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「【F系】水都ロサール【多目的】」の過去ログ

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2017年12月28日 03時57分 ~ 2018年02月07日 22時02分 の過去ログ
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ピェリオ♂役者逃げ回ってくたびれ果てるより、一曲踊って「疲れています」と残りを断ったほうが余程、気楽かと。……御上手です、ほら。 (乱れたステップの何処を取ったら、ただ引きまわしているような乱暴な円舞の何処を褒めたらそんな言葉になるのか、有識者には叱られそうな有様でも、ほら、豪奢なホールでも何でも無いもの。だからここに散らばるのは、微かな旋律と乱雑なステップと、) 大丈夫ですよ、 (困惑しきり半ば悲鳴がかった女性のこわねと、) 聴こえていますから。 (応じる男の、何処か酷く愉しそうなやり取りだけだ。足元がふらつくなら、無駄に器用にその軌跡を避けては後ろへ踏んだ。) ああ、今ちょうど合いました。出来るじゃないですか。そのまま、その―― (憎たらしい程気軽な響きに、悲鳴を黙殺するように。ふと、此処に来てより力なくも下がったままだった右腕が、咄嗟のように自分の上袖をつかんだとき、) ……御利口さン。 (くく、と子どもをあやすように告げた、面差しは彼女からは見えていなかったかもしれない。手すりを背にして、月の逆光を受けて表情が陰るとしたら、間延びした声音が届くか。)   (2017/12/28 03:57:36)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、エルソフィ♀司書官さんが自動退室しました。  (2017/12/28 03:57:36)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2017/12/28 03:57:43)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、ピェリオ♂役者さんが自動退室しました。  (2017/12/28 03:59:14)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2017/12/28 03:59:19)

ピェリオ♂役者ご心配なく、お怪我はさせません。もし、私の身を案じてくださっているのなら、見ていてください。ちゃんと掴んでいてください、……今のように。   (2017/12/28 04:01:49)

エルソフィ♀司書官それはそうなのですが……!(一理あるどころか一番合理的かつ無難である。頭では分かっている。ではなぜ合理性を重んじる思考は無駄口ともいえることを叩くのか。……さあ。いかんせん、必死なもので。)これのどこか大丈夫で……(踏まれても転んでもくれないし、)ですから人の話を貴方はいつも……!(何も聞いてもらえずに置いて行かれたこともない。)合せてもらって、いっ、るの、は、分かっているのですが……!(拍を数える余裕がなければ、どこが合ったと言われても理詰めはとてもとても分からないまま――気づいたら褒められた。こっちは必死に手の届くところを安全のために掴んだだけなのに。……掴んだ?)え……?(茫然の声は、まだ掴んで離さない己の右腕。)――、(月光と一緒に降って来た言葉に、息を飲んだ。)暗い夜に、女が手を伸ばすなと言ったのは貴方――、っ!?(ステップを踏む余裕はないのに、なけなしの言葉をなげかけるもといなげつける余力だけは立派にある中で、何をそんなに不意をもらったのか、力学に逆らって足がもつれた。硬直した右足に左足が絡んでそのまま横に倒れゆく身体。放したほうが安全なのに、掴んだままの御利口さん。)   (2017/12/28 04:13:41)

ピェリオ♂役者(上手上手、ほら、出来てる。……歩き始めたばかりの幼子をあやす、短い言葉を繰り返して。引いた腕を、寄せては悪戯に視線を合わせた。前髪が触れそうになるほどの距離が円舞の作法にあるかって? ……しーらない。) 私は何も。ほら、ご自分でちゃんと動けています、踊れて、いますよ? (ステップとステップの合間に、掛けた言葉は彼女に比べてあまりに軽薄だった。支えるように回した腕が、ごく軽いものに触れるようけしてきつく抱かないのと同じように、軽く。それが、途切れたとするなら―――) 、 (反応が一瞬、遅れたのは自分も同じだった。告げた言葉に返ってきた、心底驚いたような台詞。に、――ふつりと言葉を失くしていたから。だから、) …――!! (普段ならまだもう少し、何かやり方があっただろうに。倒れゆく細身のからだをその瞬間に引き寄せて、自分も崩したバランスのままに共に石床へ倒れ込むより他がなかった。掴まれたままの腕ごと彼女を抱え込む姿勢を取って、自分を下敷きにしようと試みたのは何というか、意地である。) ……ほら。怪我、させなかったじゃないですか。   (2017/12/28 04:32:42)

ピェリオ♂役者……なンて。何処か、ぶつけました? (背中から転げた所為で仰向けたまま、首だけもたげて訊ねるのは苦笑い。あ、腕が痛いとかいうのはご容赦願いたい、抵抗なければ咄嗟なもので、加減も容赦も利いていない。――とうに手遅れの話かもしれないけれど。)   (2017/12/28 04:34:29)

エルソフィ♀司書官(――絶対わざとでしょう貴方、とは、前髪が触れんばかりの距離に額が降って来たときの、眼差しに込めたつもりの抗議。たぶん思った形には届いていない。これだけ必死で強張りもする自分とまるで逆の余裕に沸く得も知れぬ何かが一体何なのかは、分かる暇がなかった。そう、だって、身体が横に倒れて、司書官制服なら素直に受け身を取って倒れるくらいの足捌きはできる。が、今は裾が踊るドレスなのだ。わずかに足首に触れる感覚は、絡まったような錯覚を覚えて、時間はどんどんと巡り、大丈夫と言った傍からまったくもって大丈夫ではない軌跡に視界が急転する。そして、人が倒れたような乱暴な衣擦れの音と鈍い衝突音。そして伝う振動。)っ、大丈……(気づかおうとした言葉が途切れたのは、眼前が仰向けに倒れていること。その上に庇われるように抱きかかえられている体勢の云々よりも先によぎったのは、もたげた首という視界。掴んだままだった右腕が、石床と後頭部の隙間に滑り込んだ。)お怪我は!?(怪我をさせなかったという言葉までは聞こえた。どこかぶつけたかという言葉は、半分くらい、自分の声に散った。だって痛くないから。)   (2017/12/28 04:47:36)

ピェリオ♂役者打ってません打ってません、……ホントに打って無いカラ、大丈夫ですから。 (嗚呼また叫ぶような声、でもそれだけ声があげられるほどだったら、きっと無傷ですね。なんてまた暢気に言い連ねながら、片肘を張って腹筋から起こした。うっかりと右腕を下敷きにする前に。) そちらと違って動ける服ですから、受け身くらい取れてます、……大丈夫。ついでに自業自得なンで、御気になさらず。 (もう一度言い含めては、するりと背に回した片手でドレスの背中を宥めるように一度叩いた。ごく軽く。離して、) ……いや。すみません、つい下手打ちました。流石に、悪戯が過ぎましたね。綺麗な御召し物も、何処も引っ掛けてませんか。いや、まあ何と言うか、私もやはりまだ未熟です。 (大袈裟な仕草で肩を竦めて、……一拍、二拍。) ……言われてみれば、そうでしたね。   (2017/12/28 05:08:01)

ピェリオ♂役者(また、脈絡のない言葉。何を指したかって、ほら転倒のきっかけになった――) いやあ、円舞に対して然程心得も無いのに、知ったかぶりました。ほら、貴女があんまり一生懸命でいらっしゃるので、つい。しかし、本来女性に言う台詞でも無い。とんだ失礼を。……忘れてください。 (芝居がかった謝罪は、いつもの叱責を誘発させるような響きが、溶けきらない内に今度こそ立ち上がる。次いで差し伸べるなら片手、視線は室内を示した。) ……愉しかったです。体を冷やしきらない内に、中に戻りませんか。飲み物を取って参りますので、少し休まれては。お疲れでしょう、今度こそ。 (元凶がしゃあしゃあと。)   (2017/12/28 05:08:22)

エルソフィ♀司書官……よかった……(それは、脱力がありありと伝わるような声音。起きあがるまでのほんのわずかな間、声音とお揃いにもたれるように身体も脱力していたのは、ひとえに安堵。起きあがって、ひとしきり宥められた最後にふわりと背に覚えた感触に、わずかな温度に目を見開いても大人しく収まっていたのは、――――ああ、きっと、冷え込んできた、から。)いえ、私が口を挟んだから――ドレスも、大丈夫です。汚れてもいません。……ですから、大丈夫、大丈夫です。貴方の悪戯は今に始まったことではありません。ですから、大丈夫です。(……一拍、二拍。)――忘れません。貴方なら大丈夫だと思って、ご一緒して、現に言葉を違えずに怪我もなにも。……それに、(それに)……気を抜くと売り言葉に買い言葉な性分が出てしまうのです。あの御忠告は、私が逆の立場だったら同じことを言っていましたから、ですから……それは、素直に叱られたことにさせてください。(今度こそ、譲れない懇願。今度こそ立ち上がって、裾を軽く手て整えて――『たのしかったです』)   (2017/12/28 05:40:53)

エルソフィ♀司書官……。……(右手が伸びた。ほぼずっと左手を離さないでいてくれた手を緩く握って、そこを軸に眼前の視界へ割り込むように危なげない歩を弧を描く軌跡に一歩二歩。叱られたことにしておくと言った傍から。)楽しかったです。とても。腕と視界が自由になるだけで、こんなに身体が動いたのは初めてでした。(さて、そう大きくない身長差とはいえ夜陰。月はどれほどそのときの、まっすぐに見上げる小さく静かな笑みを照らしたのだろう。)参りましょう、ピェリオさん。(エスコートを頼まれていた最初に戻るように、きらきらと眩くも温かいほうへと先導した。手は、振りほどかれない間、そのままに。行きとお揃いの「帰り道」。足取りはあの規則正しさからとはやはり違うものの、迷子のような歪はなかった。)……ええ、悔しいくらいに、楽しかったです。(階下の演舞曲がちょうど最終二小節を奏でる中でのこと。)   (2017/12/28 05:41:05)

エルソフィ♀司書官【大変お待たせいたしました。私からはこれにて〆とさせていただきます。幕閉じございましたら、ご一緒したく。】   (2017/12/28 05:41:34)

ピェリオ♂役者……御信用を頂けているよう、でしたら。光栄な話です。兎角、貴女に大事が無くて良かった。 (背に当てた手を離す。呼吸を数えるならふたつ、取り繕うには十分の時間。) …―――、 (緩く、かぶりを振った。細く長い溜息にも似た吐息が夜を淡く染めて、見えなくなる。) ……本当に、下手を打ちました。かないませんね。 (楽しかったと告げてくる眼前に向けたのは、先ほどまでの笑みに少しだけ、眦落として。) ……光栄です。 (もう何度目か、眼前に告げる言葉を繰り返した。大仰に喜ぶでも無く、謙遜でも無い、ただ言の音は淡白な感謝の意。向く先は、真っ直ぐに告げられた言葉へか、それとも、もう随分と高い位置から地上を照らす、淡い月に似た仄かな―― 兎も角。) エ、――、…――――はい。 (……揃いの道を、並んで歩く。糸のからげたままの手も、行きと帰りでそのままに。ガラス戸の境界を越えて、いっそう良く響く音色に混ざるような、淡い言の葉、聞きとめたなら。) ……お役に立てたようなら、何よりです。 (一人返したのは、始まりと同じような台詞。)   (2017/12/28 06:03:37)

ピェリオ♂役者私も、愉しかったですよ。……本当に。 (豪奢なホールの目映さに、夢から醒めたように呟いた。)   (2017/12/28 06:03:50)

ピェリオ♂役者【大変遅くなりました、こちらで綴じとさせてください…… 朝です!!!すみません!!!今回も大層振り回してしまい申し訳ありません。有難うございました。】   (2017/12/28 06:04:37)

ピェリオ♂役者【途中、ざっくざっくと描写が前後する、すっ飛ばす、と思ったら帰ってくる、等々、変則的な事を割と意図的にやったり後半素でやったりしてました()、解りづらい内容で申し訳なく…… しかし、PC同様愉しい時間でした。有難うございます。 ぱたぱたとですが、本日は此方にて。本当長時間有難うございました。どうぞ良い一日を。】   (2017/12/28 06:06:20)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2017/12/28 06:06:32)

エルソフィ♀司書官【読了。こちらこそ、寒い朝までのご一緒をありがとうございました。久しぶりの朝日。今年の紡ぎ納めに相応しく素敵な舞台をありがとうございました。ええ私もうっかり大丈夫だろうと思ってうっかり押し倒――(こほん)。大丈夫ですよ、描写は拾えていたつもりです。本当に、ありがとうございました。どうか、どうかよい目覚めを。お部屋ありがとうございました。】   (2017/12/28 06:08:57)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2017/12/28 06:09:02)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/1/26 23:11:05)

ピェリオ♂役者【こんばんは。今宵はソロルにてお邪魔します。自PCの個人的内容の為、此方のお部屋をお借りさせてください。】   (2018/1/26 23:11:46)

ピェリオ♂役者(声を掛けられた。) ン? ア――…? (時は正午、賑わいを増すばかりの街中で、男に声を掛けたのは旅装束を纏った恰幅の良い男性だった。さてだれだったか、と首をかしげる自分に、気にしたふうでもなく男性は豪快に笑う。 なに、憶えて居なくても無理はない。俺は海向こうの者だ、以前故郷であんた達を見たことがあるんだ――「銀猫」。) え、あーあーあー…… 此れは此れは失礼を、旦那さま。こちとら移住の多い旅暮らしに加え、けものの頭に知恵がまわらず。申し訳ない。……その節は、さぞや恩恵を。 (恭しく、やや大仰すぎるほどに会釈を向けたならそれも込みで芝居のうち、男性は大らかに笑う。仕事の関係で船に乗ってやってきた土地、短期間の滞在らしいが良い相手に会えたと。……何でも、余程当該地での演目が気に入ってくれていたらしい。満足そうに頷きながら、男性の視線がうつろう。今日はあの子は、一緒じゃないのか。) ……あの子? (……ほら、お前さんとよく一緒にいた。茶髪で、翠眸がきれいな女の子。歌がとても巧かっただろう、あれが特に忘れられなくて。…名は確か―――― “アイン”。)   (2018/1/26 23:12:22)

ピェリオ♂役者(……ほぼ、同刻。その土地の叡智を詰め込んだと呼ばれる施設の一角に、一人の少女が現れた。まだ幼い年頃の、薄い金色の、張り詰めた真冬の湖色をした少女は、カウンターに乗り出してとある女性の居場所を訪ねていた。顔つきは真剣で、少しだけ怯えているようにも見えるか。施設の職員が女性の不在を答えると、――あからさまに安堵したような顔色に変わった。僅かに笑みを浮かばせて、少女は告げる。背筋をすらりと伸ばしたまま、年齢不相応に礼儀正しくきれいな発音で。) (……それなら、お願いがあります。こちらをどうか、お渡しください。手紙を入れてあります、開けて頂ければ……お解りになりますから。) (やや強引に押し付けるよう、施設員に手渡されたのは古ぼけてぼろぼろの布包みだった。厳重に巻いて少女の腕に一抱えほどになるそれは、傍目には小汚い布の塊に見える。その実中身が固い箱――楽器ケースである事は、開けて見なければ解らない程に。) (渡してください、きっと。違い無く。……おねがいします。) (それだけ伝えて名前も告げず、少女は身を翻した。施設員の誰かに呼び止められたとて、足を止めず振り返らずに。)   (2018/1/26 23:13:25)

ピェリオ♂役者(……街角。) いえ、いえ……また其方にもうかがいます。願わくばそれまで、お忘れのありませんように……又。 (幾つか会話を交わした後で、男は旅姿の男性を見送った。旅の無事とまたの再会を願ってと、彼も良く見知っただろう会釈と共に。雑踏に紛れていく姿を、ぼんやりと目で追い掛ける。……声を掛けられる。) 遅かったねェ。今? ……お陰で感動の再会してた処。 (掛けられた声の相手を見ない、視線だけは雑踏を追い掛けたままに笑ってこともなげに男は答える。) ンぅ? なァいしょ。……昔の恋人。なァンて。 (何がおかしいか、虚空を見上げてけたけたと笑う――会話相手は、背中越しに。) ……いーよ、予定通り。次の月が無くなる夜に。 (眼を伏せて、落とした声音でそれだけ告げて、足音が離れる。遠く。紛れる。) ……ふ、は。 (息を吐いた。雑踏に紛れて片隅の路地に背を投げていた男は、伸ばした銀の髪を詰め込んでいた帽子を窮屈そうに引き下ろす。ただ肩から流れてくる銀糸に無造作に手を入れて掻き回し、また帽子を被った。見上げるのは、曇天。) ……降るかなァ。 (鈍い雲、太陽なんて到底見えない。)   (2018/1/26 23:15:04)

ピェリオ♂役者(少女はただ真っ直ぐに歩く。回廊を突っ切って大扉を抜けて門を抜けて、……ようやく一度振り返った。)(新しいとは言い難いその楽器ケースに収められていたのは、よく手入れをされた金色の横笛だった。……いつしか少女が、これを渡してと伝えた女性そのヒトから手渡された楽器が、丁寧に磨き上げられて収められていた。ケースの端に潜ませたような薄い手紙には、その幼さに似つかわしくない、整った字でこう綴られている。) (やはり、私には不相応なものです。束の間の恩恵に心より感謝します。……良かったら、月の見えない夜には、猫を思い出してください。森で、ないています。) (手紙と様相だけ見て取るのなら、過ぎた贈り物を断り返した形。幼くも少女らしい情緒のこもった哀願をまぜた、謝罪文。けれど、……それは。)   (2018/1/26 23:16:43)

ピェリオ♂役者(……ねえ、あのときの。) (門の近くで呼ばれた高い声音に、弾かれて向き直る。自分よりさらに幼い少女が、喜色を浮かべてこちらを見ていた。覚えがある。いつか、物語を読み聞かせたことがある子ども。) (やっぱり、やっぱり。ねえ、今日は本を読んでくれないの?) (少女は首を横に振る。) (だめなの? なんで? おとうさんがだめっていうの?) (いつかも聞かれた、あどけない問いかけ。少女は頷く。それから、周りに人影が無い事を確かめて、……もっとずっと静かな声で、一度きりこう告げた。) (……あのひとは、「おとうさん」でも、「おにいさん」でも、なくて、……)   (2018/1/26 23:17:09)

ピェリオ♂役者……アイン。 (ひとりきり、とぼとぼ歩いているような少女を見つけた男は、細く溜息をついてその痩躯を抱き上げる。薄金髪に湖色の眸の、その少女を、アインと呼んで。) ……なんだ。返しちゃったんだ。 (何か見通してあるかのような台詞に、身をこわばらせる少女の背を、緩く柔く男は叩いた。あやすように、力なく。) 怒ってない。好きにしろッたのは、オイラだもンね。アインに任せる、まぁ…… 怒られたら、なんとかしとくよ。 (苦いものを混ぜたような笑みひとつ、唇の端に浮かべて、) さいごにやりたいことくらい、聞いてあげるから安心おし。 (うたうように告げては、歩き出す。肩越しに一度振り返る。見上げたのは、少女がたった今出てきたばかりの建物。都の叡智を詰め込んだと言われる白亜の施設。名を、ロサール国立大図書館と、云う。) ……あ。ゆき。……ね、ね。アイン。とうとう降ってきたよォ。……積もるかなあ? アインは雪って、好き? オイラは…… (歩き出す。前を向いて。空がくだいた白を落とす、昏い道を。)   (2018/1/26 23:17:44)

ピェリオ♂役者【以上にて、長文失礼しました。お部屋お返しいたします、有難うございました。】   (2018/1/26 23:19:38)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2018/1/26 23:19:45)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/1/27 22:56:40)

ピェリオ♂役者【今晩和。連日申し訳ありません。待ち合わせにて、少しの間お部屋をお借りいたします。】   (2018/1/27 22:57:09)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2018/1/27 22:58:31)

エルソフィ♀司書官【こんばんは、定刻にて。ピェリオさん、今宵はどうぞよろしくおねがいいたします。どうか良き紡ぎとなりますよう。遅い時間からですので、目蓋等どうかご無理なく】   (2018/1/27 22:59:44)

ピェリオ♂役者【今晩和、エルソフィさん。遅い時間からのお付き合い、有難うございます。どうぞご無理なさらず、何かあればいつでも仰ってください。お誘いさせて頂いた手前、先行取らせて頂きたいと思います、が…やや乱暴な導入の上引く程長くなってしまったので、適度に切り落として拾って頂ければと。解りづらい処はいつでもご指摘ください。どうぞよろしくお願い致します。】   (2018/1/27 23:01:27)

ピェリオ♂役者(夢を見ていた。)(それはまだ、猫になる前の。ヒトだった頃の記憶。)(夢の始まりは決まって同じ。父の怒鳴り声。母の泣き声。椅子の倒れる音。割れる音。こわれる音。騒音。騒音。騒音。 ……不作が続く農村に生まれた子ども達は、皆揃って読み書きより先に働き方を覚えた。そうでもしないと、生きていかれなかった。母は夜な夜な自分を見て泣いた。この子本当は賢いのに、文字のひとつも教えてやれない。父はそんな母を怒鳴りつけた。自分の所為だと云うのか、村の所為だと云うのか。誰が。何の。止めておとうさん。やめておかあさん。やめて。やめて。やめて。……上等な布を引き裂くような悲鳴で、目が覚めるのはいつもの事。)(夢を見ていた。まだ両親のもとにいた頃の自分。喧嘩ばかりの二人を見ているのか苦しくて悲しくて、貧しさが苦しくて恐ろしくて、苦痛の連鎖の糸口が、すっかり解らなくなっていた。何処に、何処を、辿ったら元に戻れる。元に、最初に、)(……もし、戻れなかったら?)(深淵に突き落とされたように目の前が暗くなる。誰の声も聴こえなくなる。全ての光と音が遠ざかって――) ……あれ。起きちゃったの。   (2018/1/27 23:05:03)

ピェリオ♂役者(……がたン、と荷馬車の揺れ一つ。肩口に頭を預けていた少女が目を開けるのをみて、男は不思議そうに首を傾げた。) もしかして、飲まなかった? 薬。 (暗がりの中ぼんやりと、それでもはっきりと此方を見上げてくる湖色の双眸。指先伸ばして、頬に触れる。その指を、むずがるように振り払う少女を眺め見て、苦く笑った。) 寝てた方が楽なのに。ま、いーや。……着いたよ。 (男が馬車の荷台から、首だけ傾いで外を見遣った。―――月の光が届かない、昏い暗い夜の事。数日前に降った雪は日中の気温で解けて消えて、星の光もかえさない、深い夜闇の只中で男は笑った。都を外れた森の小道、目立たないようそっとそっと、隠れるように馬車が一つ。粗末な荷台には、これまた粗末なぼろきれにくるまれた荷物が、無造作に積み込まれていた。雑然とした荷台に腰かけた男は、ぐうると辺りを見渡して、それから隣に視線を落とす。長い髪を編み込み結いまとめ、夜の深さにも負けない暗いローブを羽織った姿は、そのもの陰にも溶けて見えるか。) 起きているなら、自分の脚で歩くかい、……御嬢さん。 (蝶番が軋む音を立て、荷台の錆びつく扉が開く。)   (2018/1/27 23:06:00)

ピェリオ♂役者(ねえ、ねえ、此処は何処? ……深い深い、森の中。) 御伽噺を語ろォか。 (荷馬車から降りる、男と少女。……夜陰の中、木々の合間からふらり現れる人の影。) その街は、とても豊かだった。市場には人が溢れ、何処に行っても子どもの笑い声が絶えなかった。 (音無く現れた人影は、男の手仕草ひとつで、次々と荷馬車へ駆け寄った。何かを確かめて、荷物を下ろしていく。ひとりがひとつ、夜闇に紛れて。) ある日街は、流行り病に見舞われた。特効薬も無く、困り果てた皆の前に旅人が現れる。旅人は云った。私が病魔を沈めて見せよう。代わり、望むだけの報酬を。皆は承諾し、立ちどころに疫病は成りを潜めていった。全てが元通りになった。約束一つ、違われた事を除いては。 (男が緩やかに歩を進める、森の小道を抜けた先。街道に続く道の陰に隠れるように、幾つもの馬車が止まっている。何故だか御者も傍付きも、皆目立たない装いで。) ……嗚呼。此れ、話したか。   (2018/1/27 23:06:40)

ピェリオ♂役者そォ、その通り。約束は違われて…… 報復に、街の子どもは永久に失われた。真っ暗道を辿った子どもは、……ねェ。何処へ行ったと、思う? (物語の結びは少女に向けて。それでもそれは、何故か何処かへ、訊ねるようでも、) …………如何して着いて行ったんだと、思う? (少女の手を引く男の足取りが、止まる。……暗い暗い、月も見えない森の外れ。)   (2018/1/27 23:08:32)

エルソフィ♀司書官――「フフ、これはこれは、面白いことになってきたわね」……いっそ笑ってしまいたいです。――「叡智の番人は裁定者にあらず。決めるのは貴女。ただし、『二度はない』ことだけ、承知してちょうだい。都を外れすぎると枷も目も届かないから」……。……分かっています。(それは、永遠ともいえるような高さを本棚が埋め尽くし、遥か天からまばゆい光が落ちる、図書館のような部屋。ロサール大図書館のどこにだってない、その風景。本棚たちが見下ろすのは女二人。一人は黒本を抱いた純白の司書官制服。一人は、制反対の黒を纏い黄金の錫杖を傾ける。二人が見つめる先は、古ぼけた布を解いてその中から出て来た楽器ケースと、小さな、置手紙。)……。……サフィール、『目』をこちらに。(純白が硬質な声を落せば、視界の央に音無く羽ばたく虹色蝶。指先だけを残した白手袋に包まれた指先に招き、薄いレンズ越しに目を見開いて鱗粉を見つめること、一つ、二つ、三つ。)……――送ってください。――「フフ、フ。戻っていらっしゃい、必ず、ね」……。…………。(カシャン、と、薄い氷か硝子が割れたような音と、魔女の哄笑のような声だけが、永遠の本棚の中に響いた。)   (2018/1/27 23:37:52)

エルソフィ♀司書官(――暗夜。その森は、当たり前のように静かだった。静夜の森に響く、獣らしからぬ足音。鳥ならざる声。言葉。そう、まるで、子に眠り話を聞かせるような、子を誘うような声言葉。その言葉を、暗くて昏い森はただただ静かに聞いていた。)――どこにでも、道はありますから。どんな道だったのでしょうね。(問うには抑揚がほんの少し。重ねて詠うには情がほんの少し。暗夜の木々が抱く影のどこかから、氷のように硬質で冬のように静かな声だけが、少女と男に届いただろうか。近く、遠く、どちらともとりづらい、木々の影から。黒い、影から。)   (2018/1/27 23:37:58)

ピェリオ♂役者(夜闇の森に紛れ込む、ヒトの気配がざわついた。のらくらとした物言いの男は、「彼ら」にとって常だったから既に如何とも思われない。問題は、虚空に向けたような問いに返歌があった事だ。聞き知らない女の声。この場においては最もいてはいけない、見られてはいけない筈、の、) ……その辺りは残念ながら、私の知る少ない資料では、見つからなかったのですよ。口伝えにも、誰も。一説には、子らを招いたのは旅人ではなく、悪魔であったとも。……これも、受け売りですが。 (その中でただ、男だけが変わらぬ調子で答えていた。振り向くでも、声の主を探し見渡すでもなく虚空に視線を投げたまま。物語る口調のままの、何処か淡白で何処か間延びした響き。辺りに動揺と緊迫が走ろうとも、真横で手を繋いだままの少女が、張り詰めたような面差しで周囲に視線を巡らせていても。) 大きな図書館では、また違った文献が見られるのかもしれませんね。……御心当たりは? (まるで、街中のような。)   (2018/1/27 23:49:47)

エルソフィ♀司書官(木々が、息をひそめた。光のない森。光が現れない森。)旧い伝承には、安寧を願う子供の願いを無垢な夢魔が叶えて境界を越えさせてしまった。朽ちかけの記録には、禁術の贄に理性が育ちきらない子供が最適な素材と見なされ、悪魔を装って言葉巧みに工房へ連れ去ったとも、貧しい家に金貨を積み上げて子を買い取った、とも。(だというのに、まるで、真昼の噴水前で物語を語るような。まるで、朗読劇のような。)いずれにしても、ありふれた幸せに辿り着けたのは、幸運なごく僅かなのでしょう。(そう、役者の視線が交わっているのかすらも分からない、真っ暗な朗読劇。)……今宵この、ねこのなく森は、どうなのでしょうね。   (2018/1/28 00:00:21)

ピェリオ♂役者(声が何処から聞こえているか、眼前の樹々からのようにも、あるいは真後ろのようにも、反響する森の中、似たような景色の中で響いて解ける。影一つ、呼気を強めたのを、片手で遮った。) ……続けて? (何処からか聴こえる声にでは無い。夜闇を這うように留まる、「彼ら」へ。) いーって。続けて。 (ぽつり、短く。戸惑う空気は、のそのそと動き出す。明らかに異質な気配を警戒しながらも「運搬」を再開する。) ……、 (さて。何処から声が聴こえているのか解らなくても、ひとつだけ、男へ如実に伝わるものがある。) ……結構、念入りに仕込んだつもり、だったンだけどナァ。まだまだ、オイラも未熟、てか。 (ひとりごちるような合間。つないだままの手、見下ろした。) 裏切るも、寝首を掻くも人形のようにおいで。うすら微笑んで、主の為にうたっておいで。さんざ、教えたのに。……こンな簡単に顔色変えちゃ、だーめよ。 (さも粗相をした妹を叱る、兄の口調で苦く笑むように。少女が顔をあげる。何か言いたげに開いた唇が、そのまま閉じた。言葉の行き先を見つけられなくて、無言に小さく、何かを刻む。)   (2018/1/28 00:13:35)

ピェリオ♂役者(黙って見下ろして。) ……それは私には決められる事ではありません。 (続けた。) 私が出来るのは、ほんの手伝いだけですから。 (間、) ……昏く、見えますか? (問うた。) それとも、其処からでは、何も、見えませんか。   (2018/1/28 00:14:29)

エルソフィ♀司書官(音の少ない森が、蠢いた。影が、そして、音が。そう、音が蠢いた。雪は解けたばかりで、陽の届きにくい森はまだふんだんに水を蓄えて柔らかなまま。潜めればきっと足音なんて響かないだろうに、土を踏めばザクリと硬く冷たいものを踏み壊した音が首をもたげ、木の根を踏めばピシリと薄く冷たいものが割れる音が寝返りをうったことだろう。)……。(影に抱かれた声は、光に忘れられた声は、色を帯びないまま。)……さあ。物語というものは、最後まで読んで初めて感慨が言葉に集約される生き物ですから。ただ……ないているねこは、森でなにをして、どうしてないているのか、考えながら見ています。(動けば響く冷たい音を見つめる声は、静かだった。)内緒話であると表題された物語を、このまま黙って見ていてほしいですか?それとも、また役として台本を外したほうが良いですか?(問うた先は、どちら、両方、――さて。)   (2018/1/28 00:29:19)

ピェリオ♂役者(周囲を取り覆うような影が動き出す。荷台から、大人の腕に一抱えありそうな荷物を、そっとそっと。それほど多く積まれている訳でも無い、両手の指には足らない。それを、慎重に、取り落とさないように待たせている馬車へ運ぶだけの、単純作業。陰に潜ませるような足音はごく静かに、闇を縫うように。なのに。) こえが、聴こえましたか。 (薄い硝子を踏み砕くような、硬質で繊細な音の合間。風もないのに、如何してこんなに木々が軋むような音がするの。) ……そうですね。願わくば。このまま何もかも忘れて、眠って居て頂ければ。……貴女は、選ばなかったのだから。 (男が、云い終えるかの最中だった。がしゃり、といっとうに音が響いた。狼狽えたような呼気。すぐ後ろで、太い木の根を踏み壊した「彼ら」の一人が驚いて、後ずさった。それに男が視線を走らせたのが一瞬。つなぐ手の先から注意が逸れた一瞬、) ――――、 (乾いた音は、何の音。それは力任せに男の手を少女が振り払った音。)(砕ける音は、何の音。それは何処かもわからない声へ呼びかける少女が、地を踏んだ音。)(響く声の音は、どんな音。それは、甲高く闇の夜を裂く、少女が叫んだ――)   (2018/1/28 00:49:56)

ピェリオ♂役者(た、す、け、―――) ……! (とても大人しかった風情の少女に似つかわしくない、崩れた叫び声と。すぐ傍らにいた「彼ら」の一人が咄嗟にその口を顔半分ごと捕え覆い塞ごうとするのと。其れに気を取られ、腕から滑り落ちた荷物がごろりと地に転がるのと。気づいた男が、咄嗟に手を伸ばしたのは、果たしてどれが一番早かっただろう。……それとも、それらより早いのは。)   (2018/1/28 00:50:07)

エルソフィ♀司書官そう。(とてもとても、素っ気ないくらい、静かだった。踏み壊した――そう、寒暖差で土中に生まれる氷の細柱が砕かれるくぐもった悲鳴とか。雪を解かすほどの気温が続いたのに、夜になっただけでそんな氷が自然に生まれるかと言われれば木々たちの答えは……嗚呼、遮られてしまったか。誰かが息を飲んだり飲まなかったり、ほんのわずかながらも空が切れるような乱雑な音が、暗夜の森に似つかわしくない小さな騒々しさの中、静かだった。)……選んでほしかったのですか、何かを。(そんな騒々しさの中で、果たして独白のような問いのような声は、男に届いたのだろうか。どこか遠い、その声。)選ばせるために――(その声は、とてもとても前触れなく、降った。)――何度も招いたのですか?(そう、降った。少女の真上の、木の枝から。見回していてもそこには何も見えなかっただろう。ただ確かなのは、葉や土の湿った匂いが風もなしに強く舞ったことと、夜目が利くのなら、この暗闇と同じ色をした靄のような揺らめきの「向こう」から、見慣れたであろう純白の司書官制服がゆらりと輪郭を帯びながら降り立ったこと。)   (2018/1/28 01:22:07)

エルソフィ♀司書官――アインさんも、はっきり言わないと分かりませんよ。(そして少女の口を塞がんとした手を、パシンと払いのけた左手が、氷のように冷たかったこと。触れられた箇所は、きっと、凍り付いたようにとてもとても冷たい痛みが這ったことだろう。)誰から誰を、助けてほしいのですか。(氷のように硬質な声。温度のない左腕の中に助けを請うた少女を抱き寄せながら、見渡す紫の鋭さは、まるで氷柱のよう。水平に持ち上がった右腕にて頁をぱらぱらと躍らせる黒本。その頁が発する青白い光は、小さな銀月のように、周囲を照らした。音の答えが示されるだろうか――森の土と木が抱く水が、どんどんと凍り広がっていくこと。まるで、万物の進行を遅らせるように。)   (2018/1/28 01:22:28)

ピェリオ♂役者……一度、だけですよ。 (上等な布を裂くような……少女の悲鳴と、それを塞ごうとした乱暴な手を、見る事も無くただその腕から転げた布包みを最優先に、地表に転がるすんでて拾い留めた男は、一瞬に上がった呼気を宥めるような吐息を吐いて、応じた。) 伺ったのは一度だけ。それより他に他意は、……選択の意図は、ありません。そんなに暇でも無いですから。……関わらないなら、関わらないでいて頂きたかった、だけです。 (不格好に膝をついた姿勢で、おどけて笑ってみせる。布包みを抱え直したまま。) ……あとすみません、彼女に手荒を働いたのは謝りますのでお叱りは程ほどにして頂けると。悪気があった訳では無いんです、「彼ら」も仕事なんで。私との。 (くぐもった呻き声を、まだ年若い男のような声を上げ、手を抑え後ずさる一人を見遣って肩を竦めてみせる。飄々とした物言いで、俄かに気色ばんだ周囲を見つめて、首を傾げて。向き直る。足元から凍てつき冷えるような地表から、ゆっくり立ち上がる。片腕に抱えた荷物は文字通り「荷物」であろうに、地面に下ろせばいいのに抱き上げるようなまま。)   (2018/1/28 01:50:40)

ピェリオ♂役者……アインちゃん、アインちゃん。それ、物凄ォく人聞き悪い。そんなん云ったらオイラが怒られるじゃン。……もうだいぶ手遅れっぽいけど。 (微かに困ったように笑う男の視線の先。女性の腕の中の少女は、慣れない悲鳴の反動と起きた事象に合わない歯の根を締めるように血の気を失くした唇を食い絞めていた。 耳の奥、音がかえってくる。自分の言葉が返ってくる。) ( あのひとは、おとうさんでも、おにいさんでも、なく、て、 ) ……取引なんです。もしもいらないなら。苦しくて、悲しくて。棄てたい、なら――手伝ってあげる。それが…… (男の抱えた布包みの端が、吹かれる風にはらりとめくれて仕舞い込んだ中身を夜陰に晒した。ぼろ布にくるまれて、この騒ぎにも微動だにせず昏昏と深く何かを断ち切られたように眠り続けている―― )( ……ひ と さ ら い。 ) (…――――小さな小さな、男の子。) ……この子達との、取引なんです。   (2018/1/28 01:50:57)

エルソフィ♀司書官……私に選ぶ権利がなかったですからね。あの時は。(はらりと暴かれた、きっと、暴かない方がよかった。『――は、』と、願うように問う日常頁を同じ速度でめくりつづけたかったのなら、眼前の言葉は、きっと何一つ間違っていない。だから、息を飲むことも、目を見開くこともしなかった。)今は……そうですね、なぜねこがなくか、に、よりけりです。それによっては、選ぶことも選択肢にあります。(とん、とん、と、左手でゆっくりそっと拍を打つ。腕の中を宥めるように。視線は、照らされる異色虹彩をまっすぐに見据えたまま。)当人と運び屋だけで契約が交わされていても、運び屋と受け取り人の契約の如何によっては、どう静かに立ち回っているつもりでもいずれはシーフギルドを皮切りに騎士団と冒険者が動きます。……あの時、忠告したはずですよ。この国の官は優秀である、と。(冷たくて、静かな、まっすぐな。)まだ、引き返せます。行き場を失くした子を憐れんで連れただけなら、まだ、行き先を裏切れます。(腕の中の子が、手を振り払ったように。)ですから、敢えてお尋ねします。さっきの噺の続きです。――どこへ行くのですか、ピェリオさん。   (2018/1/28 02:19:10)

ピェリオ♂役者……元より。貴女に、伺うつもりは、無かったのです。只、あの時は貴女が、………… (口を噤んだ。片腕を大事に抱きかかえたまま、口元を覆う。細く溜息をつく。ずっとずっと、長く。) ……そんなに真っ直ぐな目をなさっておきながら、棄てると云う選択を取るものを私は、知りません。 (夜の深さより何故かなお色濃く鮮やかに映えて見える紫を、何処か呆れたように見返した。片方が揃いの、……揃いだと見えたまったく違う眸の色を。) ……そんな言葉も、頂きましたね。 (喉奥で低く、笑う。じり、と片側の気配が揺れる。少しずつ距離を詰めるような暗い色のローブ、端に掠め見えるのは、) 止しときなって。このヒト、怒ったら、怖いンだから。お仕置きされちゃうよ。 (ふざけるようなこわねのまま、止めた。) …………。 (もう一度、眼前を見つめた。不揃いな色の、色の無い眸。) …………何処にも。 (静かな。) ……今宵は、何処にも。……叱られてしまいましたし、いい状態で「出荷」できなければ、此方も意味がありません。「彼ら」も、今宵はもう帰りたいでしょう。貴女にお叱りを受けてまで、私も仕事をしたくありません。   (2018/1/28 02:51:08)

ピェリオ♂役者(続けて、薄く笑ったまま。ゆっくりと呼吸を取り戻しつつある幼い少女を見下ろした。) ……彼女が私の手を振りほどくなら、追う事はしません。私は、ついてくる子を連れるだけですから。 (それはそれは暗い暗い岩に閉ざされた向こうに誘った、笛吹き男のように。奇抜な色と、奇抜な音色で、迷い子どもの手を、引いて。) いつも、云っているでしょう。……よしんば、何時かこの身が朽ちたとて、それは私の事。 (うたうような声音、囁くような声音、夜陰に澱ませて。) 貴女は何も、気にされずとも宜しいのです、……御嬢さん。   (2018/1/28 02:51:23)

エルソフィ♀司書官――――(それは、とてもとても長い、溜息だった。頭痛に呻くように眉根を寄せて。)こんなにお粗末な攫い手は初めて見ました。(張りつめた空気そのままに、緩やかに肩が少し落ちるような、そんな溜息だった。とても、低い声。)連れて行かれないそうです、アインさん、ちょっとそこにいてください。(もういちど左手で少女の肩を軽く叩いて、一歩二歩、つかつかと凍った大地を踏みしめる。握り締められた左手。だらりと下がった右腕は、閉じてもなお青白い光を零す黒本を――)ピェリオさん。(――投げた。重い風切音と共に振り上げたという表現のほうが近いかもしれない。片腕に抱かれるかわいそうなこに当たる軌跡でなく、それを抱く背高の大人の額をめがけて。ぼけっと突っ立ちでもしていたら、いい音を立てて頭痛がするのだろう。いつもの身軽に避ければ、空を切るだけ。どのみち、あれだけ大事に抱かれていた本が、だいぶ雑な軌跡を描いて最後は女の背後でふわりと浮くだけ。)格好つけていないで帰りますよ。(いずれにしても、間髪いれずして右腕が、男の片腕をひっつかまんと鋭い弧を描く。何か言葉を押しとどめたような、その腕を手を――攫うように。)   (2018/1/28 03:19:12)

ピェリオ♂役者手厳しい。 (長い長い溜息の後の、呻くような言の葉に、一度目を瞠って苦笑う。) ……意味が無いんです、それでは――――、? (続けようとした最中だった。彼女の動く気配に、自分より周りが動揺を示す。視線だけでそれを制して、) ッ、ぶねぇ…!? (……いた一瞬に、何か夜闇になお黒い軌跡が寸分たがわぬ狙い定めて飛んできて――とりあえずすんでで避けた。銀色の前髪すれすれ、滑空した黒い本は見覚えがある、というかつい直前まで女性の腕に抱かれていた其れでは無いだろうか。ひとりでに浮いてるとかいう単純な驚きすっ飛ばして、あんな大事そうにしてた本こんな雑に扱ってる処初めて見た。) え、ちょっ…… (気を取られてる間に避けられなかったのは追撃である。えらい速度でからにしていた片腕を掴まれる。少なくとも今まででは緩慢に動いていたような情景の中だから余計に、割と呆気なく……捕まった。)   (2018/1/28 03:46:03)

ピェリオ♂役者は、あの帰るって、何―――― (思わずたたらを踏んでよろめいて、片腕を抱き零さないようにやや乱雑も胸に押し付ける。不意を突かれた口調は彼女が指す処の「お粗末」に他ならない。少女は、と云えば、湖色の双眸をこれまでない程に見開いたまま、固まっていた。 如何していいか解らない、と云った周囲に、ごめんまた今度、とあるいは友人のような雑――気安さで告げる。そうだ、どのみち取引は迅速に、手短に行われるもので、本来こうも長話をしていたら夜警や人目を連れてくる。あちらもそれは嫌がる処だろう、知れず、引き下がる静寂のうちに。) ちょ、っと。嬢、……何、云ってンですか。 (今日此処に来て、初めて動揺したような声音。力任せに踏み止まるなら、視線見下ろしたまま。)   (2018/1/28 03:46:14)

エルソフィ♀司書官(きっと、昼に、何も知らないままこんな間の抜けた声を聞いたら、逆に驚いて固まっていたのだろう。固まって、きっと先に我に返った男がからかうような柔らかい声言葉で噺をぼかしたり、違う噺を始めていたのだろう。今は、というと――あまり解説のしようがなく、張りつめた空気が爆ぜたというよりどこかへ蹴飛ばされたくらい、だろうか。場にいるほぼ全員の、唖然とした空気にて。)一人だけは不公平ですので、その子は元に戻します。(戻すと言ってこれまた有無いわさず左腕だけで奪った「荷」は、やたら丁重に馬車の荷台に戻された。だいぶあっさり掴んだ右手の握力は、きっと細腕からはあまり想像していなかったのではなかろうかというくらいの。)しばらく発光させていたので夜警班が来ます。今宵の子供たちは全員、このままここに残して騎士団が保護。捕まりたくなければさっさと撤収してください。(ぴしゃりと言い放つ頃には、凍てつく世界はみるみるうちに溶けていく。運び屋を担った男と、運ばれることを拒んだ少女が残った頃。ようやく。)   (2018/1/28 04:17:00)

エルソフィ♀司書官――言葉のままです。帰ります。アインさん、貴女もです。(止められて、同じく止まって見上げた。それはそれはもう、氷のほうが温く感じるような凍てついた視線で。)さして広くもないですが大小二人ならなんとかなります。面倒な聴取につかまりたくないので迂回しますから、アインさんはピェリオさんの手をしっかり掴んでついてきてください。(ろくに答えないまま、つかつかと、暗い暗い森道を行き始めた。)   (2018/1/28 04:17:07)

ピェリオ♂役者(てきぱきと告げられる言葉に呆気に取られている間、彼女の方がもうずっと正確で素早かっただろう。取り上げられた幼子は、ていねいに荷台にかえされる。抵抗――していなかった訳では無いけれど、思いの外込められた力が強くて、勢い負けた。緩慢に凍てついていた時間が急速に解凍されるよう、文字通り大気ごと時が動き始めた。ぴしゃり、と足元で音がする。張り詰めていた薄い固い氷が解けてぬかるみに変わった音。) 言葉の、て…… (言い差して止まる。眼前がそれはもう怒っているのは理解が出来る、けれど、何だか自分の予想外の処で腹を立てている気がする。――が、聞く事が出来ないというか、今現在下手な事言ったら視線で凍らされそうです。) ちょ、っと、歩けます、……歩きます、から。 (揺れた視界を立て直す前に進み始める彼女に声を掛ける。半分引っ張られるような姿勢の中で、もう半分が、空いたほうの手が弱く引かれた。) …………、お前ね。   (2018/1/28 04:46:14)

ピェリオ♂役者(眼前が何を思うかは解らない。手を引かれる自分の手を引く、幼い少女は此方を見ようとはしない。ただ一文字に食いしばった唇で、真っ直ぐ前を見つめている。) ……、 (良い何度目になるかわからない、深い吐息をひとつ。向ける視線の先を変える。幼い手を、此処へ来た時と同じように引きなおして。) ……、あの、嬢。ほんとに自分で歩きます、から。って言うか、自分達の住処がありますん、で―――― (困惑をどうにも隠し損ねた声音のまま、訳もわからないままに、銀色の猫は引き摺られて行く。)   (2018/1/28 04:47:11)

ピェリオ♂役者【大変遅くというかこんな時間までお付き合い有難うございます…!! すみません、流石に眠気が込んできたようで、ここで私からは〆かさもなくば栞にして頂けると有難く思います…! だいぶ(?)破天荒なシナリオ運びにお付き合い頂き、有難うございます…!!】   (2018/1/28 04:48:18)

エルソフィ♀司書官【ええ噺の切処に惑ってちょうどと思ったので、ええと、栞とさせていただければと思います(わたわた、深々。だいぶ破天荒しましたのは此方からですので、ええ本当に、ご一緒をありがとうございます。】   (2018/1/28 04:50:25)

ピェリオ♂役者【有難うございます。少なくとも最初に放り投げたのは此方なので…!! ではお互いさまで(<破天荒 色々と積み上げてきた何かしらを捲ったというか曝したというかそんな話になりましたが、今後が勝手ながら楽しみです。今日も愉しかったです。わたわたですが、こちらにて今日は失礼させてくださいませ。有難うございました。 お部屋お返しいたします。見守ってくださった窓辺様も、ありがとうございました。おやすみなさいませ。】   (2018/1/28 04:53:23)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2018/1/28 04:53:32)

エルソフィ♀司書官【私もこれにて。皆さまどうか良い夢を。お部屋ありがとうございました。おやすみなさい。】   (2018/1/28 04:54:24)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2018/1/28 04:54:28)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2018/1/31 21:34:35)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/1/31 21:34:56)

エルソフィ♀司書官【こんばんは、お部屋をお借りいたします。ピェリオさん、またも遅くからの開幕で恐縮です。どうぞよろしくお願いいたします。良き紡ぎとなりますよう。今宵は変わった月が昇るとのこと。見えるようでしたらぜひタイマーを踏み壊しながらお楽しみくださいませ。】   (2018/1/31 21:36:19)

ピェリオ♂役者【今晩和。お部屋続いてしまい恐縮ですが、待ち合わせにて。 エルソフィさん、こちらこそ連日有難うございます。どうぞよろしくお願い致します。何かあればいつでも仰ってください。良い遊戯と月の晩になりますように。】   (2018/1/31 21:37:10)

エルソフィ♀司書官【はい。現の赤月が見守る新月夜、愉しみましょう。それでは投下。少し場面を飛ばしていますが、そぐわない場合は「此処まで遡る」描写を打って進めてくだされば修正しますので、どうぞ遠慮なく。】   (2018/1/31 21:40:08)

エルソフィ♀司書官知っています。(歩けることも、手を離した途端に煙に巻くつもりは少なくとも今はないことも、彼らには彼らの住居があるであろうことも。しかし、それら全て綺麗に一言で一蹴して、つかつかと歩は進む。木の根を踏み越えて、狼の足跡が残る細い道を進みながら進む。)それでも、今宵はデージーさんのところに帰したくも、騎士団に渡したくもないのです。(やはり何かを抑え込むように低い声にて細部を語らぬまま、森の切れ目。眠る水都を照らす最低限の魔導灯が木々の間から遠目に見えたところ。虹色蝶が一羽、ひらひらと音なく鱗粉を散らせた。)――(まばたきをするほんのわずかな暗転の中、カシャンと薄い硝子が割れるような音。音が散り、目蓋をもう一度開ける頃、風景は森でもなければそこに至る道でもなく、衛騎士の居る門を通って入るはずの水都、の、中。人気のない橋の上。誰の気配もなく寝静まった家々が並ぶ、橋の上。両手を大小の女に掴まれている男は通った覚えがあるだろうか。いつぞやの、冬の川べりの帰り道。半ば押し付けるようにして告げたこの橋の向こうの方へ、やはり、冷えた夜気を切ってつかつかと歩は進む。)   (2018/1/31 21:41:12)

ピェリオ♂役者……、 (訝し気な視線が、ほんの微かに瞠られる。間があくならひとつふたつの呼吸分。) それはそれは、随分熱烈なお誘いで。 (常に似た軽薄な言葉の、今この時に限っては皮肉とも自嘲とも取れるような返事に、傍らで手を引いている幼子が狼狽えたように男を見上げた。少女から見た高い位置にある面差し。少女が見上げた事で、男と目が合った。) ……ちょっと、失礼。 (一瞬、少女の手を強く引き、拾い上げるように片腕に抱いた。) 歩幅がズレてて歩きづらい。同じ両手塞がってンならこっちのがまだまし。……これッくらいの我儘は聴いてよね。 (流れるような文句は先導する彼女で無く幼子に向けたもので、一瞬身を固くした幼子はそれきり少し俯いて大人しくなった。) ―――!? (結論から言えば、それで正解だったように思う。森の中とちがう、硬い橋の上では、多い靴音は目立つものだから。……ともかく。) ……今日は、こちらの方が何か舞台を見ている心地ですね。 (瞬きの間に行われた場面転換に、引かれるまま歩く道すがらそんな感想ひとつ落として。)   (2018/1/31 22:00:14)

エルソフィ♀司書官……。(小さな子が抱き上げられる軌跡を視界の端に収める間、声言葉を耳に収める間、有無を許さない歩はほんの少しだけ、速度を落としていた。もう少しでいつもと同じリズムになったかもしれないくらい、の。ちらと見上げたその光景は、見慣れたはずの――――。)いつも観ている舞台に比べれば、大したことはありません。分かりにくいだけで種も仕掛けもあります。(眠る都の夜闇を舞台にひらりひらりと前を踊る虹色蝶。面白がるように、あるいは、「いつもと逆」の行く末を愉しむように。)それと、お誘いではありません。ご心配なく。誘ってでも見せたい場所は他に沢山あります。(硬質な声音。淡々と紡いで、歩はどんどんと家たちの間を走る石畳の道の奥へ奥へ。家々が規則正しく並ぶ一画であることは昼の間になんとなく知る機会はあっただろうか。特に店もない、人が安寧に眠ることに特化したような一画。暗い暗い、寝静まった時間とはいえ、さて、音は……どれくらい聞こえていますか?だいぶ、寝息の気配すらも遠い静けさだけれど。足音の反響は、培った感覚と相違ないですか?やたら、歩く二人分しか、聞こえないけれど。そんな、切り取られたように静かな道。)   (2018/1/31 22:40:17)

エルソフィ♀司書官どうぞ、そんなに温まってはいませんが。(やがて、一軒。周囲ととても似てこじんまりとした、広い家とも小さい家とも言い表しがたい、個性を並べるほうが難しいくらい、ありふれた木戸と石壁と煉瓦屋根の家。指先触れて、ガチャリと鍵穴が回ったような音。ようやく離れた手は後ろを音なく浮いて宙を滑って来た黒本を抱き、ドアの向こうへと「来客」を誘った。)ここが一番静かに話せますから。(そう言って、背にドアを押さえて促す。中に広がるのは橙色の花型をした魔導灯が四隅と中央のウッドテーブルを照らす、とてもとても、ありふれた部屋。小さな釜付台所、棚とクローゼット、ベッド――飾りはなく、家主の暮らしぶりをあまりにも反映しない、それこそ舞台のような、質素な質素な仕切り少なの部屋。暖炉には、眠らないままの火種が薪を起こす糧を静かに強請って、パチパチと熱を送り出している。)何度も寒い思いをさせましたので。外よりはマシですから適当に掛けてください。アインさんも、お疲れならベッドで横になっても構いません。(来客をもてなすにはだいぶ遠い、硬質な声。敷居を跨がなければ来客とはならないのだけれども。)   (2018/1/31 22:41:47)

ピェリオ♂役者……そうですか。それでは、やはり私が未熟だと言う事で。 (そんな、何ともいえない会話の間。夜の星よりなお眩げな、ひとひらの蝶に視線映して、……すぐに逸らした。それにしても、寝静まる家々の静かなこと。その静謐の隙間を狙ったのだから至極当たり前でいっそ間の抜けた感想なのだけれど。この都でそこここに聴こえる水音すら、夜闇に沈んでしまったような。それにしては靴音がやたら澄んで響くから。それとなく周囲と、足元に一度視線落として、又上げた。彼女の歩みが止まったからだ。) ……、……そうですか。 (扉を開錠する音、扉が開かれる音。何か出かかった言葉を一瞬噛んでくだいたような間の後で、片腕に担いでいたこどもを下ろした。) だってさ。ほら。 (その小さな肩を両手で押して、敷居を跨がせ数歩分中に押し込んだ後で、) ……それでは、また。 (…踵を返した。)   (2018/1/31 23:06:23)

エルソフィ♀司書官(溜息、さあ数え何度目だろう。でしょうね、と、言葉にしなかった自分の理性が若干恨めしいのか誇るべきなのか、さておき。)貴方に一番話があるのです。(低く言って、踵返した袖の軌跡を指先で摘まんでそのまま、最初に掴んだ時と大体同じくらいの力で明るいほうへと引いて、半ばというか大体強引に敷居を跨がせた。)   (2018/1/31 23:14:34)

ピェリオ♂役者いや話なら何なら明日でも明後日でも其方の方に出向きますから―――って、聞いてますか私の話。 (聞いて、のあたりで引っ張られた袖に気を取られて、たたらを踏んだ。あの時も思ったけれど、見た目以上に力が強いのは……さて。) ……正気ですか。 (そして敷居を跨いだ第一声がこれである。) 被害者はともかく、 (この場合、玄関口でおろおろとしている少女を見遣り、) ……加害者を自身の領域に招くのは、賢いとはどうにも言い難いのですが。司書官殿。 (胡乱な視線もこわねも誤魔化す事も無く女性に向けた。)   (2018/1/31 23:26:46)

エルソフィ♀司書官はい、聞いています。(ギィ、)貴方が空気を読んだ上で読まないことを選んだからこうしているだけで。(バタン。)――正気ですよ。(ガチャン。ひとりでに。)無暗に追わないのなら、ひとまずアインさんとピェリオさんに被害加害の関係は成立していません。(テーブルに黒本を置いて、暖炉のほうへ歩を向け、油を含んだ羊皮紙を一枚放り込むと、ごうっと火が起きる。)加えて、私はアインさんかららしき手紙を受け取って自分の考えに沿って行動しただけで、ピェリオさんはここに至るまで私に害を加えようとしていません。むしろ二人揃って、芸当駆使した私の領域内に連れられた被害者と言うほうが、この状況だけなら説明がつきやすいかもしれません。(すらすら言いながら、暖炉の熱の上になにか白い固形を放り込んだ小鍋をつるす。)邪魔の入らないところで話がしたかっただけです。どうぞ、好きに掛けてください。さっきも言いましたが、今日に限らず寒い思いをさせたのはこれが初めてではありませんし。(温めたミルクや花の芳香が、ふわりと舞った。)   (2018/1/31 23:40:34)

ピェリオ♂役者……そォ云うの。まとめて何て云うかご存知です? (無情にも閉じられたドアと、何故かひとりでに掛けられたように聞こえる施錠音を背中で聞きながら。盛大な溜息ひとつの後、どうしていいか解らないという風情で棒立ちになったままの少女の背をまた押して、奥へ促しながら、) ……「屁理屈」。 (言い切った。) 私がこれに何もすまいが、私が「どういうもの」かの一端は貴女、見ていたでしょうに。「彼ら」も。それでその理屈を捏ねるのは、いささか無理があります。私がこれから貴女に何をしないとも限りません。……「目撃者」なのですから。 (そう言って、テーブルの上に置かれた黒い表紙、一瞥して。傍に立つ少女を見つめた。さっきはあれ程真っ直ぐ見つめて叫んだのに、今は狼狽えたように何処か視線を落としたままの姿に。) ……。何、云ったのか知ンないケド。 (短く告げて、暖炉に向かう女性に声を掛ける。) 一つだけ、便乗させて頂けるなら。これは休ませても構いませんか。本来、この時間は起きていないのです。……今この時はどうあれ、現状の「商品価値」を崩すのは嫌なので。   (2018/2/1 00:13:18)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、ピェリオ♂役者さんが自動退室しました。  (2018/2/1 00:33:28)

エルソフィ♀司書官ええ、知っています。少ない事実だけで因果を述べるほど陳腐な真似もありません。(コトン、コポコポ。淡く花の香を纏ったミルクが注がれる音二つ。片方は大人へとテーブルに。片方、本当にひたすら大人に振り回された可哀想な女の子にしゃがみながら手渡した。)アインさん、一口か二口飲んでから眠るといいです。身体はあたたかいほうが深く眠れますから。(言って、左手でそっと髪を撫でた。)ええ、子供が起きていて良い時間ではありません。ゆっくりお休みください。(ベッドの掛布をめくって、いつでも入れるようにとだけ選択肢をそっと残した。枕元で音のない蝶がそっと翅を畳んでいるだけ。残った大人の片方は、歩を進めて棚に並ぶボトルドウォータと薬瓶を鉄コップに注いで、ぐいと飲み干した。)――ええ、目撃者候補でしたでしょうね。これまで再三、忠告はいただいていましたから。ご丁寧なことに。(吐息一つ。コトンとカップを置いた。)問いただしたいことは山ほどあるのは事実です。が、少ない事実情報と主観と状況情報で糾弾することは誰にでもできます。(コツ、コツ、静かに床板を行く音。曰く加害者、曰く人攫いの人売りの前まで。まっすぐ、見上げて。)   (2018/2/1 00:36:03)

エルソフィ♀司書官――私は、森で聞いた物語の続きを……貴方の理由を知りたいだけです。ついていってしまった子供は、どこへ行ってしまったのか、どうして、手を振り払われるような不徹底を覚悟の上で子供を連れ……いえ、渡してしまいたいのか。   (2018/2/1 00:36:11)

エルソフィ♀司書官【そっと、栞もうひとつ。どうか御身体を冷やしてしませぬよう。おやすみなさいませ。お部屋をありがとうございました。】   (2018/2/1 01:02:02)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2018/2/1 01:02:05)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/2/1 04:56:29)

ピェリオ♂役者【すみません寝落ちしてしまいました…!!お時間頂いておきながら大変申し訳ないです。もしまた時間ありましたら、宜しくお願い致します。お部屋も何度も栞申し訳ありません。挨拶ばかりですが此方にて。重ね重ね大変失礼いたしました。】   (2018/2/1 04:57:39)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2018/2/1 04:57:41)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/2/7 16:18:41)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2018/2/7 16:19:02)

ピェリオ♂役者【こんにちは。連日のお部屋使用申し訳ありません。今回で一区切りと出来るように頑張ります…待ち合わせにて、お借りさせてください。】   (2018/2/7 16:19:17)

エルソフィ♀司書官【こんにちは、お部屋お借りいたします。ピェリオさん、先日は夜分遅くまでのご一緒をありがとうございました。節目を踏めるよう司書もがんばりますゆえ。どうぞよろしくお願いいたします。良き紡ぎとなりますよう。】   (2018/2/7 16:20:16)

ピェリオ♂役者【エルソフィさん、先日は大変失礼いたしました。本日はよろしくお願い致します。何か有りましたら、いつでも仰ってください。僭越ながら、前回の続きで此方から投下させて頂きます。良い遊戯を。】   (2018/2/7 16:21:55)

エルソフィ♀司書官【いえいえ、夜遅かったのですから。どうぞご無理なく、愉しみましょう。】   (2018/2/7 16:22:41)

ピェリオ♂役者……だってさ。アイン。折角だから、いただいて眠りなさい。……心配せんでも、寝てるうちに連れてったりしねェよ。御前さンが拒むンなら、最初から約束に無い。そォ云うもンでしょ。 (目の前に置かれたカップに視線落とし、そのままスライドさせたのは少女のほう。未だ、女性から差し出されたその温もりを受け取るか迷うように突っ立ったままの。 ……ややあって口を開くなら、小さなお辞儀と掠れた礼の言葉。きゃしゃな指先が、おずおずと暖かいミルクを受け取って、そっと口をつける。その間、男は黙したままだった。テーブルに自分の分と置かれたカップを見つめたまま、手を付ける事も無く。 沈黙は、もう一度少女が破る。カップを、丁寧に女性に差し返しながら。 ご迷惑をおかけして、ほんとうにごめんなさい。 ……男の方を向き直るなら。) ……、 (……わたし、つれていかれたくなかったわけでも、あなたからたすけられたかったわけでも、ない。) ……おやすみ、アイン。 (……少女はもう一度、女性を振り返って頭を下げる。今度は少しだけ長い時間、少しだけ、祈るような、間。そうして、遠慮がちにベッドの端に潜り込み、隅の方で体を丸める。)   (2018/2/7 16:24:59)

ピェリオ♂役者…………理由、ですか。 (……男が口火を切ったのは、少女の寝息がすっかり落ち着いた頃だった。其れまでカップに落としていた視線を、ゆっくりと持ち上げて。片目だけ揃いの双眸、レンズの奥。一度、瞬きというにはあまりに遅い、瞼を伏せて、開いた。) ……利を生むからです。 (薄く笑った。) 良くあるでしょう。意味を失くした、意味を持たない、「ヒトの器」を欲しがる人間は、少なくないのです。そうしてそれらは高値で取引される。……賢い貴女は、ご存知やもしれませんが。 (物語をかたり聞かせるような、声だった。けれどもそれは、それは物語というには余りに、) 云う事を聞かない「人形」は不便なのです。無気力ながらんどうが、一番中身を詰め込み易い。行き先全てをお知りになりたいのでしたら。「彼ら」一人の服の端を、踏んで掴んでみると宜しい。その全てを私は知りません。そのおつもりならば締めあげて頂いても構いませんが、生憎其処までは、私の仕事ではありませんので。 (首を左右に振って、肩を竦める。竦めた後で、もう一度見つめた。きれいな色の、宝石色の、夜空を溶かした怜悧な眸。) ……お気に召しましたか?   (2018/2/7 16:31:19)

エルソフィ♀司書官しっかりした子ですね、貴女は。(戻って来たカップと一緒に小さく紡がれる、遠慮がちで、ひたすら頭を低くする言葉。見目の子供らしからず――と、少なくとも女の目にはそう見える、楽器の少女の髪を、そっと撫でてベッドへ促した。遠慮がちに隅で丸くなった上に、純白の外套を掛布の上からかぶせる。――そう、森では羽織っていなかったそれ。)……。(小さな吐息は、夜を歩いた子供がやっとベッドに入ってくれたことへの安堵か、さて。カップをテーブルに置きながら、つづきを待った。)……。(口を挟むことなく、眼をそらすことなく、ただただ静かに聞いていた。一区切りまで聞いたところ、で。)――その割に、あまり儲かってはいないのですね?(テーブルの椅子をそっと持ち上げるようにして床を滑らせ、静かに腰掛けた。)あれくらいの年の子で、親から切り離れて所在不明とされるような子で、従順に躾けたのなら、下手な貴族の子よりよほど金貨を積んでくるはずですが。(軽く、首を傾けた。覗き込むように。)二択を答えるなら『いいえ』です。私が聞きたいのは、数ある穢れた金策の中で、貴方が何故、森でそらんじた噺をなぞるようにして子供を選ぶのか、です。   (2018/2/7 16:49:34)

ピェリオ♂役者端くれと云え、一座の巡業には、何かと費用が掛かりますので。 (静かな、抑揚の少ない声だった。寝ている子どもを起こさない為か、何処かにこの「内緒話」が漏れるのを気にしたか、それとも。考えたような、間の後。) 聞いて如何します。 (問い返すように、首を傾けた。) 申し上げたでしょう。がらんどうは、御しやすいのです。囀る小鳥も、従順な仔犬も、幼いものを拾ってくる方が容易いのです。流れ者が、手を伸ばした先が此れだっただけの事です。 (また、暫しの間。) ……貴女が仰る通り、誰にでも引き返す道はあるでしょう。彼女も、 (こねこのような寝姿に目をやって、) ……何を選ぶのかは解りませんが。貴女が彼女を、あの子ども達の手を引きたいと云うのなら、無理に奪いはしません。元より今宵は、……今回はそんな気が、していました。 (きっと、森で唄うように問うた時から。いいえ、其れよりも前から。) ……私も伺って宜しいか。何を其処まで、知りたいのです。……即刻騎士団に引き渡すのでも無ければ、何を其処まで、お怒りですか。   (2018/2/7 17:21:43)

エルソフィ♀司書官(所々揃う仕草の、所々揃わぬ会話。――いつだってそうだったように。ただ、小さく丸まる幼く曰く「空」の輪郭に目をやったのは、揃いだった。)他の子供たちは、騎士団の預かりとなり、残念ながら私の意思は何ら干渉ができません。私がどうこうできるのは、直接この手で連れ帰った貴方がた二人だけ、です。もとから。(ぽつりと、囁くように呟いた。視線はひとときだけ、ぽとりと落ちた。そんな声音で。)――(何故、執拗に問うのか。ごもっともな問いであり、口を開きかけて、次いで投げかけられた問いには、一回だけ、不思議そうにまばたきをした。)……(呼吸を一つ。だらりと力の抜けたような右手を、テーブルの上で仰向けに黙する黒本に置きながら。視線は、己の手を追いながら。)命を、救ってくださったと同時に、私の都合に貴方を巻き込んでしまった。どうにか貴方の安全を確保しようと悪あがきをしている間に、間に合わず、アインさん共々危険にさらしました。(とつり、とつり。)   (2018/2/7 17:51:52)

エルソフィ♀司書官せめてお詫びをと思っている間に、花束と、親愛なるアルフォンソ・エデットへの弔いと、今夜のように暗くて静かな舞踏会を贈られました。(とつり、とつり。)……積み重なった、あるいは、結果的に私たちが選択して積み重ねた縁を、噺を……(歪に右指が痙攣した。)「一枚めくれば罪人だから」というその一行のために、いえ、それがなくても、「気にするな」と言われ続けることにそろそろ苛立ちを覚えているのです。思わず手が出たのがたまたま今日だったそれだけのことです。(押さえつけるような声音は、眠る子の夢をざわつかせないためか、それとも……。いずれにせよ、そこで吐息一つ置いて、もう一度、片方揃いの眼を見上げた。)気にしないほうが無理があるのです。私の都合であり、至極ご迷惑でしょうけれど。(まっすぐ答えているだけなのに、答えを締めくくったその眼差しはどこか、申し訳なさそうだったり、困惑すら滲んで見えたのは、魔導灯の光が小さく揺らめくからだろうか。あるい、は……。)   (2018/2/7 17:51:59)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、ピェリオ♂役者さんが自動退室しました。  (2018/2/7 18:49:04)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/2/7 18:49:09)

ピェリオ♂役者(今度は、男の方が聞く番だった。相槌を打つ事も無く、面差しのそれも変えないまま。) ……罪人、なのですけどね。紛う事無く。自分の為だけの。 (回りくどい言い方をする事なく、人間の子の尊厳を剥いで人形の子に換え利を得る業を、正常な世は咎と呼ぶ。) 迷惑と言うか。思う処はあるのですが、一旦置いておきます。その理由で、貴女が私に、……私達に構うのだとしたら。もうひとつ私の内から、御詫びを申し上げましょう。 (数ある記憶の記録、紡いだ末の、迷い子にも覚えのある面差しに向けて、男は片手を差し伸べる。) ――貴女の事が、嫌いでした。 (紳士言葉の言い回しと変わらない、淡く笑むような柔らかい物言いのまま。) 初めて出逢った頃の、見透かすような眸が。 (視線が口許に落ちた。) 何かに囚われているような言葉が。 (手元を見つめた。) 理由も技術も知りませんが、貴女に触れられない、と、思った時、 (いつかの、冴え凍るような刹那の凍てつきを。) ……触れないようにしようと、思いました。 (賑やかな宴の夜に、楽器の音を跳ね上げて彼女に伸びる手を取り上げた――ねえ、そのヒトに近づいたら、危ないよ。)   (2018/2/7 18:56:15)

ピェリオ♂役者ですから、再三に申し上げていました。気にするな、 (入ってくるな、) ……と。   (2018/2/7 18:56:28)

ピェリオ♂役者好きも嫌いも、覆えてこその「私達」です。ですから、貴女が「それ」で何か負い目を感じてくださっているのでしたら、役者としては喜ぶべき場面なのでしょうが、私としては、文字通りの自業自得です。貴女にも仰る「ご都合」がおありなのでしょうが、私としては、自分の仕打ちが、巡り巡って還ってやって来たに過ぎない。……今、この時ですら。 (伸ばしていた手の首を、自分にかえしてみせた。胸元に差し当てては、長の謝罪のようにこうべを垂れる。……持ち上げる。) ……ですから、そのような顔をする必要は無いのです。罪人で、貴女を厭うような男の前で。   (2018/2/7 18:57:49)

エルソフィ♀司書官(ありふれた物語の、どこから違ったのだろう。――きっと、「罪」の意味。誰の、誰のための、「罪」の意味。)――(カツッ……なんのおと?)触れられない……いまのところは、正しいかと。(――『選択するのは貴女よ。でも二度はないことだけは承知してちょうだい』……わかっています。)……滑稽な画ですね。笑いの一つでもそろそろ零れてもいいと思っているのですが。(――『たとえ貴女が、あと何頁だとしても』……それでも、手を出さないでください。)ええ、本当に、滑稽な画です。罪人が罪人を気遣い合って、種明かしはあってもどこにもいかない会話だけが悪あがきのように彷徨っている。――(カツッ……何か、小さくて硬いものが床に落ちた音。)問うた以上のことを打ち明けてくださっているのなら、私がずっと口を噤むのは不義理ですね。――(カツッ。その音が、見えていますか?右目の端だけがきらりと光って、それが何かを知らせてしまうまえに氷に閉じ込められて、おちている。カツッ……女はそれを知らないかのように言葉を繋ぐ。)   (2018/2/7 19:34:57)

エルソフィ♀司書官貴方こそ、あやうくこの水都ロサールを沈めかけた罪人が厭う前で、そんな顔と声をしなくても良いのですよ。ピェリオ・ピュリアさん。(とてもとてもとても、穏やかに。)――お互い一つずつ棄てれば、もう少しだけ、もう少しだけ、人間のようなお喋りが叶うのかもしれませんね。(穏やかに――カツッ……笑んだ。)   (2018/2/7 19:35:23)

エルソフィ♀司書官(笑ん、で、)――――――棄てますか?――――――(■■た)   (2018/2/7 19:35:34)

ピェリオ♂役者本当に。……此れを気遣いと呼ぶのなら、構いませんが。 (いつから? 何処から? 貼って付けたような笑みの意味は。) 貴女が負い目を理由に私までを此処へ招き、理由を聞いてくださったのだとしたら、不要だと理由を含めて申し上げたまで、なのです、が。……貴女の罪には、興味は有りません。それが「ご都合」と仰る由縁でも。……ですが。 (軽薄に、薄情に聴こえるかもしれないこわねの何処かで、うすら笑んでいるのに少しも温まらない会話の中で、硬質な音を聞いていた。視線の端にそれを見た? いいえ。だって、今は、) ……、……――――――――― (真っ直ぐの、眼前の、淡い笑みを見つめたままに。) ……如何して、でしょうね。私には「今の貴女」の方がヒトらしく、思えます。 (真正面に据えた視線のまま、鳴り続ける、何処か、もしかしたら「警告」のようなそれに、目もくれない儘。) 私の前であの日、「守る」など告げた貴女より、余程。 ( ……ねえ、デージー。アンタは、又怒るのかな。 ) ……ですが、仰る通りだとしたら。困りました。   (2018/2/7 20:11:03)

ピェリオ♂役者(片手を真横に伸ばした片手を音無く閃かせた。刀身の煌きは、部屋の灯りを映しただろうか。見覚えはあるだろうか。) 申し訳ありません。私には、そう幾つも棄てるものが無いのですよ。 (其れは鮮やかなアーガイル柄の持ち手をした、抜身の投擲ナイフ。) ですから、 (水平に、胸の高さで、柄を眼前に、刃を自分に向けた儘、まるで花の束を捧げる恭しさで差し出した。) 一つきり、差し上げます。 ( アインが、良いのって聞いたんだ。アンタも云ったよね。****は、それで良いのって。 ) ……今の貴女なら、構いません。少なくとも此処で見逃せば、私は又、繰り返すでしょう。 (繋がりを持たない子を拾い、希望の削げ痕に甘言を流し込み、御伽噺の音に乗せて閉ざされた夜の向こうに送り出す手を、) 私を、止めますか。 (傷をつけて終焉を。) 引き渡しますか。 (今ならまだ間に合うだろう、正義の鉄槌の元に。) 放り捨てますか。 (傲慢な物言いだろう。ただ少し逸らせば己の胴を突く角度に、刃を刺し当てたまま。) それとも。   (2018/2/7 20:11:28)

ピェリオ♂役者……貴女が、私を、繋ぎますか。 (貴女が罪と呼ぶその手で、(……アンタなら、)この罪を、(良いよ、)射抜きますか。(**て、**ても。))   (2018/2/7 20:12:21)

エルソフィ♀司書官(――嗚呼――)……ふふ、っふふ、ふふ……(――嗚呼――)っははは……!(――嗚、呼……)ああ、まったく……莫迦、ですね……っふふ、もう、ほんとうに、ふふ、っふふ……!(橙の灯をきらりと返す、鋭利な銀。なにか堰を切ったように、なにかを■■たかのように、座したまま左腕で腹をかばうほどに身体を折り曲げて零れ落ちる笑い声は、とてもとてもとても――――。)裏切った勇者のときからずっと思っていました、ええ、本当に、本当に……、ふふ、莫迦なひと。(カツッ、ぽた、カツッ、ぽた)ええ、私も貴方が何の矜持をもって攫うかなど「貴方を知りたい」という好奇心以下でも以上でもありません。ふふ、ふ、金貨を得る方法なんて選ばなければいくらでもあります。(笑いに痙攣する右腕。左手は他人事のように、薄いレンズを顔から外して、左目に生まれた嘆くような雫と、右目に生まれた笑んでまま凍った煌めきを指先で拭って払い落とした。)ああ……笑うってこんな感覚なのですね……(息が少し足りなくなるほど、穏やかに笑んだまま、笑い零して、零して、零して零して零して零して――――鋭利に温度のない右手を重ねた。)   (2018/2/7 21:07:43)

エルソフィ♀司書官生きていたのかと疑うほどに見目も振る舞いも恐ろしく似ている、それだけでよかったのに。私を厭うのなら、徹底して図書館を調べるべきでした。誰を使い、どんな手を使ってでも。(それでも、きっと眼前は。言ったから。一番、大多数の愛しい忘却を守る為には言ってはならないことを。)……繋ぎ射抜く、それがカタチですね?(――でも、この笑みと、どっちがいいですか?)私も捨てられるものはたった一つです。ゆえに誓います。貴方が棄てきれなかったものをワタシが繋ぎ留め、ワタシが捨てるものを貴方に繋ぎます。(黒い本が、一人でに開いて無数の白紙頁を躍らせる。重ねた右手は、差し出す手の平ごと、強く強く強く、握られた。そう、互いの血が滲むくらい強く。全て血?……いいえ?男の血が赤かったとしたら、覆いかぶさる手袋の内側から滲むのは――インクのような黒。)行政には私がピェリオさんとアインさんの身元引受人を名乗り出ます。また攫いたくなろうとも、今宵のように必ず失敗し、迎えに行くのは私という形になります。(事務的な通達の声音は、硬質を欠き続ける。そう、『まるでヒトのように』淡く大事に笑んだ。)   (2018/2/7 21:07:53)

エルソフィ♀司書官――以上が、ワタシ、通称『呪歌<ジュカ>のグリモア』の末文を綴る契約内容となります。……役者にしかなれませんが、悔いはありますか?   (2018/2/7 21:08:33)

ピェリオ♂役者(男の面差しが俄かに変わるとしたら、そのこわれたような女の哄笑にだろう。それまで何処か夜闇を縫うように潜められたこわねが、限界を越して溢れたように溢れ出す。その様を流石に驚いたように、色違いの双眸を瞠って見詰めていた。色違いの。生まれつきの、常人外れと呼ばれた眸の、男は。) 、ずっと、云っていたでしょう。其れ程、出来は良くないと。 (驚いて詰めていた息を、言葉と共に長く長く、吐き出した。) 読み書き、苦手なンですよ。それに、今も云ったでしょう。貴女の生い立ち事態に、然程興味が無いと。……ですが、 (不躾な台詞を吐いた後で、今宵何度目か、誰の手も無く踊る黒い表紙に目をやった。台本を大きく繰るような音、ひとりでにページを捲るその様に動揺しない自分に少しだけ苦く笑う。だって驚いたり揺さぶられるというなら。あの真冬の朝や過ぎて行った夜の方が余程、余程――) 一つきり同士、ですか。私――――俺達は。 (皮が咲け骨が軋む強さで握られた手の上に黒と赤が混じる。何処かで知っている、見覚えのある色の鮮やかは、けれど黒が赤を飲み込んでどす昏く混じるのだろう。何処かに錆びついた香りを遺して。) ……良いよ。   (2018/2/7 22:02:02)

ピェリオ♂役者(ねえ、聞いてる? 聴こえてる? ……こう云う事の為だったの。) それで良い。アンタが繋いでよ。……誰でも無くて、今此処に居る、アンタが。代わりに、俺も貰うから。 (絞められた儘の男の指が似た痛みを齎す強さで眼前の手指を固く掴んだ。宴終えた何時かの夜、寝起きに爪の先をからげようとするような戯れで無く、文字通り痛み壊す強さで。もう片の手はさて、拒まれなければそのまま真っ直ぐ伸びただろう。) 似てる誰かさンへの怨嗟でも悔恨でも、その真ッ黒に澱ンでるの全部、頂戴。 (黒髪の後ろ頭を抱いて、自分の肩に寄せる仕草は、もう片手で握る強さの幾程も無い。こわれものに触れる。) ……何度でも云うよ。「貴女は何も気にしなくて、宜しいのです」――――だって俺は、……俺が、がらんどうなんだから。 (こんな日が来ると、このヒトに出逢うと知ってて、俺にさいごに名前。くれたの。)   (2018/2/7 22:02:31)

2017年12月28日 03時57分 ~ 2018年02月07日 22時02分 の過去ログ
【F系】水都ロサール【多目的】
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