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「【F系】水都ロサール【多目的】」の過去ログ

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2018年02月07日 22時03分 ~ 2018年04月07日 23時20分 の過去ログ
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ピェリオ♂役者……その名前<純然たる道化師と綴られた男の呼ばれ名>じゃ、意味無い―― (耳元唇寄せる響きでは、顔は見えないだろう。) ―――― セロ<始まりにも終わりにもなれない空白の真名>。 (笑むような声だった。) ……くれてやるから、アンタの事、頂戴。 (砂糖菓子の様に、夜闇の様に。誓いの言葉は、澱んだように甘ったるく、深く、重い。)   (2018/2/7 22:03:13)

ピェリオ♂役者【×こわれものに触れる → 〇こわれものに触れるような柔さで。 失礼しました、訂正願います。(なんかもう割とそれ処じゃ無い雰囲気ですが文脈変わっちゃいそうだったんで、締まらなくてすみません失礼します…!!)】   (2018/2/7 22:07:17)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、エルソフィ♀司書官さんが自動退室しました。  (2018/2/7 22:19:42)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2018/2/7 22:19:51)

エルソフィ♀司書官教えますよ。台本を読むためでなく、台本以外の物語を自力で覚えてください。(わたし、おれたち――ああ、そうか、だから――)……お揃いですね。(ひそり。攫われる軌跡をなびかせ描いた黒い髪。澄みも澱みを全てインクに塗りつぶされたような、漆黒の髪。ほんのわずかな衣擦れの音は、壊れかけのような笑い声は、幼子を起こさないでいるだろう。蝶が隣で添い寝しているのだから。だから、これは、内緒話。互いに走った鋭い痛みだけだけが知る、内緒話。黒に穢した赤を一滴だけ、床板に落とせば、何かを思い出した生き物のように複雑高度な陣を描く。文字なのか絵なのかも判別が不可能なくらい、狂った文字たちの円舞陣。)……やっと、会えた気がします。はい、これなら迷わず繋げられます。(いつもどれもあなただけれど、それでも、ね。ずっと。)あなたなら、あげられます。(カツッ、カツッ、……ぽた。)   (2018/2/7 22:55:28)

エルソフィ♀司書官――、(紫眼が、今日初めて大きく見開かれた。嗚呼、このひとは、学はそこまでないはずなのに、どうして必要なものだけ自分からさっさと差し出してしまうのだろう。まるで、欠いて忘れられたものを片っ端から拾って届けに来たように。可笑しくて、可笑しくて、またくすりと笑いが零れた。)あなたにとって意味がなくても、すでに大勢に通した名前も大切な守護です。その名前は、大切なときに大切に呼びますから、民の前では我慢してください。(真名は、魂の台座だから。)……だから、呼んだときは、あなたが呼びたいときは、こう呼んでください。(その耳だけに届くように、名を囁いた。夜が、明けてしまうまえに。新月が終わってしまう前に。) ――エル<神になれなかった、ヒトならざる、『天使』の意>―― これが、ワタシがワタシであれるようにと願ってつけてくれた、たったひとつの識別記号です。(揃いに、笑んだ声。)   (2018/2/7 22:57:49)

エルソフィ♀司書官(さあ、真名は交わされた。加速する頁は、最後の末頁でピタリと止まり、床に這っていた魔法文字らが一斉に、音無く繋がれた痛みの中へと駆けこんだ。元々痛みは走っているし、罪悪の境界線など今更のこと。甘ったるく深く重いコトバのほうがずっと互いの心臓を縛り付けるのだから、きっと些末であったろう。強いて言えば、自らを本の題名のように名乗った女が、しばらく呼気を途切らせ詰まらせ何かに耐えるように小さく震えただけ。)――――、(やがて、静寂。吐息一つ。)……でき、て、しまいました……――(夢に堕ちそうな、残り少ない夜の中。ずる、と、崩れかけて左腕を眼前の背中に回してしがみついた。)ここまで、やるつもりは、あまりなかったので……予備の、毛布……クローゼット……(急に降ってきた眠気を追いやるように、大きく吐息一つ。)ワタシは大丈夫なので、ちゃんと、温まってください……――セロ。(夜明け前の真っ暗が、一番寒いから。気にするなと言われた端から。)   (2018/2/7 22:58:47)

ピェリオ♂役者……アンタが云う<命令>なら、そうする。 (耳朶をくすぐるようなさざめきは、睦言にも似ていただろう、か。ねえ、こんな誰からも忘れられたような静謐と夜帳の片隅で、鉄錆とインクの匂いに塗れているのに。お揃い、同じ。片目の色だけだった符号、ひつようとされなかったこども、忘れられた断片。大事なものがこわれて意味を失くした色形が、いびつに染まって名前がついた、……又。) 良いよ。何でも、……何処でも。 (左目の嘆きと、右目の笑みを、ごと抱くように。視線落とした床板の、複雑にからまれたような何処の言葉とも唄とも知れない紋様を、細めた目で見ていた。きゃしゃなこの姿に、「誰」が居るのか、解らないけれど。) ……どっちも汚れてたら、怖くなんかないでしょ。 (たとえそれがあやまりだとしても。) だから、……そんな泣かないでよ。 (今日初めて、ほんの少しだけ平坦の声の片隅で悪びれるように告げた。)   (2018/2/7 23:47:56)

ピェリオ♂役者(笑いさざめくような声音を、今日だけで何度聞いただろう。細く止めた息の端で、眼前が告げる内緒の名前を、唇だけで繰り返した。いっときだけ、向かい合ったような気がした視線の端で紙の擦れる音が加速する。足下の見知らぬ文字言葉が不思議な理でつないだままの手の内へ滑り込んで行くのを黙って見ていた。何処からが御伽噺で、何処からが現の話だろう。ええ、些末な事。それよりも大事な事は他に在る。) エ、―――― (苦しみのような短い呼気の間、繋いだ手とは反対の、こわれものを扱うように頭部に添えていたもう片腕が支えるように細い背を抱いた。縋るような相手の仕草に応じるように。) え、何……、きこえない。……アア。解った。 (身体を折り曲げるようにして答えた言葉、果たして聴こえていたかは解らないけれど。) …………うん。 (肩口に寄せた吐息のような声は、ほんの僅かだけ、低く震えていた。)   (2018/2/7 23:48:11)

ピェリオ♂役者(部屋を見渡して、クロゼットの扉を開ける。示された通りに仕舞い込まれていた毛布をずるずると引きずり出した。いささか無遠慮なのは片手だから大目に見て欲しい。もう片手? 塞がっているもの。) ……ひとつきりしか無い、大事なものだったから。海の向こうに、同じくらい大事なものと埋めてきたんだ。 (夜が明ける直前の、いちばん深い闇の中。寝物語をうたうような声は、きこえていただろうか。たんたんと、あたたかくもつめたくもない、静かな音色。) ……、 (片腕に華奢を抱いたまま、ベッドサイドに座り込む。ベッドに寝かされているのは小さな子どもひとりなのだから、つめれば細身の女性くらい、寝かせられるのだろうけれど。) 、繋いだ、なら。ちゃんと、一緒に居てくれなきゃ、嫌だよ。   (2018/2/7 23:48:30)

ピェリオ♂役者(ベッドサイドを背にしたまま座り込んだ男は、傲慢にも抱え込んだままの女性の上からもろとも毛布を被る。届くか、聞こえているか。解らないけれど。) ……ね、良いだろ、…………エル。 (溶けるように、囁いた。)   (2018/2/7 23:48:46)

ピェリオ♂役者【此方これにて〆とさせてください。 日を渡っての大変長時間のお付き合い、本当に有難うございました。要所要所(で、済むのかあれですが)、大層ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。愉しかった、です。】   (2018/2/7 23:50:04)

エルソフィ♀司書官【ありがとうございます。こちらこそ、まっすぐ進むことを知らない有様で(深々。でも、泣くほどの達成感――と言い切る前に少しだけ落として幕閉じとさせてくださいませ。夜も更けていますので、先にお休みなさって構いません。】   (2018/2/7 23:58:52)

ピェリオ♂役者【お気遣いありがとうございます。宜しければ、ゆっくり描いて頂いて構いませんので幕綴じまでご一緒させてください。】   (2018/2/7 23:59:34)

エルソフィ♀司書官怖くは、ないです。怖かったけれど。(たった一人のために、正しいことをしたはずの人を、■■■――でも、それでも。ねこがないていたから。)――泣いて、いません。(これで、よかったの。)……でも、あなたがこの雫をそう名付けるのなら、覚えておきます。(これが、よかったの。)明日から、ちゃんと、食べさせないと……繋いだから、食べてもらわないと、私も困るのです。(たとえ、この選択を正義が許さなくても。)……体温なんて、もう、ないはずなのに、不思議、なのです。あたたかいのです。(名前を呼ばれかけながら、ワタシが、たったひとつのワタシが、その手に取ってもらえること。)……、(たとえ、この痛みとこの雑で甘たるい声言葉を享受するのは、本当は、ランプの影に伏せられた『彼女』だと誰もが信じていても。名を、■■■としても。それでも。それでも。)……ワタシも、置きっぱなしです。地下水路の閉鎖区画。でも……海……ええ、ワタシは、海を越えられないから、だから……海……ううん……ロサールの向こうの噺は、宝物なのです。だから聞き――(ふわりとかぶさる、覚えている香りの知らない温もり。)   (2018/2/8 00:38:08)

エルソフィ♀司書官……――誰にも、渡したりしません。命がけで伸ばした手が、やっと届……、だから……(ねこにもらった、銀色の贈り物を、赤黒い塗り飾りのまま、大事に大事に、鞘も拒んで握りこみながら。捕まえたねこの肩に額と半身、寄せられるがままにすり寄せた様は、まるで、初めて家族を得た最初の夜のような甘さが香った。)……そんな駄々みたいに言わなくても、ちゃんと、居ますよ。………――(大事な名前を、さざめきに溶かされながら、大事に大事に、夜にも内緒の声音に囁いた、寝際のこと。罪と禁忌が交わった噺を、分厚い黒本が静かに黙して録した。――新月夜のねこたち。)   (2018/2/8 00:38:14)

エルソフィ♀司書官【全くもって短くないのですが、これにて私からも〆。幕閉じとさせていただきます。嗚呼、本当に、本当に、波乱を無事に越えられて良かったです。達成感の吐息が出るばかり。本当に、度々の栞にも関わらず本当にありがとうございました。見守って下さいました窓辺様方にも感謝を。(泣きそう)】   (2018/2/8 00:40:19)

ピェリオ♂役者【素敵な綴じをありがとうございました…!! 本当に、幾度とない栞と斜め上展開にお付き合い頂き有難うございます。ひとまず落ち着くところに落ち着いたのか、ナカノヒトもほっとしています…お部屋も本当に長々占領してしまってすみません、有難うございました。窓辺様方も、有難うございました。】   (2018/2/8 00:42:00)

ピェリオ♂役者【そんな処で、つもる話は尽きない気配ですがたぶん夜が明ける気がするので此方にて。本当に本当に有難うございます。お疲れでしょうから、良くお休みください。どうか良い夢を。何度でも、本当に有難うございました。】   (2018/2/8 00:43:13)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2018/2/8 00:43:21)

エルソフィ♀司書官【読み返せば綺麗に斜め一直線なのですけれどね。はい、座談すると夜明けですので、お部屋これにて。どうか、眠れる猫たちと一緒に良い夢を。お部屋ありがとうございました。おやすみなさいませ。】   (2018/2/8 00:44:07)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2018/2/8 00:44:10)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2018/2/9 18:45:29)

エルソフィ♀司書官【こんばんは、連日にて恐縮ですがお部屋をお借りします。前幕の補完ソロルを置きに。】   (2018/2/9 18:46:00)

エルソフィ♀司書官(光降り注ぐ永遠の本棚がそびえる、そこ。)――「あら、身体を置いて来たら冷えるわよ?」……急ぐときはこうしろと貴女に言われたので。――「フフ。別に慌てなくても、身元引受の書類は通るし、手出しもしないわ?来たついでに、今回の目撃者のことだけれど。」……。……はい。「あの場の子供と運び屋の記憶はぼかしておいたわ。保護された子供たちの健康状態はほぼ良好。定例通りの処遇となるでしょう。どんな規模でやっていたかは、うちから深追いはさせない。少なくとも貴女が関わった今回から枝が伸びる心配はないわ。」……。「前歴は、さすがにどうしようもないけれど。」……私も、そこまでどうこうしようとは思っていません。彼も大人です。人の痛みに関わる覚悟くらいはないと困ります。――「フフ。上手いこと考えたものね。貴女の契約者は貴女の一部だから、たしかに盟約の監視から出ることはない。おいそれと追及することもできないし、原罪は最初に棄てたほうに在る。……でも、贖罪もお揃いなのでしょう?」   (2018/2/9 18:46:12)

エルソフィ♀司書官(少しだけの黙。)……。冷たい石牢に放り込まれ、大人しく罵りを浴び、世に勝手に晒され勝手に忘れられ、誰かの正しさに振り回されて定命を終える――これほどお粗末な贖いもありません。(その声は、低く冷たかった。)契約は……あの通り、ワタシに従っただけです。たまたまそれも上手く使えると気づいただけで。――「フフフ、四年で随分賢くなったこと。それで、これからどうするのかしら?」変わりません。彼らが望めば考え、必要なら支えます。……彼女を、かえすことも。かえせば貴女方との盟約は果たされることも。――「まさか猫一匹に私の四戒を食いちぎられるとは思わなかったけれど、まあいいわ、順番は些末だもの。ああ、正確な記録のために一つ聞かせてちょうだい。何を棄てたの?」……。……――(その声は、氷よりも冷たかった。)――ソフィ・エデットです。ワタシはもう、与えられていますから。   (2018/2/9 18:46:24)

エルソフィ♀司書官(――――。ぼうっと、夢から半分だけ醒めたような、重い目蓋、曖昧な世界。ゆっくりと浅くまばたきをして、視界に入った最初を見る。黒く染まった右手袋、握りぱなしの銀。その先の、傷。ああ、そうだ、手当――。)……、(ほんのわずか、冷たくなりかけた身体は、温度が無いところまで取り戻して、温もりに沈む。)セ、……(――――。ごく数時間後の、明方。薬液を吸わせた包帯を巻き付けた。鋭利を握っただけの浅い傷。痕はほとんど残らないだろう。幼子はまだまどろみの中だろうか?その小さな手をそっと握った左手。おまじないのように淡く囁いた。)……よくがんばりました。(掴んで連れて捕らえた猫が起きる頃、包帯に包んだその手を、穢れた両手で包んだ。いつぞや、役者が足りない舞台に惑う手にしたときと同じように。そしてレンズが歪めない紫眼にて言った。)罪も、贖いも、完全に消えることはありません。だからこそ、誰かの審判を待たず、贖いは自分で創ってください。願わくば次の子は出荷ではなく、「卒業」であってほしい。そのための支援なら心得はあります。頼ってください。(そのコトバを閉じ込めるように、包む手の甲へそっと唇を落とした。)   (2018/2/9 18:55:02)

エルソフィ♀司書官――この家も、私にしか開けられませんが、図書館と同様、いつ来てくださっても構いません。すぐに連絡がつくようにしておきます。(売られかけた子にも、売って売りかけた男にも、何事もなく朝日を浴びせる窓がある。そう、本当に、何事もなかったかのように。いつもの朝日。)改めて今日からどうするかも、あなたがたが決めてください。すぐに決めかねるのなら、ここに居て構いません。……(一気にそこまで言った言葉は、深夜のあれは何だったのだろうというくらい、いつもの硬質だった。ただどこか、どこか、)……ひとまず、簡単にですが用意しますから、朝食を摂ってください。その後どこかへ行くのなら、大通りまで見送ります。(どこか、少し困ったように淡く笑むことが、ほのりと混ざった。そう、例えるなら……情で猫を二匹、拾って迎えた翌朝のような。)   (2018/2/9 18:55:11)

エルソフィ♀司書官【以上にて。お部屋ありがとうございました。】   (2018/2/9 18:55:20)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2018/2/9 18:55:24)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/2/14 01:51:40)

ピェリオ♂役者【こんばんは。間を空けずお邪魔して申し訳ありません。エルソフィさんに同じく、前幕の補完ソロルを失礼します。】   (2018/2/14 01:52:40)

ピェリオ♂役者(うつくしい水のみやこの、うつくしい夜明けを経て。) …――――。 (まだひともまばらな広場の片隅に、男は居た。何時しか居慣れた、枯れてわすれられた古い噴水の縁を何処か愛おしむように撫でて腰を下ろし、使い古された黒い鞄のような楽器ケースから取り出したのは飴色の弦鳴楽器である。片手に包帯を巻いたまま、ぎこちなく押し当てる指は、ゆっくりと弦を弾き出す。……) ……御清聴頂きまして。御代は御心の儘に。 (…―――零れ出したウタを弾いて、どれ程経っただろうか。ふいに弦を弾く手が止まり、明後日の方角へ暢気なこわねが投げられる。ひとの姿もまばらなけしき、放り投げられたまま消え去るかのように見えた言葉は、) (……口だけは一丁前に利くんじゃ無いよ、若造が。) (……男の後ろより歩き近づいた、濃い桃色の髪をした女が受け取って返した。) ひッどォい。此れでだいぶ食べてるの、にィ。……アインはァ? (素気無い女の言葉にけたけたと笑って男は楽器を膝に置く。それを見て歩を進めた女は、男の隣、人ひとり分空けて噴水の縁に腰を下ろした。)   (2018/2/14 01:53:00)

ピェリオ♂役者(……他の子ども達と一緒だよ。アンタを心配してたけどね。何も云わずにひとばん姿くらまして、戻って早々出ていくたァ如何云う了見だ。) えぇ、それ説明したでしょうが。 (又云うの、と言いたげたな男の顔にあからさまに眉根と唇をひん曲げたのは女だった。妙齢の色艶を蓄えた容貌をこれ以上ない程ぞんざいに歪めながら、盛大な溜息をついてみせる。 ……「何があったか」はね。「如何してそうなった」かは、訊いていない。) ……デージー怖い。戻った時のゲンコツ2発で済んだんじゃないの。 (あれは何の連絡も寄越さず気を揉ませた分と徒労を掛けさせた分。如何言う訳か、市の噂にも未だ出てないようだけれどね。どうなるかは解らんが。) 迷惑掛かりそうだったら、こっちの事は置いてってくれて良いよ。……「収穫」も「出荷」も、元から全部、オイラだけがやってた事だし。 (皆は何も知らないけれどね。アンタがただ、……真似たと思ってるだけだよ。) ……結局、真似ても、模っても、さあ。何処にも行かれなかったんだ、オイラは。かなしいさびしいって泣くこどもをひろってきても、<空っぽ>には何も出来なかった。……あのヒトには、なれなかったよ。   (2018/2/14 01:53:40)

ピェリオ♂役者(おろした楽器を見下ろして。) ……こォ云うのも、得意だったからサァあのヒト。 (女が間を空けて、そうだね、と呟いた。聴いて、口角を上げる。) ず……っと。……あの時、いき損なったと思ったんだ。海の向こうに、一緒に、つれてってくれて、よかったのに。……だから今度は、 (冷たく鋭く真っ直ぐ前を向きたがりながら何かにとらわれて何処かさびしいかなしいと空白に泣くような色をして見えたあの眸に、) ……其れなら、 (攫えなかったのに、何処か「似てる」とあの凍えた雨の夜に思ってしまったあの眸に、) 嗚呼、ついてって、いいかな、って。思ったんだけど、 (楽器を抑えていない方の手を見下ろして、握って、開く。又握る。) ……今度は、死に損なった。……多分。 (黙したまま、聴いているだけの女に首を向ける。うす笑いの儘。) だから、云った通り。真似事は出来なくなって、成り損なった空っぽは、もうあげてきちゃったんだ。……ごめんね、最後まで迷惑掛けて、―――ッだァ!?  (間の抜けたこわねは、出し抜けに女が振るった拳に寄るものだった。本日通算3発目のゲンコツだった。)   (2018/2/14 01:53:56)

ピェリオ♂役者あの、デージー……サン? (幸い楽器を取り落とす事も噴水から落ちる事も無かったけれど、目を白黒させている男の前でとうとう女が口を開いた―― この格好付けが。 ……何処かで直近に聞いたような台詞だった。) だ、何…… (あんたが、アイツになれない事くらい皆とっくに解ってるし知ってる。……そんな真似事と、呼ばれ名を貰ったくらいで。アタシが生涯添い遂げたいと思った男のまんまに成り代われると思うなよこのクソ孫が。) ――――。 (今度は男が口を噤む番だった。そう年恰好の変わらない男をなんの躊躇いもなく「孫」と呼んだ女は、男が失った表情の分、気の強い笑みをその顔面に浮かべる。 ……何にせよ、やっと目が覚めたンなら、こちとら御嬢さんに感謝するべきだね、この騒動が本当に公になってなかったとしたら、アタシとしても云わなきゃいけない事もある。今度ちゃんと連れといで。) えっそれはちょtt (4発目が欲しいの。) ……あっちの弱いトコ、付け込んで押し付けて、攫ったようなもンなんだ。可哀想なくらい、真っ直ぐだったから。   (2018/2/14 01:54:29)

ピェリオ♂役者(如何するか決まるまで居てもいい、そんな言葉すら甘んじてしまうのは余りに――だから、幼子の為に朝食だけ世話になって、まだ日の早い内に家を後にしたのは先刻の話。) 子ども達の行き先は、なるべくあの子達のしたいようにさせたい。裏の連中とは手ェ切る。すぐには無理でも、もう関わらせないから。 (片手に巻かれたままの、包帯<約束>を見下ろした。) 関わらせたくても、出来ないような気もするけど……それで赦されなくても。……あの娘は、……あの娘の恨み辛みも、澱みも全部貰うって約束した。貰う代わりに、残った……俺は全部、あの子にあげてきた。 (夜闇の中で一度だけ目覚めた、触れた体は一瞬喪ったかと思ったほど冷たくて、繋ぎ止めるように自分の体温を抱き零した。その躰ががらんどうで熱を持つなら、――全部あげる。) ……そう云う、狡い約束。ねぇこう云うの、何て呼ぶの。手放した事しか、無いんだ。繋いだ事なんて。知ってる? ……婆ちゃん。 (女は暫くの後、もう一度男に手を伸ばしてその額を小突いた。 本人にお聞き。それから、いい加減座長と御呼び。幾つになっても、若造が。) ……容赦ねェの。   (2018/2/14 01:55:10)

ピェリオ♂役者……一先ず、様子見て。稼がにゃならンし、オイラはこの水都を離れられない、から。 (だって、海を越えられないって言ってた、もの。) ……デージー達が困らないように、働くよ。アンタ達にも、それがオイラの贖罪。 (そこまで告げた処で、桃色髪の女は呆れたような溜息を、肺の奥から吐き出した。 ……言ってやりたい事はまだ山ほどあるンだけどね。敬虔なる胡散臭い孫に、それなら最初の「贖罪」だよ。 ――女はそう告げて、肩越しに後ろを振り向いた。つられてそちらを向いた男が、俄かに目を瞠る。……息せききらせて走ってきた少女が、なりふり構わず男の腹めがけて飛びついてきた。とうとうバランスを崩した男は噴水の縁からころげおちて、すんでで擦り傷ひとつつくらせなかった幼い少女を驚いた眼で下から見上げた。) (――としょかんに、つれていって。……ほんをよんであげる、やくそくをしているの。) (……薄い金色髪の、湖色の眸の少女は走ってきた所為で赤く濡れた頬のまま仄かに笑った。舞台用でも、仕事用でもないその笑顔はとてもぎこちなくて、やっぱりよく知っている――)   (2018/2/14 01:56:03)

ピェリオ♂役者 ……仰せの儘に。御嬢さん。 (誰にでも平等に降り注ぐ水都の朝のひかり。その片隅での、夜明けの物語。)   (2018/2/14 01:56:19)

ピェリオ♂役者【狂暴な長さで(あとやっぱりだいぶ込み入った話で)申し訳ありません、此方にて。 ……こんな罪人ですが、願わくば、また何方様ともこの都で御縁がありますように。お部屋ありがとうございました。】   (2018/2/14 01:57:34)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2018/2/14 01:57:40)

おしらせアリステア♂冒険者さんが入室しました♪  (2018/2/15 01:19:13)

アリステア♂冒険者【こんばんは。ひとつの物語の区切り、おめでとうございます。また、お部屋のご利用ありがとうございます。さて、私も物語の一頁目をひとつ。】   (2018/2/15 01:19:18)

アリステア♂冒険者兄さん、今夜は……冷えるね。(闇夜。この時期にしては珍しく濃霧が街を覆っていた。人気のない路地、闇を味方にする真っ黒の外套を羽織り、アリステアはひとり呟いた。手に握られたのは、抜き身の片手半剣。)これで、この街で十二人……か。(アリステアの視線の先にあるのは、無残に斬り捨てられた若い男の遺体。)あと一人……。(呟くと、警笛の音が響く。)「そこで何をしている!!」……騎士団!(こちらへ駆けつけてくる足音。数は、四、五人といったところか。何者かが通報したのであろう。武装した騎士たちがこちらへ向かってくる。)随分早いな、巡回を増やしていたか。(吐き捨てるように言うと、高く跳躍し、建物の屋根に飛び移ると、屋根から屋根へと飛び移る。やがて南門付近まで逃げ、一軒の家に駆けこんだ。追手の気配はない。)はぁっ、はぁっ……とにかく、あと一人。急がないと……。   (2018/2/15 01:19:34)

アリステア♂冒険者(明かりも灯されていない屋内。普通の家よりも隙間風が強く感じられるのは、最低限の家具しか置かれていないからである。)……。(息を殺して、外の様子を伺う。どうやら逃げ切れたようだ。安堵の溜息をひとつ零してから、慣れた手つきで絨毯を捲ると、現れたのは床下扉。懐から取り出した鍵を使い床下扉を開くと、地下へ伸びる階段を下っていく。階段下の突き当り、鉄の扉を開くと、蝋燭に照らされた石造りの地下室が現れる。床には真っ赤な魔法陣が描かれており、他には古い本やら羊皮紙が散らばっていた。)……覚悟を決めろ。もう引き返すことは出来ない。(そう、"準備"は終わっている。あとは、その言葉を口にするだけ。)……―――――――――。   (2018/2/15 01:19:49)

アリステア♂冒険者【ひとまず、以上にて。次の頁は、またいずれ。では、失礼致します。】   (2018/2/15 01:24:34)

おしらせアリステア♂冒険者さんが退室しました。  (2018/2/15 01:24:39)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2018/2/22 16:12:00)

エルソフィ♀司書官【こんばんは、お部屋お借りいたします。待ち合わせにて。】   (2018/2/22 16:12:49)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/2/22 16:12:52)

ピェリオ♂役者【こんにちは。度々お部屋お借りいたします。エルソフィさん、先日よりご面倒をお掛けしております。本日よろしくお願い致します。】   (2018/2/22 16:14:53)

エルソフィ♀司書官【ピェリオさん、いえいえ、こちらこそ、お手数をおかけしております。どうか良き紡ぎとなりますよう。よろしくお願いいたします。お誘いした手前、よろしければ先行させていただきたく。】   (2018/2/22 16:16:48)

ピェリオ♂役者【宜しくお願い致します。 了解しました、それではお言葉に甘えて追従させて頂きます。リミットや不都合などありましたらいつでも仰ってください。宜しくお願い致します。】   (2018/2/22 16:18:11)

エルソフィ♀司書官【はい。それでは、ゆるりと。】   (2018/2/22 16:19:00)

エルソフィ♀司書官(それは、ある日。市場を歩いていたときのこと。金物細工の露天商が黙々と針金を曲げたり繋げたりしながら、装飾を主とした商品を並べているところでふと足を止めた。あまり見かけない露天商だから、というのもたしかにあったが、視線は並んでいる物たちに落ちていた。――「お若いお嬢さん、その服に飾りはいかが?」あいにくと、特殊な制服ゆえに飾りはつけられないと答えれば「おやおや残念、綺麗な手袋をしているからつい」などと、他愛のない会話を続けていた。)……これは、値がついていないのですね。製作途中ですか?(露天商は頷く。いわく、壊れた物や要らない小物を譲ってもらうかタダ同然の銅貨で買い取って、分解して新しい飾り物に作り変えているのだと。そして露天商は首傾ぐ。年頃のお嬢さんは石と糸で綺麗になった完成品よりもこんなガラクタを見て楽しいのかと。)楽しい、というのかは分かりませんが、こういう物は何になるのだろうと考えると、気づいたら時間が過ぎているのです。古書修復が主ですし、きっと職業病です。……ああ、もしよければ……それ。   (2018/2/22 16:20:41)

エルソフィ♀司書官(――翌日。晴れた賑わいの中。そして、もう少し針が進んだ夕刻の広場。憩う人らのまばらな声に紛れるようにして、今日は誰も使っていない野外舞台の端に、一人掛けて。黒本は膝の上、両手は何をしているのかというと、針と糸。糸の色は、『銀刃柄と揃えた色』。左手の指先に持つのは、コインほどの大きさに過ぎぬ小さな鈍色の金属。何かの縁を飾るように控え目な曲線が踊るその中央は空っぽ。真新しい布が張られていて、そこに糸の色をひたすら菱形が連なる模様になるように縫い続けている。ゆっくり、危なげなく、黙々と。)……。(ふと規則正しい裁縫が止まったことに、さして大袈裟な予兆はなかった。ただなんとなく、見上げた。夜の足音がそうっと聞こえてくる視界。そのほぼ半分を覆う、舞台の天井。そのまま首を後ろへゆっくりと捻って振り返った。影が落ちる、舞台の奥。一度だけ立った場所。)……、気にするな、なのでしょうけれど。(ぽつり。針を次の刺し場所に留めて、空いた右手がステージにそっと落ちる。――コン、コン。)……(次いで、溜息。針を持ち直した。)   (2018/2/22 16:22:24)

ピェリオ♂役者(良く晴れた、その日の事。男は街中を、小さな子どもの手を引いて歩いていた。まだ片手の指をいくらか越す程の年齢かと思しき、淡い金髪をした小さな――男の子。まるで違い色彩ながら、傍目から見るだけの分にはまるできょうだいのような気軽さで連れ歩く。子どもの方が、口を開く。 ……ね。僕ら、「行かなくなった」の? 男が応じる。) ……そ。少なくとも、オイラはもォ、連れてけない。 (……如何して?) ……如何しても。だから、アインや、デージーからも聞いてるだろ。後は皆の好きにして良いの。このまま残りたいなら構わない、他に行きたいなら手伝う。……オイラを恨んでくれても、良いから。 (何処かぼんやりとした面差しの少年は、困ったように俯いた。 ……よく解らない。) ……だよね。……ごめんナァ。 (そのまま抱き上げた。良く連れ歩く少女にそうするように、片腕に乗せて顔を覗き込む。懐いた風情の少年が額を肩口に預けるのに、一瞬躊躇って、その頭をかいぐった。) ……昼飯、食ってから戻ろう。ツヴァイ。   (2018/2/22 16:51:53)

ピェリオ♂役者(また数日後の話。――楽器ケースを提げたまま、夕暮れ道歩きをしていた男は今日ばかりは一人だった。街広場の、枯れた噴水の縁が何時しか居慣れた興行場になり、子ども達を相手にうたい古された童謡を弾いた。途中通りがかった老年の主婦が足を止め、嗚呼、若いのによく知ってる、と目を細めるのに、うすくわらって返していた。――よくよく、教わったもので。 ……そんなことがあった帰り道。 立ち寄ったのは気まぐれにすぎない。遠目に、また、何時しか見慣れた白制服を見つけたのも。もう少し陽が落ちれば灯もまばらになるこの場所で、)(―――コン、コン。) ……、 (……何やら手元に向き直る姿に、届くかは解らないけれど、似たような仕草で舞台の支柱のひとつを、打った。カツ、ン。) ……同じ場所を、鳴らしましょう。寒い時には、手を合わせれば――――、……でした、っけ。 (いつかの舞台、何時かの台詞。繰り返すように。) ……季節巡れど、余り遅い時間まで外に居ては身体を冷やしてしまいますよ、……御嬢さん。   (2018/2/22 16:53:55)

ピェリオ♂役者(彼女が座る、丁度反対の舞台袖。いつか振りに見えた男は、黒い外套を羽織ったまま、紳士然とした言葉のまま。何時もと、それまでと変わらないようにも見えるまま。) ……今晩和。今日は如何にも、珍しい処にいらっしゃる。ですが、陽が落ちてしまうのなら足許も危うくなります。悩み事でしたらお話を。探し物でしたら、お手伝いを申し出たい処、ですが。 (口上にはやや長すぎる言の葉の終わりに、会釈を、ひとつ。)   (2018/2/22 16:57:58)

エルソフィ♀司書官 (手を、合わせれば――)心は、凍えぬ……ええ、聞こえていますよ。(ほんのわずかな、石越しの合図。台詞の断片を、そのまま口にする声音は、変わらぬ硬質。針を鈍色縁の内側を埋める布にまた刺し通しながら。挨拶聞こえたところで、ようやく顔を上げようか。肩が少しばかり上下するのが見てとれる、吐息ひとつ置いて。)こんばんは、……ええ、家でやると落ち着かなかったので。寒くはありません、大丈夫です。(純白の司書官制服の上にふわりと広がる、同じ純白の、丈長の羽織。)数ある探し物は、いずれ見つかると思っていますし、今ちょうど一つ見つけましたし、悩みごとは、……(菱形一つ綺麗に出来上がったところで針が宙で止まった。)……悩みというより、さて月をいくつか遡ることをどう言えば円滑なのかと、考えています。(空からの灯が薄まり行く中、二色目を通した針が往復する。)ちょうどいいところに来てくださったので、お暇でしたら話を聞いていただければ助かります。……、(唇開きかけて、言葉の代わりに溜息のような吐息一つ。止まりかけた針はまた進む。危なげなく。黙々と。途中で止める気配もなく。)   (2018/2/22 17:10:21)

ピェリオ♂役者……もう、随分前の様にも思えます。 (その舞台が、台詞が。もっとも、あの時は急場だったしそもそも台詞を述べた配役は逆だったのだけれど。聴こえる声音も変わらない響きで、何処か無意識に細く息をついた男は其の儘距離を詰めた。いつものていで、すたすたと歩き寄るなら手元を覗き込んで、間。大仰な仕草で首を傾げる。) ……成程。こう云ったモノなら、より明るい処の方が良いような気も致しますが、――拝命いたしました。 (音無く翻したのは黒外套。彼女の隣へ、人ひとり分近くの距離をあけて座ったのは、針仕事と見て取れた作業の邪魔にならない為か、果たして。) 私で宜しければ、何時でも。伺いましょう。……何か? (気安い言葉と気軽な仕草で、ただ視線は、じ、と、もくもく作業を進める紫眸へ向けた儘。)   (2018/2/22 17:19:12)

エルソフィ♀司書官ワタシにとってはつい先日のことです。(そう短く答えた声音だけ、氷の水のようだった。)……ええ、フィーネの舞台のことです。(石壁越しに最後という最期で、偽りを貫いてそれでもどこかで手が届いた二人の贄の噺。何の必然だったのか自分と眼前が急遽その大役を務めた一日があった、『銀猫』の舞台噺。)台本を外した旨は、何度も素直に打ち明けましたが……(長く沈黙を溜め、隔てる石壁をそう強く叩かなくてもよかった、「幻のキャスト」による独自の演出。市でもしばし話題になったそれ。)……どうして、は、ちゃんとお話していなかった、と。お会いしたら時間をもらってしっかり話そうと思って、言いそびれが重なって、今、です。(今――そう、互いが一つずつ棄てて、繋いだのちの、今。鈍色縁の内側を、二色の菱形が並ぶ柄。覗き込んだ者は、よほど忘れ上手でなければ見覚えがあるだろう。半分以上まで縫いこまれているのは、自分で渡したナイフと同じ色と模様なのだから。まだ茜が残る夕陽が照らす紫の眼差しは、針に集中しているのか、まっすぐ、手元に落ちたまま。)   (2018/2/22 17:35:51)

エルソフィ♀司書官最後の台詞――(沈黙を叩き壊すようにして、石壁を強く叩いたのちに紡がれた『王子様』の台詞)――……あのとき、台詞を忘れたのではないのです。ちゃんと覚えていましたし、私なりに拍も数えていました。ただ、(そこまで言って、糸を引いた針を持つ手がまた宙で止まった。そして、詰まった吐息一つ。)――セロ、少し詰めてください。続けにくいです。(顔こそ向けないものの、一度目蓋を閉じて紡ぐ声音は、ありありと何かを困ったような声音だった。自分から詰めない理由?小物と針と膝の本に身動きが取れないから。)   (2018/2/22 17:36:00)

ピェリオ♂役者はは。確かに。慣れない方に無理を強いたと思っているのです。……え? (柔和な笑みがいったん止まったのはその後だ。とつとつ語られる言葉、生真面目な彼女にしてみれば気になるのだろう、そんな理由。アア、と何とも困ったような間を置いて、銀色の髪を自分で掻きまわした。) ……本当に、本来役者でもない貴女に無理を強いたと思っているのです。ので、お気になさらず―― (とは、当日も云ったのだか、忘れたけれど。) ……あの場はあれで、良かったのですよ。現に初日があったからこそその後の集客と収益につながったのです。生業役者でも、当日場面で台詞や演出を変える事など幾らでもあります。 (そう、だってそこを指摘するならばそもそもあの九月舞台は何もかもがイレギュラーだった。役者に始まり脚本に始まり演出に始まりそもそも、どうして代役を立てる羽目になったのかその本当の理由と経緯を自分だって何も彼女に明かしていない。当日あの場で説明しただけで。だから少し意外で、大分に困った。……これでも割と、気を遣っている、つもりなのである。)   (2018/2/22 18:00:01)

ピェリオ♂役者(あの夜を経てからあえてやんわり図書館を遠巻きに歩いてみたり日中出くわした覚えのある通りを自分の道行きから外してみたりとか。今もこうして、手元がきゅうくつならやりづらい作業をしていると解って、後、あんまり距離を詰めて困らせると悪いかなとか気を遣って、) 貴女が気になさる事等何も、 (遣って―――) ……ハイ。 (……居るつもりなのがとりあえず一拍おいて割とどっかに行った。従順で平坦な返事の後、無遠慮にあっという間に一人分のスペースを詰める。だってそっちが云ったんじゃんか。) ……で。如何したんですか、……エル。 (舞台に腰かけたまま、膝に肘をつく頬杖のような姿勢で、上体を屈めて下方より覗き込む。伏せた瞼の向こう側、覗き込むような視線は変わらない。幾らか雑で物騒でうろんになっただけ。一滴混ざるなら、) あんまり遅くは危ない。……前も云ったけど。 (近づいてより解る手元の色彩に見覚えがあり過ぎる分、心配が滲むだけ。)   (2018/2/22 18:03:56)

エルソフィ♀司書官もう少しだけ。もう少しですから。(視界の端に馴染みある顔、色、形が紛れ込んだときの吐息は、少し柔らかかった。並ぶ駄々のような言葉は、いつぞやの夜とどこか同じの。止めた針と一緒に、懺悔にしては困った眼差しのままの打ち明け話は続く。気にしなくていい理由も、それを納得できている自覚があっても。)……役を、見失ったのです。ずっとそれまで、「フライル王子が聖女アンネに届け続ける」ただ一つに集中できていたのに、いざそのセリ――言葉を、目の当たりにしたとき、(寒さが肺を震わせでもしているのだろうか、多い吐息。二針、三針。)自分<フライル>だけならまだしも……相手<アンネ>まで、見失ったのです。(真白の布が模様で埋まるまで、あと少し。)役を取り戻せないことに焦って――(ほとんど動かない朗読劇なのに)――壁の向こうが、貴方にしか思えなくて――(少し朗読慣れしている程度の素人なのに)――それでも、ワタシは……役を忘れたまま紡ぐことのほうを選びました。――(代役<ニセモノ>なのに。)   (2018/2/22 18:24:12)

エルソフィ♀司書官役者の貴方には、台詞として聞こえいたはずです。ワタシ……エルにとっては、生涯で一度きりの契の言葉と知るコトバですから……(プツ、と、綺麗な柄に縫い終わった糸を裏地できつく留めて、歯と指先で器用に食いちぎった音。)……だから、どう言えば……(出来上がった、コインほどの大きさの飾り。左手に緩く握りこんで、ようやく、片方揃いの眼を見た。半分以上降ってきている夜の色の中で、表情はまだ見えているだろうか?)……どう言えば、台詞ではないと……台詞ではない葛藤や台詞に紛れ込ませた罪悪感から壁を強く叩いたのだと、伝わりますか?(とてもとても、困った顔。とてもとても、困った声音。)   (2018/2/22 18:24:20)

ピェリオ♂役者(覗き込んだままの、色違いが瞬きを忘れた。) …………、 (物言い掛けた唇が呼吸を忘れた。忘れた儘、ゆっくりと上体を起こして、そうしたら少し下方になる紫へ手を伸ばした。震えるような言の葉を吐いたばかりの頬に手を、伸ばして、) ……――――。 (止まった。錆びついた機械細工のようにぎこちない動きで引き戻した片手で、自分の髪を掻き混ぜる。さっきよりも手荒く、乱暴なそれで。聴こえるなら、俄かに言葉を探すように吐いて閉じた声音が聴こえただろうか、 ――――なに、コレ。) ……そう、云うの、って。 (言いかけて、口を噤む。髪から解いた手が自分の口を塞いで、考えるように天を仰いで、それから俯いた。酷く困った様な彼女の真横で、痛み堪える様きつく眉根を寄せた。普段の双方を知る者が見たとしたら、どちらも具合でも悪いのかと思われるかもしれない、恐らくは「普段」とかけ離れたような面差しのまま。) ……あの、舞台ね。終わった後、云われたんだ。「良く演れたね」って。 (沈黙は、どれくらい後だっただろう。告げた言葉も面差しも、淡々としたものだった。唇から離した両手の指を、膝の上で組み合わせながら。)   (2018/2/22 19:15:09)

ピェリオ♂役者……「あいにかわる物語」――愛を乞い続けて死にいだかれた二人を、俺が、全く理解出来なかったから。 (直前の酷い動揺が嘘のように、抜け落ちたような声。他人の事のように語る儘。) だから公演が決まった時も、演者になる事だけは避けてた。……解らない、ンだ。二人があれだけ欲しがった心が、どんなものなのか。どれだけかたく掴んでたって、……こわれてどっかに居なくなる。なら、傍におかない方がずっと良い。 (見詰めた先で、かたく組んだ指が鈍く開いて、その中を見下ろした。空っぽの。) ……<数字>すら貰えなかった<空っぽ>には、なにもできない。なら、何処か遠くに。 (片目違いを振り向いた。) なのにね。アンタが、……アンタに、割食わせて自分も舞台に乗っかった時、 (さいごの台詞<こえ>が聴こえた時、) 思ったン、だよね。初めて、この二人が次は、ずっと―― (「いられますように」……初めての願いは、無意識の自由台詞<アドリブ>を呼んだ。) 大事、なんて、出来ないのに。傷つけるだけ、なのに。……それが何でか、今も解らない。   (2018/2/22 19:16:02)

ピェリオ♂役者(途切れ途切れの懺悔のような台詞。彼女の言葉を聞いていたのかと思われそうな台詞は、) ……だから。 駄目なん、だよ。そう云う事、俺に云っちゃ。 (請うように云った。) そう云う顔、しちゃ、駄目なんだよ。 (願うように手を伸ばした。伸ばして、しまった。) ……アンタが云うなら、幾らでも泥被る。あの時一旦は、全部アンタにやったんだから。 (死んでもいいって、そのつもりで。) ……泥でも汚れでも、澱んだものは全部貰う、の、に。……如何して、如何したら良いか解らないような、奴に、そう云う事、云うの。 (不躾だとか針を未だ持ってるかもしれなくて危ないとか。そういう配慮とか、全部霞んだのは如何して? 震えるような声の儘、懺悔のような面差しの儘。嗚呼、あの夜に傍にいて欲しいと貪欲に願ってでもそれだけで良いと思った、のに。) アンタが、望むなら。何時だって命くれてやる、くらいなのに。そう云うの、嘘でも云って、 (逃げないなら、逃がして、やれない。振り絞るような儘に背に緩く手を回した。) これ以上、俺に捕まって、如何、するの。 (肩口、俯くように。)   (2018/2/22 19:16:27)

エルソフィ♀司書官(――なに、これ――そのときの、紫眼の見開き方に音をつけるのなら、「きょとん」だったのだろう。瞬き少なに聞く、自分よりも途切れ途切れな声言葉。一度、ほんの少し息を飲む声が聞こえたのなら、それは、あの舞台でもう一つ、一度きりの演出だったと噂された、聖女アンネの最後の台詞。願い請うような台詞。聞こえてはいた。自分の台本外れに合わせてくれたくらいにしか、思っていなかった台詞<ねがい>。)……本当に、お粗末な攫い手です。(その声音は、硬質も、氷も欠いた。だってそれはゆっくりとした吐息に紛れ込ませた囁きだから。)命を賭して捕まえたというのなら、そのまま捕まえて掴んでいればいいのです。一緒にいる、と、はっきり応えたつもりですよ、私は。(淡く笑んだような囁き。あの夜はナイフで、すぐそこに来ている「今夜」は針。まったく物騒片手のときに限って――と、淡く笑んだ。針はそっと己の羽織の端に刺し忍ばせた。背に手が回る頃、揃いに肩に額を預けた。指先だけが覗く手袋が、右の上腕をそっと掴む。いつかの月下をなぞるように。)どうする、は、そうですね、実はあまり考えていません。繋いだ以上はやることも話すことも山積みです。   (2018/2/22 19:53:59)

エルソフィ♀司書官ですから、空っぽがそんなに気になるのなら……、(手袋から覗く指先は、冷えていない。温度を欠いたまま俯く頬に左手の先が触れた。)役者がてら、しばらくワタシという本を読んで待っていてください。澱みも全て、もらってくれるのでしょう?私とて単に利害整理のために貴方を繋いだわけではないのですから。(願ったのは――)――次も、その次も、公演を観たい、この目が届くところで観たい。エルは傍で観て居たい。だから繋いだ。……足りませんか?   (2018/2/22 19:54:17)

ピェリオ♂役者……又、云う。それ、結構傷つく。……知ってる、けど。 (雪解けのように笑むこわねを近くで聞きながら、低く唸るような不満そうな声。似たような言葉を言われた、あの朝に「祖母」から、格好付けだと――嗚呼、やっぱり所詮。) ……真似事。だった、からね。ずっと、ホントは、……傍に居たかった、ヒトの。 (こわれて、なくなったひとの。) ……――――。……アア、 (応じるように、肩口へ預けられた温度。見えていなくても腕に触れる指先は解った。……その時に、解った。夜の帳が辺りを包み始めていても、たとえその指先にヒトと同じ温度が無くても、きっといつでも、自分は彼女を見つけるのだろう。だって、もし足りなければあげるって、幾らでも、持っているものはあげる、って。) ……嗚呼、もう、 (馬鹿だね、と音無く刻んだのは彼女へか、自分にか。それとも。) ―――― (緩く回した腕に力を込めた。抗議は大体聞く気が無い。こわれてしまうかもしれないのに、こわれてしまっても、繋ぎ止めるように。……今度こそ。) ……。   (2018/2/22 20:33:02)

ピェリオ♂役者(ようやく力を緩めた後で、頬に伸ばされた左の手を右の手で捕まえた。貴族のように折り曲げて手の甲にするそれではなくて、捕まえた儘、指の腹に柔く唇を押し当てる仕草。目を伏せて、ひとつ。) ……アンタが「誰」でも、俺は別に如何でも、良いんだ。アンタが、泣かずに済んで、時々は……そうやって笑って、くれるなら。 (唇に当てた手を自ら頬に引き寄せて、紳士然でも何でもない、作り損なった泣きそうな顔で笑う。) ……傍に居てください。 (内緒話のようだった。) 足りない分は埋めるから。攫った分は、償うから。アンタに足りないものは幾らでも見つけてくるから。 (うたえないならうたうよ。踊れないなら奏でるよ。幾らでも幾らでも、) だから、俺と、一緒に、 (ね、ニセモノとマネゴトは、やっぱりお揃いだったのかもしれないね。) 生きてください。……エル。   (2018/2/22 20:34:56)

エルソフィ♀司書官だって、腹が立つほど下手だったのですもの。(傷つくと言われた端から重ねて傷をつける。淡く笑んだ雪のような声で。そのまま、雨のように降る言葉へ耳を澄ませていた。)……ね、真似たいと抱く程度に、ちゃんと残っている。(意地悪く、それを繋いだわけだけれど。――アナタが棄てきれないモノ。)貴方が真似てでも追いたい像は、私の知る由もない御方ですが、それでも、本物とどれだけかけ離れても、いつも言うことと変わ――(――抱擁に攫われた謎かけ。ねえ、あの夜に至るまで、ワタシが貴方の前に現れたのはたったの二回です。間違い探しは、得意ですか?――)――……(その指に温度が宿らなかった境目は、雨夜。それでも、触れられた感覚とその意味は分かる。知っている……覚えていた。だから、息を飲むような声が小さく小さく零れた。本当にその所作だけ?……いいえ。)……たまには、そんな顔をしてください。どれも好きですから。(途切れ途切れ、大事に大事に紡がれる言葉を、まっすぐに見上げた。レンズが紫眼を遮っていても。その見上げた眼差しは淡い声音と揃いで、ただ、生まれたての命のような言葉に一度止まった。今までで一番、驚いた顔で。)   (2018/2/22 21:19:53)

エルソフィ♀司書官――――、(一粒だけ、凍った涙が小さな音立てて舞台に落ちた。石壁へのノックと似た音を立てて。)――――、(驚いた顔のままに、唇が震えた。そう、二拍、三拍、『初めて』の舞台のときと同じように。)――――、(しっかり、息を吸って、掴む手に力を込めた。届く声音で届けられるように。)――――はい。(全てを間違えてでも、欲しかったもの全て、受け止める淡雪の声。)   (2018/2/22 21:20:20)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、エルソフィ♀司書官さんが自動退室しました。  (2018/2/22 22:12:10)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2018/2/22 22:12:23)

おしらせ滞在時間が360分を超えたため、ピェリオ♂役者さんが自動退室しました。  (2018/2/22 22:13:04)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/2/22 22:13:38)

ピェリオ♂役者……煩いよ。 (今度こそ、不貞腐れたように背に回した腕の先、握りこぶしを作って背骨のあたりを柔く小突いた。) ……模れば近づけると思った。近づいたら、何時か、解るのかと思った。……けど。 (そこから先は、きつく腕の中を押し込めるような仕草に仕舞い込んだ。真似て、模って。嫌って、疎んじた筈が、引っ掛かって。引っ掛かったまま、手を伸ばして、攫い損ねて。届かないと解って居た癖に、必死に何か追い縋る様な姿に、重ねた儘、絡げ繋いだ、相手を前に。何も知らなくても、解らなくても、きっと、あの雨の夜、貴女に、―――――) (……ああ本当に、なんて滑稽で、何てお粗末な話。) 何、それ。物好きだね、エル。 (ねえだって、貴女幾らだって選択肢があったのに。) ……ほんとに、さあ。 (嗚呼、又泣かせた。……もっと、綺麗なものを、綺麗なヒトの傍に居る事だって出来たでしょう。継ぎはぎだらけの犯罪者でなくたって。) ……物好き、だよ。 (……そんな物思いすべてと裏腹、たった一言、綻んだ花のようなこわねを前に、今度こそ泣くように笑った。) …………ありがと。   (2018/2/22 22:24:59)

ピェリオ♂役者(細く細く、息をつくなら脱力したように傾ぐ身体は、避けなければそのままこつりと額を合わせてから、片頬に自分の頬を摺り寄せた。ねこがじゃれるようなと云えば聞こえはいいかも知れないけれど、どっこい成人男性である。重いかも知れない。抗議は―――だいぶ前から訊く気が無い。) ……そう云えば。さっきの。何? (……暫く温度を分けるように凭れかかっていた処で、ようやく質問は始まりに帰ってくる。そう、思い出したように、ゆっくり肩口から顔を上げながら。「さっきの」……彼女を見つけたきっかけ、彼女が此処でしていた事。) 何か出来る事なら、手伝う。……俺に関係あるもの? (だって、そのナニカは、預けた自分のナイフと似た色――灰色と紫のいろどりとよく似ていた、から。)   (2018/2/22 22:28:00)

エルソフィ♀司書官(小突かれた拍子に、小さく笑ったのは、内緒。)――(……ねえ、ソフィ。きっと、憎いですよね?一番、望まなかったですよね?一番、貴女が報われないから。でも、だから、待っていてください。必ず。ワタシはちゃんと星空が見えますから。暗くても、迷子にならないですから。)――(『その本は本当に君を――』……ええ、ちゃんと、お答えします。次に問われたら、必ず。ワタシは忘却を望まれた正しい歴史を知っているから。きっと、怒るでしょうけれど。)……その言葉、そっくりお返ししますよ。(誠実で潔癖でありふれた正しさにかえる選択肢は、いくらでもあったのに、どうしてなのでしょうね、全部、少しずつ棄てていたのは。怨嗟と怯えと共に重ねていた面影は、川に引きずり込まれること覚悟で追いかけていた影は、川水に冷たい痛みを浴びる運命を交換されてしまった人に、全部全部、重なって……見えなくなった。)「誰」なのか分からないのに、命を賭すヒトなんて聞いたことがありません。物好きにも、程があります。(気づいたら、嫌いなはずの色が、「片方お揃い」と、探すようになっていた。引きたてる橙を、綺麗と思うようになったのは……。)   (2018/2/22 23:05:00)

エルソフィ♀司書官(――たくさんの問いを、額に背にうける熱にそっとしまって。ちょっと重い質量を受け止めながら、うっかり斜め後ろに倒れかねないところを器用に踏みとどまるのは……意地。)……ん?ああ……これですか。(灯心許ないここでずっと何を細かい作業を、という最初に戻ってきて、左手を攫われたときに袖の中に滑り込ませたそれを、軽く袖を振って手に取って、制服のポケットから裁縫用の小箱を取り出した。針をしまって、かわりに出てきたのは、同じ飾りがもう一つ。眼前と関係のあるものかと問われれば、頷いた。)花束のお礼、結局いくら市を歩いても思いつかなくて、それで……作ったほうが早いと思って、小物屋に端材を分けてもらったのです。糸も、魔法糸ではありません。そういえば得意だったと思い出しただけで。(手の平の上に二つ。コインほどの大きさの飾り。)末端を飾ると映えますから、何事も。せっかく綺麗な礼所作ができるのだから……、似合って気に入れば、と……別に無理に縫い付けたりは――(言うにつれて視線がどんどん下がる。そう、外套の袖あたりまで。)――……暗い遅いは、危ない、でしたね。(とうとう顔を逸らした。)   (2018/2/22 23:06:26)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、ピェリオ♂役者さんが自動退室しました。  (2018/2/22 23:50:12)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/2/22 23:50:23)

ピェリオ♂役者じゃあ、……それも、お揃い。 (内緒話のように、密やかめかした。 ……物心ついた時には、家も家族も名前も無かった。誰かに呼ばれた、記憶すら。そんな、海向こうの貧民街の片隅で、野良猫のように生きた子どもがある日襟首引っ掴まれて、身軽さを買われて気まぐれに迎え入れられた――それが始まり。必要だろうと与えられた名は<空白>で、それでも何時か形になるのだと思っていた。傷と皴が目立つ荒れた指に、かいぐられるのが、嬉しかった。) ……良いんだよ。何だって、誰だって。だって、俺だって同じようなものだから。それでアンタが困ったり傍に居るのに必要ならそうするけど、そうじゃないなら何でも良い。天使でも悪魔でも。アンタ可愛いから。 (ふは、と笑う色は下手をしなくても本当に細かい事を考えていなさそうで、きっととても不躾。) うん、……うん? (ようやくに戻った最初の疑問。在処を探すようにやっと腕から解放して身体を少し後ろへ引いた。覗き込む先に、刺繍の施された丸い飾り。見覚えのある色はやっぱり自分が渡したナイフの柄模様で、成程あの時渡した花の――) ……エル?   (2018/2/22 23:57:57)

ピェリオ♂役者(……下がっていく視線に気が付いた。同じように、此処へ来て距離を詰めた直後にそうしたように自分も下方へ、追従して覗き込むように視線を下げていたけれど、……) ……、そうだね。 (声が平坦になった。やたら。もっと言うなら、感じたナニカを抑えようとして一周回って平坦になった、様な声。背を解放した腕が伸びる。何処へ? 俯く視線の主へ、その白い面差しの両側へ。がしりと捕まえられるなら、無理やりにでも引っ張り上げただろう。真正面、向かせるように。) 有難う、大事にする。……後、アンタ本当に可愛い。 (ねえ、こんな公演時期でもない野外舞台にこんな時間、誰も来やしない。お月さままだ登り切ってないよね。星もまだ見えないよね。太陽が沈み切って、丁度境目の目隠しの時間、だからそれだけ口早に言って掠めるように距離を詰めた処で、――――――) ……、……うん。暗い遅いは危ない。ホント。だから、……もうちょっと明るい処でこれ、つけてよ。御礼の御礼……て、変かも知れないけれど、奢るから。   (2018/2/22 23:58:09)

ピェリオ♂役者(いつかの、望郷歌を奏でた食事処。本来あそこ、静かだからさ。店主が静かなほうが好きなんだ、うっかり自分達がいつもどんちゃんさせるだけで。) ……いいでしょ、エル。 (伺いを立てるように聞きながら、間近にしたままの視線もまるで逸らす気が無かったので、……ご容赦願いたい処である。) 後、そうだ。俺も云わなきゃって言うか、相談、っていうか、あるんだわ。……アンタが嫌じゃ無ければ。 (此処に来て初めて、「祖母」から言われた、「連れておいで」が今更ながら脳裏をかすめた。忘れるなと言わんばかり。……切り出し方を考えながら首を捻って、漸く解放した両手、片手にそのまま二つの飾りを拾い、舞台を降りる。もう片手は勿論、願いの先へ、差し伸ばす。) ……行こ。 (すらすら並べるだけ並べた言葉のおしまい、誘い文句は呆気ない程短い。 ……嗚呼、月も星も太陽にも隠れて何した、って? 迂闊にしてるなら猫の俊敏で、また合わせただけだよ。ただし今度は、額じゃなかったけれどね。)   (2018/2/22 23:58:27)

ピェリオ♂役者【そんな処で、此方は〆とさせて頂きたく。遅くまでお付き合い有難う御座います。そちらも〆られるようでしたら、ご一緒させてください。】   (2018/2/22 23:59:24)

エルソフィ♀司書官(お揃い――最初は自分が言ったはずの言葉をそっくり返されているだけなのに、呼吸が半拍迷子になった。)私は困りませんが……今の貴方なら無機物でもいいとすら言いそうですね。(とは、<道化師>の仮面を脱いで紡がれる声言葉が、いつも聞いていたとはまた違う方向性に軽くて、薄っぺらいから。ひっくるめて、雑。良い意味で。そんな風に思ったら、そんな言葉が出た。)   (2018/2/23 00:46:50)

エルソフィ♀司書官――か、(いつぞや花束を選ぶ宛先、めぐりめぐって自分のことだと遠回しに言われた形容詞。何か反論しかけて、「乗ったら負けだ」とナニカが囁いたから、笑った顔だけはしっかり見た後に、説明に紛らわせて顔ごと視線を逸らしたら――新月の夜森の自分と同じくらいの強引さで連れ戻された。)――、です、から……――!(目をまっすぐに見て物事を伝えるのは自分なりの礼節であって、相手からもそうしてもらえるのは一定の信頼と受け取るようにしているがこれは、ナニカチガウと頭の片隅がやたらと煩かった。畳みかけるように口早に紡がれるこの淀みも嘘もない言葉たちを歯止める何かを言わないとナニカダメと競りあがる焦燥が何なのか、分かってしまう直前で目を逸らしたら……何から目を逸らしたのかも分からないくらい、暗幕かけられたような一拍があった。)……、……(呆然、そんな二拍、三拍。)   (2018/2/23 00:46:58)

エルソフィ♀司書官――え?(我に返ったのは、相談という言葉が聞こえた辺りだった。その手前は、聞こえてはいた、一応。否定する要素が見当たらないという消去法こそあれど、らしくなく流れに流されるように頷いて、)……、(黒本を抱きながら、差し伸べられた手に手を伸ばしたところで、触れるか否かの宙で止まった。)……セロ。(そっと呼んだ。視線がまた落ちて、一度だけ、空を見上げた。嫌いなはずの色に染まった空を見上げて、また戻って来た。片方お揃いの双眼へ。)……あり、がとう……。(今までで一番小さな小さな呟き。そっと、今度こそ伸ばした手を重ねて握った。やっぱり暗い夜はまだ、怖いのかもしれない――そんな顔で呟いた。まっすぐに。)――――(ああ、やっぱり聞こえていなかったのかもしれない。本当に縫いつけてよかったのですかとか、そもそも私が相談に乗ってもらったのだから奢る奢らないだのという、若干不毛な応酬があったとかなかったとか、それはまた別の噺。ひとまず確かなのは、そんな店の裏でご飯にありついたオッドアイの黒猫が、月を見上げて呑気に「ニャー」と鳴いたことくらいだ。)   (2018/2/23 00:47:07)

エルソフィ♀司書官【大変お待たせいたしました。これにて私も〆。幕閉じとさせていただきます。夜分遅くまでのご一緒をありがとうございました。見守ってくださいました窓辺様方にも感謝を。】   (2018/2/23 00:47:47)

ピェリオ♂役者【素敵な綴じを有難うございます。こちらこそ本当に長時間有難うございました。窓辺様も有難う御座います。またいずれの舞台でも、皆様との御縁がありますように。続きますように。今宵は此れにて、お部屋お返しいたします。本当に有難うございました。】   (2018/2/23 00:50:46)

おしらせピェリオ♂役者さんが退室しました。  (2018/2/23 00:50:52)

エルソフィ♀司書官【司書もこれにて。どうか良い夢を。お部屋ありがとうございました。】   (2018/2/23 00:51:40)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが退室しました。  (2018/2/23 00:51:44)

おしらせアリステア♂冒険者さんが入室しました♪  (2018/2/26 01:20:27)

アリステア♂冒険者【こんばんは。物語の続きを投下しに。不明点などございましたら、答えられる範囲でお答えしますので掲示板にてどうぞ。】   (2018/2/26 01:21:12)

アリステア♂冒険者(魔法陣の光が、少しずつ収束していく。真っ赤な魔法陣は、何事もなかったかのように、先ほどと同じように居座っている。)これで、準備はできた。あとは、早く13人目が誰か、特定しなきゃ……か。この街で……こんなくだらないゲームは終わりにしてやる。たとえ、この身を犠牲にすることになったとしても……。守らなきゃ。13人目を、探して……。(狭い部屋で呟いた言葉にて、様々な念が込められていた。自分のせいで犠牲になった12人への罪は、一生償うことはできないだろう。これ以上、自分への罰で犠牲者を増やすわけにはいかない。たとえどんな手を使ってでも、彼を止めなければならない。ロサールの街を脅かす、連続殺人鬼を。――そう決意して狭い部屋を出た。)   (2018/2/26 01:21:25)

アリステア♂冒険者(閉じられた扉によって生じた空気の流れで舞った一枚の羊皮紙。元々は本の頁であったであろうそこには、その部屋に描かれた魔法陣について書かれていた。)『封印ノ器』・・・物体、或いは肉体を器とし、物体、或いは肉体や肉体に秘められた魂を封印する魔術を会得する為の頁である。この魔法に必要なのは魔力ではなく、本稿に付属された魔符である。器となるものを、手順通りに描いた魔法陣の中央に乗せ、魔符を貼り、もしくは所持し、魔符に書かれた文字を読み上げることで成立する。実際に封印を試みる際は、封印する対象と器とが触れあった際に再び魔符に書かれた文字を読み上げることで試みることができる。ただし、肉体、魂に限らず、人が人を器に人を封印することはできない。本稿に書かれた封印対象である肉体や肉体に秘められた魂とは、人成らざる者に限られる。もし、人が人を封印するような魔術が存在するならば、それは間違いなく禁術となっているだろう。本稿で紹介した魔術は主に、表世界に出てはならぬ物を封印するために使用されるべきものである。 ――マーリン・ベロニウス著   (2018/2/26 01:21:37)

アリステア♂冒険者(表へ出ると、水路が朝日に照らされ輝きを見せていた。足取りは、そのまま12人目の被害者が出た現場へ向かった。黒の外套は着ていない。普段の、冒険者アリステアとして。)「そこの君」(背後から声をかけられた。振り向くと、一人のロサール騎士が立っていた。)なんでしょう?「近くでちょっと騒ぎがあってな。念のため、剣を見せてもらえないだろうか?」(騒ぎ……殺人と言わないあたり、今回の件は騎士団が第一発見者ということもあって公表しないのかもしれない。)いいですよ。鋭いので、気を付けて。(腰からぶら下げている片手半剣を鞘ごと手渡す。騎士はすぐに刃を確かめた。何かの魔法なのだろう。指先から光を迸らせ、刀身を確かめている。)「……人の血はついていないな。協力に感謝する。行っていいぞ」(目の前の男が殺人鬼でないことに安堵したのか、騎士はほっとした表情で剣を返してきた。)お勤めご苦労様です。それじゃ、俺はこのへんで。   (2018/2/26 01:21:48)

アリステア♂冒険者(殺人が公表されていないということは、事件現場を知っているというのも疑われかねないだろう。通過するだけに留め、その足でそのまま街を探索する。12人の犠牲者と、自分との関係。それがわかれば、13人目を守ることができるかもしれない。あの殺人鬼が発する信号に気づいてからでは遅いのだ。あの信号は、自分を呼んで、自分の目の前で自分への罰を下す為の合図なのだから。)……或いは、この街すべてを隈なく見渡すことができれば……。(そんな呟きも、運河を流れる水の音にかき消される。)もう12人なのに、この街でのルールすら、俺はわかっていない。(共通点がないわけではない。彼らはいずれも、どこかで見たことのあるような人達だった。中には自分の依頼人もいた。しかしそれだけの情報では、13人目を絞り……)守ることは、できない……。   (2018/2/26 01:22:01)

アリステア♂冒険者【以上にて。今宵はこれにて失礼いたします。ありがとうございました】   (2018/2/26 01:22:19)

おしらせアリステア♂冒険者さんが退室しました。  (2018/2/26 01:22:22)

おしらせエルソフィ♀司書官さんが入室しました♪  (2018/4/7 19:32:11)

エルソフィ♀司書官【こんばんは、お部屋おかりいたします。今宵は待ち合わせにて。】   (2018/4/7 19:32:38)

おしらせピェリオ♂役者さんが入室しました♪  (2018/4/7 19:32:46)

ピェリオ♂役者【こんばんは、度々お部屋お借りします。エルソフィさん、お待たせしてすみません。宜しくお願いします(ぺこ(ぷろふさがしてたとかそんなまさか】   (2018/4/7 19:33:38)

エルソフィ♀司書官【ピェリオさん、こんばんは。いえいえ、お世話になりっぱなしの長編にて感謝します(深々。よろしくお願いいたします。どうか良き紡ぎとなりますよう。(よくあるはなしです>ぷろふ)】   (2018/4/7 19:34:36)

ピェリオ♂役者【こちらこそいつも有難う御座います(ぺこ。 お時間やご都合など、何かありましたらいつでも仰ってください。】   (2018/4/7 19:36:18)

エルソフィ♀司書官【はい、ありがとうございます。それでは投下。】   (2018/4/7 19:36:38)

エルソフィ♀司書官(水都北部に墓地をのぞむ丘がある。その丘には、ずっと花も葉もつけない樹がぽつんと一本。もう花や葉をつけることを忘れた老樹という者もいれば、そもそもあれは花も葉もつけないという者もいる。しかし植物図鑑を開いても、そんな樹は記録されていない。いや、厳密には記録されているのだ。)その花が咲く条件は、一切が不明――と。ただ、咲かないわけではないのです。決して。……(小さな吐息を一つ。)……陽が落ちれば、今日、咲くのです。(顔が、持ち上がらないまま)一人で行くのに、多少、――(開きかけた言葉が唇の中に閉ざされた。)……綺麗な花ではありますから、ついてきてもらっても良いですか?(花を見に行く好奇心からはほど遠い、雪原のように静かな声音で。そう、見に行きませんか、ではなくて。どこに行こうとしたのか等の都合も聞かず、市場から少し離れた通りで見つけたところを呼び止めてとつとつと話した、宵の口。)   (2018/4/7 19:37:44)

ピェリオ♂役者夜に咲く、花、ね。……何かそンな噺あったな。 (第一声は、何処か昔の記憶をたどるような曖昧なものだった。視線を斜めにやって暫く、帰ってこないなにかをあきらめるように引き戻すなら、眼前。花見に誘うような軽快なトーンとはかけ離れて聴こえる、静謐な声。一拍空けて、) いーよ。こんな格好で良いンなら――何処へでも、お嬢様。 (しゃあしゃあと答えた。髪だけは唯一サイドを三つに編んで垂らしているけれど、「仕事」帰りの黒装いに黒鞄、夜に溶ける格好のままで良いのなら。……心配しなくてもあれからは「役者」としての仕事しかしていない。 大仰な、芝居がかった会釈をひとつ。あげた顔で薄く笑って。) なあに。夜道が怖くなっちゃった? (揶揄うような響きの中に籠る意図は、さて。)   (2018/4/7 19:50:40)

エルソフィ♀司書官ありがとうございます。それと、お嬢様ではないです。(左手を心臓に当てて、変わらぬ会釈。顔を上げきる直前に降った言葉。夜道が――)――そんなわけがないでしょう。(凍り付かせるような声で言った。)自分の身は自分で守れます。(硬質な声音で添えた。翻った純白の外套は、何かを振り払うような軌跡に舞って、コツコツ――規則正しい歩を二つ刻んで、半身振り返った。)……だから、大丈夫です。(大事なものを握りしめるような、静かな声だけで先導した。)――(道を行く。行く。細路地のほうへ。北へ。より静かなほうへ。魔導灯の数は少しずつ減る。治安に不安を与えない最低限の導としての役割を果たす程度の間隔で。道中、珍しく何も言わなかった。月が昇り始めたこの刻にて水路の綺麗な光の反射も、誰かの家の窓際に大事に育てられている花のことも、この辺りを縄張りにする野良猫のことも、何も。かつて花束を贈られた花屋の前を通っても、何も。)   (2018/4/7 20:02:59)

エルソフィ♀司書官――……。(そうして永遠の眠りを刻む場所。臨む小高い丘。永遠の枯れ木のように佇む樹。その枝の、その花は、冬の忘れ物のように枝を埋め尽くして硝子色に咲いていた。キラキラと、小さな小さな青白い光粒を落しながら。墓守たちの松明が遠くに見える以外は真っ暗なここでその光は、鬱蒼と辺りに輪郭を与えていた。)……黙って見上げれば、本当に綺麗です。(頬に受ける青白い光は、色の印象だろうか、ほんの少しだけ冷たい。)硝子を集めて月を閉じ込めたような、そんな咲き方をする花、私は知らないですから。(綺麗を綺麗というには、どこか、遠い声。)他の国にも、こんな花はあるのですか?   (2018/4/7 20:03:10)

ピェリオ♂役者はいはい。仰せのままに、お嬢様。 (聞いちゃいねえ。くっくと喉奥で満足そうに笑うなら、肩口まで手をひらりと上げて白亜に追従する漆黒。一頻り笑って歩き出すなら――添うように、此方も何も言わなかった。それは身に染み付いたものだったのか、硬い石畳の上を歩いてもそうと足音は立てず、ただ振り向いた視線の距離からははぐれずに、恰も何処か、影のように。片目だけ揃いの、色の違う双眸で黙したまま過ぎる景色をゆっくりと目に止めて、最後には先導する白へ返していく。どれ程の歩を重ねた後か。) ……星が咲いてンのかと思った。ン、ン―――そォだなァ。 (星屑を落として、枝に結びつけたのならこんな色をしているのだろうか。書き割りではとうてい表せない、こんな星明りを見つけたのならさて何て言っただろう。夜舞台に欲しかった、か? ――兎も角。) ……随分前に寄った国で、夜に咲く花の株を見た事がある。夜に開いて、朝には萎む、……あれは木の花じゃなかったけど。 (確かそう、あれも夜を、月を名に抱いていた。) ……名前あんの? この花。   (2018/4/7 20:18:48)

エルソフィ♀司書官……よかった、同じものではなくて。(星を咲かせる枝たちの真下に立った。この花樹の名は――)――ないのです。(かぶりをふってそう答えた。)名前も、花の咲かせ方も、忘れられることを願われて忘れた花樹である、と、ワタシは教わりました。もしかしたら本当は名前があるのかもしれませんけれど、不思議と、あまり足を止める人もいないのです。場所も場所ですし。(たまに、ゴースト出ますし。ぽそ。)でも、咲くのですよ、然るべき日に然るべきを踏むと、こうして。(見上げたまま、眩しかったのか、光粒がレンズに当たるのが煩わしいのか、薄いレンズを外して呼吸一つ。)……禁忌のようなこの花が咲く夜に、本当はこの夜に、(一拍途切れて)、ワタシがお別れを告げるはずでした。(手を伸ばした、あと少しで届きそうで届かない、一番低い枝の硝子色の星花。)エルがいなくなって、本当のソフィが戻ってくるはずでした。(本を読むように言った。)……ええ、きっと、気を張っています。禁術に触れる仕事を一つ多く担うことになって、この花と会う約束をしていた日が重なったから。   (2018/4/7 20:37:46)

ピェリオ♂役者(驚かなかった。「あるのか」と聞いた時点で、そんな気はしていたから。そう、とひとつ頷くにとどめて、続きを聞いていた。何処か御伽噺のようにも聴こえる、わすれられた花の噺。 そう、死者の眠る場所を望める処に立ち入るなとは、子どもに言い聞かせながら大人も自戒する。だって、もし、引き込まれて仕舞ったら大変でしょう? だから、だから。) 何か、仕掛け箱みたいな――、……アア。こう、歯車と螺子と発条がついてる箱で、ただ開けようとしても開かない。手順を踏んで正解の鍵穴を回すと開くって言う箱。ナカミは開いてのお楽しみ。海向こうで見たンだけどね。こっちにも来てるかも。 (気安い口調は変わらずに歩を進めるなら、音は微かに。) 禁忌、ねぇ。 (並び立つなら、真横。) ……それで? (首を傾げて、促す続き。)   (2018/4/7 20:50:59)

エルソフィ♀司書官図書館の鍵と似たような仕組みですね。正しく合わせないと開かない、中身が見られないモノ。(ね、と、同意を求めるように小さく首を傾けた先は、並ぶ横ではなく、変わらずに届かない花。)……ワタシをつくった人は、この花の花弁を一枚譲り受けてつくったそうです。帰るとき、この樹から還してもらうようにと。(本を読むような言葉は、本を読むような声で続いた。)……四つ、この日までにワタシが本から体に滲み出てこないために、本の持ち主を守るために、ワタシをつくった人は本に戒めをかけました。(ほんの少し、強く右腕の中を胸元に寄せた。)一つ、彼女に銀刃を与えてはいけない。二つ、彼女に名前を与えてはいけない。(燃え朽ちた残骸に、刃はついていなかった。)三つ、彼女に忘却を思い出させてはいけない。(忘れられているかもしれないのに?――『忘却に堕とされた女神様』)四つ、彼女に愛憎を意味する言葉を言ってはいけない。(縁を重ねた人ほど口にしやすい、簡単な言葉。)   (2018/4/7 21:22:25)

エルソフィ♀司書官……これだけ厳重に仕掛を重ねて、禁書保管庫でもある図書館に繋いでも、それでも、こうして出てこれてしまうのだから、面白がっていました。大勢の干渉ならともかく、一人で全部解いてしまうから、ワタシも面白くて――(思い出し笑いのように小さく口許が緩んだ。)――欲しいと、思って、ソフィが帰ってくるはずの隙間を棄てました。魂の帰還を待つ体を奪って居座る、花弁一枚ですらない、何も願われていないニセモノを……よく、選んだな、と、つくづく思っているのです。(やっと、隣へ顔を向けて片方揃いを見上げた。)何でもいい、とは言われても、一応、ね……?それを、節目の今日に伝えたかっただけです。(少し困ったように笑んだ。下手な読み聞かせをしてしまったような、少し困ったような笑み。)仕事、下手を打つかもしれませんし。   (2018/4/7 21:22:34)

ピェリオ♂役者(何処か大切なもののように語られたのは、告白だったのか、懺悔だったのか。それとも。……ほのかに笑って彼女が締め括るまでを、全て黙して聞いていた。出会いがしらのような揶揄いはおろか。相槌ひとつ、打たない儘。ただ、見据えた視線は、始まりからおしまいまでずっと紫の双から動くことが無かった。それがようやく、揺れたのは。) ……そっか。 (あまりに素気無く聴こえるかもしれない、短い吐息と共に、硝子色の花枝を見上げた時に。ようやく此方を向いてくれた紫と、入れ替わるように。) ……、……俺は。誰から生まれたのかも、つくられたのかも知りません。 (その言葉は、今この時は彼女に向けられたものでは無かった。よしんば、彼女しか聞いていなくとも。) 始まりが何処かも、理由が何かも知りません。がらんどうで、空っぽの、スラムのゴミ溜めをねぐらにした―――三文芝居にもなお足りない、野良猫が生まれです。 (夜風にさらされた樹を見上げて、一歩音無く踏んだ。根を、幹を花を、前に。ずっと外套の内に仕舞ったままの片の手を、伸ばして。)   (2018/4/7 22:23:09)

ピェリオ♂役者御利口な言葉は知りません。彼女ほどの学も到底ありません。手放し続けてきた生に不確かなものは何も無くて、差し出せるものはこれ<自分>一つきりしか無くて。つい先日、渡しました。……俺が。欲しかったから。 (ついとも、渡した「相手」を見ない儘。) だから、願える立場でも、乞える立場でも無いと承知しています。 (伸ばして、幹に触れた。花枝に向ける、視線を緩やかに持ち上げて。) エルを俺にください。 (それはまるで、) 誰の代わりとも云わない。正しくなくていい。俺にはそんなもの最初から無い。 (たとえだれかが泣いても、傷を負っても、それでも。) だから、棄てた糾弾をください。奪った罪科をください。傷も泥も、それで許されるなら、……赦されなくても。 (音を立てずに、指の先が幹から離れた。片胸に手を当てて膝を曲げる、「彼女」は見慣れかもしれなく辞儀仕草。) 一緒に、いさせてください。 (…………三つ程の呼吸をあけて、顔を上げる。背を伸ばして、振り向いた。) ……下手打ったら、その時はお揃い。……じゃないの? (ようやく笑った。悪戯めかして揶揄うような、道化言葉のそのものに。)   (2018/4/7 22:26:50)

エルソフィ♀司書官(告白のような、懺悔のような、思い出噺のような、御伽噺のような――静かな静かな、今宵咲く花のように静かな言葉たちは、いつも何かが足りない。落としたり、与えられなかったり、持ち合わせていなかったり……棄てたり。)……(今度は純白が黙して聞く番だった。大事な大事な黒本<きんき>を抱きながら、踊らぬ夜風と一緒に聞いた。宛先が最初はわからず、首を傾ぎかけたとき――捧げられた願いのような言葉に、得たものの代価を請うような言葉に、紫眼を見開いた。だって、その捧げた言葉は、言葉の先は、まるで、まるで――。)――、(舞い散る花弁のように一つ、片目から落ちた。)……(『なぜ、私に記号を与えたのですか』『識別に必要だからよ』『何の識別ですか』『それはね――』)――渇望、です。   (2018/4/7 23:20:08)

2018年02月07日 22時03分 ~ 2018年04月07日 23時20分 の過去ログ
【F系】水都ロサール【多目的】
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