「ショートストーリー♪」の過去ログ
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2022年03月16日 20時29分 ~ 2022年04月01日 09時58分 の過去ログ
過去ログでは上から下の方向に発言を表示しています
. | > | 未来など不要だと思っていなかった。は、 (2022/3/16 20:29:35) |
. | > | 未来など不要だと思っていた。の誤りでした💦 (2022/3/16 20:29:59) |
おしらせ | > | .さんが退室しました。 (2022/3/16 20:30:01) |
おしらせ | > | 歩美さんが入室しました♪ (2022/3/16 22:40:54) |
歩美 | > | 「守りたいものって、ある?」 「そりゃあるよ」 (2022/3/16 22:41:10) |
歩美 | > | 「なに?」 「お前のこと」 (2022/3/16 22:41:32) |
歩美 | > | 「はあ?」 「はあ?は、ねぇだろ」 (2022/3/16 22:41:43) |
歩美 | > | 「ごめん、ごめん、ありがとね」 「まあな、マジだし」 (2022/3/16 22:41:56) |
歩美 | > | 「で、さあ、何から私のことを守るの?」 「んん?何からって、その・・・すべてのことから」 (2022/3/16 22:42:10) |
歩美 | > | 「そっか」 「なんだよ、そっかって」 (2022/3/16 22:42:20) |
歩美 | > | 西の窓から差し入る木漏れ日が、とてもやさしかった。空気もほんわかとしていた。 (2022/3/16 22:42:31) |
歩美 | > | 「世界中を敵に回しても 味方だから・・・とかか?」 「バカにしてね?」 (2022/3/16 22:42:41) |
歩美 | > | 「してないよ!」 「本気だし、いつまでもこうしていたいし」 (2022/3/16 22:42:51) |
歩美 | > | 「だよね」 「ずっと、守るからさ」 (2022/3/16 22:43:00) |
歩美 | > | レースのカーテンが風をはらんで大きく膨らんだ、のんびりとあくびでもしたかのように。 (2022/3/16 22:43:10) |
歩美 | > | ・・・・ (2022/3/16 22:43:21) |
歩美 | > | あの頃は、本当に守られてる、守ってあげてるって思っていたかもしれない。 (2022/3/16 22:43:30) |
歩美 | > | だから、心から、ほんわかと、のんびりとしていられたのかもしれない。 (2022/3/16 22:43:40) |
歩美 | > | でも、少しづつ大人になって、守りたくても守れないことがあったり、「ずっと」や「いつまでも」にも終わりがあることを知ったり。 (2022/3/16 22:44:15) |
歩美 | > | 心変わりがなかったとしても、病気からは守れなかったりするから・・・ほんわかやのんびりな思いに息苦しさが入り込んできた。 (2022/3/16 22:44:21) |
歩美 | > | 2007年5月27日15時10分 (2022/3/16 22:44:57) |
おしらせ | > | 歩美さんが退室しました。 (2022/3/16 22:45:04) |
おしらせ | > | 年度末子さんが入室しました♪ (2022/3/17 02:09:33) |
年度末子 | > | 「彼のごめんが軽すぎるもんだから、こんなちっちゃいキャリーバックで間に合ったよ」 (2022/3/17 02:09:52) |
年度末子 | > | ショートパンツ? いやいや、半ズボンを履いてペット用のキャリーバックを背負った、エースと呼ぶにはあまりにも幼すぎる女の子が緊迫した二人の顔を交互に見ながら言った。 (2022/3/17 02:10:32) |
年度末子 | > | 「初めまして、須美です。遅くなってごめんなさい。ごめんついでにごめんのバック選びに結構手間取っちゃって」空のキャリーバックを床に置いて、ファミレスのソファに座る須美。 (2022/3/17 02:11:12) |
年度末子 | > | 販売員はわざとらしく胸の前で手を握ってテンションをあげた。「いやーあなたラッキーだわ!ワラ氏認定テスト5段名人級の須美氏と会えるなんて!」 (2022/3/17 02:11:55) |
年度末子 | > | 緊迫した空気を何とか緩めようと明るい声を出して、目の前のおのぼりさんに言う。だが、おのぼりさんはますます警戒の色を強くする。(おら、しってっぞ! 秋田テレビでやってた詐欺商法の手口だべ! さすが都会だべ!) (2022/3/17 02:12:32) |
年度末子 | > | それに気づいたのか気づいていないのか、須美氏はドリングバーをタブレットでささっと注文し「ちょっとジンジャーエールとQooオレンジのハーフ&ハーフ入れてきて」と販売員に頼んだ。 (2022/3/17 02:13:19) |
年度末子 | > | 「承知しました」販売員が意味深な笑みを浮かべて席を離れる。そんな販売員には目もくれずに、須美氏はじっとお上りさんを見つめ (2022/3/17 02:14:22) |
年度末子 | > | 「あんた、腰と目に不調があるね」(ドッキーン!今日初めて会ったのになんでわかるべか!)おのぼりさんは思わず動揺し、口に運ぼうとしていたほうれん草とベーコンのソテーをぼろぼろとこぼした。 (2022/3/17 02:15:23) |
年度末子 | > | そんな様子を慈愛に満ちた瞳で見つめる須美氏は「露天風呂がいいよ。露天風呂があんたに運をはこんでくるよ。この子を連れて露天風呂にいってきなさいよ。あんたの不調は全部なくなるよ」 (2022/3/17 02:16:20) |
年度末子 | > | 須美氏はポケットから、真ん中のライトがぴかぴか光る手のひらサイズの肌色物体を出してきた。その物体には大きく「WARASHI」という文字が刻まれていた (2022/3/17 02:17:35) |
年度末子 | > | (この人、どうも千里眼みたいだし、こんなもんで不調が治るなら。。。でもきっととんでもない額を提示してくるに違いないだべ) (2022/3/17 02:18:22) |
年度末子 | > | 「値段のことは心配しなくていいよ。あんた信用できそうな人だから、84回ローンでいいし」(良心的だべ!)思わず「買います」と言いそうになった時、 (2022/3/17 02:19:12) |
年度末子 | > | どっすん!!!屋根から雪が落ちる音で目が覚めた。。。 (2022/3/17 02:19:44) |
年度末子 | > | なんだ、おのぼりさんにもなってねえ。。。これすらも夢だったのか (2022/3/17 02:20:18) |
おしらせ | > | 年度末子さんが退室しました。 (2022/3/17 02:20:30) |
おしらせ | > | ,さんが入室しました♪ (2022/3/17 17:09:01) |
, | > | 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 (2022/3/17 17:09:36) |
, | > | 🅱️「彼のごめんは軽すぎる」で始まり「それすらも夢だった」で終わる物語。 (2022/3/17 17:09:47) |
, | > | 『特命係長』作;ことねん (2022/3/17 17:10:22) |
, | > | 「彼のごめんは軽すぎるんだよっ!(笑)」誰もが伊沢係長のことをそう言っていた。 (2022/3/17 17:10:44) |
, | > | 伊沢卓司42歳厄年、建装業界では有名企業、能勢工芸の商環境事業部の特命係長と呼ばれていた。勿論、それは蔑称だ。 (2022/3/17 17:11:03) |
, | > | 「伊沢係長をバカにしないでよねっ!」伊沢の部下の宮原泉は伊沢を庇って仲間たちからよく冷やかされていた。 (2022/3/17 17:11:22) |
, | > | 宮原泉は知っていた。伊沢が酒場でポツリと独り言のように呟いたアイデアが同僚に盗まれたり、仕事の成果を上司に奪われたり、部下の不始末の責任を取らされ、ひたすら頭を下げていたり、そんなヤキモキするほどの人の良さを知っていたのだ。 (2022/3/17 17:12:18) |
, | > | 伊沢本人はどうなのかと言うと40過ぎて今更何が変わると半ば諦めていた。かくも悲しくも悟達してしまったのには、彼が直ぐに『ごめん』と謝ってしまうのには、その生い立ちに理由があった。 (2022/3/17 17:12:44) |
, | > | 伊沢の実父が病死して五年後、伊沢が11歳、妹が9歳の時に新しい父親が現れた。眼鏡を掛けて細面で一見穏やかな物腰の義父だった。しかし、それは外ヅラだけで、やがて苛烈な家庭内暴力が家族を支配した。 (2022/3/17 17:13:15) |
, | > | 伊沢の母親は彼に懇願した。「お願いだからお父さんには逆らわないで!」「お父さんには直ぐに謝って!」まるで立てこもり犯人に母親と妹を人質に盗られたような気持ちだった。故に仕方なく要求に逆らわぬように生きてきた。 (2022/3/17 17:13:47) |
, | > | そして、中学生になると、彼は誰とも視線を合わせず笑ってばかりいる少年になった。長い間不意の暴力を受けてきたせいかクラスメイトが背後に立つだけで瞬時に気配を察して避けるものだから、ついたあだ名がゴルゴだった。 (2022/3/17 17:14:30) |
, | > | だが、14歳の真夏の或る夜、妹に何度も手を挙げた義父に体当たりをした。そしてキッチンから包丁を出すと、自分の耳ですら初めて聞くケダモノじみた悲鳴を上げながら明確な意志を持って父親を刺し殺そうとした。 (2022/3/17 17:14:55) |
, | > | 包丁の刃は、間に入って止めようとした伊沢の母親の左掌を突き抜いてしまった。義父は素足で飛び出し、妹は号泣し、パトカーと救急車がやってきた。 (2022/3/17 17:15:13) |
, | > | その日を境に義父は消えた。義父は元々は生真面目で善人だった。職場では良い人間関係を築いていたらしい。ただ、内弁慶の度が過ぎて病的に気が短かっただけなのかもしれない。後に平静に戻った伊沢は自分さえ居なければ母と妹は平穏無事でいられたのかもしれないと自責の念に苛まれる日々が続いた。 (2022/3/17 17:16:04) |
, | > | やがて今の伊沢係長の人格が出来上がり、蔑称特命係長となったわけだ。 (2022/3/17 17:16:19) |
, | > | 或る日のこと、社員たちから陰で『あまちゃん』と呼ばれていた新居専務が伊沢に声を掛けてきた。新居専務は日本一の建築会社から天下りしてきた人物で、時折元いた所から土産話しを持ってくるのだが、伊沢を気に入っていたらしく、何かと目をかけてくれていた。 (2022/3/17 17:17:00) |
, | > | 新居が伊沢に振ってきた話しはファンタジアというドーム型テーマパークの内装を全て手がけるという大事業だった。他の者も責任者に名乗りを挙げたが、新居は伊沢に一任した。そして、伊沢を目の仇にしている福田副部長が社内ネゴでプロジェクトチームの一員となった。 (2022/3/17 17:17:31) |
, | > | 腰の低い伊沢は元請けからも下請けからも現場の職人たちからも好かれた。空調、電気、塗装、軽天、大工、あらゆる仕事のプロたちが一同に介せば喧嘩になる事もあったが、伊沢が間に入れば不思議と丸く収まった。 (2022/3/17 17:17:53) |
, | > | やがて、工期が差し迫ってくると、マスコミが『ファンタジアオープン!』の広告を華やかに打ち出し、開業日も発表された。 (2022/3/17 17:18:38) |
, | > | ところが、ところがだ、壁面、床、天井と樹脂製の模造大理石の裏から照明を当てると光に包まれるという場所があり、それはかなりの面積なのだが、ワーロンという素材が消防法に則したモノではないことが工期も終わるかと云う時に発覚した。 (2022/3/17 17:19:16) |
, | > | 発注した物とは別の物が届いていたのだ。慌ただしい現場で気づく者もいなかった。それは、伊沢に嫉妬心を抱いていた福田副部長の仕業だった。 (2022/3/17 17:20:05) |
, | > | 細い目の奥に肉食獣のような眼力を持った福田は体育会系の男で、以前からパワハラやセクハラで問題の多い人物だった。 (2022/3/17 17:20:41) |
, | > | 伊沢が福田に詰め寄ると、彼は自分の非を認めないどころか、逆に、伊沢の部下たちを叱責した。しかも、宮原泉にオーダーミスの濡れ衣を着せようとした。いずれ、彼は、伊沢が全ての責任を取って謝罪するはずだと思っていたらしい。 (2022/3/17 17:21:42) |
, | > | 「福田副部長!これはあなたのしでかした事じゃないのですか!?」温厚な伊沢が毅然とした態度で福田副部長に詰め寄った。 (2022/3/17 17:22:07) |
, | > | 福田は開き直り、歌舞伎役者のように大きな声で伊沢を威嚇した。「これは宮原の発注ミスだろう?お前の教育が悪かったんじゃないんですかぁ!?そして、あなたは現場で気づかなかったんですかぁ?えー?どうなんだ!伊沢ぁ!」 (2022/3/17 17:22:41) |
, | > | 気がつくと伊沢の前に福田が倒れていた。伊沢から顔面中央に拳を入れられた福田は両手で顔を覆い床に膝を落としたのだ。 (2022/3/17 17:23:01) |
, | > | 義父に包丁を向けた時とまったく同じだった。 (2022/3/17 17:23:33) |
, | > | 伊沢は無言で独りファンタジアに向かい、宮原泉と新居や別部署の社員も関係各社に電話をした。 (2022/3/17 17:24:43) |
, | > | 新しいマテリアルを積み込んだトラックが搬入口に並び、多くの関係企業の人間たちが、一緒に働いてきた職人たちがファンタジアに集結した。 (2022/3/17 17:25:04) |
, | > | 好奇心旺盛な伊沢は、ネクタイを締めず、作業着のまま多くの職人たちの仕事を手伝ってきた。作業員たちはみんな伊沢が好きだった。故に、彼らは皆電動ドライバーを手にしてお金にならない仕事を買って出たのだった。 (2022/3/17 17:26:53) |
, | > | 果たして、彼らは昼夜問わず働き、全ての部材を張り替えて工期の期限内にファンタジアを完成させたのだった。皆が伊沢を胴上げして、バンザイを繰り返した。 (2022/3/17 17:27:45) |
, | > | しかし、レセプション会場に伊沢の姿はなかった。そして、責任者として立つことを画策していた福田副部長の姿もなかった。彼は業者からのリベートを受け取ったことが発覚して懲戒免職処分になっていた。 (2022/3/17 17:29:05) |
, | > | 席上、あまちゃんこと新居専務は終始笑顔だったが、それはもの寂しい笑いだった。 (2022/3/17 17:29:33) |
, | > | レセプションで一緒に働いてきた仲間たちが美酒に酔っている時、伊沢は本社前に立っていた。電子タバコのスイッチを押して晴がましい笑顔を浮かべた。 (2022/3/17 17:29:55) |
, | > | いい仕事だった。心の中で呟いた。 (2022/3/17 17:30:19) |
, | > | (けれど、平凡に生きる。それすらも夢だったか。) (2022/3/17 17:31:13) |
, | > | 〜おしまい〜 (2022/3/17 17:31:23) |
, | > | 後日譚 (2022/3/17 17:31:37) |
, | > | 2021年の春、山手線沿線で最も不人気な駅の近くに店内内装専門の小さな会社が生まれた。 (2022/3/17 17:32:03) |
, | > | オフィスのドアを開けると、宮原泉とあまちゃんこと新居元専務と、伊沢の笑顔がそこにあった。 (2022/3/17 17:32:20) |
, | > | 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 (2022/3/17 17:32:31) |
おしらせ | > | ,さんが退室しました。 (2022/3/17 17:32:37) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが入室しました♪ (2022/3/19 21:23:22) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、伊丹空港 ◆violet/unba2さんが自動退室しました。 (2022/3/19 21:43:23) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが入室しました♪ (2022/3/20 10:01:16) |
伊丹空港 ◆ | > | 昨夜は書いてるうちに時間切れで追い出されました( ꈍөꈍ) (2022/3/20 10:01:32) |
伊丹空港 ◆ | > | リベンジ! (2022/3/20 10:01:37) |
伊丹空港 ◆ | > | 題:『おらのオートバイ、おらの島』 (2022/3/20 10:01:54) |
伊丹空港 ◆ | > | 「守りたいものはありますか?」おらは答えた。「ある、いっぱいある!このバイクとこれから向かう湘南の海さ。」それは川崎あたりを過ぎた頃、おらは給油のためにガソリンスタンドに寄った。おらは言った。「ハイオク満タン!」でもここはセルフだった。キャップを開けて、「満タン入ります!」と気合い入れながら給油を開始した頃、ショップのおねえちゃんが現れて、「いいバイクですね?どこへ行くんですか?」と。おらがキーホルダー代わりにつけていた柴又帝釈天の御守りを見たお姉ちゃんが、「古風ですね。守られるより守りたいもののほうが多そうですよね。バイク乗りって。」なんてことを呟いたのが始まりだ。おらは大切なものいっぱい持ってる。全部守りたい。守りたいものばかり溢れてがんじがらめで身動きができん。だからバイクに跨ったのさ。おらはね、今日風になるのさ。「まいどありがとうございました。」の声を背中に、おらは一路、国道一号線を南下した。 (2022/3/20 10:10:17) |
伊丹空港 ◆ | > | おらは白いTシャツにブルージーンズ。首に巻いた赤いバンダナが湘南の風になびくはずさ。第三京浜をくぐる頃、後ろから真っ赤なポルシェがおらのバイクを追い抜いた。「ちぇっ、気取りやがって!」おらはスロットル全開、野太い排気音がおらのバイクのアルミのマフラーを響かせる。クリップも踊ってチロチロチロリンいい感じに鳴らせてる。さっきラジオで聞いた「神奈川県は台風の影響で午後は大荒れになるでしょう。」と言ってた。うん、きっと江ノ島が見える頃は、白い波が一直線に長く現れるはず。こんな日だからこそおらは行くのさ。大船をすぎる頃、いままでノンストップで走らせてきたおらのまっすぐ向こうの信号が赤に変わる。「はは。むりむり。おらは誰にも止められない。おらは風。」信号待ちで止まっていたさっきのポルシェを追い抜き、「気取るからだよ。へへっ」と涼しい顔でバックミラー越しに笑みを浮かべた。他の車のクラクションはおらにとってはシュプレヒコール。沿道の歓声でも悪くない。おらはひたすらに江ノ島を目指すだけ。 (2022/3/20 10:17:38) |
伊丹空港 ◆ | > | なんかぽつりぽつり冷たいものが頬にあたってきやがる。そ。おらはノーヘル。おらは風だ。髪をなびかせて走るのさ。雨なんてどーってことはない。風も強い。そっか台風到来ね?血湧き肉躍る!おらは箱根駅伝で馴染みの防風林の道をやり過ごす。ちょっとドライブインでも寄っていこうかしら?おらは十数m先に見えるロー◯ンの青い看板を目指す。そして、車椅子マークの場所ど真ん中にバイクを着けた。それにしても肌寒い。なんかあったかいもの…。でも手にして戻ってきたのはキ◯ン淡麗2缶。「バイク乗りはビール。これ定番。」そういってほくそ笑む。となりの川越ナンバーの軽トラからおっちゃんが降りてくる。「ねーちゃんいいバイクだね!」おらは上機嫌。川越のおっちゃんから団子とヤリイカをもらい、それを肴にグビグビやっつけた。行くぞ相棒!おらはバイクを跨りキーをひねる。トルク音が心地いい。胸のクリップの鈴も弾む。 (2022/3/20 10:24:25) |
伊丹空港 ◆ | > | おらは一さらに南下する。でもおかしい?なんか風景が変わらない。おらは少し嫌な予感がする。でもバイクはこっちでいいんだと言っている気がする。大丈夫だ間違いない。おらはいっぱいに加速する。標識が見えてくる。日本橋って文字が踊る。おらは反対方向に走ってた!海につかないはずさ。ハハハッと頼りなく笑う。後ろからウーウーうるさいやつが近づいてくる。邪魔よ。おらは風さ。やり過ごそうと試みたがおらのバイクより強そうな白バイにあっという間に追い抜かれた。おらは仕方なく路肩に止めた。「ノーヘル、信号無視、スピードオーバー…」マッポがなんかぶつぶつ言ってるが、おらはしったこっちゃない。おらは風なんだから。「それにしてもこんな暴風雨の中、どこに急ぐつもりだったんですか?」ちょっとやさしい口調で諭される。たしかにだいぶ雨あしが強くて鼻を雨水が塞ぐ。おらは首に巻いていたバンダナを固く絞って鼻に当てる。「バンダナよ、君がいないと息もできない」 (2022/3/20 10:32:26) |
伊丹空港 ◆ | > | |・`ө・)ノ (2022/3/20 10:32:39) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが退室しました。 (2022/3/20 10:32:41) |
おしらせ | > | .さんが入室しました♪ (2022/3/22 20:28:02) |
. | > | 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 (2022/3/22 20:28:14) |
. | > | この物語は今からおおよそ30年程前の或る男の体験談を元に描かれた物語である。(声;田口トモロヲ) (2022/3/22 20:29:25) |
. | > | 『プロジェクト(乂Д・)エーックス』 (2022/3/22 20:29:51) |
. | > | 「み…みなさん!皆さんは守りたいものはありまっか?」2番手のアルバイト学生マミンこと真宮が震える声を振り絞った。 (2022/3/22 20:30:11) |
. | > | 3番手、この道3年のフリーター明生の声は冷静だった。「その質問は今は愚問だと思われます。今、思うのは真宮君が女性でミニスカートを穿いていてくれたら救われるのですが。」 (2022/3/22 20:30:31) |
. | > | 4番手、元高校球児の焔は「ククク…守りたいものか、命だな」と呟いて胸の十字架を握りしめたが彼の家は浄土真宗だった。 (2022/3/22 20:31:10) |
. | > | しんがり、最後尾の元自衛官河野は冷静に見えたが、それは顔が硬直していただけだった。(恐怖心を皆に気取らせてはいけない。なるべく自然に発声するんだ。)平静を努めてサブリーダーの渡邊賢に尋ねた。 (2022/3/22 20:31:44) |
. | > | 「ナベさーん!オーバーハングの左右、どちらからなら攻められそうですかー?」 (2022/3/22 20:31:58) |
. | > | 渡邊賢、通称ナベケンは澄んだ瞳で眼上の大きくふくらんだ岩肌を見上げたまま「ハーッハッハッハッ!全くわからない!」と笑った。 (2022/3/22 20:32:13) |
. | > | 5人は緑旺産業の従業員だ。緑旺産業は何をする会社なのか?スーパー林道を作る場合、山を切り拓き、両側に切り立った崖ができる。その崖にラス網という金属の網を貼り、その網に洋芝の種と水を混ぜた泥を吹き付けると、やがて洋芝が根を張り落石や崖崩れを防ぐわけだが、それを法面工事と言う。緑旺産業は法面工事やゴルフ場に芝を敷き詰める工事専門の会社で、彼らはノリメン屋と呼ばれる男たちだ。 (2022/3/22 20:32:34) |
. | > | 法面工事をする場合、先ずはひとり身軽な者が頂上まで行き、巨木にロープを巻き、下まで垂らす。5人の男たちは、そのロープを頼りに、重い金属の網を背負い、金属ネットを地面に打ち付ける杭とハンマーを腰に、急斜面を登って来たのだが、その命綱を猿が解いてしまったのだ。 (2022/3/22 20:33:17) |
. | > | 引っ張る力に強いのだが、逆側から引くと簡単に結び目を解くことが出来る特殊な結び方で、故に時折り猿が人間を真似て解いてしまうことがあるのだ。(ホント) (2022/3/22 20:33:43) |
. | > | まさに今回がそれだった。ナベケンが引くと結んであったはずのロープが斜面を緩やかに左手の下に落ちて行った。それを見た時に全員が声を上げた。「あ〜〜あ〜〜あー!」 (2022/3/22 20:34:12) |
. | > | 真夏の山形県朝日連峰、下を見ると重機が消しゴムより小さく見えた。 (2022/3/22 20:34:32) |
. | > | 真宮が言った。「皆さん?募集広告見はりました?僕が見た時な?『ゴルフ場のグリーンの保守管理』って書いてあったねん( ꈍᴗꈍ)。ゴルフ場って平坦やけど、これ垂直やないですかぁ?ほぼ垂直でしょ?ばぁぁん!」 (2022/3/22 20:34:51) |
. | > | 登山ではサブリーダーは先頭、リーダーは最後尾につく。リーダーの元自衛官河野が皆を励ました。「自分は元自衛官。サブのナベケンさんは登山家、皆!心配することはない!」 (2022/3/22 20:35:24) |
. | > | 「登山家?俺?俺のこと?俺ね俺ね、奥多摩辺りの山しか登ったことないけど、誰?登山家にしたの?」ナベケンが解かれたロープを手繰り寄せながら皆を絶望の淵に突き落とした。 (2022/3/22 20:36:00) |
. | > | 「奥多摩ってピクニックやないか!ばぁぁん!」真宮が涙を流しながら笑った。 (2022/3/22 20:36:30) |
. | > | 「ククク…カノジョに別れの挨拶をすべきだったな。しかし、未だ俺にはカノジョはいない。ククク」焔は深刻になるほどに笑いが込み上げてくるという奇妙な特性があった。 (2022/3/22 20:37:07) |
. | > | 元自衛官河野が「焔さん!自分は!焔さんは大変ユーモア溢れる方と思っています。しかし…今は……笑えない。笑えないんだ!」そう言って唇を噛み締めた。 (2022/3/22 20:37:29) |
. | > | 明生が「皆さんは知っていますか?専務って昔渡瀬恒彦みたいだったんですよ。えぇ、今はバカボンのパパみたいになっていますがね。70m転落したそうです。緩やかな斜面だったので命だけは助かったようですが(実話)。」そう語ると皆の忍び笑いが大笑いに変わった。 (2022/3/22 20:37:51) |
. | > | 5人とも腹の底から笑った。 (2022/3/22 20:38:06) |
. | > | 「死ぬ時ってこんな感じなんやろか( ꈍᴗꈍ)」真宮の言葉を聞いて渡邉は空を見上げた。「それにしてもいい天気だよなぁ」 (2022/3/22 20:38:29) |
. | > | そこにどこからかヘリコプターの音が近づいてきた。拡声器から大音量でジャズが聴こえてきた。「皆さん大丈夫ですかー?」社長の微熟太一朗の声だった。「社長!」皆、歓声を上げた! (2022/3/22 20:38:47) |
. | > | 「今日はみんなの為にこの曲を流しますね。アート・ブレイキー『危険な関係のブルース』燃料が少ないので、じゃあまた!」ヘリが去って行った。 (2022/3/22 20:39:07) |
. | > | 5人が絶望感にさいなまれていた時だった。崖の上から子供の声が聞こえた。 「トンボさん、待てー」男の子なのか、それとも子供の声のような成人女性なのか判別できない声だった。 (2022/3/22 20:39:46) |
. | > | 「おーい!おーい!助けてくれー!」みんなが叫ぶと「だ〜れ〜?どうしたの〜?わたしすみれちゃん。あなただ〜れ〜?」と返事が聞こえた。 (2022/3/22 20:40:26) |
. | > | 明生が「この声の主はどこから頂上に辿り着いたのでしょう?大変興味深いです。」と首をひねった。真宮が「今は何にも考えなくてええがな!」と泣いた。 (2022/3/22 20:40:43) |
. | > | ナベケンが用心深く声の主に話しかけた。「下を覗いてみてー!膨らんでるでしょ?崖が膨らんでるよね!?」「膨らんでるねぇ」声の主の素直な声に5人はホッと胸を撫で下ろした。 (2022/3/22 20:41:12) |
. | > | 「君から見て右左どちらからなら登って行けそう?」ナベケンがそう尋ねると、「ここでクイズです。簡単な物理学の問題です。」とイタズラめいた声に変わった。 (2022/3/22 20:41:42) |
. | > | 「ひー!。゚(゚`ω´゚)゚。」全員が泣いた。そして、泣きながら声の主に嘆願した。 (2022/3/22 20:42:11) |
. | > | 「すみれちゃん!すみれちゃーん!君がいないと息もできないんだよー!」 (2022/3/22 20:42:38) |
. | > | (声;田口トモロヲ)スーパー林道。誰もが気軽にクルマで雲海の中を通り抜けることができる。だが、その道を造った男たちの人生は過酷であった。 (2022/3/22 20:46:29) |
. | > | 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 (2022/3/22 20:46:33) |
おしらせ | > | .さんが退室しました。 (2022/3/22 20:46:46) |
おしらせ | > | 藤原 ◆sp4XsViypcさんが入室しました♪ (2022/3/23 03:53:23) |
藤原 ◆ | > | 「彼のごめんは軽すぎる」で始まり「君がいないと息も出来ない」で終わる物語 (2022/3/23 03:54:25) |
藤原 ◆ | > | 「彼のごめんは軽すぎる」───アブラムシたちの2時間に及ぶ緊急会議は紛糾し、各々がやり場のない怒りに静かに身を震わせていた (2022/3/23 03:55:47) |
藤原 ◆ | > | 「我々は蟻に蜜を提供する代わりに…提供って言うか勝手に出ちゃうんだけども。そこに恩を売るシステムだから、そんな声高らかには言えないんだけども。それはまぁいいとして!この区域の担当の蟻はひどすぎる!」 (2022/3/23 03:56:52) |
藤原 ◆ | > | 「そうだそうだ!我々は対等な立場で、蜜を与える代わりに憎きナナホシテントウから守ってくれる約束を交わしてるはず!それなのにあいつは蜜を吸ってはどこかに出掛けて、仲間が拐われる度に、ごめんごめん、で終わりだ。もう我慢出来ない!」 (2022/3/23 03:58:34) |
藤原 ◆ | > | 翌日、アブラムシたちの決意は固かった。舐められてたまるものか、そう、二重の意味で肛門を固く閉ざし、蜜の提供を拒んだ。申し訳なさそうに現れた彼は皆の総意を知り、悲しそうな顔を浮かべて去って行った (2022/3/23 03:59:32) |
藤原 ◆ | > | その後ろ姿を見届けながら、アブラムシたちは一様に喜んだ。これで新しい担当蟻が来てくれる。自分たちを守ってくれる真面目な蟻が来てくれる (2022/3/23 04:00:17) |
藤原 ◆ | > | その時である。不穏な羽音と共に数匹のナナホシテントウが飛来して来て、アブラムシたちを襲い始めた (2022/3/23 04:01:11) |
藤原 ◆ | > | 「ようやく目障りなあのクソ蟻が消えてくれたぜ」「俺たちのアジトにやって来ては、アブラムシたちを守る為…とか言いながら仲間を倒しまくってたあの目障りな奴がな!」 (2022/3/23 04:01:48) |
藤原 ◆ | > | ナナホシテントウたちの会話を聞きながら、アブラムシたちは襲われる仲間を目の前にしながら、口々に呟いた (2022/3/23 04:02:20) |
藤原 ◆ | > | 「違う、そうじゃない…なんで出張して狩りに行くのか。感動して泣きそうになったけどそうじゃない、持ち場だけでやってくれたらいいんだよ!」 (2022/3/23 04:02:57) |
藤原 ◆ | > | それでもやっぱり、彼の優しさに思いを馳せない理由はなかった。アブラムシたちは生まれて初めて肛門と逆側の器官から体液を流し、彼への思いを口にした (2022/3/23 04:04:11) |
藤原 ◆ | > | 短い人生だった、ありがとう君がいないと息も(パクー) (2022/3/23 04:05:07) |
おしらせ | > | 藤原 ◆sp4XsViypcさんが退室しました。 (2022/3/23 04:05:23) |
おしらせ | > | アリメツさんが入室しました♪ (2022/3/23 06:51:13) |
アリメツ | > | すみちゃんもやってしまったけれど、大喜利様まで・・・・ (2022/3/23 06:52:06) |
アリメツ | > | BBAも今、肛門からシロップを流して咽び泣いておりまする笑笑 (2022/3/23 06:52:50) |
アリメツ | > | 🅱️「彼のごめんは軽すぎる」で始まり「それすらも夢だった」で終わる。 (2022/3/23 06:53:53) |
アリメツ | > | ^ - ^笑笑笑笑 (2022/3/23 06:54:10) |
アリメツ | > | でも面白い作品でございました❤️ (2022/3/23 06:54:33) |
おしらせ | > | アリメツさんが退室しました。 (2022/3/23 06:54:36) |
おしらせ | > | 冬空 ◆ikoi/zg442さんが入室しました♪ (2022/3/23 18:00:23) |
冬空 ◆ | > | 守りたいものはありますか… (2022/3/23 18:00:38) |
冬空 ◆ | > | 『こっちにおいで~!…コロ~』 (2022/3/23 18:02:08) |
冬空 ◆ | > | 名前を呼ばれれば少女のもとへ駆け寄るボク。頭を撫でられ抱きしめられれば更に嬉しくなって顔を舐めては尻尾を振り…。 (2022/3/23 18:03:50) |
冬空 ◆ | > | ボクはコロ。飼い主である少女、沙夜のもとへとやってきたのは産まれて間もない頃のことだった。 (2022/3/23 18:05:04) |
冬空 ◆ | > | それから数年、ボクは沙夜と共に兄妹のように育てられ過ごしてきた。 (2022/3/23 18:06:17) |
冬空 ◆ | > | 彼女が涙を流せば舌で舐めて慰めてやり、泣きやむまでじっと側で寄り添っていたこともあった。 (2022/3/23 18:07:39) |
冬空 ◆ | > | 一緒に遊び、一緒に寝て…仲良しでいつも一緒だったんだ。 (2022/3/23 18:08:30) |
冬空 ◆ | > | そんなある日、いつものように散歩に出掛けたボクたち。 (2022/3/23 18:09:35) |
冬空 ◆ | > | いつもの散歩コースを歩いていると後ろから車が…。いち早く異変に気づいたボクは彼女を庇うように飛び出し車に轢かれてしまったんだ。 (2022/3/23 18:11:53) |
冬空 ◆ | > | 幸いなことに彼女はケガもなく無事だった。泣きながらボクの身体を揺する彼女の横でボクは目を覚ますことはなく意識は遠のいていき…。 (2022/3/23 18:14:09) |
冬空 ◆ | > | ーーーーーー (2022/3/23 18:14:27) |
冬空 ◆ | > | 『ねぇ…起きてよ…』声をかけられ身体を何度も揺さぶられボクはゆっくりと目を開ける。 (2022/3/23 18:15:39) |
冬空 ◆ | > | 夢の中より少し成長した女性が目の前でボクを見つめている。彼女は紛れもなく沙夜だ。 (2022/3/23 18:17:13) |
冬空 ◆ | > | あぁ…またあの不思議な夢を見たんだ…。なぜそんな不思議な夢を繰り返し見るのかはわからない。今のボクには尻尾はない。この手で抱きしめることもできるんだ。 (2022/3/23 18:19:14) |
冬空 ◆ | > | 『ねぇ…いつまで寝てるつもり?』なかなか起きようとしないボクに痺れを切らした彼女は少し不機嫌そうである。 (2022/3/23 18:20:59) |
冬空 ◆ | > | 『ごめん、ごめん…起きるよ』そう返事をするものの気怠い身体をすぐには起こさずダラダラとしていた。 (2022/3/23 18:23:14) |
冬空 ◆ | > | 『ごめんっていつもそればかり…』軽すぎるボクの返事に少し呆れながら離れようとする彼女の手を掴むとベッドへと引き寄せた。 (2022/3/23 18:25:22) |
冬空 ◆ | > | この手を離したくない。君がいないと息もできないくらい不安に襲われるんだ。夢ではなく側に君がいる。そう自分に実感させるように黙ったまま抱きしめていた。 (2022/3/23 18:27:24) |
おしらせ | > | 冬空 ◆ikoi/zg442さんが退室しました。 (2022/3/23 18:27:30) |
おしらせ | > | 琴田念之介さんが入室しました♪ (2022/3/24 06:36:20) |
琴田念之介 | > | おはようございます! (2022/3/24 06:36:42) |
琴田念之介 | > | 海辺之出版編集部の琴田念之介です。 (2022/3/24 06:38:42) |
琴田念之介 | > | 前回のお題、🅰️「守りたいものはありますか」で始まり、「君がいないと息もできない」.海辺之出版編集部 > 次!いでよ🅱️「彼のごめんは軽すぎる」で始まり「それすらも夢だった」で終わる物語を書いて欲しいです。 (2022/3/24 06:44:11) |
琴田念之介 | > | お題が二案あると発想の自由が利きますよね? (2022/3/24 06:46:23) |
琴田念之介 | > | 🅰️の始まりと🅱️の結びを利用している人もいらっしゃいました|・`ω・) (2022/3/24 06:47:27) |
琴田念之介 | > | goo!OK!( ゚Д゚)b (2022/3/24 06:48:06) |
琴田念之介 | > | 美術館もそうですけれど、勿論このショートストーリーもそうだけれど、 (2022/3/24 06:48:57) |
琴田念之介 | > | 隠れた原石が多い!w (2022/3/24 06:49:31) |
琴田念之介 | > | 本当は一作づつ感謝と感想文を添えたいのですが、只今琴田は公私共に忙しいものでして(*´д`)💦ハァハァ (2022/3/24 06:51:38) |
琴田念之介 | > | 再来月、5月には全作推敲して読みやすく編集したものを扉で発表する予定です。 (2022/3/24 06:53:12) |
琴田念之介 | > | さて、今回のお題ですが(_💢òωó)_バァン (2022/3/24 06:53:52) |
琴田念之介 | > | 藤原先生が編集部に忍び込み、勝手にお題製造機に鈴王の名前で出したものです(๑ ‘ᾥ’ ๑) (2022/3/24 06:55:01) |
琴田念之介 | > | goo!OK!( ゚Д゚)b (2022/3/24 06:55:23) |
琴田念之介 | > | 鈴王が気になりますが(―''"―;) (2022/3/24 06:55:45) |
琴田念之介 | > | 3月23日更新!今回のお題は?|・`ω・)鈴王さんには「優しい嘘なら許されますか」で始まり、「それが最初で最後でした」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば13ツイート(1820字)以内でお願いします。 (2022/3/24 06:56:22) |
琴田念之介 | > | できれば13ツイート(1820字)以内でお願いします。←あくまでもできればですからね𝑤 (2022/3/24 06:57:05) |
琴田念之介 | > | 「優しい嘘なら許されますか」 (2022/3/24 06:57:42) |
琴田念之介 | > | 「それが最初で最後でした」 (2022/3/24 06:57:48) |
琴田念之介 | > | ٩(.^∀^.)งLet's challenge! (2022/3/24 06:59:21) |
琴田念之介 | > | 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 (2022/3/24 06:59:31) |
おしらせ | > | 琴田念之介さんが退室しました。 (2022/3/24 06:59:44) |
おしらせ | > | 夢野旧作さんが入室しました♪ (2022/3/24 16:40:15) |
夢野旧作 | > | 「優しい嘘なら許されますか?お母さん。」残雪が眩しく光る山肌を背景にし、ユラユラと立ち上る煙となり天界へ向かう母を見詰めながら、許しを乞うようにそっと尋ねた。 (2022/3/24 16:40:30) |
夢野旧作 | > | 学校の先生という堅い聖職者を多く輩出している家に生まれ、本人もご多聞に漏れず元中学の教師だった母は元来負けん気も強かったのか、夫となった男とは衝突が多かったようで、程なく別れてしまった。 (2022/3/24 16:40:57) |
夢野旧作 | > | 女手一つで私と弟二人を育ててくれた母は、やっぱり気が強く、なんでもハッキリしないと気が済まない性格で、特に子供の教育や躾は、それはもう恐ろしい程厳しいものだった。 (2022/3/24 16:41:21) |
夢野旧作 | > | その甲斐あってか私は塾に通う事もなく成績は常にトップで、次点に大きく水をあけていたし、こと道徳観に関しても物心ついた頃でさえ既に、周りの大人達の口角を下げるくらいは当たり前のように自然に身についていて、自分がどんな苦境であっても嘘を使って逃げようとしたり、防御で身を固めたりはした事は一度も無かった。 (2022/3/24 16:41:52) |
夢野旧作 | > | それは当然、「嘘は絶対にダメ!」と繰り返し繰り返し、子供達に焼き付けた母からの孤高なる賜である。 (2022/3/24 16:42:11) |
夢野旧作 | > | そんな強く逞しく愛情深い母のお陰で、金銭面では貧しくとも心も家族の愛も実に豊かであったと思う。私の二つ下の弟も素直で優しく、真面目であった。 (2022/3/24 16:42:24) |
夢野旧作 | > | 苦労した母は俺が引き取って面倒を見る。共に暮らして最後までお袋を笑顔で過ごせるように責任持つ、と、中学の頃から鼻息を荒くしていたようなそんな弟だったが、たった一度だけ嘘をついてしまった。大学生の時に、登山中滑落してそのまま山の住人となってしまったのだ。 (2022/3/24 16:42:42) |
夢野旧作 | > | 母の落胆ぶりは余りにも大きく、弟を失って同じ悲しみを分かち合っていた筈の私の方が落ち着いて母を慰めるような状況だった。以来、家の中は色も光も失って、過ごして来た時間さえもモノクロームの単語で表現出来るような有様だったのだ。 (2022/3/24 16:42:56) |
夢野旧作 | > | その後私も惰性で生き、気が付けばとうに婚期を逃して孫が居ても不思議ではない歳になっていた。 (2022/3/24 16:43:08) |
夢野旧作 | > | 生きとし生けるものの逃れられない宿命がある。死だ。母にも、加齢による大病という形で公平にそれがやって来た。 (2022/3/24 16:43:18) |
夢野旧作 | > | 昔はあんなに気丈だった人も、進んできた痴呆と痛み止めのモルヒネにより、三十年前に山に移住した弟が時々顔を見せに来ているらしい。会う事などとっくに叶わぬ弟に会いたいだの、電話しろだの声を聞かせろだの我儘が激しくなって来た。 (2022/3/24 16:43:30) |
夢野旧作 | > | 当初は適当に濁してやり過ごして来た私だが、担当医からいよいよだと聞かされて、長年あれ程身体に焼き付いていた母からの贈り物を壊してみよう、と決意した。 (2022/3/24 16:43:41) |
夢野旧作 | > | 歳も雰囲気も一番近いと感じた職場の同僚に、正直に事情を話し、弟を演じてもらう事にした。面会も、ちょうど痛み止めのモルヒネで少し惚けた頃合いに合わせて、母がこれまで何十年も溜めていたであろう思いを出来るだけ吐かせ、同僚には頭が上がらぬ程、母の言葉を受け取ってもらった。 (2022/3/24 16:43:54) |
夢野旧作 | > | 自分なりに最良と思えた送り出しで母を慰められたという自負のせいか、私自身はスッキリと晴れやかな気持ちで今斎場の煙を見詰めている。 (2022/3/24 16:44:07) |
夢野旧作 | > | 私もこれからは自分の人生だけを考えて生きよう。母からの沢山の財産を胸に。お母さん、安心してね。私の嘘はあれが最初で最後です。 (2022/3/24 16:44:20) |
夢野旧作 | > | (2022/3/24 16:44:38) |
夢野旧作 | > | (2022/3/24 16:44:40) |
夢野旧作 | > | (2022/3/24 16:44:43) |
おしらせ | > | 夢野旧作さんが退室しました。 (2022/3/24 16:46:14) |
おしらせ | > | 冬空 ◆ikoi/zg442さんが入室しました♪ (2022/3/24 18:13:42) |
冬空 ◆ | > | 優しい嘘なら許されますか? (2022/3/24 18:14:08) |
冬空 ◆ | > | 彼と知り合ってから数ヶ月…。私達はまるで昔からの友達だったかのように会話は弾み、お互いの距離は一気に縮まっていった。 (2022/3/24 18:16:21) |
冬空 ◆ | > | そして彼の告白を受け私達は付き合うようになりやがて一緒に暮らすようになった。 (2022/3/24 18:17:36) |
冬空 ◆ | > | ところがある日を境に彼の様子は変わり、帰宅時間も遅くなる日々が続いていた。態度もどこか余所余所しくなり仕事が忙しくて疲れているとの理由に口数も減っていったのだ。 (2022/3/24 18:19:52) |
冬空 ◆ | > | 疲れて帰ってくる彼のことが心配になって「大丈夫?そんなに忙しいの?」と声をかければ彼の返事は決まって一言ぶっきらぼうに「大丈夫だから…」と。 (2022/3/24 18:21:55) |
冬空 ◆ | > | お互いうまく話せずにギクシャクしたまま時は流れていき…。 (2022/3/24 18:23:04) |
冬空 ◆ | > | そんなある日、彼宛の宅配便が届いた。差出人には知らない女性の名前…(これ誰から…?) (2022/3/24 18:24:24) |
冬空 ◆ | > | 私はモヤモヤした気持ちを抱えたまま彼の帰りを待っていた。 (2022/3/24 18:25:00) |
冬空 ◆ | > | 彼は帰ってくるなりテーブルの上に置かれた宅配便に気づいて「ねぇ…これ開けてみて」となぜか私に開けさせようとしてきた。 (2022/3/24 18:27:04) |
冬空 ◆ | > | なかなか開けようとしない私に急かすように促す彼。渋々ゆっくり梱包を開けていくとそこにはマグカップ2つとメッセージカードが添えられていた。 (2022/3/24 18:28:46) |
冬空 ◆ | > | 『誕生日おめでとう。これからもずっと一緒にいよう』 (2022/3/24 18:29:24) |
冬空 ◆ | > | そういえば今日は私の誕生日だ。突然のことに驚きカードを何度も読み返していた。 (2022/3/24 18:30:42) |
冬空 ◆ | > | 「今まで黙っていてごめん。残業だと嘘をついてコレを作っていたんだ。」彼は少し照れながら口にすると気まずそうに視線を逸らせていた。 (2022/3/24 18:32:31) |
冬空 ◆ | > | 話によれば知り合いの陶芸教室に通っていたとのこと。口数が減っていたのは疲れていたのも事実ではあるがサプライズのプレゼントのことをうっかり口を滑らせてしまわないようにと彼なりに考えての行動だったようだ。 (2022/3/24 18:35:12) |
冬空 ◆ | > | それを聞いた私の瞳は潤み視界を滲ませた。彼は私を抱きしめると優しく頭を撫でた。そして再び謝り「ごめんな、不安にさせて。もう嘘はつかないから…」と呟くと指で涙を拭ってくれていた。 (2022/3/24 18:38:30) |
冬空 ◆ | > | 私を喜ばせようとしたこの優しい嘘なら許すことができるだろう… (2022/3/24 18:39:05) |
冬空 ◆ | > | 更に絆を深めた私達は翌年、永遠の誓いを交わした。約束通り彼の嘘はそれが最初で最後だった。 (2022/3/24 18:40:22) |
おしらせ | > | 冬空 ◆ikoi/zg442さんが退室しました。 (2022/3/24 18:40:27) |
おしらせ | > | まみさんが入室しました♪ (2022/3/25 21:01:54) |
まみ | > | 「優しい嘘なら許されますか?」 (2022/3/25 21:02:18) |
まみ | > | 近所の坊さんが答えた。『どんな嘘でも嘘は嘘。嘘は口で造られる罪悪です』 (2022/3/25 21:02:37) |
まみ | > | 売れない小説家が答えた。『ワシは噓話が飯のタネなんや! 許すも許さないもあらへん! 嘘ついたことない人間なんかおらんやろ』 (2022/3/25 21:03:05) |
まみ | > | 法律家が答えた。『単なる嘘は法律では罰せられません。嘘をつくことにより他人の財物を交付させたりサービスを不法に受けると詐欺罪が成立します。または裁判において宣誓した証人が嘘をついた場合、虚偽の告訴を行った場合など、限定的にであれば罰せられる場合があります。』 (2022/3/25 21:03:40) |
まみ | > | まみこは答える。 (2022/3/25 21:04:16) |
まみ | > | 『今回は優しい嘘がテーマ? はいはい、もうねショートストーリー書いてる暇なくてね、リア充で忙しいので、もうこんな廃れたルブルには来ません』 (2022/3/25 21:04:34) |
まみ | > | チャットルブルで胡蝶蘭まみこの姿を見たのは、それが最初で最後だった。 (2022/3/25 21:04:53) |
おしらせ | > | まみさんが退室しました。 (2022/3/25 21:05:12) |
おしらせ | > | 歩美さんが入室しました♪ (2022/3/26 22:34:18) |
歩美 | > | 優しい嘘なら許せますか? 許すか許さないかは保留にしておいて、こちらからも優しい嘘をお返しします。 (2022/3/26 22:34:34) |
歩美 | > | 「どうだったの?」 「どうって、別に・・・」 「別にって、初めてのお泊りデートだったんでしょ?」 「そうだけど、もういいかなって・・・」 「はあ?!」 「もう、二度と会わないし」 「はあ!?」 (2022/3/26 22:34:45) |
歩美 | > | 最初から、そんなもんかなって冷めてたところがあった。不倫だし。略奪愛なんて燃え上がって、ムキになるのはオシャレじゃないことのようにも思ってた。もちろん遊びなんかじゃなかったし、本気だった。あのウキウキした高揚感は、間違いなく恋だった。でもねえ・・・これが最後の恋だ!なんて焦りたくなかったし。 (2022/3/26 22:34:57) |
歩美 | > | 「別れることを前提に、やっちゃったわけ?」 「なによ、そのやっちゃったって・・・下品なんだから」 「その、そいつも納得の上なの?」 「いや、私の気持ちの中でだけ 」 「んじゃ、そいつは・・・」 「そうよ、でれっとした顔で、今度はいつ会おうかなんて聞いてきたわ」 「終わりにするって、はっきり言わなかったの?」 「まあね、にこっと笑ってあげただけ。ちょっとした意地悪かなあ」 (2022/3/26 22:35:07) |
歩美 | > | お泊りデートを誘ったのは、私からだった。 (2022/3/26 22:35:18) |
歩美 | > | 「好きだったんでしょ? なんで終わりにしちゃったの?」 「あいつの奥さんの誕生日に、お泊りデートをわざと誘ったのよ」 「で、そいつは、嘘をついてデートの日を変更させたってわけか・・・」 「奥さんの誕生日を私が知ってたなんて知らないから、目が泳いでたわ」 「仕事の取引先との約束があるとかなんとか嘘をついて、かあ・・・」 「そんなところ」 「で、お泊りデートね」 「あいつとの、最初で最後のね」 (2022/3/26 22:35:31) |
おしらせ | > | 歩美さんが退室しました。 (2022/3/26 22:35:42) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが入室しました♪ (2022/3/26 23:31:46) |
伊丹空港 ◆ | > | 「優しい嘘なら許せますか?」と、お釈迦様は人間界から転生直前の魂にそう囁いた。「おねげぇしますおねげぇえしますだ。」彼の人間時代の業はよくわからないけど、もう一度、現世に転生できるチャンスをもらえたことだけでも彼は幸せの骨頂にあった。「"紋薄絹鉤羽"となって、いま一度地上に降り立つがよい!」彼は天空から蜘蛛の糸をたどり、おろされ、そして目を覚ました。「我はいったい?…」目を覚ませばそこは植物の密集した楽園。彼はずんぐりむっくりの体を前後左右に揺らしながら茎をのぼっては、葉の裏に隠れて汁をすすう。やがて彼はさなぎを迎え、そして晴れて"紋薄絹鉤羽-モンウスギヌカギバ」として現世に蘇った。 (2022/3/26 23:38:52) |
伊丹空港 ◆ | > | 「我は一体…?」彼の白くて無垢な羽には、お釈迦様の悪戯とも思えるような見事な描画が対に現われた。「なるほど、これが優しい嘘か!誠にでも、しかし…。」彼はとても悩んだ。彼の羽に描かれているのは二匹のハエがたかる鳥の糞。どんな生き物に最初から糞が描かれて産まれるものがおろうか?これがもしも人間なら、オギャーと産声を上げた赤ん坊の背中に、すでにう◯ちの入れ墨が入っていることと同じこと。これが現世に生まれ変わった前世の業と言えるものなのだろうか。実に嘆かわしいと彼は天を仰ぐ。見上げたそこにはロイコクロリディウムが寄生したカタツムリの左目越しに我を睨んでいる。 (2022/3/26 23:46:11) |
伊丹空港 ◆ | > | 「貴様は模様だからまだよい。わらわはこうして動いておらなんだら、たんなる縞模様の不気味な存在でしかないのやで?」と、。確かに奴はカタツムリの左目の中でせわしなく前後にグイグイと動いている。次の瞬間、バサバサと大きな音がしたかと思うと、カタツムリごと百舌鳥のくちばしの中に消えていった。「あれが奴の業というものか!」モンウスギヌカギバと化した我はその羽を羽ばたかせながら、その植物の園をあとに新天地に向かうことにした。羽に二匹のハエと鳥の糞を背負い、我はその意味を問うがために、人家近くの電灯に群がる夜盗蛾にもまみれ、我よりも数段大きい羽がもっさもっさと柔らかい毛に覆われたクスサンとも群れた。なぜか我は鳥から狙われることはなかった。そうか!これが我が生き抜いてゆくためにお釈迦様から授かった知恵か!と合点を受けた直後、有頂天でひらひら舞っていたら蜘蛛の巣に引っかかってしまった。 (2022/3/26 23:55:21) |
伊丹空港 ◆ | > | 夜盗蛾とクスサンはいった。「羽にハエの模様と鳥のう◯ち模様をつけた変な蛾はあれ依頼みていない。あれがきっと彼を見たそれが最初で最後だった。」と。 (2022/3/26 23:57:24) |
伊丹空港 ◆ | > | |・`ө・)ノ (2022/3/26 23:57:34) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが退室しました。 (2022/3/26 23:57:37) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが入室しました♪ (2022/3/27 01:07:29) |
伊丹空港 ◆ | > | |・`ө・)ノ (2022/3/27 01:08:38) |
おしらせ | > | 伊丹空港 ◆violet/unba2さんが退室しました。 (2022/3/27 01:08:41) |
おしらせ | > | 歩美さんが入室しました♪ (2022/3/27 02:11:07) |
歩美 | > | テーマソング 遅ればせながら 唱和させていただきました (2022/3/27 02:11:43) |
おしらせ | > | 歩美さんが退室しました。 (2022/3/27 02:11:48) |
おしらせ | > | 冬空 ◆ikoi/zg442さんが入室しました♪ (2022/3/27 14:39:02) |
冬空 ◆ | > | 優しい嘘なら許されますか? (2022/3/27 14:40:02) |
冬空 ◆ | > | 「俺と…結婚してくれないか?」 (2022/3/27 14:40:45) |
冬空 ◆ | > | 事の発端は1ヶ月程前のことである。定時となり他の同僚達が次々に退社していくのを見送る中、仲の良い同期の涼也に相談があると声をかけられ食事に誘われたときの話である。 (2022/3/27 14:44:03) |
冬空 ◆ | > | 彼と共に退社すると個室のある店舗に入り私達は食事を注文した。そして料理を待っている間にあのプロポーズである。 (2022/3/27 14:45:40) |
冬空 ◆ | > | 彼は私に恋人がいないことを確認した上で結婚してくれと言い出したのだ。彼に対して好意はあるものの打ち明けたこともなく恋人同士でもない。それがなぜいきなり結婚たいう話になるのか、彼はゆっくりと事情を話はじめた。 (2022/3/27 14:49:17) |
冬空 ◆ | > | 彼は早くに父を亡くし女手一つで育てられたという。そんな母親が病に冒され気落ちしていて元気づけたいとのこと。それが婚約者を紹介して安心させてあげたいとの思いからだったようだ。 (2022/3/27 14:52:06) |
冬空 ◆ | > | もちろん少しの間だけ、君には嘘をつかせてしまうことになるけど…と申しわけなさそうにしていた。他の人には頼めない、私からも断られる前提で何度も悩んだ上でのことだったようだ。 (2022/3/27 14:54:42) |
冬空 ◆ | > | 突然の申し出に驚きと嬉しくもあったもののすぐには返事が出来ずにいた。後日、承諾の返事をすると彼は驚きながらも嬉しそうにしていた。そして私は婚約者として入院中である彼の母親のお見舞いに訪れることとなったのだ。 (2022/3/27 14:57:59) |
冬空 ◆ | > | 婚約者として紹介されると彼の母親の嬉しそうな笑顔に嘘をついているという罪悪感に胸が苦しくなる。彼が部屋を離れ2人きりになると嘘がバレやしないかとヒヤヒヤしていた。 (2022/3/27 15:01:26) |
冬空 ◆ | > | 「ごめんなさいね。息子に頼まれたんでしょ?」彼の母親には全て見透かされていたのだ。彼が戻ると私達は病室を後にした。 (2022/3/27 15:03:53) |
冬空 ◆ | > | 「ねぇ…私やっぱりお母さんを騙すようなことなんて…」彼に先程の話をして断ろうとしたのだが…。 (2022/3/27 15:06:09) |
冬空 ◆ | > | 「ごめん。やっぱり嘘はダメだよね?俺は君のことが好きなんだ。君じゃなきゃダメなんだ。結婚を前提に考えてもらえないかな?」私を見つめて話す彼の表情は真剣そのものだった。これが最初で最後のプロポーズであった。 (2022/3/27 15:09:13) |
おしらせ | > | 冬空 ◆ikoi/zg442さんが退室しました。 (2022/3/27 15:09:18) |
おしらせ | > | .さんが入室しました♪ (2022/3/28 15:19:05) |
. | > | 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 (2022/3/28 15:19:22) |
. | > | 「優しい嘘なら許されますか」で始まり、「それが最初で最後でした」で終わる物語を書いて欲しいです。 (2022/3/28 15:19:33) |
. | > | 【嘘、其の壱】 (2022/3/28 15:20:10) |
. | > | 「優しい嘘なら許されるかねぇ?」東山が眉根を寄せて困った顔で野際に言った。 (2022/3/28 15:20:35) |
. | > | 「…澪ちゃん、紺さんからのLINEをライブの誘いと勘違いしていたらしくてな、『お返事したら意志が弱いから断れなくなるし、ついつい師匠を無視してしまいましたっ!』って、ひたすら恐縮しててさぁ、まさかコンさんが末期の膵臓癌なんだなんて言えなかったよぉ。」 (2022/3/28 15:21:04) |
. | > | それを聞いた野際が東山の肩を叩いた。「澪ちゃんにとってコンさんは神様だったからなぁ。」 (2022/3/28 15:21:30) |
. | > | 「歳が歳だし、これからはこんな話しばかりになるのかなぁ」東山がそう言った後、二人は同時に冷酒を飲み干した。 (2022/3/28 15:21:49) |
. | > | 1970年代初頭、下北沢に『彷徨亭』という名のライブハウスがあった。小さな小屋だったが、数々のプロアーティストを排出した伝説のライブハウスだった。東山と野際は皆からデビューするだろうと期待されていたそこそこには目立つ存在のシンガーソングライターだった。そして、今まさに病床でモルヒネを打たれて昏睡しているコンちゃんこと紺野聡は彷徨亭で最も未来を嘱望されていたアーティストで、東山と野際が憧れていた大先輩であった。 (2022/3/28 15:22:17) |
. | > | 「澪ちゃんから連絡ないのは或る意味好都合かもしれない。知らない方がいいこともあると俺は思う。」野際がそう言った。東山と野際は62歳、今まさに死を迎えようとしている紺野は67歳。みんな澪の親の世代だ。 (2022/3/28 15:23:36) |
. | > | 澪が22歳の時、父親に連れられて彷徨亭出演者たちの同窓会ライブを見に行き、打ち上げの席で紺野と出会った。紺野はプロの人達からも慕れる存在だった。 (2022/3/28 15:23:58) |
. | > | 「多岐さんの娘さんかい?君も学生の時音楽やってたんかい?そんなら出ろ〜?出てみろ〜。え?下手ぁ?間違えるぅ?オリジナルは間違えても分かんねえからな」そう言って笑った紺野は、優しいおばさんみたいな顔をした東北訛りのおじさんだった。まるで訛りのキツい催眠術師のような語り口に澪は引き込まれた。 (2022/3/28 15:24:15) |
. | > | 遠い昔、紺野はデビューが決まっていた。だが、商業主義の大手レコード会社と反りが合わず辞退して周りを落胆させた。後はアマチュアながら専ら後発の若者を育てることに熱意を傾けていた。 (2022/3/28 15:25:23) |
. | > | 紺野と澪は余程ウマが合うのか出会うとすぐに年齢差を超えた親友になり、時には澪が紺野の仕事先の工房に寝泊まりした事もあった。常識人なら異常と捉えるかもしれないが、澪の家族も紺野の家族も二人の友情が年齢差や性別を遥かに超越していることを理解していた。 (2022/3/28 15:26:11) |
. | > | 【嘘、其の弐】 (2022/3/28 15:26:26) |
. | > | 他日、野際と東山が紺野の病院に赴いた。 (2022/3/28 15:26:46) |
. | > | 「澪りんは何してんだぁ?あれはおもしろいなっ。あれにはよっ、突然死だったってことにしとけ?な。なにしろ、あいつの感情は揺れると転覆事故起こしそうだからな?でな、あれは俺の友達だけどな、俺の最後の愛弟子でもあるからな。だからな、後の面倒は頼むぞ、おい」痩せ細って別人のような顔になった紺野が天井を見たまま笑った。 (2022/3/28 15:27:35) |
. | > | 二人はまた来ますと告げて病室を出て通路を歩き、ある程度離れた階段の入り口で堪えきれずに「チキショー」と小さく言って肩を震わせて泣いた。 (2022/3/28 15:27:56) |
. | > | 同じ日の午後3時、三浦恵理が紺野を訪ねてきた。恵理は紺野が結婚する前につきあっていた元恋人であり、紺野のデビューに尽力した今は無きエレックレコードの社員だった。 (2022/3/28 15:28:30) |
. | > | 恵理は精一杯の笑みを浮かべて言った。「東ちゃんとノギから聞いたからねっ。あなた、もしかして澪ちゃんに惚れてるんじゃない?」 (2022/3/28 15:28:49) |
. | > | 紺野は枯れた笑い声で「何を言うー?お前妬いてるのかぁ?」そう言って笑った。 (2022/3/28 15:29:12) |
. | > | 「そりゃそうよ。怜子(紺野の妻)に奪われて、澪ちゃんに奪われて、不愉快だわぁ」恵理が紺野に顔を近づけて睨むと、「モテる男はつらいね」紺野はまた笑った。 (2022/3/28 15:29:50) |
. | > | 「わたしは、おばちゃんになった今も聡のことが好きだよ」恵理が言うと「優しい嘘だなぁ、おい」と紺野が言って目を閉じ、恵理は紺野に唇を重ね静かに病室を出ていった。 (2022/3/28 15:30:52) |
. | > | そして、2019年5月17日紺野聡は帰らぬ人となった。 (2022/3/28 15:31:17) |
. | > | 【嘘、其の参】 (2022/3/28 15:31:31) |
. | > | 東山は悩みに悩み抜いて仲間たちとの約束を破って澪に電話をした。「落ち着いて聞いて欲しい。紺野さん死んじゃったんだ。」「うそ?」「いや、昨日息を引き取った。」その時に澪が放った悲鳴は文字では表記できない。 (2022/3/28 15:31:55) |
. | > | 東山が淡々と事の顛末を話すと、澪は「嘘だ!信じない!」と泣き喚いた。その鳴き声に東山の堪えていた感情が全て崩壊した。双方のスマートフォンからしばらく嗚咽だけが聞こえていた。 (2022/3/28 15:32:22) |
. | > | 「俺さ、皆に口止めされていたんだけど、澪ちゃん居ないのは変だと思ってさ、お葬式一緒に行こ。な、一緒に行こ」そこから先は東山も声にならなかった。 (2022/3/28 15:32:53) |
. | > | 電話を切ってから澪が父親に尋ねると父親も全て知っていた。全てを知っていながら平静を装っていた。澪が激昂しても父親は困った顔のまま黙っていた。 (2022/3/28 15:33:10) |
. | > | 葬儀会場は武蔵溝ノ口駅近くの決して豪華な葬儀会場ではないが、集まったのはそうそうたる人達だった。 (2022/3/28 15:33:50) |
. | > | 絶対に泣くなよと父親に釘を刺されていたのだが、澪が泣く前に、多くの中高年男性が泣き、何人かは棺の中の紺野にすがって号泣していた。澪の父親は唇を震わせ肩を震わせ、とうとう涙の表面張力も決壊した。 (2022/3/28 15:34:29) |
. | > | 澪も耐えられず子供のように泣きじゃくった。出棺ですの言葉に皆が泣きながら紺野の名を呼んだ。紺野聡という男が皆に降り注いだ愛がいかばかりのものであったのか。大の男が子供のように泣く姿がそれを物語っていた。 (2022/3/28 15:35:51) |
. | > | 【嘘、其の四】 (2022/3/28 15:36:30) |
. | > | 紺野が余命宣告を受けたことを皆が澪に伏せていたことが澪の中ではどうしても合点がいかないまま時が流れた。勿論、悪いのは誰でもなく、紺野からのLINEを未読にしたままだった自分だ。みんなは他に悩みを抱えていた自分に気を遣って隠していたのだ。それは理解していた。 (2022/3/28 15:36:57) |
. | > | そんな折り、澪の元に紺野の昔の恋人三浦恵理からメールが届いた。澪はまたしても返事を送らなかった。自分でも理由がわからない。紺野のときもそうだったが、返事をしようとすると大袈裟ではなく、呼吸がつらくなるのだ。 (2022/3/28 15:38:10) |
. | > | 『件名;紺野聡追悼ライブについて。本文;ご無沙汰しています。恵理ですよ。澪ちゃん、お願い。スルーしないでね。12月24日に新宿で、紺ちゃんの追悼ライヴをやります。ノギから聞いているかな?是非いらしてください。色々とあなたには謝りたいことばかりです。みんなと会って。お願いだからまた笑って。詳細はクンペイが、発信してます。ギターを持っていらっしゃいな。連絡待ってるからね?』 (2022/3/28 15:39:21) |
. | > | 大好きな女優、余貴美子にそっくりな恵理からのメールは優しかった。その優しさ故にまた泣けた。澪は泣いてばかりだ。 (2022/3/28 15:40:05) |
. | > | クリスマスイブの夜、澪は新宿には出かけた。電車内で紺野に贈る詩を書いた。歌舞伎町をさまよって行くか行かないか迷った。結果、約束の時間を越えて地下のライブハウスの階段を降り、ドアを開けると皆が待っていてホッとしたような顔をした。 (2022/3/28 15:41:10) |
. | > | 恵理が駆け寄ってきて澪を抱きしめた。「メール読んでくれたのね?心配させるな。コラ」しばらく抱擁した後、席に着くと東山が「はなむけに1曲やってあげて」と声を掛けてきた。「わたしは今日はギャラリーで」と丁重に断ると「わかった」と東山が柔和な笑みを浮かべた。 (2022/3/28 15:42:26) |
. | > | ソロデビューしたものの歌謡バンドの一員になってしまった者、地方のFM局のDJになった者、化粧品会社のCM曲だけの一発屋、色々な人が紺野に贈る歌を歌っているのを見ている間に澪も参加してみたくなり、PAの脇に立っていた野際に声を掛けた。「わたしもいいですか?」 (2022/3/28 15:43:29) |
. | > | 野際がニッコリ微笑んでマイクで「え〜、ここで紺野師匠の最後の愛弟子、多岐川澪さんが一曲御出演となりました」とアナウンスするとみんなが拍手をした。 (2022/3/28 15:43:57) |
. | > | 澪は恐る恐るステージに立ち「電車の中で作ってきたばかりです。各駅停車のことだけど、『各停の人』という歌です。」そう言うと深呼吸をしてアカペラで歌った。 (2022/3/28 15:44:18) |
. | > | 急行に乗れば人生の目標に到達出来たのに各駅で人を助けているうちに夢に間に合わなかった男のことを歌った。 (2022/3/28 15:45:04) |
. | > | 決して上手な歌ではない。しかし、信じられないほどの拍手が沸き起こった。次のステージのプロアーティストが「ふざけんなよ!やりずれえなぁ」と暗闇で苦笑いした。 (2022/3/28 15:46:14) |
. | > | 席に戻ると、三人くらいの男が集まってきて「とてもよかったよ!」と褒めてくれた。澪が「嘘だぁー」と笑った。 (2022/3/28 15:47:12) |
. | > | 【嘘、其の伍またはその後】 (2022/3/28 15:47:32) |
. | > | 「コロナが終わったらまたやろう!」「今、大阪。東京に戻ったら一緒にやろう!但し君は前座だ!(笑)」「またやろう」こんな内容のLINEが澪のところにいくつか届いていた。 (2022/3/28 15:48:00) |
. | > | 澪の気持ちは少し落ち着いていた。紺野聡の妻から紺野の愛機、ギルドD50というとてつもなく重たいアコギをプレゼントされ、それを時折りケースから出しては慈しむように抱いたりしていた。 (2022/3/28 15:48:42) |
. | > | 春も近づきつつある或る夜、 (2022/3/28 15:49:23) |
. | > | ベッドに入り、何の気なしに紺野にLINEを送ってみた。「紺野さん、通じるわけないけれど、色々とありがとうございました。数々の不義理ごめんなさい。あの頃わたしは鬱状態だったんです💦会って話したいことが沢山あるんです。一度くらいそちらに行きたいです。本当にありがとうございました。大好きでした。もう通じるわけないのにわたしバカだよね。」 (2022/3/28 15:50:29) |
. | > | しばらくすると暗闇にスマートフォンの画面が灯った。 (2022/3/28 15:50:55) |
. | > | 驚いて見てみると、返信が来ていた。 (2022/3/28 15:51:11) |
. | > | 「通じてんぞぉ!久しぶりだな。何言ってんだぁ?まだこっちに来るのは早いだろ!このやろー!(笑)!ま、俺の分まで長生きしてくれな。ありがとうな。お前と遊んでる時楽しかったなぁ〜😊遠い先になるけれど、また会おう!またな!👼」送り主は紺野の妻か娘なのだろう。まだスマートフォンの契約を切っていなかったのだろうか?だが、送り主が誰なのか、それを確かめるのは無粋だと思った。ただ、この粋な嘘に澪はまた泣いた。 (2022/3/28 15:52:16) |
. | > | 天国の住民から届いたLINEは、それが最初で最後だった。 (2022/3/28 15:52:55) |
. | > | 『遅すぎた返事』作;ことね (2022/3/28 15:54:07) |
. | > | 長くてすみません💦 (2022/3/28 15:54:16) |
. | > | 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 (2022/3/28 15:54:29) |
おしらせ | > | .さんが退室しました。 (2022/3/28 15:54:34) |
おしらせ | > | 石川抱く僕さんが入室しました♪ (2022/4/1 08:44:53) |
石川抱く僕 | > | 🅰️ (2022/4/1 08:45:00) |
石川抱く僕 | > | 精一杯背伸びして、ありったけの金を全部つぎ込み、武具に替えた。 (2022/4/1 08:46:14) |
石川抱く僕 | > | 先日しがない粉挽きの親父も死んで、上の兄貴達が財産と職を良いように切り分けると、ミソッカスの俺はなけなしの金だけ手にして家を出るしか生きていく術は無いのだ (2022/4/1 08:49:00) |
石川抱く僕 | > | もっとも、俺自身はこの社会の仕組みの中でそんな自分と家族の将来はとうの昔に理解して居たから、子供の頃にはこんな田舎街を出て、一旗上げる気概を持って生きてきたし、準備も怠らなかった。 (2022/4/1 08:51:55) |
石川抱く僕 | > | まだまだどの領地でも戦乱の煙が燻り、野心を持ち時の趨勢さえ合えばいつでも戦争を起こす気運がこの国では至る所にある。 (2022/4/1 08:53:27) |
石川抱く僕 | > | 俺は親父の仕事を手伝い、ほんの僅かな小遣いでも貯めつつ、ハードな体力勝負の仕事に励んで身体を鍛えに鍛えた。 (2022/4/1 08:55:20) |
石川抱く僕 | > | その成果が結実し、鏡の前には実に頼もしい、凛々しい歴戦の騎士が笑みをこぼしているでは無いか。 (2022/4/1 08:57:22) |
石川抱く僕 | > | これならば、どの領主でも俺に興味を引くに違いない。その自信がより一層背伸びした俺をより大きく見せていた。 (2022/4/1 08:58:54) |
石川抱く僕 | > | 案の定、最初に尋ねた領主のラインハルト王には直ぐに気に入られ、その場で騎士として抱えられることとなって俺は内心ほくそ笑んだ。 (2022/4/1 09:01:16) |
石川抱く僕 | > | 末っ子特有の世渡りの旨い空気の読みと、天性の社交的な饒舌さも持ち合わせた俺は、歓迎会の食事の席で王族や騎士仲間達は勿論、なんと王女のメルセデスの心も掴み取り、俺は完全に主役となり得たのだった。 (2022/4/1 09:04:57) |
石川抱く僕 | > | 片田舎で粉挽きの息子だった俺など誰も想像すらしていない。今日はエイプリルフールだし、神も許すだろう。酒でさらに饒舌になった俺は、周りの反応を見つつ、次々と武勇伝を仕立てて脇役達の目を光らせ、驚愕と尊敬のBGMをそのポカンと開いた口から奏でさせた。 (2022/4/1 09:09:17) |
石川抱く僕 | > | こうして宴も大いに盛り上がって、いよいよお開きと言うところで、羨望の眼差しをしたラインハルト王が俺の元へ来てこう言い放った。 (2022/4/1 09:11:33) |
石川抱く僕 | > | 「諸君!ご覧の通りのこの立派な騎士ヴォルフは、神が世に与え給うた福音であろうぞ!隣国の怒れる竜騎士、シャルルとの国を挙げての威厳をかける公開決闘を明日にして突如現れたのが何よりの証である!」 (2022/4/1 09:17:33) |
石川抱く僕 | > | どぉーっと、屋敷全体が震えるような歓声が上がる。 (2022/4/1 09:18:06) |
石川抱く僕 | > | 「これまで幾人もシャルルに討ち取られ散々と辛酸を舐めて来たが、明日は遂に奴の首を晒す事になるであろう!何せシャルルが倒せなかったヒドラを倒した勇者が、ここに居るのだから!」 (2022/4/1 09:21:38) |
石川抱く僕 | > | 再び湧き上がる歓声がかすれて聞こえるくらい、動揺し、酔いとは無関係にぐらぐらと揺れる体と、激しく鼓動する心臓に脂汗を流しながらこれまでの人生を省みていた。 (2022/4/1 09:25:12) |
石川抱く僕 | > | 背伸びしすぎて買ったヒドラの鱗の帷子を酒の勢いと饒舌で世渡り上手な俺が、退治した戦利品にしてしまった事を後悔している。いや、それだけではない。粉弾き小屋の水車でおった古傷や縫い傷など、幾つも武勇伝のネタに化けさせてしまった事など挙げたら、今夜一晩の事だと言うのにそれでもキリがない。 (2022/4/1 09:29:50) |
石川抱く僕 | > | 明日はきっと、ここで俺に祝福を与え、身につけた貴金属を握らせ、娘を使って婿にさせたい者や自ら抱かれたい熱い目をした者達全ての希望と期待を一瞬で打ち砕くだろう事は絵に描くより明らかだ。何せ俺は剣術も槍術も、弓矢でさえもろくに触った事すら無いのだから。 (2022/4/1 09:34:13) |
石川抱く僕 | > | もっとも戦争が起こりえなそうな弱国に行き、先ずは高い報酬で召し抱えられ、適当にそこで初めて騎士の修練をし、こっそりと騎士としてのキャリアを積んでからまた諸国を世渡りするつもりだったのだが、まさか【戦争する国力が無い国同士の代理戦争である決闘】があるなんて。そしてそれが明日だとは。 (2022/4/1 09:40:01) |
石川抱く僕 | > | ここに至るまでの人生の分岐点をなぞっては後悔してみても、既にもう遅すぎた。 (2022/4/1 09:40:59) |
石川抱く僕 | > | 🅱️ (2022/4/1 09:41:24) |
石川抱く僕 | > | 貴方はいつも笑うから、私は直ぐに恋に落ちてしまったのだけれど・・・・・。 (2022/4/1 09:42:27) |
石川抱く僕 | > | お父様の前に謁見に参上した貴方の逞しく凛々しい姿に胸を高まらせ、晩餐会ではその武勇伝にそぐわぬような明るくて人懐っこい、キラキラと溢れさせる笑顔に、私はすっかり魅了されましたのよ。 (2022/4/1 09:45:51) |
石川抱く僕 | > | お父様もそんな私に気がついて、公開決闘の後にメルセデスの婿として、そして世の後継ぎとして内外に発表しようとまで仰って下さったのに。 (2022/4/1 09:47:58) |
石川抱く僕 | > | ヘラヘラと饒舌な男なんて信用ならぬ、もう信じてはいけないのだと、ここで決闘を見守った全ての人が思い知らされただろう。 (2022/4/1 09:49:55) |
石川抱く僕 | > | それは当然、開始早々何の見せ場もなく、ただオロオロと逃げ惑い、許しを乞い、瞬殺であっけなく見苦しい最後を遂げたヴォルフの屍を苦々しい思いで片付けさせ、敗戦によりまた領地の一部を敵国に譲る署名にサインするラインハルト王も (2022/4/1 09:55:26) |
石川抱く僕 | > | 魂の抜けたような呆れ果てたメルセデス王女も例外でなく、より一層強くそう思い知らされた。 (2022/4/1 09:57:32) |
石川抱く僕 | > | (2022/4/1 09:57:40) |
石川抱く僕 | > | (2022/4/1 09:57:42) |
石川抱く僕 | > | (2022/4/1 09:57:43) |
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2022年03月16日 20時29分 ~ 2022年04月01日 09時58分 の過去ログ
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