏海タイトル「枯れ葉の匂い」書き出し「あの場所に足を踏み入れると、不思議な匂いが漂ってきた。「フワッ」という音が聞こえ、目の前に現れたのは頭に葉っぱを乗せた人影だった」   (2023/10/25 13:29:42)

夏海【21話】   (2023/10/25 13:30:07)

夏海その場所に足を踏み入れると、不思議な匂いが漂ってきた   (2023/10/25 13:30:42)

夏海何の匂いだろうか?と周りを見渡そうとした瞬間、フワッと音が聞こえ、目の前に葉っぱを頭に乗せた少年が現れた   (2023/10/25 13:32:43)

夏海「おばちゃん、誰? 何してるの?」   (2023/10/25 13:33:40)

夏海矢継ぎ早に質問を投げかけて来た男の子は、小学五年生くらいだろうか?私に対する質問から恐らく地元の、それもこの山の地主の関係者らしい事を窺わせた   (2023/10/25 13:36:16)

夏海「こんにちは、坊や。おばちゃん、この辺にハツタケというキノコを探しに来たんだけれど、勝手に来てダメだったかしら?」   (2023/10/25 13:38:12)

夏海目をクリクリさせた少年は、なぁんだ!とだけ言うと、ハツタケなら沢山生えている場所知ってるから教えるよ!と、私を軽く手招きをしてはまるで山の主のように軽やかに駆け出した   (2023/10/25 13:40:26)

夏海5分もしないでお目当ての宝を前にした私の目尻は垂れ下がり、少年に熱く何度もお礼を言った   (2023/10/25 13:42:01)

夏海「おばちゃんのお祖父ちゃんがもう残り時間が無くてね。元気な頃は秋になるとこの辺でハツタケヲ沢山とって来たんだけれど最後にもう一度食べたいって言うもんだから。ハツタケなんて自然のもので売ってないからね。」   (2023/10/25 13:44:29)

夏海少年は良かったねー、ここは僕の家の山だから沢山持って行きなよ!と言い、照れながらも一緒に手伝ってくれた   (2023/10/25 13:45:57)

夏海「僕は資産家のお坊ちゃんなんだねー、今度はおばちゃん、松茸もとらせてもらおうかな?」と冗談を言いながら、社会の大人として礼儀を尽くすべく、彼に親御さんの連絡先を尋ねた。勿論、後日改めてお礼に伺うべくだ   (2023/10/25 13:48:14)

夏海ところが、親御さんの話をした途端に、屈託のなかった少年の顔から笑みは消え、眉間に皺を寄せてしまった   (2023/10/25 13:49:11)

夏海「おじいちゃんもお父さんもお母さんも、勉強だの塾だ脳煩くて嫌いなんだ。僕はこうして山で遊びたいのに。」そう吐き捨てると、別れの挨拶も無しに少年は風のように山に消えていった   (2023/10/25 13:50:39)

夏海実家に戻り、念願のハツタケ汁を前に涙して喜んだ祖父は、年が明ける前に逝ってしまった。   (2023/10/25 13:52:56)

夏海年末年始、不幸も多かったのか中々斎場の予定がつかず、変わり果てた祖父は暫くそのまま布団に寝かされていたのだが、私はふとした瞬間、何かを思い出してしまった。   (2023/10/25 13:54:44)

夏海そして嫌な予感を否定したくてスマホで慌ただしく幾項目かを検索したのだが、祈り虚しく私はヘナヘナと床に身体を落とした   (2023/10/25 13:57:11)

夏海あの山の近辺の地主である祖父、両親、男の子の一家四人が、夏の終わりに突然失踪してしまったまま、何の手がかりも無いとの小さな地方記事が、握りしめたスマホの中でぼんやりと光っている   (2023/10/25 13:59:59)

夏海初めて人の死に直面した私が、今祖父の屍を前にはっきり断言出来る事、それは。   (2023/10/25 14:01:22)

夏海山のあの場所で感じた不思議な臭い、それは恐らく、あの少年の祖父と両親のものに違い無かった   (2023/10/25 14:02:56)

夏海^ - ^   (2023/10/25 14:02:59)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/10/25 14:03:01)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/10/31 12:24:50)

冬空【22話】   (2023/10/31 12:25:03)

冬空【お題】「これまで何度さよならを言っただろう」で始まり、「夏が始まる」で終わる物語   (2023/10/31 12:25:38)

冬空これまで何度さよならを言っただろう。   (2023/10/31 12:25:57)

冬空君は帰る時にいつも「さよなら」と言っていた。「さよなら」は別れの言葉じゃなくて再び逢うための約束だから…と。   (2023/10/31 12:26:21)

冬空これまで何度もさよならを交わした。「バイバイ」は嫌い、「さよなら」がいい、そう言って手を振って笑顔を見せていた。   (2023/10/31 12:27:19)

冬空そんな君がある日を境に姿を見せなくなった。病魔に蝕まれ床に伏す時間が長くなったとのことだった。早く元気になってほしくて何度も君のもとへ駆けつけた。   (2023/10/31 12:27:51)

冬空だが病状は一進一退を繰り返していた。強い薬の副作用により意識朦朧とする中、君は手を伸ばして微笑んだ。その手をぎゅっと握ると口元が微かに動いた。「バイバイ…」と。   (2023/10/31 12:28:24)

冬空握った手から力が抜けていくのを感じていた。必死に声をかけ手を握るも反応はない。「なんで…バイバイって言うんだよ…!いつも『さよなら』だっただろ…」溢れる涙と共に崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ。   (2023/10/31 12:28:39)

冬空その後、正式に別れを告げると再び時が動き出した。花を供えると手を合わせて立ち上がる。   (2023/10/31 12:29:00)

冬空「また逢いに来るよ…さよなら」   (2023/10/31 12:29:29)

冬空青空を見上げ、強い日差しに眩しそうに目を細める。暑い夏が始まる。   (2023/10/31 12:29:47)

冬空   (2023/10/31 12:29:50)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/10/31 12:29:54)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/11/1 22:20:26)

夏海『お姫様』『印』『犬』より、印をチョイス   (2023/11/1 22:20:46)

夏海【23話】   (2023/11/1 22:21:05)

夏海コツコツコツコツ・・・ 夕暮れ時に、ボンヤリとして数も少ない街灯も寂しげな住宅地の路地に、足早に歩く女性のヒール音だけが不安げに響く   (2023/11/1 22:23:30)

夏海初めて不穏な空気を感じたのは三ヶ月前   (2023/11/1 22:24:36)

夏海私以外に降りる客など居ない駅のラッチをくぐると、あの、首に不気味な痣を持つ、ニヤけて焦点も合わないような人相の、この男の尾行が始まるのだ   (2023/11/1 22:27:04)

夏海だが今日は幾分心持ちは軽い。何せこのストーカー行為にくたびれた私を励まし、守ってあげるからと支えてくれる彼が今日は遠巻きに私を見守り、何かあれば直ぐに駆けつけて守り、通報をしてくれるからだ   (2023/11/1 22:31:45)

夏海今日はこのまま何事も無く終わりそうだなと、私のアパートが近づいて安堵した時、ストーカー男が何やら一方的な好意を叫びながら駆け寄って来た   (2023/11/1 22:33:58)

夏海男との距離を離したくて、咄嗟に伸ばした手は男の首に偶然かかる。「あっ!」私の驚愕した声に男は一瞬怯んだが、それは私も同じだった   (2023/11/1 22:35:47)

夏海偶然にして手をかけた私の手の形と、男の首の痣がピタリと一致したのだから。   (2023/11/1 22:37:03)

夏海ショックで腰が抜けそうになった時、彼が全力で駆けつけてくれて、この男を引き離してくれたが、男は彼の拘束を振り切って凄い勢いで逃走を試み、そこに運悪く通りかかった車に撥ねられて、私の目の前で人生を閉じた   (2023/11/1 22:39:48)

夏海血だらけの顔には死の恐怖など微塵も感じさせず、それどころか最後にニヤリと笑みを浮かべ、「後で」の言葉だけ残した   (2023/11/1 22:41:37)

夏海それから数年経ち、私を守ってくれる頼もしい彼と人生を共に始め、待望の赤ちゃんを授かったのだが   (2023/11/1 22:43:11)

夏海私の腕の中でニヤけた眼差しで見上げ、首にあの男と同じ痣の印をつけた息子に私は、「後で」と呟いた男の声が生々しく耳に蘇った   (2023/11/1 22:45:21)

夏海^ - ^   (2023/11/1 22:45:27)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/11/1 22:45:30)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/11/6 21:12:16)

夏海『沼』『耳元』『漂う』全部でもどれかでも。   (2023/11/6 21:12:47)

夏海全てを交えて   (2023/11/6 21:13:09)

夏海【24話】   (2023/11/6 21:13:36)

夏海昨日の朝、滅多に無い故郷の本家からの電話に、私は全てを察して有給をとり、久しぶりにこの過疎の森深い田舎へと帰って来た。   (2023/11/6 21:17:20)

夏海もう暦の上では秋だというのにまだ陽光は強く、朝から幾つものローカル線を乗り継いだ事もあるが、地味な黒い装いもあって汗ばんだ私は早くシャワーを浴びたくて足早に改札を出た。   (2023/11/6 21:21:52)

夏海今の季節、夕方5時にもなると何も無いこの辺はかなり暗く、人も街灯も少ない為に急激に寂しさと不気味な空気が漂う。   (2023/11/6 21:23:43)

夏海タクシーもバスも無い為、不安を抱えながら女一人、5キロ程歩かなくてはならないのが恨めしい   (2023/11/6 21:26:18)

夏海素直に歩けば1時間20分くらいだろうか? だがその時、昔本家で遊んでいた時の記憶が蘇り、30分で行けるショートカットの秘密の抜け道を私は思い出した   (2023/11/6 21:29:16)

夏海それは、昼でも暗い森の沼の近くを通るといった余り気分の良いルートでは無かったが、子供だった昔とは違うし、何よりもこの汗を早く流したかった私は、靴が汚れないようにだけ気をつけようと心がけて躊躇無く沼の辺りの方へ足を向けた   (2023/11/6 21:32:33)

夏海興梠や鈴虫の音色を期待して居たのに、気圧なのか天候なのかわからないが、当たり前だった筈のBGMも無くて些か拍子抜けしたが、それ以上に静かな世界が暗闇と相待ってこんなにも怖いものなのかと、近道を少し後悔し始めた   (2023/11/6 21:35:14)

夏海殆ど薄い月明かりに、申し訳程度に沼が見えるといよいよ不気味だ。 大人になってもやはり怖かった。 胸が高鳴り、知らず知らずに早足になっていた   (2023/11/6 21:36:47)

夏海と、その時! 「タスケテ・・・」と耳元に子供の声が聞こえた気がした!   (2023/11/6 21:38:08)

夏海ハッキリではなく、微かに感じる声が余計に背中を凍らせる!   (2023/11/6 21:39:07)

夏海気のせいだ!とやり過ごして歩みを続けると今度は「バシャッ!」と大きな水飛沫の音がハッキリ聞こえた。そして今度は先程より大きく「ダズゲデ・・・・」と耳に突き刺さった。   (2023/11/6 21:42:49)

夏海昔から本家の人達に、この沼では沢山の子供が溺れて死んだと聞かされ、決して近づくな!と何度も戒められた事を思い出した私は後悔に恐怖で泣き叫びながらも全力で走り逃げた   (2023/11/6 21:46:02)

夏海やがて懐かしい本家の灯りが見えても、とっくに息も上がったというのにそれでもまだ私の足は止まらず、尋常では無い様子に家から迎えに出た伯母が抱きしめて、宥めてくれる事で漸く私も安堵して落ち着き始めた   (2023/11/6 21:49:15)

夏海「そんな慌てて、まるでバケモノでも見たように怯えてどうしたの?」背をさすってくれる伯母に私は近道で沼を通って来た事、そして子供の霊に遭った事を話した。すると今度は伯母が急に眉を寄せて、不安な顔で尋ねてきた   (2023/11/6 21:52:34)

おしらせ夏海.さんが入室しました♪  (2023/11/6 22:01:51)

夏海.「実はあんたが来るって聞いて、孫の翔太がお姉ちゃんを迎えに行くって駅へ行ったんだけど会って無いんだよね? まさかとは思うけどあの子、ダメだと言ったのに沼の辺り通って行ったんじゃ無いわよね・・・・・」   (2023/11/6 22:04:54)

夏海.つい先程、沼で私の耳元に響いた声が、数年前に無邪気に懐いて来た従兄弟の男の子の声と重なった瞬間、今度は別の恐怖に私の身体の震えが止まらなくなってしまったのだった。   (2023/11/6 22:09:51)

夏海.^ - ^   (2023/11/6 22:09:58)

おしらせ夏海.さんが退室しました。  (2023/11/6 22:09:59)

おしらせ無言時間が25分を超えたため、夏海さんが自動退室しました。  (2023/11/6 22:17:36)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/11/16 21:08:06)

冬空【お題】『涙』『逃がさない』『なぞる』この中から『逃がさない』『なぞる』をチョイス   (2023/11/16 21:09:56)

冬空【25話】   (2023/11/16 21:10:16)

冬空私は美咲。私には不思議な能力がある。他の人には『視えないもの』を感じることができるのだ。   (2023/11/16 21:10:46)

冬空大学への進学も決まりあとは卒業を待つだけとなった頃のこと。下校の際に感じる視線。ちらっと校舎を振り返れば誰もいない教室に手を振る。彼と出会ってからはいつも帰るときにこうしているのだ。   (2023/11/16 21:11:11)

冬空私は他の人には視えない彼の姿を感じているから。笑顔で見送ってくれる彼の視線を感じながら家路に着く。卒業したらもう彼と会うことはできないのだろうか?その日が近くなるにつれ、いつ聞こうかと思いながらもなかなか聞けずにいた。   (2023/11/16 21:11:31)

冬空そんなある日のこと、いつからなのか後をつけられてるのを感じるようになった。後ろを向いても誰もいない。気のせいなのか、と歩き出せば再びその気配を感じる。目を瞑り意識を集中させると人間ではない怪異がいることに気づく。   (2023/11/16 21:12:01)

冬空私に対して攻撃をしてくるのか?まだそのあたりはわからない。だけど微かに感じる悪意。今の私にはどうすることもできない。彼に相談してみようか、そう思い、翌日下校前に会いに行こうと空き教室へと向かっていた。   (2023/11/16 21:12:22)

冬空『逃がさない…』背後から感じる謎の声。後ろを振り向くと黒い靄のような塊が迫ってくるのが見える。声が頭の中に響いて聞こえる。   (2023/11/16 21:12:39)

冬空「助けて!」怖くなった私は思わず声に出していた。「早くこっちに!」教室の入口ドアをあけ彼が私を手招きする。教室の中に入ると彼が私を庇うように前に立ち手を振りかざすと黒い靄の塊は消えてなくなった。   (2023/11/16 21:13:09)

冬空「間に合ってよかった。これは御守り。絶対に肌身離さずに持ってて!」そう言って彼は勾玉のネックレスを手渡した。   (2023/11/16 21:13:30)

冬空勾玉には魔除け効果がある。ネックレスをつけると身体全体を包む結界のようなものを感じていた。「さっきみたいな危険を感じたらその勾玉を握って念じれば大丈夫だから…。この勾玉には俺の念が込めてある。これがあればどこにいても君のことを守れる…」   (2023/11/16 21:13:52)

冬空視えるだけでなにもできない私は怪異に狙われやすいのだ。いつも身につけてるブレスレットが壊れてしまったから狙われたのだろう。   (2023/11/16 21:14:13)

冬空勾玉をなぞりながら彼の想いを感じ笑顔でお礼を伝えた。これからも一緒にいられる、私から確かめる前に彼が答えをくれたことがなによりも嬉しかった。   (2023/11/16 21:14:29)

冬空   (2023/11/16 21:14:52)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/11/16 21:14:55)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/11/21 20:45:24)

冬空【お題】『怖い』『見上げる』『憐憫』   (2023/11/21 20:46:38)

冬空この中から『怖い』『見上げる』をチョイス   (2023/11/21 20:46:53)

冬空【26話】   (2023/11/21 20:47:11)

冬空あなたは信じられますか?   (2023/11/21 20:47:45)

冬空大切に育ててきた子供が自分の子供ではなかったとしたら…。   (2023/11/21 20:47:57)

冬空巣からはみ出そうなくらいに大きく育った子供。でもまだ成鳥じゃない。   (2023/11/21 20:48:17)

冬空朝から晩まで森の中を餌を探して飛び回る日々。日に日に食欲は増してどれだけ食べさせても「もっと!もっと!…」と餌を欲しがって泣く。親にとって見ればいっぱい食べて大きく成長するのは嬉しいこと。   (2023/11/21 20:48:39)

冬空でもある日、他の巣の様子と見比べておかしいことに気づいた。   (2023/11/21 20:49:49)

冬空他の巣には何羽も子供達がいて賑やかである。それに比べてこの子は明らかに大きい、毛並みも全然違う。他の鳥の托卵だ。そう、この子は私の子供じゃない。   (2023/11/21 20:50:17)

冬空卵もいくつか産んだはずなのに育っているのはこの子だけ。じゃあ他の子はどこに?餌を探しに巣を離れている間にこの子が他の子達を巣から落として殺していたのだ。   (2023/11/21 20:50:40)

冬空今更そうわかっても私にはどうすることもできない。殺された子供達は戻ってこない。この子だって自分が生きていく為にそうするしかなかったのだから。それが托卵されたこの子の習性であるのだ。   (2023/11/21 20:50:58)

冬空この子が怖い。でも今はこの子が成長して巣立っていくまで育てるしかない。餌を欲しがって私を何度も見上げては泣くのだ。そんな我が子のために今日も森の中をクタクタになるまで飛び回るのだった。   (2023/11/21 20:51:16)

冬空   (2023/11/21 20:51:19)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/11/21 20:51:22)

おしらせ夏海さんが入室しました♪  (2023/11/25 05:50:54)

夏海さんには「恋って偉大だ」で始まり、「満足そうな顔で頷いた」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば8ツイート(1120字程度)でお願いします。   (2023/11/25 05:51:00)

夏海恋って偉大だ。大人しくて人見知りだと、会った人全てが判定したこの私だけれど   (2023/11/25 05:52:58)

夏海これまでの私だったら到底想像もつかない、絶対に出来なかったような事でも恋の炎が燃え上がり、勇気を出して最初の一歩を踏み越えると後は勢いのまま、一切記憶が追いつかない勢いで突っ走ってしまえた。   (2023/11/25 05:56:45)

夏海子供の頃の初恋以来、心奪われる度にその分だけ夢から辛く悲しい現実に突き落とされ、暗い性格と華のない雰囲気、何よりも地味で「ブス」という二つ名を与えられる容姿から、例え胸に火が灯されても決して相手や周りから悟られまいと心は貝のように一層暗く海の底に沈ませた。   (2023/11/25 06:02:28)

夏海しかし彼と出会った途端、そんな押し殺して隠した筈の私の心は最も簡単に鍵を壊され、周りからも彼が近くに来る度に変化するらしい私の些細な点を突かれては「瑠璃さん、健さんの事好きなんでしょ?」と冷やかされるようになってしまった。   (2023/11/25 06:08:06)

夏海会った時から健さんが私に全く興味無さそうなのはわかっていた。だから私も極力意識から彼を外していた筈なのに、今回ばかりは抑えきれない恋の情念に、胸の炎を消す事は出来なかった。   (2023/11/25 06:10:36)

夏海人間、開き直りと強いものだ。   (2023/11/25 06:11:16)

夏海絶対に実る筈の無い彼への愛を恋の力が私を後押しして勇気を与え叶えてくれた。   (2023/11/25 06:14:57)

夏海想いを遂げた私から、彼が離れ去る事は無いだろう。赤く染まった私の腕全体で彼の頭を包み込むように抱きしめ不要になった残りを見つめると、   (2023/11/25 06:20:10)

夏海必要な工具や合理的な調理法、これからの食事のメニューが決まって満足そうな顔で頷いた。   (2023/11/25 06:23:02)

夏海^ - ^   (2023/11/25 06:23:07)

おしらせ夏海さんが退室しました。  (2023/11/25 06:23:09)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/11/26 15:20:50)

冬空【28話】   (2023/11/26 15:21:15)

冬空【お題】「恋って偉大だ」で始まり、「満足そうな顔で頷いた」で終わる物語(下と同じお題にて)   (2023/11/26 15:22:37)

冬空恋って偉大だ…。ちょっとしたきっかけで相手の心を動かしてしまうのだから。   (2023/11/26 15:22:56)

冬空最近の友達との話題といえば専ら恋バナばかりだ。彼ができたの、好きな人がいるだの…そういう話ばかり。恋をすると人は変わってしまうのだろうか。常に相手のことが気になり考えてしまうのは理解に容易いことなのだが。   (2023/11/26 15:23:13)

冬空そんなある日のこと、突然知らない男性からの呼び出しで「好きだ」と告白された。突然の告白に驚いたものの、相手のことをよく知らないからなんと返事をするべきなのか躊躇った。   (2023/11/26 15:23:33)

冬空「ありがとう。でも私はあなたのことをなにも知らないから…」そう返事をして踵を返した。すると背中越しに彼の声が聞こえた。「俺は君のこと、なんでも知ってるよ」その言葉に気味悪さを感じながら振り向きもせず足早に立ち去った。   (2023/11/26 15:23:57)

冬空怖くなった私はすぐさま仲のいい友達にこのことを相談した。「あー、その人なら知ってるよ?いろんな女の子に声をかけてるみたい。優しくていい人らしいけど…。知り合いの女の子は多いから気をつけた方がいいかも。」   (2023/11/26 15:24:21)

冬空その話を聞いてから彼に対して警戒するようになっていた。「ねぇ、一緒にご飯行こうよ?」「今度の休みに遊びに行かない?」あの告白されたあとから顔を合わせるたびにしつこく誘われるようになった。   (2023/11/26 15:24:46)

冬空あまりにもしつこいため、一度くらいならご飯食べに行くのもいいかなと気持ちが揺らぎ始めていた。「ご飯くらいなら…いいよ」彼のしつこさに根負けした私は渋々誘いを受けることにした。   (2023/11/26 15:25:05)

冬空「ほんと?やったー!」まるで子供のように両手をあげ喜ぶ姿に思わず笑ってしまった。こうして一緒に食事に行くことになった。彼と過ごす時間は楽しかった。   (2023/11/26 15:25:21)

冬空それから何度か食事したり出かけるようになっていた。一緒に過ごすうちに少しずつ彼のことが気になりはじめた頃、彼が男友達と楽しげに笑いながら話してるのを偶然聞いてしまった。「もう少しで落とせる…そしたら俺の勝ちだな」   (2023/11/26 15:25:39)

冬空なんだ、やっぱりそういうことだったのか。彼の優しさに心動かされていたことに少し呆れながらも偶然を装い彼の前に出た。   (2023/11/26 15:25:55)

冬空「あなたは私のこと、なにもわかってなかったのね。落とせなくて残念だったわね…私の勝ちね」   (2023/11/26 15:26:15)

冬空驚いて言葉を失った彼に満足そうな顔で頷くと前を向き歩き出した。   (2023/11/26 15:27:46)

冬空   (2023/11/26 15:27:51)

おしらせ冬空さんが退室しました。  (2023/11/26 15:27:56)

おしらせ冬空さんが入室しました♪  (2023/12/3 07:22:19)

冬空【29話】   (2023/12/3 07:22:41)

冬空【お題】『背中』『ニヤリ』『触る』全部でもどれかでも。全てを使って…   (2023/12/3 07:23:23)

冬空駅から家までの帰り道を歩いていると背中への視線を感じる。思わず早足になればあわせるようについてくる。今まではこんなことなかった。後をつけられているような気がする。誰なのかはわからない。   (2023/12/3 07:23:55)

2023年09月16日 05時19分 ~ 2023年12月03日 07時23分 の過去ログ
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