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「【F系】水都ロサール【多目的】」の過去ログ

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2017年09月10日 01時33分 ~ 2017年10月22日 14時59分 の過去ログ
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ピェリオ♂役者ふむ。……他に、何か? (好奇心が映す眸だった。それは、いつか見慣れた丁寧な会釈の前で、仕掛けた悪戯が成功した子どものように細くなる。それを以て返答とし、黙したままで見下ろしていた。彼女が、その薄いはがねを、夜のひかりのもとに引き摺り出すのを。一時だけ、はものを通して地面に伸びた影がひとつながりに重なる情景を。) ……刀身に触れてみても、構いませんよ。 (微笑んだまま、男は答えた。それが望まれている言葉かは知らねども。) 「それ」は、刃先を潰してあります。先端を余程強く突き立てなければ、貴女のか弱い肌とて傷をつける事はかないません。……そういうふうに、つくられたものです。 (はものの、少しだけ空に散らばる星に似た色に視線を寄越して。)   (2017/9/10 01:33:05)

エルソフィ♀司書官 拾ったときの状況で、刃までは回収できなかったのです。(答えながら、参考にと差し出された使い古しのナイフを見つめる。水平のままの刃に対して垂直に親指を立てて、ゆっくりそっと撫でる。鋭利の有無はその感触が答えるだろう。)……そういえば、あのとき護身用に一本お持ちでしたけれど、くれぐれも無理はなさらないでくださいね。(刃先までそっと触れた頃、そんなことをぽつりと口にした。口にして、そっとナイフを鞘に戻して主の手から零れぬよう軽く手を重ねた。)――(そして、また少し言葉が途切れた後に、片目だけ揃いの色の瞳を見上げた。)この国の官は利口です。巡回も多いですから、どうか、何かあってもすぐに声を張り上げるか、人や灯が多いほうへ逃げて下さい。(まっすぐに見上げて言った。)……必ず、守ってくださるから。(静謐の中で、まっすぐに。)――……(そしてそっと、眼前の手の平に鞘を押さえて、手を離した。)   (2017/9/10 01:48:49)

ピェリオ♂役者そうでしたか……それにしても、不思議な落としものでしたね。忘れ物、でしょうか。しかしこんな状態では、もう本人に返した処で、使い物にはならないでしょうが……本当に、お仕事熱心でいらっしゃる。 (図書館の、不思議な拾い物。宛てを探して歩いていたような司書官を、声音は気遣うように男は眸を細めた。ほんの少しだけ、眩しいものを見るような。) お気遣い、痛み入ります。……貴女こそ。ご多忙な司書官殿が、殆どがらくたのような落とし物の主を探す事までに根を詰めすぎては、いけませんよ。 (かさねられた手は、ただ皿のように据え置いたまま。ほんのわずかに置かれた体温は、この夜の温度に紛れてすぐにわからなくなる。その、儘で。) ……以前も。そのような事を仰られましたね。 (男の言葉は相も変わらずに滑らかだった。) あの、川の日。 (短い言葉は、けれどそれだけで彼女には伝わるだろう。二人が川べりで過ごした記憶は、知り合ってからたった一日しか無いし――彼女にとっても、忘れ難いものであるだろうから。)   (2017/9/10 02:17:52)

ピェリオ♂役者あの時、お伝えしようかとも思いましたが。ひとつ、ご忠告申し上げます、エデット嬢。あまり、そのような事を仰らない方が、宜しいですよ。 (笑顔のままで、するりと伸ばした。 何を? 細いナイフを乗せたままである、己の手を。 何処へ? 今しがた、離されたばかりの細い手首へ。強引でも性急でもない、ごく軽い調子で足を踏み出すよう、彼女の仕草と同じ速度で指の先が追いかけた。) ……必ず、など、存外かなわないものですから。 (穏やかで、人好きのする、用意されたような笑顔のままで。)   (2017/9/10 02:21:15)

ピェリオ♂役者【遅くまでお付き合い有難う御座います…!! なんだか多方面へ盛大にケンカ打ってしまった処で、時間が凶暴なのですが大丈夫でしょうか…!! もしでしたら一旦栞の上、翌日あるいは後日ご都合宜しければ持ち越しにてお付き合い頂ければと…!!吹っ掛けておいてから我に返りました、申し訳ないです…!!】   (2017/9/10 02:31:44)

エルソフィ♀司書官こちらこそ、練習中に余計なお手間を。(手を離して、己の胸元に戻そうとしたときのこと。目の錯覚だろうか、いつまでも、己の手とナイフの乗った手の距離が開かない。あるいは、告げられた言葉に紫眼がふと見開かれたまま身体が止まったからそう感じただけなのだろうか。朧月と眼前しか知らぬ光景。)ええ、たしかに強くお伝えしました。(――逃げて、と。)――(呼ばれて、あの凍てつく水の命運からすくいあげてくれた人の言葉に、身体は、動かなかった。動いたのは、眼だけだった。まるで引いた己の手を追うようにしてやってくる手をただただ、ゆくすえ見つめたまま。)……仰る通りです。それでも、(――ゆくすえ見つめたまま)……それでも、何も願う間も抗う知恵を見出す間もなくただ理不尽に遭うよりは、(――見つめた、まま)……何か一つでも知恵を一つ心に置いておけるほうが、きっと、……(―――――、)きっと……(…………唇の代わりに、宙を惑ったままの指先だけが、ほんの少しだけ開いた。)   (2017/9/10 02:37:01)

エルソフィ♀司書官【こちらこそ遅くまでありがとうございます。ええかなり予想の斜め上を行ったところで無理に幕閉じるのは心苦しいのでこれは栞にさせていただければと思います……!翌日もとい本日でも私は都合つきますゆえ。】   (2017/9/10 02:38:23)

ピェリオ♂役者【ありがとうございます、すみませんすみませんちょっと色々踏み抜きましたと言うか踏み外しそうですというか(進行形) もしかしたら次のターンでけろっとしているかもと思いながら、お言葉に甘えて栞させてください…! 私も本日日中でも大丈夫です。よろしければ、13時頃でご都合いかがでしょうか…? もちろんその時間にお使いになられる方がいらっしゃいましたらそちらを優先して頂くと言う事で…!!】   (2017/9/10 02:43:40)

エルソフィ♀司書官【栞の怖いところは「翌日(主にPLの感性が)けろっとしてしまっている」ですがお互いこれは色々楽しく踏み抜かせていただいているので熱わすれじでいければと思います。はい、お時間承知しました。それでは、画面前も長いお付き合いをとわたわたしつつ、ここにて栞。再開を楽しみにさせてくださいませ。本当に夜分遅くまでありがとうございました。】   (2017/9/10 02:46:13)

ピェリオ♂役者【がんばります…!!(`・ω・´) 色々とお気遣いありがとうございます。締まらない顔文字を打ってしまった処で、本日こちらにて。遅い時間から遅い時間までのお付き合い、ありがとうございました。不穏な情景投げてしまいましたが、どうぞよい夢を。おやすみなさいませ。また明日(日中)、ご都合あいましたら宜しくお願い致します。 お部屋も、長時間有難うございました。失礼致します。】   (2017/9/10 02:49:02)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2017/9/10 02:49:11)

エルソフィ♀司書官【それでは私も今宵これにて】   (2017/9/10 02:49:32)

エルソフィ♀司書官【(途切れ……)お部屋をありがとうございました。また、「あした」】   (2017/9/10 02:49:52)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2017/9/10 02:49:56)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2017/9/10 12:59:35)

ピェリオ♂役者【こんにちは。待ち合わせにて、お部屋お借りいたします。】   (2017/9/10 13:00:02)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2017/9/10 13:00:04)

エルソフィ♀司書官【こんにちは、連日にてお部屋お借りいたします。ピェリオさん、今朝(?)ぶりです。どうぞよろしくお願いいたします。】   (2017/9/10 13:00:57)

ピェリオ♂役者【こんにちは、エルソフィさん。連日のお付き合い、ありがとうございます。割ととんでもない処で中断申し上げてしまってすみません。宜しくお願い致します。 また、恥ずかしながらこちら現在作成中にて、もう暫しお時間ちょうだいできればと思います。】   (2017/9/10 13:02:11)

エルソフィ♀司書官【こちらこそ、深夜までのご一緒をありがとうございます。はい、どうぞ慌てずごゆっくり。どうか良き紡ぎとなりますよう。】   (2017/9/10 13:03:08)

ピェリオ♂役者【ありがとうございます。それでは改めて、こちら先行にて。宜しくお願いします。】   (2017/9/10 13:05:55)

ピェリオ♂役者……貴女はそうして、私から逃げもしないのに? (宙に浮いたままの女性の手、の、真下へ滑り込む男の手はそこで、止まった。ナイフの上、一枚の紙、隔てたような触れない距離。童話の挿絵に見る、空っぽのエスコート。そんなかたちのまま。) そうして貴女は、動かないのに。 (笑んだままなのに、吐き捨てるような素気無い声だった。) ……、この国はうつくしい。 (淡、と告げた。先ほどまでと違う音。冷たくも無いけれど温度も無い、枯れて独白に似た静かな音。) この国の人は、うつくしい。……けれど、人です。所詮、どれ程願った処で、縋った処で、どれ程、 (視線を落とした。ずっと、……出逢ってよりずっと、恐らくはそれよりずっとずっと以前から、彼女が拠り所のように抱きしめている黒い本へ。) ……知恵を抱いた処で。かなえられないものは、あるのですよ。かなえられない、約束をして。かなえられない、望みを抱いて。砕かれた時に。そんな時、傷つくのは…… 貴女です。 (うたうように穏やかな、糾弾だった。)   (2017/9/10 13:36:10)

ピェリオ♂役者……失礼。……『自分の身は自分で守れる』程、貴女はお強くいらっしゃるの、でしたね。 (深い、夜だった。都の中心部から然程離れていないとはいえ、ひとけがなければ音も無い。ただ声音だけ落ちて、広がって、溶けて消える。静まり返った、夜の最中。)   (2017/9/10 13:36:30)

エルソフィ♀司書官(深く深く、夜の水路よりずっと静かな、水の遠い遠い、水の循環という恩恵から忘れられた枯噴水でのこと。童話の挿絵のように切り取られて時間が凍りついたような夜のこと。)――……貴方から逃げる理由が、ありません。(逃げずに、答えた。)――……貴方をどうこうしなければいけない理由もありません。(動かずに、答えた。)――……(独白のように聞こえたのは、どうしてだろうか。目の前にいるというのに。遠いと見えたのは、どうしてだろうか。同じ一冊の本に視線を落としているというのに。)――、――……っ(大事に大事に抱く右手指が分厚い黒にのめりこまんばかりに力んで、行き場を惑う左手指は小さく震えた。まるで、何かを握り潰すかのように。まるで、何かを耐えるかのように。)……知っています。誰よりもとまでは申しません。ですが、知っています。(眼前が語る、一つの末路の可能性。この世界に在る数多の物語のエンディングの一つ。)幾つ、知恵を揃えたとて、いくつ、勇敢を養ったとて、末路というものは必ずやってきます。大概、それは本に描かれる様よりずっと理不尽です。(その声音は、硬質。流るる水を、凍りつけたように。)   (2017/9/10 14:22:28)

エルソフィ♀司書官――自分の身は、自分で守れます。傲慢ながらも。そうなるように望まれ綴られたから。(一度、俯いた。黒本からも、眼前の目と声の在り処からもそらして、俯いた。奥歯を噛み締める音はこの静寂の中でも響くことはなかったのだろう、が、呼気は一つ、耳に届いたことだろう。)……願い縋った先の末路が綴られた<ホン>です。だから――(持ち上がった顔。薄い硝子の向こうの紫眼は、震えていた。愚直なほどにまっすぐに見上げて、震えていた。泣くでもなく怯えるでもなく、ただただ、震えていた。)――どうか、このホンに一度でも巻き込んでしまった以上は、この身と同じくして、せめてホンにかかる頁にいらっしゃるときだけは、どれほど愚かしかろうと、願ってください。(左手が、銀の鋼が横たわって差し出されたままの手へと落ちた。届くなら、届いた先で五指を握りこまんと。まるで、掴むように。まるで、――ように。)……願う間にしか、万物は生を見いだせないから。   (2017/9/10 14:22:35)

ピェリオ♂役者(男はただ、黙して聞いていた。いつも通りの硬質な、まるで常に硬質で あ ら ね ば な ら な いと己に咎め聞かせているような響きの声を、その場から動かずに、差し出した手もそのままで、聴いていた。恩恵に忘却された舞台の、真夜中の独唱<ARIA>。) ……、―――― (一度、唇をひらいた。硬くきつく本を抱きしめる細い影を、彼女より高い位置から、視線を本に落としたままの華奢を見詰めて、音無く刻んだ言の葉が何を語ったか、恐らく彼女には届かないだろう。……願えと告げながら、己が願うように伸ばされた手、を、男は躱した。同じように、真下に逃げて。) ……駄目ですよ。 (低い、色の無い声で告げて、ナイフを乗せたままの指の先を中空で握り込む。翻す。解いてみせた手の上にはもう、何も無かった。) 鞘にも柄にも、尖った部分はあるのです。安易に触れたら、怪我をします、それに―― (かえした手首が、ごく自然な仕草できゃしゃな指先を追い掛ける。咄嗟に避けようとするならば兎も角だけれど、直前まで彼女から伸ばしていたのなら、指を互い違いに組ませるよう絡めとるのはきっと、容易いから。)   (2017/9/10 15:13:41)

ピェリオ♂役者……夜に。こんなひとけの無い処で、女性が男に手を伸ばすものでは、ありません。捕まってしまいますよ、……こんな風に。 (鈍く、喉奥で笑った。眦少しだけ落とした、夜陰に隠れる薄い笑み。) ……何方の「願い」に、望まれて<とらわれて>居るかは、存じませんし、お伺い致しませんが。……捕まって、しまったら、 (囚われて、居るのなら、) ……願えませんよ。何も。   (2017/9/10 15:13:56)

エルソフィ♀司書官 (それは、世界のどの抒情詩<ホン>よりも歪だったのだろう。)――、(夜の虚空を掻き薙いだ指先。その軌跡は、世界のどの脚本<ホン>よりも拙かったのだろう。だって、末路を収めてなお凛と佇むことを是とされた白は、銀の前でハッと大きく目を見開いたから。まるで、ステップを踏み間違えたことに気づいた役者のように。まるで、外してはならぬ一閃を外してしまった闘士のように。)――(『だめですよ』という子供でも知っている言葉のどこに、そんな力が宿っていたのだろう。)――――(聞き分けの悪い子供を諭す大人の言葉のようにありふれた言葉は、どんな盾だったのだろう。)――!(いともたやすく行き場を再び失った手をすくいさらった手はきっと、乱暴という表現からは遠い軌跡を描いていたのだろう。前にも一度だけあった。ありふれた軽薄な誘い言葉に伸ばされた指先をいともたやすく己が拒絶した氷の新月夜があった。……あった。今は、――。)――……(朧月夜の下、ありふれた、女の夜歩きを諭す気遣いともとれるような言葉に女は顔を見上げるだけで何も言わなかった、が。)   (2017/9/10 15:53:25)

エルソフィ♀司書官――( ねがいに とらわれて つかまって しまったら )――(初めて、震える呼気を、瞳揺らいだままの眼を大きく開く様を、あまりにも無防備に背高の男の前でさらした。まるで、ただの女のように。それでも。)……届かなかった願いだからこそ、<ワタシ>は……(その震える声は、震えながら食いこませる指の有様は、)…………私は!! (――悲シクテ、痛イ。)    (2017/9/10 15:53:35)

ピェリオ♂役者……それなら、 (捕いたそのままに男が問う。色かたちの見えない、声の儘。) ―――――捨てますか? (唐突な、問いかけだった。冷たくも温かくも無い、温度を抜け落とした、いっそ優しくさえ聴こえる――かも、しれない、声。声の儘に、一度きりに細い手を引いた。食い込む程に指がからんでも、何も意味がない。たかだか女性が渾身込めた処で、男にとっては、如何というものでも無い。所作は、彼女の額を丁度己が肩口に当て引き寄せるような仕草で、かなえば互いの顔が見えなくなる角度。あくまで緩慢なそれは、必要以上に触れあうでも無く、抱き寄せると云うには遠い。空いた片方の手が、触れないまでも音無くその華奢な背に回ったのを、彼女が知るかは解らないけど。) …………棄てますか? (もう一度問う声は、どんな風に聴こえただろう。)   (2017/9/10 16:04:55)

エルソフィ♀司書官(よく、甘美な囁きという表現に悪魔という存在が登場する。なぜ悪魔で、なぜ甘美かという話を、さて誰に聞いたのだったか。)―――、(悪魔は古来から欲の在り処と有様を知っていて、純粋な彼等はそれを率直に問うからだ。)――……(願いを、問うからだ、そうだ。)……(眼前がただ分かりやすい悪魔だったのなら、どれだけ楽に解いてこのわずかな温度を拒めたのだろう。積み重ねた頁が何もなければ、どれだけ簡単に暗さを増した視界の中で言葉を返せたのだろう。)――(すてますか?)――(すてられますか?)――(すてていいものですか?)――(すてたかったですか?)――……どうして……(ぽつり)どうして、答えてくれないのですか……(肩に当たった額がわずかに横を向くように擦れる。掠れ声は、今までで二番目に近い距離に引き寄せた眼前へ投げ上げられた言葉ではなく、いつも胸元にしっかりと抱かれているはずの黒本へ落ちた。落ちた――そう、いつのまにかだらりと下がった右腕の先、五指だけで支えられ落下を免れている、物言わぬ本。)   (2017/9/10 16:35:13)

エルソフィ♀司書官……捨てられるものなら……(――すてたいですか?)……私は貴方に出会うずっと前に名を天に返していました。(――すてられたらどうしますか?)多くの人々の願いをいまさら棄てても……、――(ソモソモ、アナタニステルケンリナド?)――残骸に叶えられる願いが、どこにありますか。(指食いこませる力と裏腹の、か細く遠い囁き。)   (2017/9/10 16:35:23)

ピェリオ♂役者(女が何を問うて、誰に問うているのか男から見えない。見ていない。微かに肩口に落とした自分のものでは熱に、目を向けないまま。初めから、目的が視線を逸らす事であったとでも言うように。その証拠に男の声は、彼女からまた遠く聴こえるかもしれない。夜陰に向けるよう、朗々と。) ……、…………、――とうに、捨てられているかも知れないのに? (甘やかさなど、何処にも無かった。) ひたすらに踠いて喘ぐだけで、願い乞う先からは、とうに忘れられているかも知れないのに。 (この世界は呆れる程に広く、馬鹿げた程に命で溢れているから。) ……きつく抱き締めて居た筈の、開いた手の上には、何も遺って居ないかも知れません。みずから鎖を抱いて、願いに繋いで、朽ち果てるまでを待ちますか、―――『忘却に堕とされた、可哀想な女神様』。 (カチリ、と男の正面。女の背後で、微かに。ほんの微かに金属が軋むような音が立った事に、果たして彼女は気づいたか。うたうような声音のほうが遥かに響いたなら、それもまた飲まれていくものでは、あるけれど……) ねえ、いっそそれならば、――――――――――   (2017/9/10 17:16:05)

ピェリオ♂役者(刹那。) …――――――ッ!! (がン、と云う衝撃に似たものが、女性の身体に響いたかもしれない。横合いから揺す振られるような一瞬。もし一瞬でも気が逸れたのなら、次に目の当たりにするのは地に転がった痩躯である。) ……っ、…… (不意を打たれて突き飛ばされた男は、咄嗟の事に辛うじて頭を守った姿勢で大地に身を伏せていた。伸ばした手の先、彼女をとらえていなかったほうの指の先に一瞬、魔力の光に反射して、仄かな銀色の煌きが滲む。それを何事も無かったように手の内に隠し込んで、男は身体を持ち上げた。何処か、けものが起き上がる風情に似ている。肩から持ち上げ、乱れた結い髪を引っ掻いて、視線は地面に向けたまま。) …………あの、ねェ。……良い子はァ、こォンな時間に、お外歩いちゃいけませン、ってェ、いつも言ってるでしょォ? ……なーンでこんな処に居ンの、 (一拍前が嘘のよう、呆れる程に気安い声音――を模るなら。ゆら、と上げた視線が、たった今まで捕えていた白装いの女性――を、通り越して、何時の間に彼女の側へ並び立つ小柄に、向けられた。)   (2017/9/10 17:17:18)

ピェリオ♂役者……アイン。 (白いワンピースの、夜に薄く映える金色の髪。愛くるしい舞台用の笑顔でも、幕を下ろした後の人形じみた無表情でも無い、夜陰で解りづらかろうとも蒼褪めて眸を見開き何処か強張った顔色で、自分を養う男を渾身で突き飛ばすよう両手を差し出したような姿勢で固まる幼い少女の名を、呼んだ。) 「……遅い、から、デージーが、迎えに、行っ……」 ……ふぅン? 「…………この、ひと、は、……だめ」 …………。 (懇願を必死に押し殺す、掠れた声で少女が答える。そのまま地面に視線が落ちる。何か見止めて咄嗟に駆け出しても足音が立ちづらい、素のままの足だった。)   (2017/9/10 17:17:32)

エルソフィ♀司書官――(こんな感覚でしたか?)――(あの時、アナタは、こんな感覚でしたか?)――(どちらを選んでもその先にアナタがいない未来を前にして、選択を迫られたアナタは―――――)……(いつぞやの『裏舞台』の言葉がもう一度。あのときは耐えた言葉。だってあれは台詞<オトギバナシ>だったから。でも、今度は、ただの言葉だったから、一際深く細い呼気と共に身体が、前に堕ちそうになった……、その刹那のことだった。)――!ピェリ――(今までの時間の流れ方に比べれば、視界の動きは豪速と言っても過言ではなかった。名を呼びかけた事と、力を失っていたことが嘘のように右腕が肩の高さ水平に勢いよく跳ね上がった。が、本が捲られるような摩擦音は急転した視界の音に掻き攫われる。横合いからの害意<ショウゲキ>よりも先に、地に倒れた細身のほうへ身体を向けていたいたから。)――ピェリオさん!(ようやく視界の事象がただならぬことと察して呼び声が飛ぶ。意識を喪失していないことを確かめるや、自分たちの不意をついた方角へ顔を向けて、開きかけで唇が止まった。)   (2017/9/10 17:44:18)

エルソフィ♀司書官……アイン、さん……?(以前に見た面持ちと明らかに違う少女と、文句を言いながら起きあがる男を、交互に見る面持ちを一言に落とせば、茫然。音無く閉ざされた黒本は、また、物言わぬ本となった。)   (2017/9/10 17:44:24)

ピェリオ♂役者(沈黙はどれ程だったか。絹を裂くような響きで呼ばれた自分の名が、震える少女の嘆願が、意識をこの場へ引き摺り戻す。) ……、…………、ッの、ババァ。 (細く、長い、吐息が、ごく小さな悪態と共に漏れた。地に荒く座り込んだまま、肩から落とし、肺腑をからにするような長い長い嘆息。首の後ろをがり、と一度爪が引っ掻き、俯けた頭を左右に振った。もう一度、溜息。) ―――しゃー無ェの。 (ひょい、と難なく立ち上がる仕草は、弾かれたばねのように、長らく止まっていた時間が此処に来て急速に動き出す。肩をそれぞれに回すと、がき、と凝った音がした。広げる両手は、蒼褪めて心なしか震えて見える幼子へ。) おいで、アイン。……ンな怯えンでも宜しい、怒ってねェよ。あと靴、外出る時は靴、ちゃンと履き。いっくらロサールが良いトコだカラって、木の切れッ端くらいは落ちてンの。踏んだら怪我すンでショ。ハイ、抱っこ。……抱っこ。 (二度繰り返したのは、少女が動かなかったためだ。二度目に幾らか強くした語調に、またびくりと震えた少女がおずおずと歩き出す。それを片腕に拾い上げ、空いた手で素足の土を払ってやる。)   (2017/9/10 18:05:32)

ピェリオ♂役者……驚かせてすみません。いっつも私が子ども達を揶揄ってばかりいる所為か、貴女にまで悪さしたのかと気が逸ったようです。 (まるで何事も無かったような男の物言いは、この時点でようやっと白衣の女性に向けられる。いつも通りの、飄々とした明るい声音。) ……しかし、色々と悪ふざけが過ぎたのは確かです。どうぞ、お気を悪くされていらっしゃいませんように。 (片腕に少女を抱えたまま、浅く膝と頭を下げる。倣って、男の服にしがみついたような少女も、頭を下げた。無表情に帰り切れていない、強張った眼差しが何か訴えかけるように紫の双眸を見上げて――) ……そんな処で、何やら「捜索願」も出てしまった事ですし、私は此方にて。……宜しければ、途中までお送り致しましょうか。随分と、この道化師に付き合わせてしまった事ですから。 (何のことは無い、という物言いが、小さな訴えを遮るように女性へ笑って見せた。)   (2017/9/10 18:05:48)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、ピェリオ♂役者さんが自動退室しました。  (2017/9/10 19:00:11)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、エルソフィ♀司書官さんが自動退室しました。  (2017/9/10 19:00:11)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2017/9/10 19:00:20)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2017/9/10 19:00:23)

エルソフィ♀司書官(さて、どちらが非日常だったのだろう。子供を子供として扱う面倒見のいい仕草言葉と、いましがた、と。純白はただただ、茫然と「ありふれた会話」を見守る以外を何も選択しなかった。頭の片隅に、問いはいくらでもあるのだが、「いつも」なら、一つ二つ問うて、そうだ、少女に大切な用があったのに――――)……いえ、もとはと言えば、私がお邪魔とご迷惑、を……申し訳ありません。ピェリオさんこそ……どうぞ、お気になさらず、妄言と忘れてください。アインさんも、ご心配をおかけしました。私が引き留め続けたので、どうか、ピェリオさんを責めないでください。(まだ茫然としたまま、視線が惑ったまま、どこか夢から醒めぬ眼差しのまま、会釈の仕草と言葉だけは歪なほどいつも通りだった。顔を上げる頃、見送るという言葉。いつもと違う、湖面色の眼差しを見つめて、一拍。)……親子連れと見間違われるような様で夜道を、手が塞がったまま歩くのは危険です。馬車が多いところまでご一緒――   (2017/9/10 19:02:58)

エルソフィ♀司書官 ――「ああ、こんなに分かりやすいところにいたのね」   (2017/9/10 19:04:44)

エルソフィ♀司書官……え……?(肩越しに響いたその声は、女の声を耳慣れた者なら「似ている」と聞こえたかもしれない。今の声から硬質を削ぎ落せば、ちょうどこんな朗らかな声に聞こえたかもしれない、通りの良いソプラノ。純白はまばたきも振り返ることもしなかった。肩越しの声は暗がりの路地からだんだんと近づく。コツコツと石畳を規則正しく行く音と共に。魔導灯が照らすのは澄んだ銀甲冑。そう、この街の守り人らが等しく纏っているもの。止まったままの女の後ろから肩越しに見えたであろうその姿。夜風に長い黄金色をゆらし、蒼色の双眼をぱちりと開いた眼差しは無垢なほどにまっすぐ。年は、佇んだままの女より少し若いくらいだろうか。幼さが残る、銀細剣を提げた少女騎士。)――「ご協力感謝します。夜道は危ないので市場のほうを通って帰って下さいね。彼女は私がかえしますのでどうぞご心配なく」(ぼうっとしたまま俯く純白の司書官の真後ろで歩を止め、ひょこりと彼女の後ろから顔を覗かせる形に、少女騎士はにこりと笑んだ。)   (2017/9/10 19:04:55)

ピェリオ♂役者(いつもと変わらない完璧な会釈に、いつもと異なり何処かぬるま湯に浸かった様なぼやけた面差しが、何処かちぐはぐな印象に映る。色違いは、それとつながる彼女の言葉を一通り眺めて、口角を持ち上げる。先ほどまでのつめたくあたたかくも――何処かがらんどうな笑みではない、舞台芝居上でも見せるような、やや大仰に滑稽気取った仕草に。) いいえ、いいえ。貴女が何を、気に病まれる事がありましょうか。すべての悪は、この私。貴重なお時間を頂戴し、未熟な音の違和感に引いて寄せられてしまった麗しきを、ほんの一時留め願い乞うただけの私です。……何も、気にされずとも宜しいのですよ。 ……ねェ? (いつかの日も告げたのと、似たような言葉を並べ立てては、おしまいの一言は腕の中の幼子へ。湖色は、今だ落ち着かない視線と面差しを、もう一度二人の間で交差させて……ゆっくりと、頷いた。少しずつ、冷え切った肌がいつも通りの、……無色に戻っていく感覚。男は満足そうに頷いて、腕の中を一度揺すってみせる。) ああ、お気遣いを感謝致します。私達の事は、心配には及びませんが……そうですね、宜しければ――   (2017/9/10 19:56:13)

ピェリオ♂役者……、 (続けようとした声音は、両者の間であえなく途切れた。朗らかな声音と、夜闇にも映える銀の甲冑には憶えがある。後者はこの街に居ついて暫く、そろそろ目に慣れてきた守り手の証。そして前者の理由は――) ……これはこれは。この都の騎士様にも、このようにお美しい方がいらっしゃったとは。本当に、恵まれた国ですね、此処は。 (笑ってみせる。今しがた現れたばかりの少女騎士と、今しがた迄眼前で言葉を紡ぎ、「彼女」が現れたと同時にもの言わなくなった白衣の女性へ。) お知り合いの騎士様でいらっしゃいましたか。それは何より。お気遣い、有り難く頂戴いたします。……エデット嬢。また、いずれの舞台にて。 (知己との間に邪魔になってはいけないとでもいうように、別れの台詞はいくらか囁くようであった。素足の少女の片腕に抱き、からの片腕は空いた片方の胸元に添えて。膝を折り、頭を垂れる角度は流石にいつもより浅くとも、ふらつく様子も無い役者の礼。数えて3秒、顔を上げて、踵を返す。靴の裏が石床を鳴らし、だんだんと夜闇に紛れていって。)   (2017/9/10 19:56:33)

ピェリオ♂役者―――――嗚呼、そう云えば。 (……間際に、足を止めた。) ……私とした事が。大切な事をお伺いしておりませんでした。 (振り返った。ごく自然な仕草で、身体ごと。腕の中の少女がそれこそ、微かに驚いたような面差しを浮かべる程。そのままごくごくあっさりと、戻ってくる。そうして、止まる。) ……私どもは、此度以前より海を越え、このロサールに参りました。芸人一座「銀猫」が一人、<道化師>ピェリオ=ピュリア。此方は、<少女楽器>アインと申します。以後、お見知りおきくださいませ。美しい、陽の光の騎士姫様。 (名乗りは、白亜の司書官を通過して、彼女の後ろの少女騎士へ真っ直ぐ向けられる。如何と言う事は無い、先日司書官は目にしただろう、同じような光景を、彼女の知己である青年冒険者へ行うのを。) ……して、宜しければ。折角の、御縁です。貴女のお名前をお聞かせ願っても宜しいでしょうか? 太陽の煌きと、このロサールの水面色をした、麗しい方。 (ただただいつも通りに、笑んだまま。)   (2017/9/10 19:57:53)

エルソフィ♀司書官……(純白は、何も言わない。黄金は、にこりと笑んでロサールの民の安全帰路を見守る。)――「おだててる暇があったら、ちゃんとお家に帰らないと。小さい子を遅くまで連れ歩いたらだめですよ?」 ……、――(銀細剣に手を置きながら、明るく言葉を返す少女騎士。)――「名前、ですか?」(冷たい風が流れ込んで来た。夜が深まるよ。気紛れで強い雨が降るよ。)――「私の名前は、」 ――――! (少女騎士が左手を心臓に当てて背筋を正すと同時に、ソレは起きた。風が運んできた分厚い雲が、ぽつぽつと大粒の水粒を落とし始めたとき、黙して俯いていた純白が顔を上げて、閉ざされた黒本を水平に掲げた。騎士の前を遮るように。そして、間髪いれずして雨は不自然なほどの気紛れを起こす。ぽつぽつと音立ててから二秒しないうちに、それは水の轟音纏った鈍色のカーテンと化す。局地的に大量に降ったその雨粒たちが、青白く煌めく本を中心にみるみるうちに凍り付いて、集まって大蛇の形を成して地を這った。高速で、銀猫らを大路地へ追い払うように。あるいは、)   (2017/9/10 20:38:06)

エルソフィ♀司書官――――逃げてぇええ!! (豪雨の中、氷の咆哮の中、懇願の悲鳴に応えるように。拒むのは困難であろう。細路地を塞ぐようにして氷は棘を纏って駆け寄っているのだから。悲鳴の主は、雨が凍り付いた高い高い氷柱の中に閉ざされて見えないのだから。)――(それでも振り返ったり目を凝らす理由をもってしまっているのなら、その氷柱が、内側から赤くなるのを、最後に見たのかもしれない。氷の暴舞は数分のこと。終演の頃には、人影というものは、なくなっていた。気紛れな大雨が、みるみるうちに水都広域へと広がり、夜の影に落ちたもの全てを、清くなるまで洗い流していくだけで。)   (2017/9/10 20:38:49)

エルソフィ♀司書官【度々の長考を失礼しました。強引に詰めて強引に引きましたが、ひとまず私からは以上にて。幕閉じございましたら、ご一緒したく。】   (2017/9/10 20:39:34)

ピェリオ♂役者(その急な雨は、少女騎士が名を名乗り切る前に訪れた。唐突に、恰も、この先を強引に断ち切らせようとするばかりに。) 、―――!? (雨には同時に気づいただろう、男と少女が瞼を跳ね、少女が空を確かめるように見上げる間際に、男の腕がそれを強引に遮った。男の鞄を抱いた少女ごと、腕の中に押し込めるように。そうしなければならなかったからだ。それは、自然界に――およそ有り得ない速度と水量を、局地的に大地へ、眼前へ齎したから。何時しか見た仕草、冬の日、あの冷たい川。傾いで行った視界の向こうでも、「彼女」は今と同じように本を差し出してそして今と同じ―――いや、) …―――――ッ!! (比べ物にならない程張り裂けるような声音が鼓膜を打ち、それを上回る、文字通り凍てつく水の暴虐が地表を、まるで生き物のように這い摺り廻る。狙ったように足下、足元を掬う蛇の動きは此処ではない何処かで見覚えのあるもので、けれど蛇はこんな風に雨粒から姿を変えたりはしない。一瞬遅れた片足が崩れ、膝をつく間にばきりと爆ぜた氷が男の右腕を薙ぎ払う。「去れ」と言わんばかりの、それは、) ……ッ、!   (2017/9/10 21:30:11)

ピェリオ♂役者(それは何処か、硝子のくだける音に似ていた。まがねを打って合わせた音にも似ていた。無数の氷のはものが、意思を成してつらなり襲い来るのに太刀打つ術など――) …………! (……――――) ……傷、作った? どっか。 (……豪雨の中で、大通りに並ぶ建物の陰に、男は少女を抱いて腰を下ろしていた。屋根は短く、雨滴全てを遮る事が出来ないが、既にずぶ濡れの二人には然程関係無かった。少女は男の問いかけに、それに縋るよう男の鞄を固く抱いたまま、首を左右に振った。力なく、首を俯けたまま。それでも、男は満足そうに笑う。) ……そォ。良かった。……んーでもこれじゃア、猫じゃなくて濡れ鼠だネェ。デージーに怒鳴られたら、一緒に謝ってくれる?  アインちゃん。 (シニヨンからすっかり崩れた銀の髪は、ただ所々に石飾りを引っかけたまま、肩から背へ流れ、其処へ絶えず水滴が伝った。家屋へ降り注ぎ濁る雨水にひとすくい、鉄錆の赤を混じらせながら。) じゃ、帰ろ。ゆっくりめで、ごめンね。 (だらりさげた右腕から、黒に滲んだ赤は目立たない。左腕で、同じようにずぶ濡れの少女を抱いて、男は立ちあがる。)「……ねえ」   (2017/9/10 21:30:23)

ピェリオ♂役者(初めて、少女が声を上げた。) 「……ねえ、あれ」 (「雨」が降ってから、初めて。何かを恐れ、怯えるような声は男を突き飛ばしたばかりの時と似ていたが、その時とは怯えるものが、異なった。男は素知らぬ風情で、歩き出す。急な雨だと、市場も、居並ぶ店も戸を閉めたようで、辺りに人通りは殆ど無い。男にとって、それは好都合だった。) 「あれ……なあに」 ……オイラに聞かれても、ねェ。流石水の都スゲェ、みたいな? (男の声はうらはらに、全くの平坦だった。いつも通りの、何も、無かったような。少女の鞄を持つ手が震える。か細い片手が、男の黒衣胸元辺りを掴む。) 「……あのひと、どうしたの」 ……だカラ、オイラに聞かれても。 「……見たでしょう?」 ……アイン。寒いンでショ、すっげ震えてンね。早よ帰らンと、御前さンが倒れたら何もならンわ。着くまで寝ときな。 「ねえ、どうして」 しーぃ。……寝な。 「……ピェリオ、いいの」 ……、   (2017/9/10 21:30:59)

ピェリオ♂役者(虚ろな湖色が揺れる。雨うたれ、けぶる視界と同じように。静かな声音が、とかくどう言っていいか解らないものを目の当たりにして怯える眸が、逃走のすえ辛うじて自身らに起きた事を知ろうと身を捩り目を凝らした先に見えてしまったものの、例えようのない不安を吐き出すように。) 「あのひと、だって、あの時、あなたが」 ……寝てなって。 「ピェリオ。ねえ、ピェリオ、…――」 …――呼ぶな! (……雷打たれたように、幼い訴えが止まる。) ……『大人しく、寝てなさい』、……アイン<一番目の子ども>。 (……少女が震えて、ずるずると男の胸元から手を離す。糸を切られた人形のように、みるみるうちに表情を失くして、最後に、最後に一度きり……霞んで見えない、とうに誰も居なくなった細い路地のその先へ視線だけ向けて、そのまま、眸を閉じて動かなくなる。)   (2017/9/10 21:31:16)

ピェリオ♂役者…………だから、云ったのに。 (誰にも届かない男の言葉も、真夜中の雨中に飲み込まれあっと言う間に掻き消えて行った。)   (2017/9/10 21:31:47)

ピェリオ♂役者【こちらこそ、大変度重ねて大変な長考を失礼しました。受信不良が起きてないと良いなと思いながら、これにてこちらも綴じとさせてくださいませ。昨日の晩から数えましてもたいへん長らくのお付き合い、有難うございました。】   (2017/9/10 21:33:01)

エルソフィ♀司書官【読了。ええ、もう、もう、本当に、アイテム一つの処遇を軽くと思ったら凶暴な大紡ぎにしてしまいまして……!(深々。言葉の一騎打ちという言葉がこれほど似合う紡ぎもなかったです。本当に、楽しかったです。ありがとうございました。(不穏しか残せなかったのですけれども)また機が廻りましたら、ぜひに。長らくのお時間を本当にありがとうございました。】   (2017/9/10 21:37:25)

ピェリオ♂役者【軽く(12時間 みたいな感じでほんといつもすみません有難うございます此方が落とし物なんぞしたばっかりに(震撼 大層おおごとになってしまって、司書さんの安否が気になったり安否が気になったり気になる事が多すぎるのですが、また次回を楽しみにさせてくださいませ。なかなかどうして意地悪な事ばっかり言って困らせてしまったPCでしたが、また懲りずにご一緒出来ればと思います。今宵は本当に有難うございました。】   (2017/9/10 21:39:35)

ピェリオ♂役者【そんな処で、今宵此方にて。長時間、お部屋ありがとうございます。お返しいたします。どうぞ、良い夢を。おやすみなさいませ。重ねて、ありがとうございました。】   (2017/9/10 21:40:31)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2017/9/10 21:40:34)

エルソフィ♀司書官【いえ落とし物はなくてもいずれはやった銀の話だったと思いますので……!司書の安否はええと――メインキャラですしたぶんなんとかなります。私も道化さんとアインちゃんがそろそろ心配で仕方ないのですが、次幕をたのしみにしています。それでは、お部屋これにて。どうかよい夢を。ありがとうございました。】】   (2017/9/10 21:41:37)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2017/9/10 21:41:43)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2017/9/12 01:55:59)

エルソフィ♀司書官【遅くに失礼します。先の幕の補完ソロルをひとつ置きにお邪魔いたします。】   (2017/9/12 01:56:38)

エルソフィ♀司書官(規則正しく落ちる雫音。漂う草の清涼と花の甘香。)――「まったく面白いことをするわね、何が面白くて最悪手を取ったのかしら」(響くは、艶やかで穏やかな言の葉。)――「そんなに無様になってまで、何を願ったのかしら」(問うは、無数の末路枝。)――「別に捨ててもよかったのよ?現に捨てかけたのにどうして戻ってきてしまったのかしら」(優しく撫でる先の、したい)――「……そう。それは自然な感情よ。その感情を、痛みを、よく覚えておきなさい」(優しく詠う先に、16本の断罪)――「覚えていれば、貴女が忘れさえしなければ、伝わり、物語は続くわ。たとえ他が誰一人願わなかったとしても、貴女が願いさえすれば、それは本になるわ」(裁かれたものは、何も言わない。それでも優しくしたいを撫でて、クスリと笑んだ声を冷たい此処で響かせた。)――「さあ、意識があるまま引き抜かれたら痛いでしょう?少し眠りなさい。せっかく綺麗な二つ名をつけてもらえたのだから、ありがたく溺れてしまいなさい」(雫音が、不規則になった。草花の香りに、冷たい鉄が混ざった。)   (2017/9/12 01:57:05)

エルソフィ♀司書官――「忘却に堕とされた……フフ、フフフ……言い得て妙もここまでくると確かに「生きていたのか」と疑いたくもなるわ?フフ、ウフフフ」(雨を偽りの幕にて切り取った真の空間。氷と銀が争ったような歪で冷たい壊れかけの氷柱檻の中で、魔女の哄笑のような声が響いた。)   (2017/9/12 01:57:20)

エルソフィ♀司書官【以上にて。お部屋ありがとうございました。】   (2017/9/12 01:57:27)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2017/9/12 01:57:30)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2017/10/16 00:13:18)

ピェリオ♂役者【こんばんは。今宵はソロルにてお邪魔します。こちら本部屋に以前投下したロルの後日談的なものになりますが、極めて自PCの個人的内容の為、此方のお部屋をお借りさせてください。】   (2017/10/16 00:14:00)

ピェリオ♂役者(お帰り。随分とゆっくりだったね。 ……「巣」に戻ってきた銀の毛並みへ掛けられたのは、低い女の声だった。色違いの双眸が其方を見遣り、うんざりしたように肩を竦める。) そォンな顔しなくても。タダイマ。あとオミヤゲ。これ、アインに。薬。飲み方は、 (アンタにも外出禁止を出した筈なんだけどね、アタシは。 ……鋭い声音が、言い訳のような男の説明を断ち切った。) ……べぇつに。チョット空気吸いに出るくらいいーでショ。それにカワイイ妹分が寝ついたまンまで、オイラだって心配でしょーが無いのォ。此間流石に怖い思いさせたし、今のアインはオイラの責任だし? せめてもの御詫び。……そォ怒ンないでよ、デージー。 (デージーと呼ばれた女の声は固い。鋭い指摘は続いた。 そんな事言って、あの夜の事をアンタ達、何も語らないだろう。) 大した事じゃ無いって。ただ大雨にチョット降られ過ぎて、 (ならあの子の怯えようは何。) 、熱の所為でショ。 (アンタの名前を呼んでた。何度も。それから「あのヒトは止めて」って、さ。) ……、 (……花屋に何の用だったんだい。) ……わざとらし。趣味わる。何、女って年取ると皆そォなの。   (2017/10/16 00:15:20)

ピェリオ♂役者(面倒だね、と茶化すような男の笑い声を、低いこわねの女が遮る。 ……あの娘が「あのヒト」かい。) ナイショ。いくらデージーだカラッて、デェトの覗きは感心しねェヨ?  (子供達が噂してる。) ……なァに。 (次は誰だろうって。) ……。 (……もしあの娘なら、育ち過ぎだろう。) ちょ、ヒトを幼児趣味みたいに言うの止めてデージーさン。よしンばそォでも選ぶのはアッチ。……御膳立ては、するケドね? (女は短く息を飲む。 だから、アンタ、あの花…… ……それきり黙り込んだ女を前に、くつ、と喉を鳴らして笑ったのは、男の方だった。) てな訳でェ。コレはアインちゃんに。後、会いたいって。何か渡したいンだってサ。伝えといて。 (……あまり無茶をさせるでないよ。あの子は、) 大事な大事な、タカラモノ。わかってるヨォデージー。……我らが親愛なる座長様。 (おどけた仕草で告げた男は、手の中の薬瓶と、薄い紙袋を同時に女へ押し付けた。) 袋、花菓子。薬嫌がったらやって。残りはアンタが食ってどーぞ。他の奴らにやってもいい、好きにして。 (二の句を継がせない勢いで並べて、部屋を出る間際に一度振り返った。)   (2017/10/16 00:17:43)

ピェリオ♂役者……例え器が大きくても「やりようはある」――爺さんから最初に習った言葉だ。 (余韻が消える前に扉は、閉まった。)   (2017/10/16 00:18:06)

ピェリオ♂役者(一人きりの部屋の中、男は卓上に置かれた硝子瓶を見つめた。うたうように掠れたさざめきは、呪いに似た言葉を落とす。) ……如何とでも、如何なるとでも。 (「ありのままの、」) ――――アナタがソレを、望むなら。 (その声も面差しの色も、誰にも届かないまま。 ……芸人一座「銀猫」の新作舞台日程が街広場にて告知される、3日程前の出来事だった。)   (2017/10/16 00:20:01)

ピェリオ♂役者【以上にて。お部屋ありがとうございました。おやすみなさい。】   (2017/10/16 00:20:14)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2017/10/16 00:20:19)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2017/10/21 21:59:28)

ピェリオ♂役者【こんばんは。今宵は待ち合わせにて、お部屋お借りさせてくださいませ。】   (2017/10/21 21:59:43)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2017/10/21 22:03:18)

エルソフィ♀司書官【こんばんは、お部屋お借りいたします。ピェリオさん、お待たせいたしました。舞台へのお招きをありがとうございます。どうか、良き紡ぎとなりますよう。】   (2017/10/21 22:04:28)

ピェリオ♂役者【こんばんは、エルソフィさん。いいえ、此方こそ今宵は有難うございます。 開演前に幾つか、勝手ながらお願いが。時間軸なのですが、9月の内容で作ってしまった為、針を少し巻き戻して頂けますと。また、こちらは現実の針のお願いですが、勝手ながら今宵最長でも1時で一旦幕を引かせてくださいませ。代わり、其方に差支えが無ければ、翌日曜日より栞を抜かせて頂ければと思います。開始の日程、時間等々はお委ね致しますので、お願い出来ましたら。】   (2017/10/21 22:08:51)

エルソフィ♀司書官【栞前提をお願いしたのは私のほうですので、どうぞお気になさらず。お気遣いをありがとうございました。舞台暦、および現の刻限、了解しました。なるべく余裕を残して栞を挟めるようにしますが、もし私の手番中に越えてしまいそうになりましたら途中退室で大丈夫です。再開は可能であれば翌日正午でいかがでしょう?】   (2017/10/21 22:14:11)

ピェリオ♂役者【有難うございます。思うよう綴っていただいて構いません。お返事をお返しする前に栞を挟んでしまう懸念だけご容赦頂ければと思います。再開日時、承知いたしました。ご対応いただき有難うございます。 では、僭越ながら先行務めさせて頂きます。何か有りましたら都度仰ってくださいませ。どうぞ、良い遊戯を。】   (2017/10/21 22:19:40)

エルソフィ♀司書官【はい。良い紡ぎを。】   (2017/10/21 22:21:08)

ピェリオ♂役者(暦は9月<フィーネ>を示した、やや風の強い休日の事。太陽が真上に掛かるにはまだ早い時間帯、朝の喧騒が一段落した頃合いに、都は華やぎ始める。夏の日差しとは違う乾いた秋風は街中を、市場を、見知った水辺を撫でて、揶揄うようにあらゆるものを巻き上げていく。それは、早々に色付き始めた木の葉だとか、御婦人のスカートの端だとか、果ては街角に貼られた宣伝広告が一枚だとか――) 、は? ちょ、何ごめン聞こえなかッたわもっかい云って。 (……素っ頓狂に引っ繰り返った男の呆れ声だとか。) ……あーのォ。今日が、どォ云う日か解ってる、よネ? どっちもォ。 (その「脚本はずれの舞台」は、街外れの野外劇場、の文字通り舞台裏にて行われていた。これまでにも都を訪れた劇団や市井の合唱団などに多用され、男が所属する一座も御多分に漏れずお世話になっている民間劇場。小さな舞台と、舞台を半円に囲むようにしておかれた椅子。いずれも簡素なもので、豪勢な国立劇場にはけして及ばないが、演目料は……そろそろ誰かしら憶えたかもしれない。<彼ら>は皆、演目の大小に関わらず、口を揃え客席に向けてこう謳う「御代は、見てのお帰りで」。)   (2017/10/21 22:22:01)

ピェリオ♂役者(だけれど、だけれど、「今回」は。ちょっと様子が、違っていて――) ……『銀猫』の、物語舞台の、初日、だよォ? (舞台の裏で、道具や衣装を固めた衝立の裏。声ばっかりは潜めているけれど、空気は見てとれるほどに重たいし、先ほどから響く男のこわねも軽妙気取って何処か、不機嫌そうなそれ。痩せて見えるシルエットに、男女ともつかない黒い裾の長い服を纏っているのは、舞台上に上がらないものの証か。乱雑に、ひっつめただけの髪を片手で掻き回して、眼前見つめて溜息ついた。似たような年頃の、男女のふたり。) ……あと針がひとめぐりで開演なの。もォ少ししたらお客さン入れンの。あれほど打ち合わせ、したでしょォ? ……なァのにィ……二日酔いで「立てない」ッたァ如何云う事だ――――ッッ!! (ばささ、と近くの森から一斉に鳥が飛び立った。広場で遊んでいた小さい子どもが振り返った。おかーさんなんかきこえた。そうね野良犬でもいるかしら。 いいえ、ねこです。……閑話休題。) ……確かにここンとこァ調子が良かった。二人も頑張ってた。オイラもそれァ認めるよォ。でもォ、肝心の舞台に立てなかッたら何の意味もネェの、解るゥ……?   (2017/10/21 22:22:22)

ピェリオ♂役者(もはや呆れと怒りを通り越したような声音は俄かに笑っていた。細い、幼い手が黒い服の裾を引いた。金髪をした、小柄の少女。男からは「アイン」と呼ばれ、時折ともに連れ出される少女。蒼く張りつめた湖色の眸を、見開いたまま首を左右に振っていた。それを見下ろして、) ……ハイ、ハイ。――たァく、しゃあねェの。 (よいしょ、と弾みをつけて細い体を抱き上げる。一瞬、怯えたような素振りを見せた少女は……すぐに大人しく男の腕に収まった。聞き分けの良い、まるで人形のように。) 「病み上がり」に心配さすのも、ネェ。二人は今夜、デージーにみっちりお説教。 ……オイラァ? ……ちょっと考えてくる。 (そうして子どもを抱えたまんま、舞台袖から歩き出す。開演も開場もまだ先だけれど、休日とあって人の出はそこかしこにか。) ……はーァ。……アァ? ……ンぁ、もォ、起きた事はしゃァねーっつーか。どーしょーもネェっつーか。……御前サンは気にすンな。いーの。……ま、最悪そこらへんで木の棒でも拾ってくンよ。 (立てかけとくか、なァんてけらけら笑いながら、さても気はそぞろに何処か落ち着かないよう視線が滑る、街の中――)   (2017/10/21 22:25:25)

ピェリオ♂役者(ひらり、目に止まった。石畳に、何処かに貼り付けてあったものか、飛ばされてきた宣伝広告。「王子」と「聖女」の軌跡を刻んだ、芸人一座『銀猫』が描く物語舞台――― <あいにかわる物語>) ……。 (げし、と固い靴の先で踏んづけた。これ以上飛ばされないように。)   (2017/10/21 22:29:38)

エルソフィ♀司書官(水に困ることが無い都にも、風が運んでくる乾きのほうが肌に強く訴えかけるのだから、自然界の摂理は本当に面白くできている。ついこの前まで緑だった葉が、色を変え、枝からそっと下りてどの土で眠るか探す旅をする。さて街路はこの時期いろいろなものが飛ばされてちょっと危ないのだが、相変わらず非番の日も司書官制服に身を包む女は、変わらずに右腕に分厚い黒本を抱いて規則正しい歩に石畳を行く。コツコツコツ―――スカートの裾を風に悪戯された女性の「きゃあ」という声の横を、耳慣れているのか素通りして、視界の端で何か飛来物を見た気がしたときに初めて歩を止めた。)――ん、(左に首を傾いだらその飛来物は頬の横すれすれをよぎっていった。羊皮紙である。ちらりと見えたのは、見覚えのある綴り。そう、今日は<あいにかわる物語>の日。)……アイという一語が、言葉遊びの題材に選ばれやすいのはロサールの外も同じなのでしょうか。(通行人はいるが、誰に問うわけでもない。それくらいに小さな声に呟いて、歩を進める。向かう先は、羊皮紙が飛んだ先と同じ方角、野外劇場だ。)   (2017/10/21 23:13:59)

エルソフィ♀司書官――、(歩が止まったのは、飛んで行った羊皮紙が風から逃れてはらりと落ちた先で早々に踏んづけられたことではない。)……。(もう少し歩を進めた頃には、人々に紛れていたこの足音も耳に響いたのだろうか。しゃがみながら落ちた羊皮紙に指先伸ばすのが、視界に入っただろうか。)拾いますよ。文字の刻まれたものは、手が塞がっていてもあまり踏まない方がいいです。(たとえそれが自前の宣伝広告であったとしても、だ。)   (2017/10/21 23:14:06)

ピェリオ♂役者(羊皮紙を彩るものは、まずタイトル。央に一枚、壁を隔てて背を向ける一組の男女のシルエット。だから顔立ちなど仔細は解らないが、一人が俯き、もう一人が上向いている構図。周囲を石造りの塔と、花の咲いていない茨と、茜と群青に染め分けられた不思議な色の空が覆っている。冬に出した公演の広告は、「魔王」に立ち向かう「勇者」のものだった。春公演の歌劇は月のゆりかごに横たわる「歌姫」が描かれ、夏は猛々しい「騎士」を目指す若者達を賑やかに載せていた紙面は、その他の公演と比べれば何処か控えめに……勇者や騎士のような、子どもに人気を呼ぶものよりも「大人向け」に見えるかもしれない。そう、それこそ、) ……やあ、これはこれは、エデット嬢。とんだ処をお見せしてしまい。 (それこそ、彼がいつぞや、彼女に語って見せたように。) 失礼いたしました。何分両手が……申し訳ない。アイン、ちょっと受け取って。 (ばつが悪そうな笑みで、子どもを抱いたまま浅く会釈した男は、顔を上げて足をずらし、腕の中の子どもに声を掛ける。子どもは、動かなかった。) ……ア、イ、ン。   (2017/10/21 23:33:03)

ピェリオ♂役者(二度目に呼ばれて、ようやくぱちりとまばたきをして、……おずおずと、そのままの姿勢で両手を差し出した。一度青年を見上げて、それから女性を、……指先に一瞬向いた視線がすぐレンズ越しの瞳に向かって、それからすぐ羊皮紙に落ちる。そんな、彷徨う視線のままに。聴こえたかもしれない、小さな、……「…有難う、ございます。」) ……失礼しています。舞台も目前で、緊張しているのか…… 嬢は、本日はお仕事で? (男の笑みは変わらない。視線の先も、真っ直ぐ向けたままに変わらない。)   (2017/10/21 23:34:50)

エルソフィ♀司書官この時期はよくあることです。お気になさらず。(拾い上げた羊皮紙は、自分も図書館のコルクボードに貼りつけたときに眺めたものと同じ。同僚が『あらあら今回はしっとりめなのね?』と隣で言ってことに頷いたのを覚えているくらい、印象深かった。旅する一座なのだ。演目の雰囲気を種類多く醸せるに越したことはないし、旅するゆえに多いのだろう。そういえばそのとき同僚が口にした問いが――――)――こんにちは、ピェリオさん、アインさん。(挨拶に霧散した記憶の行先は風に任せ、小さな砂利を軽く、純白の手袋からわずかに覗く指先で払って、唯一手が空いている少女のほうへと差し出した。)……、――(すぐ傍で降る一度の呼びかけが聞こえないような喧噪ではない。二度目の呼ばれでようやく気付いたときの冬湖色の眼を見つめて、唇が開きかけたのを呼気ごと飲みこんだ。ゆっくり一度まばたきをして、羊皮紙から指先を離した。)ええ、舞台前ですものね。アインさん、楽しみにしています。   (2017/10/21 23:51:57)

エルソフィ♀司書官(「保護者」の言葉をそのまま受ける形に、そっと少女に添えて、少し高いところにある双眼を見上げた。)いえ、非番です。……本番前の息抜きでしたら、どうぞごゆっくり。(緊張しているのかもしれない、と言われた少女をもう一度ちらりと見てから、道をあけるようにして一歩横に踏み出した。)   (2017/10/21 23:52:03)

ピェリオ♂役者(もしかしたら、本当に人形のように見えたかもしれない。関節がばねのように小刻みにはねて、促されるままに紙面を受け取る様は。まるで何かに怯えるように。何に? ……誰を?) はは、そのようなお言葉を賜れるとは光栄の至りです。アインは今回、表舞台には出ないのですが、裏より、―――― (少女の挙動を知ってか知らずか、頭上にてすらすら言葉を並べ立てていた男もまた、ぴたりと止まった。会話の合間に、一拍、二拍。不自然に途切れたこわねを気にしたのか、腕の中の小柄が青年を見上げる。その色違いは、ふと笑みが途切れた真顔をしてほんの一瞬に、ざっと視線だけを上から下まで叩き落した。何処を? 頭の上から爪先を。誰の? ……眼前の。) ……いえ、ちょっとタンマ。 (がん、と先ほど羊皮紙を踏んづけた靴先が、また石畳を踏んづけた。正確には、一歩横に踏み出すその女性の進行方向を、大股で塞ぐように。そろそろ口調と行動と内容が伴ってきていない。もしかしたらここらで嫌な予感はするかもしれない、勘の良い人は。) ……嬢。足は御丈夫ですか。   (2017/10/22 00:06:48)

ピェリオ♂役者(ゆっくり顔を向けて、真顔で訪ねた。踏み出した片足で思い切り進行方向を塞いだまま、唐突に。腕の中の少女? 目を真ん丸にしている。……ちょっと蒼褪めている辺りで何か気づいているのかもしれませんが。)   (2017/10/22 00:07:04)

エルソフィ♀司書官(そう、まるで、発条を巻かれて起こされたような、そんな――)……そうだったのですか、裏方も重要な役割ですものね。(右腕に抱かれる黒本の裏表紙にて、ほんの少し指先が強張ったところを、相変わらずすぎるくらいにすらすらと並べられる言葉が過ぎていく。よぎったものごとは、図書館での真新しい記憶は、これまた霧散する。今度は、そのすらすらと淀みなく紡がれていた言葉が絡繰仕掛のように止まったから。)どうかなさいましたか?(あまりにぶつりと途切れただけに、本番前の役者たちの道行を妨げてはいけないという気遣いを思わず自分から一旦引っ込めて問いかけてしまった。……しまった。)   (2017/10/22 00:22:22)

エルソフィ♀司書官――はい?(大変分かりやすく進路を止められて、思わず聞き返してしまった。……しまった。)……ええ、一応。幼少は山村で過ごしていましたから。(それが何か、とは言葉が続かなかった。さっき素早く動いた視線は、勘違いでなければ自分を上から下まで見ていた。そして進路を塞がれて足を問われる。先々月あたりで読み聞かせをした噺にもこんなくだりがあった気がしただけに、いや、そんなことがなくても――――いやなよかんがした。)……。…………(溜息一つ。慣れたというよりは、何かを、こう、諦めたような。)……それがどうかなさいましたか。(覚悟を決めたというよりは、諦めたものを確認するかのような声音で、まっすぐに見上げてゆっくり問うた。)   (2017/10/22 00:22:28)

ピェリオ♂役者ああ、そうでしたかなるほどなるほど、それは素晴らしい健脚をお持ちで、ええ思えば冬の舞台も本職の役者に何ら劣らない立ち居振る舞い、我ら一同後々しばらく感動感激が止まらなかったものですいえもちろん勇者様初め皆様のお力があってこそのあの成功だったと思っているのですが―――――ええ折り入って大変厚かましいのを承知でお願いがあるのですが。 (文字通り上から水を落とし込んだような澱みの無い流暢な台詞の中で、一番最後だけ真顔になった。) ……役者が足りないのです。二人ほど。 (未だかつてこんな真正面から真っ昼間からこんなに見つめ合った事があったでしょうか。忘れました。) それも主役なのです。……ええ、ええ。我らが不得手で落ち度である事は勿論恥じております。承知です。こんな事を頼もうとするのが既に無礼の極みとも存じておりますが―― (ぎゅぅ、と服の胸元に皴が寄った気がした。発条人形が、ええ先ほどまで人形のようだとさんざト書きで言わしめてきた少女がドン引k――蒼褪めた面差しで男の襟元を引いていた。だったらやめてあげて。そんな台詞が見える。)   (2017/10/22 00:30:51)

ピェリオ♂役者……ちょっと、少々、半日ほど。本日お時間頂戴しても宜しいでしょうか。 (諸々勢いよく蹴っ飛ばしてどう贔屓目にとっても宜しかない「お誘い」が白昼堂々ぶん投げられた。)   (2017/10/22 00:31:30)

エルソフィ♀司書官いえ、あのときは、私は大して動きませんでした、し、あの――(言葉を挟もうとする言葉が面白いくらいに流暢になりきらず、怒涛のように流れる眼前の言葉にあっというまに呑まれていってしまった。分かりやすく止める言葉も所作もいくらでも思いつくはずで、現に頭の隅で二つ数えぬうちに選択肢は浮かんでいるのだ。……浮かんでいるだけで。)――(折り入ってのお願い。いつも風のようにふわりと誘ってさっさと断るか違うほうへ誘導しても懲りずに軽やかに笑う眼前が、こんなに真顔で、こんなにありふれた言葉で、懇願されたこと、あっただろうか。ちなみに真昼間に真正面から目を合わせたことはありましたが見つめ合ったことはありません。睨んだことならあるかもしれません果物屋辺りで。さておき。)…………。(さすがに、今度ばかりは身がそのまま凍結したように黙った。固まった。問うたまま少し見開かれたレンズ越しの紫は、まばたきすらしばらく忘れた。それが数えいくつくらいだったかは、本人は分からない。)   (2017/10/22 00:52:45)

エルソフィ♀司書官……前回でご存知の通り、私は人前で読み上げることには慣れています。(ここで一回吐息。)……そして、いかな新規参入一座とはいえ、公演を重ねてどれも良い反応で、都の人々とも良いご縁ができたと以前に話してくださいました、よね。その中には同業ないし近しく人に披露することが得意な方々も、間接的にでも心当たりがあると思っています。(ここでもう一回吐息。)……心当たりがあるなら、私に構わず真っ先にその方々をあたっています、よね。(だんだん吐息が重くなっていくように聞こえたのなら気のせいではない。)……(とんだ「お誘い」を投げ込んできた男と、たぶんこの場で一番冷静かもしれない少女と、ぐるりと道行く人々と、目的の方角のほうへ視線を順番に流して、もう一か所、視線が移ろった。よく歩く市場のほうではなく、ここからだと赤い屋根がちらりと見える――国立劇場のほうだとは、眼前らは気づかなかったのだろうけれども。)   (2017/10/22 00:52:52)

エルソフィ♀司書官…………(ゆっくり吸って、)――――(ゆっくり吐いた。)……台本を。(左手をそっと仰向けに差し出した。その声音は硬質で、愛想がなくて、おまけに何かを諦めたような溜息つきだが――まっすぐだった。)   (2017/10/22 00:53:04)

エルソフィ♀司書官【頭の長考から大変お待たせいたしました。刻限と場面のきりがよさそうなので、私からはここで栞とさせていただきます。もう一投ありましたら、お待ちしたく。】   (2017/10/22 00:53:53)

ピェリオ♂役者(人前で読み上げる事には――) 存じています。 (間髪入れず答えた。 心当たりがあるのなら――) 相変わらず、慧眼でいらっしゃる。 (間髪入れず答えやがった。 視線の先は追わない。ただ止まっていた。何処か。何か、探すように映ろう、片目揃いの双眸の前で。やがて、この喧騒にもかかわらず、やたらよく聴こえたような溜息と共に聴こえた言の葉に――) ……アイン。 (一言呼びかけて膝を曲げる。それだけで伝わったというように、少女は男の腕から下ろされた。希薄な面差しの中に……なんだかとても同情的な色を込めたまま。男と少女は向き直る。少女がスカートの裾を摘まみ、男が片手を胸に当て双方が向ける一礼は、見覚えがあるかもしれない。) 我ら『銀猫』、心より感謝を。……有難うございます。 (台詞じみた言葉と、……ごくシンプルに有り触れた感謝の意。同じ意味の違う言葉、並べては顔を上げる。) それは、これより舞台の裏で。皆にも紹介させて頂きます。それと――私のこのような我儘で、ご迷惑をお掛けしているのです。嬢一人に、ご負担をお掛けするわけには参りません。 (飄々と、いつもの顔で男は笑った。)   (2017/10/22 01:11:06)

ピェリオ♂役者――もう片役は、私が務めます。 (僭越ながら。……そう、差し出された白い手へ台本の代わりに差し向けられたのは、黒い舞台用の布手袋を嵌めた男の右手だった。)   (2017/10/22 01:12:28)

ピェリオ♂役者【と、そんな処で自分で言いだしたリミットを自分で盛大にオーバーしながらここで一旦栞させてくださいませ。色々我儘を聞いて頂いて、遅くまでありがとうございます…!!】   (2017/10/22 01:13:06)

エルソフィ♀司書官【いえ、いえ、こちらこそ、遅筆への御付き合いをありがとうございます。それでは先行き楽しみな栞をそっと挟んで、今宵はこれにて。また「明日」。どうか良い夢を。お部屋ありがとうございました。】   (2017/10/22 01:14:54)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2017/10/22 01:15:08)

ピェリオ♂役者【おやすみなさいませ。「また明日」。 それでは、お部屋をお返しいたします。ありがとうございました、おやすみなさいませ。】   (2017/10/22 01:16:32)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2017/10/22 01:16:36)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2017/10/22 11:59:55)

ピェリオ♂役者【こんにちは、連日で失礼致します。待ち合わせにて、お部屋お借りいたします。】   (2017/10/22 12:00:25)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2017/10/22 12:00:31)

エルソフィ♀司書官【こんにちは、連日にてお部屋お借りします。ピェリオさん、連日幕をどうぞよろしくお願いいたします。良き紡ぎとなりますよう。――して、自分で時間を申告しておいてお恥ずかしながらまだ手番分が書き終わっていなく、もう少々お時間をいただきます。お待ちいただければ幸いです。】   (2017/10/22 12:02:32)

ピェリオ♂役者【こんにちは、エルソフィさん。かさねての我儘を有難うございます。連日の時点で既に長丁場なので、どうぞご無理はなさらず背後優先でお願いいたします。時間の方、承知いたしました。どうぞごゆっくり、お願いします。昨晩最後の「手」の行方はお委ね致します。下記の通り、まだ触れてはおりませんので。】   (2017/10/22 12:05:08)

エルソフィ♀司書官【はい、ありがとうございます。それでは、もう少々お待ちくださいませ。】   (2017/10/22 12:09:22)

エルソフィ♀司書官トラブルはつきものです。素人でも、舞台の崩れを少しでも支えられるのなら――(記憶に鮮明な、二人の礼所作。己も左手を心臓に当てて変わらぬ会釈を返した。さて告知通りであれば本番は針一周分くらいの時間で迎えてしまう。代役を探す羽目になっているのであろうこのトラブルの最中なら、いや、そうでなくとも本番を控えた役者ならもちろん台本を持っているだろうと思って差し出した左手ではあったのだが、)……え。(もちろん台本を持っているだろうと思って指先になじんだ紙の束がどこかから出て来て乗るかと思いきや、薄いレンズ越の紫瞳がもう一度見開かれた。指先が感じた気配は台本という無機物ではなく、僅かに温度を宿す何か。視線を落とせば、手だった。手袋に包まれた手。視線がそこに落ちて、降って来た言葉を追うようにしてもう一度見上げる。)   (2017/10/22 12:24:37)

エルソフィ♀司書官……。(何をどうして開きかけた唇が言葉を忘れたのか、また視線が己の左手と眼前の右手に落ちた。軌跡そのままなら温度を指先で覚えるのだろうが――)――決めたのなら、急ぎますよ。(――ぽふっ。そんな音。黒本を肘で胸元に押さえながら、空いた右手を眼前の右手の甲に置いた。包むというより、何かを挟み閉じ込めるような。もっとも、素早く手を引っ込められたのなら己の手が空気を包むだけの音になるが。)暗記は得意ですし脚に訴える体力も持ち合わせていますが、舞台独特の足捌きは話が別です。(一気に言って、吐息一つ。溜息ではない吐息を一つ。)行きましょう。(短く、しかし硬質に何かを込めたような声音のそれを、『銀猫』二人に紡いで、手をいつもの場所に戻せば、いつもよりほんの少しだけ速い速度に石畳の道を行った。そう、野外劇場のほうへ、まっすぐに。)   (2017/10/22 12:24:59)

ピェリオ♂役者(此処までの一連をつくり狙い澄まして手を伸ばしてさえおきながら、今度は男のほうがほんの一瞬目を丸くした。ええ、虚をつかれたように見上げられた双眸には、確かに笑みのまま答えられたのに。その先の、かさねられたきゃしゃな繊手が――) 、助かります。台本<ホン>は、舞台裏<ウラ>で渡しますので。 (硬質な声が戻って来た時には、また己も柔和な笑みを取り返す。大人の歩幅では苦しいだろう少女を改めて抱き上げ、いつしか聞き覚えたリズムよりいくらか速いテンポを刻む靴音を追い掛けて、) ……又、攫われてしまいましたね。 (届くかどうかも解らないさざめき残して、追い抜いた。) さあ、此方です。エスコートはどうか我らにお任せを。度重なる「共演」に心よりの感謝を、美しい方。 (振り向きざま、道化師は大仰に笑い導く。芝居がかったこわねのまま、今一度招かれてしまった麗しの才媛を、束の間切り取られた「世界」へ。)   (2017/10/22 13:12:27)

ピェリオ♂役者(物語は、フィーネ神に纏わる、古い国の物語。……緑豊かなその国には、誰が建てたのか解らない石の塔がある。その古い塔がいつから存在しているのか誰も知らない。だけれど百の年に、一度だけ。その塔には「ささげもの」がおくられる。由縁を持たない男と女がひとりずつ、塔の最上階へ送られる。違えは裏切り、裏切りは災厄を呼び、国は地と人の記憶から亡くなるだろう。それが、神様との約束だから。……遠い遠い、伝承のような言い伝え――人々の記憶から薄れ始めた、ある年に。災厄は前触れも無く訪れた。大地は衰え、豊かな緑が絶えていく。ああ、「ささげもの」を――色褪せ擦り切れた物語を読み解くように、国で最も老いた男は譫言と吐血混じりに呟いて、流行り病で亡くなった。もうこの国には時間が無い。暗く冷たい石のお城<牢獄>の天辺に、誰にも必要のされていない男女を。……選ばれたのは、王の落胤であると噂の五番目の王子(とはなばかりのずっとちかしつにとじこめられていたかわいそうなおとこのこ)と、幾つもの国と山を越え神の教えを広める為に遥々やってきた聖女(とよばれるつぎつぎにうられわたされてきたかわいそうなおんなのこ)だった。)   (2017/10/22 13:12:37)

ピェリオ♂役者……と、まあこんな噺なんですけども、聡明な嬢ならご存知やもしれませんね。昔から在る童話に、うちのが手を加えて……会話劇にしています。派手な場面転換や戦闘はありません。役者もそう多くはあり……ませんが、今回必要なのが、「王子」と「聖女」です。……ったく。 (……公演前の喧騒の中、舞台の裏側にて、簡易的に作られた衝立の中で、広げた台本と衣装を並べてそこまで説明しきった男はいったんそこで言葉を止めた。肩越しに振り返るのは、同年代の男女。どちらもぐったりと草臥れた様に、座り込んで動けない。一応、此処に至るまでに一通り彼女を紹介に連れ回ったものの、そこでもろくに立てなかったくらいだ。) ……会話劇っつったって、あれじゃ話になりませン。 (溜息ひとつ。) 装置は基本、動きません。奥行を使います。最奥に石塔の最上階の部屋を据えて、窓をふたつ作ります。王子と聖女は、区切られた部屋に居るので、窓と壁越しに言葉は交わせても、姿を見る事はかなわない――という導入なので。客席に映るのは基本が上半身、なので、見えない処に台本を置いていても構いません。   (2017/10/22 13:13:24)

ピェリオ♂役者……色々まだあるンですが、いったん此処までで質問は。 (たくさんありそう。)   (2017/10/22 13:13:46)

エルソフィ♀司書官(秋風が、蝶を運んだ。蝶は女の横を前をふわりふわりと揶揄うように舞った。)――ええ、分かっています。(――また、攫われたね?)どんなに小さくても、舞台の崩落は彼女が一番望んでいません。(それは揶揄う蝶へか、追い抜くように横切って前を行く『猫』へ向けてか。そんな呟きが風の歌に紛れた。――さて舞台裏。紹介された先の一人一人にいつもと同じ所作と名乗りの会釈をしてまわり、慌ただしい音を遠く感じる程度に、代役を呑んだ女は相方役からの説明を余さず聞き、都度頷いた。)運びの話は今のところ飲みこめています。運びの話からは外れますが、(眼前が珍しく吐いた溜息の矛先の二人がいたほうへ視線をちらりとやる。)……お二人の具合は。この時期は気付の類の薬が値上がりやすいので、私の手持でよければお分けします。   (2017/10/22 13:30:26)

ピェリオ♂役者(舞台の上なら彼女は幾度か目にしたかもしれない。騎士や精霊―― その内訳。おとなとこども、合わせても小さな一座だ。だから誰かが欠けると一大事。埋めなくてはいけないから。子ども達は、男が連れ歩く少女と似た年頃が何人か。よく似た金髪の少年もいただろう、ほら、精霊役の、もう片割れ。本を貸してくれたお姉ちゃんだよ、男がそう言ってやると、はにかんでかぼそい声で「アリガトウ」と言った、子ども達。そんな情景の傍らで、) ああ……お気になさらず。嬢のお手間をかける事もありません。あれは唯の、 (溜息が深くなる。) 酔っ払いです。質の悪い。緊張か、深酒でもしたようです。座長にきつく言ってもらわなければ。 (とかいう男の後頭部も、実は先程より乱雑に乱れていた。紹介のくだり、助っ人呼んできたの一言で、盛大なゲンコツを貰ったからだった。誰に。……座長に。) ……嬢にァ口も手出す事ぁ無いと思うンで、安心してください。 (ひそひそ話のように云って告げた、視線先の濃い桃色髪の妙齢の女が、黙したままぎろり据わった目で此方を睨んだ。これも憶えて居るのなら、いつしか真冬の舞台にて勇者達へ助けを求めた「姫君」の――)   (2017/10/22 13:50:07)

ピェリオ♂役者デージーデージーデージー。怖い。御客さン引っ張り込んだっつゥなら幾らでも謝るから、今緊急事態。ほら笑って。 (……ふい、と踵を返して他の「猫」の処へ行ってしまった濃桃の後姿を見遣って肩を竦める。) ……つゥ訳で莫迦二人には水被せときますンで。大丈夫なら、こッからが一番大事な処なンですが。 (向き直って、本日何度目かの真顔になった。) 「どっち」が、イイです? (と思えば、両手にとってのはかたや灰緑色に赤い縁取りの王子の衣装。片や、金糸を縫い取られた青い聖女の衣装。) 遠目には台詞ばかりで動きもそう、多くはありません。語りがメインとなりますし、シルエットはどちらも隠れやすい。本来ならば女性の貴女には聖女を―― とお願いする案件ではあるのでしょうが。……これまでの我儘の連続、貴女に選択肢が何も無いのは申し訳がありません。どうぞ、お好きな方を。……「私」は、「どちらでも大丈夫」なので。 (ばちこーん、と、無駄に無意味に艶めかしくしなをつくって片目を瞑って見せた。) ああ。勿論天に運を任せると言う事で、目を瞑って手を伸ばしても構いませン。 (意訳:ダイス振っちゃってもいーですよー。)   (2017/10/22 13:53:19)

エルソフィ♀司書官(そう、どたばたの勢いで『銀猫』の共演者となったのは二度目。一度目は演出として織り込み済みであったところを運悪く――でも、あのとき――舞台に掻っ攫われ、今度は自分から誘い手に乗るような形に。全くもって奇妙な縁である。それでも、覚えのある顔がいくつかある一座だからこそ、呑んだ話かもしれない、とは、いつぞやの舞台で見た少年に「またいつでも、本を貸しますよ」と告げたときのこと。さて、まるで絵に描いた物語のようにと言いたくなるような欠員二人のこと。乾燥が始まれば早い者は熱病も患う時期。怪我か、それとも薬が間に合わなくて具合が悪いままなのかと思って聞いてみれば――)……ああ、なるほど……(若干、呆気にとられたような、声音を選びきれない生返事ぎりぎりのような歯切れ悪さに頷いた。)   (2017/10/22 14:17:59)

エルソフィ♀司書官……――(そういえば、裏方である少女も今日、「緊張」してい……――緊張?そこで思考は遮断された。そう、想定外も積み重なればもはや驚くという感覚も麻痺するのか、代役を探してきたのなら褒められそうなところを思い切り拳の雷をもらった様子にも、ただただ茫然とするだけであった。客席にいるはずの者と書いて素人を連れて来たのを怒られたのだろうか。一応、追撃がこないよう挨拶で割った入ったつもりではあったのだが。その座長にも、見覚えはもちろんある。そして、同僚が口にした問いも、この日解決したことになる。――『そういえば座長はどなたなのかしら』)……デージーさん……(その名を知ったのは、『銀猫』の舞台とは全く関係のないところ。腕に抱く本に、――だ、頁の――と思っている場合ではない。)――待ってくださいそこでそういう遠慮は御無用です。(男役と女役のどちらがいいと言われても、だ。衣装は男女役がくきりと別れている。何を悠長なと口をつきかけたところでバチーンと音がしそうな、見慣れたウィンクを、今日は斜めに捨てずに眉をひそめて「返した」。)   (2017/10/22 14:18:41)

エルソフィ♀司書官……衣装を、一旦お借りします。(溜息をつきながら立ち上がる。まず王子の衣装を手に取り、合わせた先は自分ではなく、相方役者の肩へ、だ。戻して次に手に取った聖女の衣装も、同様に男に合わせた。)……本当にどちらでも大丈夫そうですね。(不思議そうにぽつりと言って、聖女の衣装をもう一度手に取って、相方役に差し出した。)でも、今日は青が似合いそうです。(物語にて異性役を、選び取った。)   (2017/10/22 14:18:50)

ピェリオ♂役者そう云う訳なンで、御心遣いはお気持ちのみに。 (ややも乱暴な語調で切り上げた。こと二人の話題に至っては当たり前だけれど機嫌の悪い様子を見せながら。ふと、それが苦笑いに変わる。) 一枚捲りゃァ――って、云いますケドね。流石に、野良猫ばかりで申し訳無い。デージーも、あれで普段はもう少し愛想が良いンですけどォ。本番前だからでしょうか。 (ぽつり聴こえた名の響きを取って、しょうがないと言う仕草で首を左右に振って見せる。――さて) いえいえいえとても大事な処ですとも特にご婦人に置かれましては舞台の上で見世物にさせなければいけません、役どころくらいは権利が無ければ。 (さらり言い切った。しな作ったまま。) ええ、どうぞどうぞ、急ぎであれば袖を通して頂いて―― うン? (瞬きひとつ。衣装を向けられたのは、彼女では無く己自身の肩である。) ……。 (大人しくしていた。借りてきたねこ、というより、面白いものを見つめる眸で。) 役者、ですカラ。 (くく、と喉奥で笑って答えた理由は、さてその一言に収めるには流石に乱雑ではあるだろうけれど――)   (2017/10/22 14:59:00)

2017年09月10日 01時33分 ~ 2017年10月22日 14時59分 の過去ログ
【F系】水都ロサール【多目的】
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