「ショートストーリー♪」の過去ログ
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2023年01月21日 00時10分 ~ 2024年01月06日 13時29分 の過去ログ
過去ログでは上から下の方向に発言を表示しています
伊丹空港 ◆ | > | ふわっと湯気がたった(冷やし)中華である。具材は錦糸卵、千切りのハム、鶏ささみのフレーク、あと刻んだ奈良漬がのっている。この塩梅はたしかに冷やし中華だ。しかし、鶏ささみのフレークと奈良漬が独特な雰囲気を醸し出している。スープを一口すする。ごまの風味を求めたが、鶏系のいい出汁が口いっぱいに広がる。「うん、わるくない。」でもどこかで感じたことのある味覚だ。なんだろう。わかった、奄美の郷土料理、鶏飯だ。メシの代わりに中華麺なのか。これはこれでいける。うまい。こりこりと奈良漬がいい仕事をしている。女将に、「これは奈良漬?うまいですね。」と言った。女将が応える前に大将が目を閉じて、「さよう」とひとこと言った。さようならは言わなかった。 (2023/1/21 00:10:00) |
伊丹空港 ◆ | > | 続けて🅰️ (2023/1/21 00:10:22) |
伊丹空港 ◆ | > | 音もなくほどけた麺の舌触りもいい。喉越しも悪くない。ズルズルとすする。これに鶏出汁のスープ、鶏のささみと奈良漬の食感が楽しい。これはきっと冷えてもうまい。俺は少し調子乗った。メニューをもう一度見直す。茄子と豚肉の豆板焼というのが目に入った。女将に、「追加でこれを。」と指した。大将はまた、「あいよっ」といって、今度はホールからごま油の香ばしい匂いを漂わせた。これも程なくして白皿にこんもり盛られた茄子と豚肉の豆板焼が来た。とろみのある豆板醤のソースに玉ねぎ、ピーマン、そして茄子と豚こまが熱々だ。季節外れの冷やし中華のあっさりした味わいと、いかにも中華な豆板焼のコントラストが食欲をそそる。照りがまたいい。シャキシャキのピーマンとくたくたの茄子を同時に頬張る。うまい。めしがすすみそうだ。夏野菜の茄子、ピーマン、それに冷やし中華だ。俺の口の中では既に「夏が始まる」。【井之頭五郎著:路地裏食堂より抜粋】 (2023/1/21 00:21:09) |
伊丹空港 ◆ | > | ども( ꈍөꈍ) (2023/1/21 00:21:23) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが退室しました。 (2023/1/21 00:21:25) |
おしらせ | > | 歩美さんが入室しました♪ (2023/1/21 09:22:27) |
歩美 | > | 【ゴルディオスの結び目】 (2023/1/21 09:22:45) |
歩美 | > | 音もなくほどけた、なんてことはない。男と女の別れ話よ。もつれにもつれた感情の糸は、するりとあっけなくほどける訳はない。 (2023/1/21 09:23:53) |
歩美 | > | 笑顔で手を振ってバイバイ・・・ないない、ないない!! 振り返って去ってゆく背中に、石でも投げつけてやれ! (2023/1/21 09:24:08) |
歩美 | > | 「嫌いになった訳じゃないんだ」「うん」心の声『私は嫌いになったんだけどね』 (2023/1/21 09:24:22) |
歩美 | > | 「二人だけの関係じゃなくさ、いろんなしがらみもあるしさ」「あったね」心の声『ノミシラミ?なんだそれ!?』 (2023/1/21 09:24:35) |
歩美 | > | 「今まで、腐れ縁っていうか・・・」「そうだね」心の声『とっくに腐ってたよ』 (2023/1/21 09:24:47) |
歩美 | > | 「いやな思いはさせたくなくてさ」「だいじょうぶ」 (2023/1/21 09:25:45) |
歩美 | > | 心の声『私がお前に、いやな思いをさせてやるよ』 (2023/1/21 09:25:58) |
歩美 | > | 「やり直せないかなって、何度も考えたんだけどさ」「わかってる」心の声『ほんと未練たらしい奴だなあ』 (2023/1/21 09:26:18) |
歩美 | > | 「幸せになってほしいと思ってる」「ありがと」心の声『お前は不幸になりやがれってんだ』 (2023/1/21 09:26:43) |
歩美 | > | 「元気でな」「あなたもね」心の声『じゃあな!クソ野郎!!』 (2023/1/21 09:26:56) |
歩美 | > | もつれた結び目はほどくんじゃなく、バッサリと切って捨てるのが一番。ぐずぐずと引きずる女々しいクズ野郎なんてとっとと忘れて、新しい恋を探しにさ!・・・夏が始まる。 (2023/1/21 09:27:14) |
おしらせ | > | 歩美さんが退室しました。 (2023/1/21 09:27:29) |
おしらせ | > | ・さんが入室しました♪ (2023/1/23 12:05:31) |
・ | > | 🅰️「音もなくほどけた」で始まり、「夏が始まる」で終わる物語を書きます。 (2023/1/23 12:06:08) |
・ | > | 『沙耶の呟き』 (2023/1/23 12:06:48) |
・ | > | 音もなくほどけたのは沙耶が編んだシロツメクサの花の冠だった。 (2023/1/23 12:07:03) |
・ | > | 「折角上手に編んでくれたのになぁ〜」澪が拗ねた子供のような顔をして唇をすぼめた。 (2023/1/23 12:07:34) |
・ | > | 同性の沙耶から見ても澪は確かに可愛らしい。澪の愛嬌ある個性はクラスの皆から愛されていた。けれど本人はそれに気づいていないようだった。 (2023/1/23 12:08:19) |
・ | > | その生まれっぱなしのようなキャラクターに沙耶はささやかに内心嫉妬していた。 (2023/1/23 12:08:45) |
・ | > | 澪と比べ、誰にも気取られてはいないが、沙耶は自分の心は屈折していると思っていた。 (2023/1/23 12:09:21) |
・ | > | 国立大の幼稚舎から中等部、そして、そのまま女子大の頂点と言われる大学まで行くはずだった沙耶だが、高校から澪と同じ、ただ歴史が旧いだけの私立の女子校に転校してきたのだった。 (2023/1/23 12:10:04) |
・ | > | 当然の事ながら、沙耶は皆から悪意なき好奇の眼に晒された。模試では皆より遙かに高いレベルにいた彼女は、皆からよそよそしい人と決めつけられていた。 (2023/1/23 12:10:31) |
・ | > | けれど澪だけは他の生徒たちと違っていた。出会った瞬間からなんの先入観も持たず古い友達のようだった。 (2023/1/23 12:12:24) |
・ | > | 悪い表現で『土足で踏み入る』という言葉があるが、沙耶から見た澪は素足で踏み込んでくると言えばいいのだろうか、粉々に砕け散ったガラスの欠片の上をいとも幸せそうに笑いながら素足で駆けてくる姿が浮かぶのだった。 (2023/1/23 12:13:40) |
・ | > | 前世で何か縁があったのかと思うほど、沙耶は澪との二人の時間に既視感を抱かされた。 (2023/1/23 12:14:23) |
・ | > | 生まれる前の遠い昔、同じ光景を誰かと見ていた。その相手は澪なのじゃないか?そんな錯覚をしてしまうほど今現在この瞬間が懐かしく思えてしまうのだった。 (2023/1/23 12:16:02) |
・ | > | いつの頃からだろう、沙耶は気がつくと彼女の姿を追っている自分に気づいた。 (2023/1/23 12:16:44) |
・ | > | 女子校と言えども、自分は同性に向けて疑似恋愛に陥るような人間じゃない。そう思っていた。 (2023/1/23 12:17:22) |
・ | > | なのに、彼女を思う時、切なくなる。それが何故なのかわからず溜息が零れる時があった。 (2023/1/23 12:17:40) |
・ | > | 「貸してっ。大丈夫。直せるから…って、さっきあなた『こんなの頭に乗せるの恥ずかしい!』って言ってたじゃない?」沙耶が軽くなじると「一度こういうことしてみたかったっ!」澪は屈託なく笑った。 (2023/1/23 12:18:41) |
・ | > | 沙耶は冠の解けた部分を直して澪の頭に乗せた。 (2023/1/23 12:19:25) |
・ | > | 「ちょっとちょっと!写真撮ろっ。こんなのマンガの中か大昔の映画でしか見ないもんね?」カメラを向けられるのが大嫌いな澪が自撮りを提案した。 (2023/1/23 12:19:59) |
・ | > | 里見公園から江戸川沿いを歩き国府台の駅が見えたところで沙耶は花の冠をそっと外した。 (2023/1/23 12:20:17) |
・ | > | 澪はそれを見て「そうだ!コレ!頭に乗せたまま帰ろうよ!」と言って目を輝かせた。「え?すごいやだ。わぁやだ。痛いバカな子みたいにしか見えないよ?あなただけやりなさいよ」「でも思い出に残るよっ!」 (2023/1/23 12:22:14) |
・ | > | 果たして、電車の座席に腰掛けた沙耶は頭に花の冠を乗せたまま正面を見ずに連結器の方を向いていた。 (2023/1/23 12:22:46) |
・ | > | 誰とも目を合わせたくなかった。澪が「ねぇねぇ?みんな見てるよ?チラ見してるよ」と笑いながら耳元で囁いた。 (2023/1/23 12:23:06) |
・ | > | 沙耶はただただ恥ずかしいので俯いて「当たり前でしょ!変な人と思われてるのよっ」と返した。 (2023/1/23 12:23:36) |
・ | > | しばらくすると澪は沙耶の肩にもたれて眠ってしまった。 (2023/1/23 12:25:43) |
・ | > | 鼻先に天然の植物の匂いとヘアフレグランスの香りが混じって仄かに漂ってきて沙耶は溜息をついた。 (2023/1/23 12:26:24) |
・ | > | 正面を向くと老夫婦がにこにこと微笑んでいた。 (2023/1/23 12:26:49) |
・ | > | 老婆が「あなたたち、それ」と頭の上のシロツメクサの冠を指さして「とてもよくお似合いよ。ねぇ?」と隣の老紳士に同意を求めた。 (2023/1/23 12:27:16) |
・ | > | 「あぁ…」「あ〜、遠い昔からやって来たようだねぇ」老人は笑い、深い皺が増えた。 (2023/1/23 12:28:21) |
・ | > | 沙耶はいてもたってもいられない羞恥心が込み上げてきた。そして、羞恥心と共に罪悪感も込み上げてきた。 (2023/1/23 12:28:39) |
・ | > | 去年のクリスマスの前日、澪が沙耶の家に遊びに来た時のことだ。 (2023/1/23 12:28:59) |
・ | > | 偶然居合わせた沙耶の兄の友人 島津和哉と出会った澪は秘かに彼に好意を持った。 (2023/1/23 12:29:22) |
・ | > | 和哉もまた一瞬にして澪が気になって仕方なかった。 (2023/1/23 12:29:42) |
・ | > | 沙耶はそんな二人の気持ちを知っていたのにも関わらず、今も何処からそのような勇気が湧いたのか自分にもわからないのだが、或る雪の日の夜、自分にとって極めて狡い方法で彼と男女の関係になっていた。 (2023/1/23 12:31:09) |
・ | > | 去年の十二月、悪ふざけの延長で澪から初めてのキスを奪い、 (2023/1/23 12:31:54) |
・ | > | 沙耶は初体験で澪から津島を奪ったのだった。 (2023/1/23 12:32:20) |
・ | > | 自分にも理解し難い感情で今年の一月に澪から憧れの人を奪ってしまったのだった。 (2023/1/23 12:32:41) |
・ | > | 沙耶は自分のデタラメな行動は未成熟な心のせいなのだと思った。けれど、そんな言い訳が人を傷つけていい理由にはならないこともわかっていた。 (2023/1/23 12:33:37) |
・ | > | 沙耶の未成熟な魂は澪と島津和哉、双方に傾き引き裂かれそうだった。時が解決するという言葉があるが、時間はサイコロをどの目に振るのかわからない。 (2023/1/23 12:34:32) |
・ | > | 沙耶が顔を上げると、老夫婦の肩越し、車窓から見える雲は五月だと云うのに入道雲だった。 (2023/1/23 12:35:19) |
・ | > | 沙耶は眠っていて聞こえるはずのない澪に向かって呟いた。 (2023/1/23 12:35:37) |
・ | > | 「澪っ…澪?夏が始まるよ。」 (2023/1/23 12:36:26) |
・ | > | 〜おしまい〜 (2023/1/23 12:36:36) |
・ | > | 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 (2023/1/23 12:36:50) |
おしらせ | > | ・さんが退室しました。 (2023/1/23 12:36:57) |
おしらせ | > | キャンドルジュソさんが入室しました♪ (2023/7/1 05:38:57) |
キャンドルジュソ | > | 🅰️「大切なものをなくしました」で始まり、「どんな夜も生きていける」で終わる物語を書いて欲しいです。 (2023/7/1 05:39:04) |
キャンドルジュソ | > | (2023/7/1 05:39:16) |
キャンドルジュソ | > | 「うちは大切なもん無くしてしもうたんよ」 (2023/7/1 05:41:07) |
キャンドルジュソ | > | 寂しげな目を無理に隠そうと歪に無理やり口角を上げた作り笑顔に、彼女にとってそれがどれだけ大切な物だったのかが推し量れた (2023/7/1 05:45:52) |
キャンドルジュソ | > | やや混雑しているバスの中で、幼稚園くらいだろうか?普通なら親か同伴の大人達から自由奔放に好奇心全開で暴れ回る小さな台風をそうはさせじと手を固く繋がれるようなものを (2023/7/1 05:51:40) |
キャンドルジュソ | > | 私の目に映ったこの男の子は、誰が見ても神から福音を得た事がわかる母親の新たな心臓を守るかのように労り、温もりを愛でるように優しい丸に手を添えて周りの障害を牽制していたのだ (2023/7/1 05:56:57) |
キャンドルジュソ | > | その微笑ましさについ惹かれて、周りの無関心な障害物達に気をつけつつ若い母親の元へ近づいて声をかけてみた (2023/7/1 05:59:41) |
キャンドルジュソ | > | 「あらあら、この小さい紳士はお母さんの騎士になって守って偉いのねー^ - ^」 (2023/7/1 06:02:39) |
キャンドルジュソ | > | 見ず知らずの初老女に突然話しかけられた母親は、その鋭そうなきつい目を一瞬丸くした後、ニッコリと軽く会釈を返してくれた (2023/7/1 06:05:17) |
キャンドルジュソ | > | 「弟さんかな?妹さんかな?お兄ちゃんになるのねー」と小さな紳士に向けた会話のきっかけの台詞に、隣の母親がまんまと釣られる (2023/7/1 06:09:47) |
キャンドルジュソ | > | 「先に知りたく無いけん先生から聞いちょらんけど、きっと女の子じゃ。絶対間違い無い思います。」そう言いながら、愛おしそうな視線と手が天使の巣へと流れた (2023/7/1 06:14:24) |
キャンドルジュソ | > | 「お兄ちゃん居るから、次は女の子も良いわねー」軽い相槌のつもりで他意もなく口から出た言葉に、何の脈絡も無く件の台詞が耳に入ったのだった (2023/7/1 06:17:54) |
キャンドルジュソ | > | 「あれからほんまに辛うて夜も眠れんかったけど、その無くしてしもうた大切な人がよう言ってくれんさったんよ、悪い事起きてもその分きっとええ事かえって来るもんなんじゃて」 (2023/7/1 06:21:49) |
キャンドルジュソ | > | バスはいつのまにか私の目的地に近づいていたので、この広島弁の親子との偶然の邂逅を惜しみつつ別れの挨拶をする私に (2023/7/1 06:24:30) |
キャンドルジュソ | > | 今度は作り笑顔ではなく、強い意志と自慢に満ちた母親がこう言った (2023/7/1 06:25:36) |
キャンドルジュソ | > | 「じゃけ、もう時期その分おっきい幸せがやって来るんよ!じゃけ!もうどんな淋しゅうなる夜でも明るく生きて行けるんよ!」 (2023/7/1 06:28:07) |
キャンドルジュソ | > | (2023/7/1 06:28:15) |
キャンドルジュソ | > | (2023/7/1 06:28:17) |
キャンドルジュソ | > | 🅱️「私は晴れの日が嫌いだった」で始まり、「いつもそこには君がいた」で終わる物語を書いて欲しいです。 (2023/7/1 06:29:08) |
キャンドルジュソ | > | うちは、晴れの日はよう好かんかった (2023/7/1 06:29:42) |
キャンドルジュソ | > | 恐らく記憶残る人生で最初の晴れの日の七五三でも子供じゃけ、借りもんの晴れ着汚してよう親から怒られましての (2023/7/1 06:31:28) |
キャンドルジュソ | > | 運動得意じゃけ、体育祭では唯一うちが自慢出来る晴れの舞台の筈が (2023/7/1 06:33:10) |
キャンドルジュソ | > | 親の転勤で移った先にうちより足も早うて運動出来る鼻につくライバル居って、うちの出番潰しよったんよ (2023/7/1 06:34:50) |
キャンドルジュソ | > | そのライバルは運動だけじゃのうて勉強も出来るけんほんまイラついたんじゃが (2023/7/1 06:37:58) |
キャンドルジュソ | > | ほんまええ人じゃけ、直ぐ仲ようなってうちの一番大事なマブダチなったんよ (2023/7/1 06:39:43) |
キャンドルジュソ | > | あれから20年過ぎてあんたとはもう会う事出来んようなったけど、この前息子ともう一人、あんたと同じ名前貰うた娘連れて懐かしい学校訪ねて来たんじゃが (2023/7/1 06:43:35) |
キャンドルジュソ | > | 何十年経ってもうちが居た席についてあんたの席の方見たら (2023/7/1 06:45:00) |
キャンドルジュソ | > | いつでもそこに、あの眩しい笑顔のあんたが居ったんよ。 (2023/7/1 06:45:51) |
キャンドルジュソ | > | (2023/7/1 06:45:53) |
キャンドルジュソ | > | (2023/7/1 06:45:56) |
キャンドルジュソ | > | 3人のM に捧ぐ (2023/7/1 06:47:00) |
キャンドルジュソ | > | (2023/7/1 06:47:02) |
キャンドルジュソ | > | (2023/7/1 06:47:04) |
おしらせ | > | キャンドルジュソさんが退室しました。 (2023/7/1 06:47:13) |
おしらせ | > | 部屋主 ◆kotone/IERZgさんが入室しました♪ (2023/7/2 09:10:30) |
部屋主 ◆ | > | おはようございます (2023/7/2 09:10:51) |
部屋主 ◆ | > | お題を変更して直ぐの投稿ありがとうございました。 (2023/7/2 09:11:15) |
部屋主 ◆ | > | 呪詛…ひっ!💦人づてに聞いた話しによると、ジュソさんのショートストーリーのモデルになったお方は、念願の女の子の赤ちゃんに、敬慕してやまぬ親友の名前をつけたとのことです。 (2023/7/2 09:13:47) |
部屋主 ◆ | > | 心温まるお話しをありがとうございました。さてさて次はどんなお話しが訪ねてくるのでしょう。次のショートストーリーをお待ちしております。 (2023/7/2 09:17:09) |
部屋主 ◆ | > | 毎日暑い日が続いております皆様方におかれましてはお身体ご自愛くださいませ。 (2023/7/2 09:17:50) |
おしらせ | > | 部屋主 ◆kotone/IERZgさんが退室しました。 (2023/7/2 09:17:58) |
おしらせ | > | ・さんが入室しました♪ (2023/7/13 09:07:10) |
・ | > | 「私は晴れの日が嫌いだった」で始まり、「いつもそこには君がいた」で終わる物語を書いて欲しいです。 (2023/7/13 09:07:48) |
・ | > | 『門脇君』作ことね (2023/7/13 09:08:09) |
・ | > | 私は晴れの日が嫌いだった。 (2023/7/13 09:08:52) |
・ | > | 決してひねくれていたわけではなく、本当に雨の日のほうが好きだった。けれど、大人になってみるとそれは少女じみたロマンティシズムだったのかもしれないと思う。 (2023/7/13 09:09:21) |
・ | > | 部屋の中から眺めている分には雨はロマンチックだった。けれど、何度か冷たい雨に打たれてみると晴れ間の空のありがたみがわかってきた。 (2023/7/13 09:09:42) |
・ | > | 雨が好きなのは部屋の中にいてこそだった。 (2023/7/13 09:09:57) |
・ | > | 今から16年前の真冬の冷たい雨の降る日、私は生まれて初めてアルバイトを始めた。 (2023/7/13 09:10:14) |
・ | > | 子供の頃からお世話になっていた蜷川書店のおばさんに「あなたあなた、うちでアルバイトしない?」そう声を掛けられて親に相談してバイトすることに決めた。 (2023/7/13 09:10:44) |
・ | > | レジは1階にあって、店内清掃や片付けや品出しはしたものの、私はほとんど2階の小さな受付用デスクのような所に腰掛けているだけだった。1階はほとんどが雑誌で2階は文庫本と文芸書が主だった。 (2023/7/13 09:11:23) |
・ | > | 今思えば万引き防止の為の番犬代わりだったのだと思う。 (2023/7/13 09:11:40) |
・ | > | バイトを始めて年が明けると19時頃頻繁に門脇君が訪ねてくるようになった。 (2023/7/13 09:12:05) |
・ | > | 門脇君は同じ小学校の同級生で、ひょうきんな子供だった。 (2023/7/13 09:12:22) |
・ | > | 小5のバレンタインデーの1週間前、「ありがたく受けとって!バレンタインチョコの受け付け整理券だから」と言われてメモを渡された。見てみると『001』と書かれていた。001ということは100人に配るつもりなのだろうか。「ありがと」と受け取ると「ツッコめよ!」と怒鳴なられた。 (2023/7/13 09:13:02) |
・ | > | 私はその日からしばらくの間皆から『ゼロゼロワン』と呼ばれるようになった。 (2023/7/13 09:13:20) |
・ | > | 小6年の時は「これはありがたい血統書付きの犬なのだけれどリコピンにあげよう!いや!貰いなさい!」と言われて雑種の子犬を渡された。 (2023/7/13 09:13:53) |
・ | > | ※私の名前が莉子なのであだ名がリコピンでした。 (2023/7/13 09:14:17) |
・ | > | 「わぁ嬉しい。ありがとう!」そう言うと門脇君は「え?ホント?棒読みだけど、それホントに喜んでるの?飼ってくれるの?反応がわかりづらいんだけど」と戸惑っていた。 (2023/7/13 09:14:52) |
・ | > | 古びたマンションに住んでいた彼は犬が飼いたくて仕方なかったので私に押し付けたらしく、よく遊びに来ては子犬と散歩していた。 (2023/7/13 09:15:22) |
・ | > | 「リコピン!リコピン!リコピンのじいちゃんのセンス凄いよな。今どき犬にポチなんて名前付ける?」門脇君は子犬を抱きながら屈託なく笑っていた。 (2023/7/13 09:16:00) |
・ | > | 「だって、おじいちゃんは昔から犬の名前はポチと決まってるんだって言うし…」そう言うと門脇君は大笑いした後「ちきしょー、リコピンに笑わされるとは思わなかった。悔しいな」としょげていた。 (2023/7/13 09:16:25) |
・ | > | その門脇君がゆるい天然パーマを長く伸ばした背の高い青年に変わっていた。 (2023/7/13 09:16:55) |
・ | > | 彼は大学に通いながら冠婚葬祭や開店祝いの花環を作るバイトをしていて、蜷川書店に来る度に開店祝いの花環のパーツだろうか、紙で出来ためでたそうな矢羽根みたいなものを持ってきた。 (2023/7/13 09:17:27) |
・ | > | 「これをあげよう!壁に貼るとオシャレなインテリアになるんだよ?」見かけは変わったけれど、中身はやっぱり門脇君だった。 (2023/7/13 09:17:44) |
・ | > | 「いつもありがとう」と受け取ると「あのぉ…フツー『これの何処がオシャレなのよ!』とかツッコミ入れない?そぉ?入れないのね…」と自己完結して帰って行った。 (2023/7/13 09:18:06) |
・ | > | いつもクラスの笑いの中心にいた門脇君は私の微温的な反応の仕方が悔しいようだった。 (2023/7/13 09:18:51) |
・ | > | 私は小さい頃からいつも心配事があった。両親の不仲であったり家族の病気であったり、私は誰に対しても心を閉ざしていたのかもしれない。 (2023/7/13 09:19:15) |
・ | > | 短大の夏休みの或る日、門脇君が血相を変えて蜷川書店の2階にやってきた。 (2023/7/13 09:19:42) |
・ | > | 「リコピン!細川さん死んじゃったよ!」 (2023/7/13 09:19:56) |
・ | > | その年、携帯電話にCD音源を取り込めるようになって、私は書店の2階で椅子に腰掛けて音楽ばかり聴いていた。 (2023/7/13 09:20:15) |
・ | > | イヤホンを外すと「ナッちゃん死んじゃったよ!」そう言い門脇君は大きな拳で目の当たりを擦った。 (2023/7/13 09:20:43) |
・ | > | ナッちゃん、細川奈津子は私の幼なじみで、彼女の母親は私たちの小学校の音楽の先生をしていた。 (2023/7/13 09:20:59) |
・ | > | 携帯に夥しい着信があった事を私は気づかなかった。 (2023/7/13 09:21:14) |
・ | > | 「リコピン!なんで電話に出ないんだよっ!」 (2023/7/13 09:21:30) |
・ | > | 門脇君が悔しそうに呟くと私の手を引いて階段を降り、書店のおばさんに「おばさん!おばさん!僕達の、僕達の友達が死んじゃったんです。麻生さん、帰らせて!」と言って外に出ると自転車に跨って「後ろ!後ろ!」と私を急かした。 (2023/7/13 09:22:03) |
・ | > | 二人乗りでしばらく走ると金属音がして自転車が止まった。チェーンが外れたらしい。門脇君は舌打ちした。「俺….俺ってカッコ悪いなぁ…」二人は現実感を持てず夢遊病者のように自転車を転がして歩いた。 (2023/7/13 09:22:31) |
・ | > | 奈津子の家に近づくと門の前に仁科沙智が待っていた。沙智も幼なじみの一人で、私たち奈津子は音大、沙智はアパレル系の専門学校、私は短大と進学先は変わったけれど友情は変わらなかった。門脇君もその仲間に入れていいのかもしれない。 (2023/7/13 09:23:50) |
・ | > | 奈津子の母親、細川先生はよほど泣き明かしたのだろう。紅涙という言葉が浮かんだ。頭を深々と下げると「来てくれてありがとうね。仁科さん、門脇君、小泉さん、うちの子と友達でいてくれてありがとうね。明日もお通夜で会えるけど今夜も会ってあげて」と言った。 (2023/7/13 09:24:25) |
・ | > | 二間続きの和室に通されると家族や親戚や恐らくは音大の友人らしき人達がいた。 (2023/7/13 09:24:52) |
・ | > | 棺の中の奈津子は見た者の時間を止めてしまう圧倒的な美しさだった。 (2023/7/13 09:25:08) |
・ | > | 今思い返しても不思議でならないのだが、私はどうしても奈津子の死をすぐさま現実として受け止められなかった。それ故にドラマや漫画のようにいきなり号泣することもなかった。 (2023/7/13 09:25:58) |
・ | > | 小学生の時から泣き虫で有名だった私が直ぐに泣くことはなかった。 (2023/7/13 09:26:16) |
・ | > | けれど、もしかしたら起きるかもしれないと思い奈津子の肩を掴んで揺すってしまった。彼女の髪をくしゃくしゃにした。門脇君が「莉子っ!」と私の名を呼んで制止した。 (2023/7/13 09:26:49) |
・ | > | 門脇君に止められて私は初めて泣けた。それを見ていた周りの人たちもつられてもらい泣きをした。 (2023/7/13 09:27:22) |
・ | > | ナッちゃんこと奈津子は先天性心疾患の突然死だった。19歳、あまりにも早すぎる別れだった。 (2023/7/13 09:27:46) |
・ | > | 三人黙って泣きながら駅まで歩き、調布に引っ越した沙智と別れ際、互いに交互に抱擁を交わした。男女の抱擁と違うペットショップのショーケースの中の子犬同士が身を寄せ合うような抱擁だった。 (2023/7/13 09:28:16) |
・ | > | 青春期は様々な人と出会い別れ、理想を抱いたり挫折したり、忙しい日々が続く。ご多分にもれず、私の青春期も目まぐるしく色々な事が起きた。 (2023/7/13 09:28:51) |
・ | > | 自分を慕ってくれた後輩が夥しい数の私の名前をノートに書き残して自殺し、ポチの名付け親の祖父が死に、門脇君から貰ったポチが死に、そして社会人になった年、母が遺書もなく自死を遂げた。 (2023/7/13 09:30:23) |
・ | > | 門脇君が遊びに来る時の冠婚葬祭の矢羽根が紅白から白と黒に変わり、それに花が添えられるようになった。 (2023/7/13 09:30:43) |
・ | > | そして、奈津子の三回忌が訪れた。 (2023/7/13 09:31:07) |
・ | > | 大学を留年した門脇君は現れたが沙智は現れなかった。 (2023/7/13 09:31:43) |
・ | > | 沙智の親から娘が怪しげな宗教に入信して親の話しを聞いてくれないので莉子ちゃんから諭してあげてくれないかと電話があった。 (2023/7/13 09:32:16) |
・ | > | 沙智は日本聖詠教という有名な新興宗教に入信して誰の忠告も受け入れなくなっていた。 (2023/7/13 09:32:43) |
・ | > | ファッションが好きで流行の流れに敏感だったちょっぴりミーハーな沙智と新興宗教は全く繋がりが見えずにわかには信じられなかった。 (2023/7/13 09:33:02) |
・ | > | それを知った門脇君は信じられない程の行動力で沙智の為に東奔西走した。私は門脇君と沙智を聖詠教から脱会させる為、門脇君がどこから捜してきたのか共産党系の弁護士に相談に行ったりもした。 (2023/7/13 09:34:09) |
・ | > | 九月になって沙智からメールが届いた。 (2023/7/13 09:34:25) |
・ | > | 「あなたにもいずれ理解してもらえるだろうけれど、サタンに囚われている両親の魂を浄化したいのです。私は日本人が抱えている過去の罪を償う為の活動をしているだけなので心配しないで。」 (2023/7/13 09:34:43) |
・ | > | 益々心配になった私は門脇君と若く正義感溢れる弁護士と沙智の家に向かった。 (2023/7/13 09:35:08) |
・ | > | 沙智の両親は笑顔で迎え入れてくれた。まるで仮面のような笑顔で「お騒がせしましたが聖詠教団は一部誤解もあるようですが、娘のお陰で、遅ればせながら世界中で平和活動の為に尽力していることが認められていることを知りまして…」と父親が言った後、母親が「門脇君、小泉さん、是非あなたたちにもセミナーに参加して欲しいと思ってるのよっ」と微笑んだ。 (2023/7/13 09:35:39) |
・ | > | 一瞬時間が止まった気がした。 (2023/7/13 09:36:32) |
・ | > | 弁護士は、唖然として二の句も継げない門脇君と私に目配せして、沙智の両親に「そうでしたか!もしも心配事があればお電話下さいね」と告げて私達の背中を叩いて「今日は帰ろうか!」と言った。 (2023/7/13 09:36:48) |
・ | > | 神代植物公園前のバス停で私達は途方に暮れた。 (2023/7/13 09:37:16) |
・ | > | 弁護士は苦々しそうに「ご両親が入信したら説得も脱会も難しいです。一手遅かった。」と溜め息をついた。「誰か沙智さんのご親類の方をご存知ですか?」私達も互いを見て溜め息をついた。 (2023/7/13 09:37:45) |
・ | > | けれど門脇君は諦めなかった。私の知らないところであちらこちらに駆けずり回っていた。そして、私は私で一月後に又沙智の家を訪ねてみた。 (2023/7/13 09:38:52) |
・ | > | 沙智の家は表札が外され、家に人の気配がなかった。 (2023/7/13 09:39:20) |
・ | > | あるじを失くした家は老人のような臭いを漂わせていた。 (2023/7/13 09:40:10) |
・ | > | 慌てて隣の家に声をかけると玄関から隣人の中年女性が出てきて「行先は詳しく教えてもらえませんでしたけれど兵庫の方にお引越しされたようで」とだけ聞 くとこができた。 (2023/7/13 09:40:57) |
・ | > | 私は直ぐに門脇君に電話をした。門脇君はそうかそうかと頷いた後しばらく黙って「俺は暇な学生だけれどリコピンは社会人なのだからもうここからは俺に任せてくれよ」と言った。 (2023/7/13 09:42:01) |
・ | > | しかし、門脇君の懸命の努力は全く報われず沙智は家族家屋敷諸共この世から消えたようだった。 (2023/7/13 09:42:43) |
・ | > | 大きな喪失感に潰されそうな日々が続く或る日、父親から冠婚葬祭用の花環の矢羽根を渡された。 (2023/7/13 09:43:05) |
・ | > | 「門脇君はホントに面白い男だなぁ。切手を貼ればこんなのでも配達してくれるんだな」 (2023/7/13 09:43:44) |
・ | > | 矢羽根の裏には『001。これは幸福の受付整理券番号です。ボクは罪滅ぼしの旅に行くのだ。いつかまた会おう!リコピン幸せになるのじゃ!』そう書いてあった。 (2023/7/13 09:44:20) |
・ | > | 胸騒ぎがして私は歩いて15分程の馴染み深い門脇君の古びたマンションに向かった。 (2023/7/13 09:46:05) |
・ | > | リビングに通されると両親から門脇君が海外青年協力隊員としてタイに行ったと教えられた。 (2023/7/13 09:47:35) |
・ | > | 後に、私達の世代は『プレッシャー世代』と言われたが、ひとつ上の『氷河期世代』の就職氷河期は依然として続いていたので海外青年協力隊の経験は門脇君の就職に役立つとは思ったが、門脇君のおばさんは終始何か気まずそうな表情だった。 (2023/7/13 09:47:55) |
・ | > | 思い出話をしばらくして私がソファから立ち上がると「帰ってきたらまた会ってあげてね?」とおばさんに言われた。玄関で挨拶をした時、おじさんが「買い物がてら莉子ちゃんを送るよ」と私についてきた。二人並んで歩いていると、おじさんが前を見たままポツリポツリ話し始めた。 (2023/7/13 09:52:36) |
・ | > | 「帰ってきたらまた会ってあげてね?」おばさんにそう言われて家から去ろうとした時、おじさんが「買い物がてら莉子ちゃんを送るよ」と言うので並んで歩いていると、おじさんが前を見たままポツリポツリ話し始めた。 (2023/7/13 09:54:11) |
・ | > | 「帰ってきたらまた会ってあげてね?」とおばさんに言われて家から去ろうとした時、おじさんが「買い物がてら莉子ちゃんを送るよ」と言うので並んで歩いていると、おじさんが前を見たままポツリポツリ話し始めた。 (2023/7/13 09:54:39) |
・ | > | 【誤入力です💦】 (2023/7/13 09:55:25) |
・ | > | 「あのぉ…親バカなのかもしれないけれど、修は…修は優しく明るいいい男に育ったと思っていてね、迷惑かもしれないけれど私も家内も修が莉子ちゃんと上手くいけばいいなぁなんてね、勝手な希望だけれどね、すみませんねぇ。」 (2023/7/13 09:57:17) |
・ | > | 不意の言葉に驚いて私は黙っていた。 (2023/7/13 09:57:35) |
・ | > | 「なのに修は私の期待を大きく裏切ることをしてしまったんです。初めて修をひっぱたきました。男同士としてどうしても許せなかった。」そこまで言うとおじさんは噴水の見える公園のベンチに私を促し並んで腰掛けた。 (2023/7/13 09:58:11) |
・ | > | 「この話しを最も聞かせてはいけないのは莉子ちゃんなのに、今も自分の気持ちがわからないのだけれど、最も聞いて欲しいのが莉子ちゃんで、なぜなんだろう、私はあなたに打ち明けたいのです。」横を見ると、おじさんの横顔は門脇君に似ていた。 (2023/7/13 09:58:58) |
・ | > | 「修は責任も取れぬのにさっちゃんを妊娠させて堕胎させてしまいました。私は何故か莉子ちゃんに謝りたいのです。修はずーっと、ホントにね、親から見ても切ないくらいずーっとずーっと莉子ちゃんを見ていたんです。」おじさんは両膝で拳を固く握っていた。 (2023/7/13 09:59:29) |
・ | > | 【つづきは午後に書きます。】 (2023/7/13 10:00:12) |
おしらせ | > | ・さんが退室しました。 (2023/7/13 10:00:16) |
おしらせ | > | ・さんが入室しました♪ (2023/7/13 12:07:27) |
・ | > | 「おじさん、今のお話しを聞いても私は修君を軽蔑したりしませんからね?だってまるで兄妹?姉弟?みたいな幼なじみなんだから。修君は優しいから、え~と優し過ぎてその分過ちもあるのかもしれないです。大丈夫です。永遠に友達です。」 (2023/7/13 12:08:43) |
・ | > | 顔は見ていないけれど、おじさんはたぶん涙を流した気がした。 (2023/7/13 12:09:39) |
・ | > | 「おじさん、かっこ悪いなぁ」 (2023/7/13 12:10:13) |
・ | > | そう言うとおじさんは立ち上がって左手を顔に当てた。そして、善意溢れる笑顔で振り返ると「友達の友達はみな友達なら、友達の父親も友達になれますかね。修が帰って来るまでは私と家内が友達代行するからいつでも来てください」そう言っておじさんは右手を差し出した。 (2023/7/13 12:13:27) |
・ | > | 私が手を差し出すと両手で握ってきた。体温の伝わる暖かい握手だった。 (2023/7/13 12:15:04) |
・ | > | 何度も手を振って門脇君の父親と別れた後、私は商店街を黙って泣きながら歩いた。 (2023/7/13 12:16:18) |
・ | > | もしも全ての事柄が小説の世界の中なら、作者は沙智が新興宗教に入信した理由を克明に書けるだろう。 (2023/7/13 12:17:24) |
・ | > | 門脇君と沙智の間にどんな気持ちのやり取りがあったのか緻密に書けるだろう。 (2023/7/13 12:17:40) |
・ | > | 私を慕ってくれた歳下の友達も母親も遺書が無かった。 (2023/7/13 12:18:37) |
・ | > | 私に残されたのは幾つものピース足りないジグゾーパズルのような物語だ。 (2023/7/13 12:19:33) |
・ | > | 漆黒の闇の中を迷いながら着陸場所を探して飛ぶ燃料不足の飛行機のようだ。 (2023/7/13 12:20:11) |
・ | > | 商店街を抜けたところで子供の駆け足のような音を立てて冬の雨が降りはじめた。 (2023/7/13 12:24:45) |
・ | > | 雨はもう好きではなかった。 (2023/7/13 12:25:22) |
・ | > | 黙って泣きながら歩いているとやがて蜷川書店が見えた。 (2023/7/13 12:25:52) |
・ | > | 一瞬、カッコ悪いのを気にしながらも荷台を付けてくれた門脇君の白いクロスバイクが見えた気がした。 (2023/7/13 12:26:45) |
・ | > | 今思えば、そう、いつもそこには門脇君がいた。 (2023/7/13 12:27:00) |
・ | > | 『門脇君』 作 ことね (2023/7/13 12:27:24) |
おしらせ | > | ・さんが退室しました。 (2023/7/13 12:27:29) |
おしらせ | > | ・さんが入室しました♪ (2023/7/18 23:10:20) |
・ | > | 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 (2023/7/18 23:11:04) |
・ | > | 『「大切なものをなくしました」で始まり、「どんな夜も生きていける」で終わる物語』 (2023/7/18 23:11:56) |
・ | > | 「大切なものをなくしました」神妙な顔をして彼女が呟いた。 (2023/7/18 23:13:03) |
・ | > | 私がキョトンとしていると「え?何かって?記憶なんです。私の記憶何処かで見かけませんでした?なんちゃって」そう言って彼女は虚空を見つめて細い声で笑った。 (2023/7/18 23:13:49) |
・ | > | 「そうだ。狩屋さん、私の妹の話しをしましたっけ? (2023/7/18 23:14:18) |
・ | > | 四つ下のね、身内びいきかもしれないけれど妹は明るくて優しくてね、私には自分が産んだ子みたいに可愛いんですよ。産んだことないけどね。 (2023/7/18 23:15:21) |
・ | > | ただ不勉強でね、絵ばかり描いているから東京芸大を目指しなさいって言って勉強させようとすれば泣くし、勉強してるふりしてくだらない小説書いてるから赤ペンで添削してやったの。そうしたらまた火がついたように泣くし、私は妹が可愛いから放任主義な親の代わりに厳しくしていたのに、私が親に疎まれてね…」 (2023/7/18 23:15:47) |
・ | > | 何処を見て話しているのだろう。彼女は私ではなく壁を相手に話していた。 (2023/7/18 23:16:36) |
・ | > | 食堂には心を病んだ患者たちが沢山いて、呆然と食堂の真ん中に立ち尽くす人、独り言を呟いている人、みんな確かに常人から見ればハッキリと異質な空気をまとっていた。 (2023/7/18 23:17:15) |
・ | > | だが、彼女はその食堂の中でひときわ異彩を放っていた。 (2023/7/18 23:17:46) |
・ | > | それは彼女が異常に見えるからではない。誰がどう見ても若く健康でまともな人に見えるからだ。 (2023/7/18 23:18:15) |
・ | > | 八年も外に出られぬまま幽閉されているというのに容貌は昔に戻り美しかった。 (2023/7/18 23:19:57) |
・ | > | 彼女が病人の中にたった一人だけ健常者がいるように見えることが奇異だった。 (2023/7/18 23:21:24) |
・ | > | 東京都下にあるその病院は建物も綺麗で自殺防止の為に全開にはできないものの窓に鉄格子もなく、心を患った者の家族が建物を見て打ちひしがれるような雰囲気ではなかった。 (2023/7/18 23:22:21) |
・ | > | ところで、彼女だが、小中高と常に成績は学年の首位にいた。生徒会の役員でテニス部の部長でもあった。整った顔立ちをしていたがその容貌や学力を鼻にかけることもなくユーモアもあり皆の人気者であった。 (2023/7/18 23:34:18) |
・ | > | だが、高校生になってから両親も首を傾げる言動が多くなり、本人は激しく拒んだが精神病院に連れられていくと統合失調症と診断された。幻覚、幻聴、幻触、病魔は彼女を一睡もさせず、悲鳴を上 (2023/7/18 23:38:39) |
・ | > | 幻覚、幻聴、幻触、病魔は彼女を一睡もさせず、悲鳴を上げながら号泣する夜が続いた。 (2023/7/18 23:39:26) |
・ | > | やがて、家族にまで泣き声が空耳で聞こえるようになった。 (2023/7/18 23:40:03) |
・ | > | 彼女は、何者かに身体中を触られ、耳を塞いでも大音量で脳内に罵声が飛び交い、壁から火花が噴き出すのが見えた。 (2023/7/18 23:43:07) |
・ | > | とうとう頭がのぼせて鼻血を流しながら意味不明の独り言を呟くようになり、何が悔しいのか、恨み言を言いながら歯ぎしりをしているうち前歯が内側に歪んでいった。 (2023/7/18 23:43:49) |
・ | > | 彼女の脳内には耳を塞いでも常に大音量で罵声が飛び交いつづけていた。耳を塞いでも爆音で何十人もの人から「死ね!」と責められていた。うるさーい!と泣きつづけ、強い睡眠薬を飲まない限り眠れる夜はなかった。 (2023/7/18 23:45:21) |
・ | > | やがて容貌は変わり果て、親友はほとんど消えた。 (2023/7/18 23:45:42) |
・ | > | 彼女に片思いしていた男子も全て姿を消した。 (2023/7/18 23:46:03) |
・ | > | 家族もまた彼女がしばしば荒れて物を投げ散らかし暴れるので眠れぬ夜が続き精神的にもはや限界が近かった。 (2023/7/18 23:47:07) |
・ | > | もしかしたら自分たちも気がふれるのではないか。そんな危機感を抱いていた。 (2023/7/18 23:47:30) |
・ | > | 精神に異常を来たした者のつらさは誰にも想像ができない。 (2023/7/18 23:47:56) |
・ | > | 医師も体験したことがないわけだし、体験している本人は説明できない。 (2023/7/18 23:48:38) |
・ | > | 精神に異常を来たした者のつらさは誰にも想像ができない。だが、その家族の惨い現実は更に想像できないだろう。家族は外では平静を装い、友人や近所だけでなく親類にも沈黙を貫いた。 (2023/7/18 23:49:07) |
・ | > | もしも、癌や白血病だったら、他人に打ち明けられただろう。 (2023/7/18 23:49:43) |
・ | > | 本人も家族も同情せれただろう。 (2023/7/18 23:50:02) |
・ | > | 【訂正】されただろう。 (2023/7/18 23:50:22) |
・ | > | しかしありとあらゆる病気の中で唯一統合失調症だけは打ち明けても誰からも同情はされない。 (2023/7/18 23:50:59) |
・ | > | 同情されるどころか言葉に出さねど、敬遠されたり気味悪がられたりもする。(たぶん親の育て方が悪かったのだろう)、(おそらく遺伝なのだろう)と見当違いな噂を陰で囁かれ傷心の傷口を広げられてしまうのだ。 (2023/7/18 23:54:16) |
・ | > | 現に彼女の妹は結婚間近にして相手の親から興信所の調査を入れられて恋人と別れることになった。 (2023/7/18 23:54:49) |
・ | > | 誰もが薄々気づいているはずだが、人権という美しい言葉は平等に誰もが手にできているわけではないのかもしれない。 (2023/7/18 23:55:47) |
・ | > | 想像してみてほしい。あなたの親友があなたをあなたと認識できず、会話にならない言葉を放ち暴れだしたら。あなたは親友でいられるだろうか。 (2023/7/18 23:56:18) |
・ | > | 家族ですら患者を後見人任せにして二度と会うことがなくなる。そういう淋しい事実が数多くあるのもこの病気なのだ。 (2023/7/18 23:56:39) |
・ | > | 壁に向かったままのハミングするような彼女の独り言が終わった。 (2023/7/18 23:57:47) |
・ | > | 「狩屋さん、わたし頭が疲れちゃったから横になっていいですか?何も出せずにごめんなさいね。また遊びに来てくださいね。」彼女が困ったような笑みを浮かべて、まるで自宅に招いた客人にするような事を言って会釈した。 (2023/7/18 23:58:14) |
・ | > | 私はついに感極まってそれを口にしてしまった。 (2023/7/18 23:58:39) |
・ | > | 「お姉ちゃん」 (2023/7/18 23:59:40) |
・ | > | 彼女はほんの一瞬戸惑ったような顔をした。 (2023/7/19 00:00:02) |
・ | > | 「私は狩屋さんじゃなくて妹のちぐさだよ」 (2023/7/19 00:00:21) |
・ | > | 彼女、つまり姉は柔和な笑みを浮かべると深々と挨拶して病室に戻ってしまった。 (2023/7/19 00:01:02) |
・ | > | 入院棟と診察棟の間には鍵のついた大きな金属のドアがあり、看護士がインターフォンで声をかけるとドアが開けられる仕組みで、通路を抜けて私は受け付けの事務員に挨拶をした。 (2023/7/19 00:02:13) |
・ | > | すると、いつも優しい笑顔の相談員、富山さんが駆け寄ってきた。 (2023/7/19 00:02:30) |
・ | > | 「あのですね、変な意味で言っているんじゃないですからね、誤解なさらないでくださいね?でも、もしも、ちぐささんが今日は心がしんどいかなぁと感じた時はですね、いらっしゃらなくても大丈夫ですからね? (2023/7/19 00:03:03) |
・ | > | もうお姉さまはとても安定していますし、他の患者さんの話し相手をしてくれたりしているんですよ。大丈夫です。 (2023/7/19 00:03:42) |
・ | > | この前言っていた罪意識なんて感じる必要ないんですよっ? (2023/7/19 00:04:11) |
・ | > | あなたはピンボールのようにあちこち駆けずり回ってお姉さまを救ってあげたじゃないですかぁ? (2023/7/19 00:05:00) |
・ | > | 罪意識なんて思わないでくださいね?そして、多田さんのような人間的に素晴らしい後見人を見つけてきて、あなたは家族みんなを救ったんです。これからはですね、どうかご自身の人生を明るく生きていってくださいね」 (2023/7/19 00:05:25) |
・ | > | 富山さんの真っ直ぐな言葉はいつも染みる。 (2023/7/19 00:06:34) |
・ | > | 富山さんはいつも汗をかいて走り回っている。私は医院長や担当医を全く信頼していないが富山さんのことは命の恩人だと思っている。 (2023/7/19 00:06:47) |
・ | > | 姉が自傷他害の恐れありと認識され、夜中にパトカーで警察に連れられ、翌日、留置場から病院に措置入院となった日の午後、彼はリネン室で男女の抱擁ではなく、男なのに私のことをまるで母親のように抱きしめてくれた。 (2023/7/19 00:08:44) |
・ | > | 喫茶店で彼と一緒に買ってきた法律の本を勉強した。 (2023/7/19 00:09:26) |
・ | > | 富山さんは20代の時に事故で脳に異物が混入して40歳になるまで本当に廃人だった。異物は取り除かれたが今も物忘れが激しく腰に沢山の鍵をぶら下げていた。 (2023/7/19 00:10:41) |
・ | > | 出会った時に「このお仕事をされて長いんですか?」と尋ねたら「世間的には新入社員なんですよっ」と笑った。 (2023/7/19 00:11:19) |
・ | > | 彼の母親も統合失調症で、彼が思春期の頃、その母親は入院していた病院の近くの森の中で首を吊って亡くなられたらしい。 (2023/7/19 00:13:08) |
・ | > | 語弊があるかもしれないが、彼はその病に復讐するかのように懸命に患者や患者の家族に寄り添ってくれた。 (2023/7/19 00:13:43) |
・ | > | 富山さんと別れて帰りのバスの中で幼い頃の事が思い出された。 (2023/7/19 00:14:54) |
・ | > | 幼稚園の頃、両親の不仲を気配で察知して泣いていた自分と、まるで何も感じていないかのように学習机に向かっていた姉のことを思い出した。 (2023/7/19 00:16:46) |
・ | > | 私はよく感受性が強すぎると言われてきたが、実は感受性が強すぎたのは姉ではなかったのではなかろうか。今はそう思う。 (2023/7/19 00:19:16) |
おしらせ | > | 無言時間が25分を超えたため、・さんが自動退室しました。 (2023/7/19 00:45:40) |
おしらせ | > | ・さんが入室しました♪ (2023/7/19 12:14:52) |
・ | > | 忘れもしない2007年の9月、21歳の誕生日が近い或る日、通勤途中に姉から何度も着信があり、電話をかけ直すと「お母さんが自殺した」と抑揚のない声で言われた。 (2023/7/19 12:17:00) |
・ | > | 会社まであと少しという場所から慌てて病院に駆けつけると私は緊急治療室で胸もあらわな母親を見た。 (2023/7/19 12:18:03) |
・ | > | 医師が「残念ながら…」と言ったところまでは記憶があるが、私は取り乱して奇声を発した後目眩がして気を失った。他の患者たちが皆驚き、私は看護師に抱えられて個室に連れていかれた。 (2023/7/19 12:18:53) |
・ | > | 明るく優しかった母親は姉の事で鬱病を発症していた。 (2023/7/19 12:19:21) |
・ | > | 目の前に原因がいるので投薬治療をしても悪くなる一方だった。 (2023/7/19 12:19:53) |
・ | > | 鬱病の母を疎ましく思った姉は「武士の妻なら自害しろ!」と怒鳴りつけた。姉の口から出た言葉だがそれは姉の言葉ではなく病魔の言葉だ。 (2023/7/19 12:21:31) |
・ | > | 翌朝、納戸で、スチール製の棚に縛り付けたロープを首に掛けてベタリと床に腰を下ろしたまま前かがみの姿勢で死んでいたらしい。 (2023/7/19 12:22:17) |
・ | > | 祖母も父も私もいない空白の時間だった。 (2023/7/19 12:22:49) |
・ | > | 多くの人はテレビドラマの影響で私服刑事が来て次に科捜研が来ると思っていることだろう。 (2023/7/19 12:23:09) |
・ | > | しかし、これが現実なのだが、来たのは制服警官一人で、極めて紋切り型の質問を投げかけてきた。 (2023/7/19 12:23:40) |
・ | > | 「謹んでお悔やみ申し上げます。このような時に誠に申し上げづらいのですが、あくまでも職務上いたしかたないことをお尋ねしますけれど、私たちは御長女の病気を存じ上げているのですが、本当にこんな時にこんなことを聞いてすみません。お母様とお姉様の関係は日頃どうでしたでしょうか?」 (2023/7/19 12:24:05) |
・ | > | 咄嗟の嘘が苦手な私が咄嗟に嘘を答えられた。 (2023/7/19 12:24:57) |
・ | > | 「姉と母はまるで親友のような関係で、私がいつも口喧嘩ばかりしていました。」誰にも漏らしていない秘密を警官が知っていたことに内心私は狼狽えていた。 (2023/7/19 12:25:18) |
・ | > | 警官は何かメモをした後、「御協力ありがとうございました。私からもお母様のご冥福を祈らせていただきます」と言い制帽を外し深々と頭を下げた。 (2023/7/19 12:25:49) |
・ | > | 警官とのやり取りの後、遅れて祖母を連れて父が現れ、その後のどんな事務的な処理がなされたのかは記憶がない。姉は泣きもせず極めて冷静だった。 (2023/7/19 12:28:15) |
・ | > | それから暫くして祖母を連れて父が現れた。姉は極めて冷静だった。 (2023/7/19 12:29:29) |
・ | > | 一切の事務処理的な事柄は父任せだったが、 (2023/7/19 12:30:25) |
・ | > | 結局、母親は心不全で亡くなったことにされて荼毘にふされた。 (2023/7/19 12:30:40) |
・ | > | 相談員の富田さんと私は同じ傷みを抱えていた。 (2023/7/19 12:31:32) |
・ | > | 死化粧は上手に首に残る痕を消されていた。 (2023/7/19 12:33:07) |
・ | > | 消していた。 (2023/7/19 12:34:18) |
・ | > | 四十九日が過ぎるまでは悲しみで支配されていた心にとても不愉快な疑心の小さな蒼い火がチロチロと灯された。 (2023/7/19 12:39:41) |
・ | > | 縊痕が何故水平だったのだろう。 (2023/7/19 12:41:37) |
・ | > | その発想の恐ろしさに髪を掻きむしり呻き声を上げた。 (2023/7/19 12:42:30) |
・ | > | 祖父母から『保健所』というあだ名で呼ばれていた母がお風呂にも入っていないしシャワーも浴びていなかった。 (2023/7/19 12:43:49) |
・ | > | 一度抱いた疑念は私を苦しめた。 (2023/7/19 12:47:25) |
・ | > | (休憩シマース) (2023/7/19 12:48:10) |
おしらせ | > | ・さんが退室しました。 (2023/7/19 12:48:16) |
おしらせ | > | ・さんが入室しました♪ (2023/7/19 23:41:16) |
・ | > | 姉が母親を殺したのではないか。一度芽生えた疑念は打ち消すのに強烈な精神力を要した。 (2023/7/19 23:42:24) |
・ | > | 遺伝でも血筋でも家系でもなく、私もまた心が壊れた。 (2023/7/19 23:44:56) |
・ | > | まるで感染症のように家族は皆心を病んでいった。 (2023/7/19 23:45:50) |
・ | > | 私はパニック障害になり急行も準急も乗れなくなり早起きをして各駅停車で通勤することになった。 (2023/7/19 23:47:44) |
おしらせ | > | 無言時間が25分を超えたため、・さんが自動退室しました。 (2023/7/20 00:15:26) |
おしらせ | > | 歩美さんが入室しました♪ (2023/7/20 01:16:50) |
歩美 | > | 話の途中分断するようで申し訳ないんだけど・・・ (2023/7/20 01:17:28) |
歩美 | > | 「私は晴れの日が嫌いだった」「いつもそこには君がいた」 で 一話 (2023/7/20 01:18:09) |
歩美 | > | おいらは、晴れの日が嫌いだった、だって、河童だから。 (2023/7/20 01:18:38) |
歩美 | > | 日照り続きで川が干上がってしまうのはもちろんだけど、頭の皿が乾いてしまうのが困るんだ。晴れてたら、あっという間に皿が乾いてしまう。 (2023/7/20 01:18:51) |
歩美 | > | それでだ、何度か川風に髪をなびかせながらを歩いてる姿をこっそり見ていたら、あの子のことを好きになってしまっていた河童だったわけだ。川から上がって追いかけてゆくわけにもいかない。晴れてたら、頭の皿が乾いてしまうからな。 (2023/7/20 01:19:05) |
歩美 | > | 雨の日なら・・・ところが残念ながら、雨の日にあの子を川辺で見かけることは一度もなかった。川面から顔を出して、晴れた日にたまたま通りかかるあの子を待ちつづけるいるおいらの頭の皿は乾かなくても、心は渇ききってた。 (2023/7/20 01:19:20) |
歩美 | > | どうしたものか・・・あの子の気を引こうと、足を引っぱって川に引きこんで・・・なんてことをしたら嫌われてしまうに決まってる。川から飛び出して、いきなりキュウリを差し出したとしても、その子がおいらを好きになってくれるとも思えない。「なんでキュウリなの?」なんて突っ込んでくれるはずもない。怖がられるのが落ちだな。 (2023/7/20 01:19:33) |
歩美 | > | あの子に、あの子によ、おいらは河童のくせに溺れちまったってことさ。なんてこった、昨日も今日も明日も、いつも川の底には溺れたおらがいた。 (2023/7/20 01:19:47) |
歩美 | > | お粗末様でした^^ (2023/7/20 01:20:08) |
おしらせ | > | 歩美さんが退室しました。 (2023/7/20 01:20:13) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが入室しました♪ (2023/8/5 01:54:05) |
伊丹空港 ◆ | > | ハンドルネームも忘れかけていました( * ֦ơөơ֦)ノ”サーセン (2023/8/5 01:54:41) |
伊丹空港 ◆ | > | (多分今回はあんまりひねらないとおもいます( ꈍөꈍ)いつもより期待値を下げてお読みください。) (2023/8/5 01:56:16) |
伊丹空港 ◆ | > | 🅰️ (2023/8/5 01:56:57) |
伊丹空港 ◆ | > | 「大切なものをなくしました」 (2023/8/5 01:57:38) |
伊丹空港 ◆ | > | とてつもなく大きなお屋敷の、その主の前に跪いた従者はがっくりと肩も落として、主に声を震わせながら告げた。主は従者に、「そのもの、何をなくしたのかね?」と問うた。 (2023/8/5 02:02:50) |
伊丹空港 ◆ | > | 従者は、「はい…。ことごとくなくしました。戻していただきとうございます。」と、今一度顔を上げ、主に懇願した。 (2023/8/5 02:04:53) |
伊丹空港 ◆ | > | 主は言った。「なにゆえに、戻りたいのかね?いま、そなたはいまや東へむかえば吉原歌舞伎町、西へむかえば梅田堂山、どこでもアタマを取れるほどのホスト級のイケメンの美貌を持ち合わせてるではないか?何が気に入らないのだ?」と、従者に呆れた表情を浮かべた。 (2023/8/5 02:10:24) |
伊丹空港 ◆ | > | 従者は言った。「王様…それがいけないのです。もともとは赤坂紀伊国坂を根城にしていた、しがない小物でございます。私のようなものを拾っていただき、果ては、平成令和に通じる顔を作っていただいたのも、王様の並ならぬ懇意と受けておりますがしかし、これではいかんのです。私のポリシーとアイデンティティに変えても、このビジュアルはとてもとても分不相応なのでございます…」と、従者は声を絞り出し主を詰った。 (2023/8/5 02:16:08) |
伊丹空港 ◆ | > | 主はしばらく天を仰ぎ、そして、「そこまで言うのなら仕方あるまい、戻すことにしよう。しかし、いままでのようにはゆかぬぞ?お前を見て振り返るものはよっぽど時代に疎いか、子どものように無垢な心を持ったものしかお前の思いが伝わるものはたぶんおらぬぞ?遠い江戸時代でもなし、もはや、周辺はにぎやかなものだ。耐えていけるのか?」と尋ねた。 (2023/8/5 02:19:33) |
伊丹空港 ◆ | > | 「これが私の生き様でございます!」と従者は言葉に力を込めた。主は、「では戻りたまへ!狢!」と、王様は手に持っていた笏を振った。すると、従者の顔から目、鼻、口がみるみると消えてなくなっていった。王様は言った。「狢よ、お前の望みを叶えた。鏡を見るがよい。」 (2023/8/5 02:22:54) |
伊丹空港 ◆ | > | 従者は手渡された鏡に映った自分の顔に、満足そうに、「そう、これでいいんですこれで。ラフカディオ・ハーン様もきっとお喜びになられるでしょう。」と嬉しそうに、「ありがとう、ありがとうございます。閻魔大王様。」と深々とお辞儀をした。 (2023/8/5 02:24:28) |
伊丹空港 ◆ | > | 従者は大王の元を離れ、ホストばりのアルマーニのスーツにエナメルの靴をカツカツと響かせながら、歌舞伎町へと向かった。従者はニタニタと含み笑いをしながら呟いた。「これでどんな夜も生きていける」 (2023/8/5 02:27:17) |
伊丹空港 ◆ | > | おわり( ꈍөꈍ) (2023/8/5 02:27:23) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが退室しました。 (2023/8/5 02:27:26) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが入室しました♪ (2023/8/6 04:55:19) |
伊丹空港 ◆ | > | まさかのモチーフ被り!歩美さんすびばせぬ💦 (2023/8/6 04:56:09) |
伊丹空港 ◆ | > | でも、凝りずに… (2023/8/6 04:56:21) |
伊丹空港 ◆ | > | 🅱もイクヨ( ゚▽゚)/ (2023/8/6 04:56:35) |
伊丹空港 ◆ | > | 私は晴れの日が嫌いだった。といっても、別に、ただ雨の日が好きというわけでもない。小雨交じりの空が好き。傘をさして、傘を叩く雨粒の小気味よい音を聞くのが好き。でも、ザーザーとした少しまとまった雨、歩道に大きな水溜りが現れるような雨、または、霧雨なのにしっとりと濡れる鬱陶しい雨も苦手だったりする。 (2023/8/6 05:03:17) |
伊丹空港 ◆ | > | 小雨模様の空はほんのちょっとだけ、心が小躍りする。いつも見慣れた景色も、雨粒の効果でキラキラした雰囲気に映る。行き交う人の傘の色、レインコートの色、ひとつひとつ景色を切り取ると、結構映える。そんな雨の日が好き。そんな日を求める日がある。50%の確率の天気予報は、ときどき、てるてる坊主を逆さまに吊るして、プチ雨乞いを試してみたりしている。 (2023/8/6 05:08:45) |
伊丹空港 ◆ | > | 或る日曜日の朝、いつも通りセットしたタイマーに起こされて、ベッドを降りる。カーテンの隙間から洩れる光が少し暗い。「もしや…?」と思ってカーテンを開けると、案の定、どんよりとした曇り空だ。私は支度を済ませ、お気に入りのポンチョを羽織り外に出る。私の好きな、シトシトでもザーザーでもない、パラパラとした雨が降っている。これはもう、散歩に出かけない手はない。傘を広げ、モノトーンの景色の中に自分を馴染ませる。 (2023/8/6 05:15:56) |
伊丹空港 ◆ | > | 歩道、街路樹の濡れ落ち葉を避けて住宅地を抜ける。バス通りを渡り、なだらかな坂をバス通り沿いに上ってゆく。いつもならこの辺りで登校中の小学生のにぎやかな列とすれ違うが、今日は日曜日、静かな静かな雨の朝だ。やがて、さらに丘に進む小道に向かう。途中、50段ある階段を上る。その階段の先にはこの町の鎮守の森とお不動様が祀られたお堂がある。喧騒の街と対比したもっと静かで、ちょっと薄暗い異世界に通じるような雰囲気を醸し出してくる。 (2023/8/6 05:24:32) |
伊丹空港 ◆ | > | 階段を登りながら、日常の垢を浄化をこの小雨の朝に求めている。街はいつも私には必要のない情報に溢れている。車のクラクション、大声で喚く若者の集団、甲高く笑い群れる女性。人工的で目がチカチカするアドバタイズメント、そして知らずに蓄積されてゆく断片的な感情。一段一段上るごとに、それらがふわふわと煙のように消えていくイメージ。だんだん、傘を叩く雨音だけしか響かない景色に私も染まってゆく。 (2023/8/6 05:37:36) |
伊丹空港 ◆ | > | もう一つ…大事なことがある。 (2023/8/6 05:38:05) |
伊丹空港 ◆ | > | それはもう現れている。40段目を上った辺りから見上げれば、そいつは階段のいちばん上に腰掛け、私を見下ろしている。目が慣れてゆく。そいつは編笠を被っている。そして紬の甚平に浴衣の帯を締め、両手で盆を構えて腰掛けている。50段目で私はそいつの隣に腰掛ける。彼は何も言わない。私の表情をただじっと見上げている。 (2023/8/6 05:43:17) |
伊丹空港 ◆ | > | 彼は間違いなく紊乱者である。姿格好、おそらく江戸時代かそれ以前、ずっと昔に暮らしていただろうの子供である。いわば異形である。でも不思議と安心がある。彼の抱えてる盆の上には、新鮮でツルンとしたお豆腐と青々とした紅葉の葉が添えられている。そのお豆腐を私に差し出す。「うん、わかった。いつもありがとう。」と、盆ごとそのお豆腐を預かる。彼はニコッと笑う。いつの間にか、その盆に匙も添えられている。「わかったわかった。食べるから。」っていうと、彼はもっとニコっと笑う。 (2023/8/6 05:51:56) |
伊丹空港 ◆ | > | そのお豆腐を匙で掬い、一口舌に流す。ツルンとしていて冷たい感触の後に、優しいお醤油のお出汁とうす甘いたまごの香りが広がってゆく。とっても美味しい。彼に、「今日のはたまご豆腐なんだね?」と聞くと、ニコニコしながら顔を縦にふる。いつの間にか一丁ぺろりと平らげてしまった。「美味しかった!ありがとう。」といって、彼に盆を渡す。彼は満足そうな笑みを浮かべている。「そうだいつか聞こうと思っていたんだけど、なんで君は私にお豆腐をくれるの?」と聞くと、彼はただ顔を赤らめるだけで首を傾げて私を見上げている。でも彼はまともに答えようとはしない。そして彼は階段のてっぺんから望む景色を私に教えようと前を向いた。私が生まれ育った街が一望できる。絶景だ。 (2023/8/6 06:00:07) |
伊丹空港 ◆ | > | 私は、「うまくいえないんだけどね。べつにお豆腐を頂いているからっていうわけじゃないけど、でもね、君の隣は落ち着くよ。ありがとう。」というと、彼はさらに顔を赤くする。そしていつの間にか、盆の上にまた新しいお豆腐がプルンと乗っかっている。「ムリよ。2丁も食べられないよ。」というと。彼は舌を出してはにかんだ。肩を叩く雨が少し弱くなってきている。たぶんそろそろ雨が上がる。彼はもう一度、景色を見ろと顔を正面に突き出す。彼に倣い正面を向くと、雲間が青空に変わり、そしてうすく、虹がかかっている。「わぁ。本当だね。綺麗。」しばらく見つめて、それから、ふっと横を向いたら、彼はもう消えていなくなっていた。もうちょっと一緒にいたかったけど、本当に名残惜しい。 (2023/8/6 06:07:23) |
伊丹空港 ◆ | > | 傘をたたみ、お堂でお不動様のお参りを済ませ、来た道を戻る。階段を降りてゆくと、今度はさっきの感情とは逆に、いつもの日常に染まってゆくような意識に気持ちが変わってゆく。雨上がりは雫をこぼしてキラキラしたものに溢れている。ブティックのガラスに映る自分の姿も3倍増しの演出だ。でも、やっぱり、またパラパラと小雨模様の日を迎えて、あそこに戻ってきたい。だってさ?やっぱり… (2023/8/6 06:13:29) |
伊丹空港 ◆ | > | 「いつもそこには君がいる」からさ。 (2023/8/6 06:13:49) |
伊丹空港 ◆ | > | おしまい( ꈍөꈍ) (2023/8/6 06:13:55) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが退室しました。 (2023/8/6 06:13:57) |
おしらせ | > | 名も無き二等兵さんが入室しました♪ (2023/8/6 19:56:35) |
名も無き二等兵 | > | 『拝啓 母上殿』 (2023/8/6 20:00:03) |
名も無き二等兵 | > | 【大切な物を失くしてしまった私を どうか許してください】 (2023/8/6 20:01:18) |
名も無き二等兵 | > | 【島の上陸作戦も敵軍に先回りされ囲まれて 物資も食料も底をつき 私が属する小隊も間もなく全滅するでしょう】 (2023/8/6 20:04:43) |
名も無き二等兵 | > | 【これまで育てて貰った恩を何ひとつ返す事もなく 見知らぬ島で命の灯火が消え行く無念と】 (2023/8/6 20:10:05) |
名も無き二等兵 | > | 【なにより不幸な事は 敵襲での衝撃で記憶の一部である私の名前を思い出せない事であります】 (2023/8/6 20:12:26) |
名も無き二等兵 | > | 【私はお国の為に誇り高く任務を全うし 生涯をこの地で終えますが】 (2023/8/6 20:17:11) |
名も無き二等兵 | > | 【どうか悲しまないでください】 (2023/8/6 20:18:02) |
名も無き二等兵 | > | 洞窟の中で血と泥にまみれた手で、書き終えた僅かなわら半紙の切れ端を瓶に詰めると、隣で見ていた同じ二等兵が声を上げる (2023/8/6 20:24:05) |
名も無き二等兵 | > | 『なぜ名前を書いてやらないのか 意味のない事をする それでは誰の息子の手紙なのか分からないではないか』 (2023/8/6 20:28:00) |
名も無き二等兵 | > | 言い終えた後、同僚の二等兵は全てを察して首を横に何度も振った。──このお人好し、め (2023/8/6 20:30:59) |
名も無き二等兵 | > | 遺された人々が、どんな夜でも生きてゆけますように (2023/8/6 20:39:35) |
おしらせ | > | 名も無き二等兵さんが退室しました。 (2023/8/6 20:39:39) |
おしらせ | > | 歩美さんが入室しました♪ (2023/9/23 00:10:05) |
歩美 | > | 廃墟だと 勘違いされたら困ると思って 足跡だけ残しに来ました (2023/9/23 00:10:32) |
歩美 | > | ここ 心霊スポットじゃありませんから!!!^^ (2023/9/23 00:10:47) |
おしらせ | > | 歩美さんが退室しました。 (2023/9/23 00:10:52) |
おしらせ | > | ことね ◆kotone/IERZgさんが入室しました♪ (2023/9/25 10:10:58) |
ことね ◆ | > | そーだそーだ!心霊スポットじゃないぞー!𝑤𝑤𝑤 (2023/9/25 10:11:16) |
ことね ◆ | > | 歩美さんありがとー!\(°∀° )/ (2023/9/25 10:11:27) |
ことね ◆ | > | 2時間あればみんなの作品を推敲できると思うからちょっとシュッ =ー (¦3[▓▓] オヤスミしますよしますよ|・`ω・) (2023/9/25 10:12:22) |
ことね ◆ | > | 宣伝部長もどうもありがとうございました!(´;ω;`) (2023/9/25 10:12:44) |
ことね ◆ | > | その他、諸作家陣の皆々様 (2023/9/25 10:12:59) |
ことね ◆ | > | ありがとうございました!<(_ _)>💦 (2023/9/25 10:13:13) |
ことね ◆ | > | 反省!マターネ!アリガトーレ!・*・:≡( ε:) (2023/9/25 10:13:22) |
おしらせ | > | ことね ◆kotone/IERZgさんが退室しました。 (2023/9/25 10:13:32) |
おしらせ | > | ことねさんが入室しました♪ (1/5 18:20:41) |
ことね | > | 入れた!\(°∀°)/バンジャーイ! (1/5 18:20:48) |
ことね | > | ありがとー! 𝑤𝑤𝑤 (1/5 18:20:54) |
ことね | > | また一緒に書こう❤️! (1/5 18:21:08) |
ことね | > | ありがとう! (1/5 18:21:12) |
ことね | > | 凄い嬉しい!。゚(゚`ω´゚)゚。 (1/5 18:21:26) |
ことね | > | (。-`ω´-)部屋消すなよ⬅️オマイウ (1/5 18:21:46) |
ことね | > | ほいじや、マターネ アリガトーレ・*・:≡( ε:) (1/5 18:22:00) |
おしらせ | > | 無言時間が25分を超えたため、ことねさんが自動退室しました。 (1/5 18:49:24) |
おしらせ | > | ・さんが入室しました♪ (1/6 09:35:28) |
・ | > | 1番ことねん!入ります! (1/6 09:35:39) |
・ | > | 【ことねさんには「空を飛ぶ夢を見た」で始まり、「謎は謎のままがいい」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字程度)でお願いします。】 (1/6 09:36:05) |
・ | > | 「そうなの、また空を飛ぶ夢を見たの。一度ならわかるんだけれど毎日なんですよ。」 (1/6 09:36:41) |
・ | > | 紗菜がそう言うと、嶋津は仰向けになったままスマートフォンを見て「『空を飛ぶ夢は高みを目指したい思い、束縛から自由になりたい願望、セックスへの欲求不満を象徴しています。とはいえ空を飛ぶシチュエーションによって暗示は異なります。』だってさ」と言ってイタズラな目でコチラを覗き込んだ。 (1/6 09:38:06) |
・ | > | 「いずれにしても…」大きな掌で頭を撫でらて「もう自己分析をする歳じゃないよ」「な?」また笑われた。 (1/6 09:38:49) |
・ | > | 1泊2日だけの小さな旅行だった。 (1/6 09:39:07) |
・ | > | 紗奈は独身だが嶋津は待つ人のいる家に帰らなくてはいけない。不毛な恋愛が続いていた。 (1/6 09:39:52) |
・ | > | 帰りのスーパー林道はスラロームの連続で、ブラインドコーナーに差し掛かる度に二人の関係みたいだと思った。明日が見えない。 (1/6 09:40:15) |
・ | > | そんなことを思いながらぼんやりと車窓を見ていたら、二人は強烈な衝撃に見舞われた。反対車線から飛び出したクルマにぶつけられ白いセダンはスリップして運悪くガードレールの隙間を抜け急斜面に飛び出した。 (1/6 09:41:20) |
・ | > | 横転こそしなかったがエアバッグが作動してクラクションが鳴り続けた。 (1/6 09:41:49) |
・ | > | 「紗菜!紗奈!おい!?」嶋津に肩を揺すられた紗奈はエアバッグに頬を押さえつけられたまま横を向いて「空を飛ぶ夢ってこれだったんですかねぇ?」と言った。 (1/6 09:43:16) |
・ | > | 嶋津は紗奈の言葉に拍子抜けして失笑すると、ゴソゴソと電子タバコを取り出した。 (1/6 09:43:45) |
・ | > | 二人ともぼんやりしつつもカラダは小刻みに震えていた。 (1/6 09:44:13) |
・ | > | 嶋津は天井に向かって煙を吹き出すと「まぁ、いずれにしてもアレだ」 (1/6 09:44:37) |
・ | > | 「空を飛ぶ夢だけど、…謎は謎のままがいいかな」また笑っていた (1/6 09:45:11) |
・ | > | 『Love is blind』ことね (1/6 09:45:54) |
おしらせ | > | ・さんが退室しました。 (1/6 09:46:00) |
おしらせ | > | △さんが入室しました♪ (1/6 13:17:14) |
△ | > | お題そのまはま引き継ぎます。『空を飛ぶ夢を見た』で始まり『謎は謎のままでいい』で終わる物語 (1/6 13:19:16) |
△ | > | 空を飛ぶ夢を見た翌朝に、必ずと言っていいくらいに迎える無慈悲な結末を予感し、私は駄々をこねていた (1/6 13:20:17) |
△ | > | 『あんたねぇ、5年生にもなって何言ってるの!おねしょが怖くて学校行事の宿泊訓練に行きたくないとか…それでもお姉ちゃんなの?もう3ヶ月は失敗してないでしょ、そんなズル休みは許しません、さぁ行きなさい』 (1/6 13:21:38) |
△ | > | リュックを背負わされ、母親にけしかけられるように見送られた朝の風景を、クラスのみんなが寝静まる部屋の片隅で、小さく丸まり震えながら布団の中で思い返す (1/6 13:24:35) |
△ | > | あとは空を飛ぶ夢を見ない事…見ちゃダメ、絶対見ちゃダメ、そう私は空を飛ばない、飛べないんだから飛ばない…スヤァ (1/6 13:25:10) |
△ | > | 翌朝の目覚めは、布団から半身を起こしたぼんやり脳を立て直すには、おつりが来る程に刺激的なものだった (1/6 13:26:05) |
△ | > | クラス委員の氷室君の手により、頭上から降り注ぐ上蓋を外されたヤカンから注がれる冷たいお茶。息を飲むように成り行きを見守るクラスメイト (1/6 13:26:59) |
△ | > | そして担任の『なにをしている氷室!』という怒号の中に込められた優しい響き。全てを察して感動で泣き出す女子 (1/6 13:28:14) |
△ | > | 私は、何故…と呆然としながらお茶の滴もそのままに、何故、私のおねしょ癖を氷室君が察していたのかを考えた。謎は謎のまま、でいいのかな… (1/6 13:29:04) |
2023年01月21日 00時10分 ~ 2024年01月06日 13時29分 の過去ログ
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